« 土肥金山の耳かき -静岡県伊豆市- | トップページ | 群馬の食文化の特徴を探る(4) -「子供洋食」と「ミックス ポテト入り焼きそば」- »

2017年5月 6日 (土)

群馬の食文化の特徴を探る(3) -スバル最中,コロリンシュウマイ,花ぱん,アイスまんじゅう,食文化を通じた地域の研究-

 2017年5月4日から5日にかけて,広島空港と成田空港に就航しているLCCを利用し,北関東へ行ってきました。

 LCCに乗って成田空港へ行ってみたいと思ったからです。

 成田空港に着いた後にどこへ行こうかと考えた結果,多くの興味深い食文化がある群馬県を再び訪問し,群馬県を起点に北関東を旅してみようと思いました。

 群馬の誇る郷土料理や郷土菓子について,これまで御紹介してないものを中心に御紹介したいと思います。


伊勢屋の「360焼き」・「スバル最中」・「THEスバル」(群馬県太田市)

 成田空港に着いて,京成電鉄成田スカイアクセス線,JR武蔵野線,東武鉄道伊勢崎線と乗り継いでたどり着いた最初の街が群馬県太田市です。

 太田市はスバルの拠点であり,本工場(群馬製作所)がある街です。

(「伊勢屋」)
Photo

 伊勢屋は東武鉄道太田駅近く,本工場(群馬製作所)の向かいにある和菓子屋さんです。

(「スバル最中」(包装))
Photo_2

(「360焼き」・「スバル最中」・「THEスバル」)
360

 写真左上が「360(サブロク)焼き」で,「スバル360」の形をした白あんの饅頭です。

 続いて写真右上がお店の看板銘菓「スバル最中」で,「レガシイB4」の形をした小豆あんの最中です。

 最後に写真下が「THEスバル」で,瓦せんべいです。

 お店の方にスバル最中について伺ったところ,10年ぐらい前のレガシイB4がモデルになっているとのお話でした。

 まさに今,私が乗っている車です(笑)。

 このお菓子の感想に多くの言葉は要りません。

 ただ一言,「スバルしい(素晴らしい)」。


「コロリンシュウマイ」(群馬県桐生市)

 太田駅から桐生線に乗り換え,東武鉄道相老(あいおい)駅で下車しました。

 駅から約15分歩いたところに「コロリンシュウマイ」のお店があります。

(コロリンシュウマイ店舗)
Photo_3

 その場でいただくこととし,5個入りを注文しました。

(「コロリンシュウマイ」)
Photo_4

 しばらく待つと,蒸されて半透明になったコロリンシュウマイを出していただきました。

 青のりをかけ,ゆるめのソースをつけながらいただきます。

 その形からシュウマイと名付けられていますが,中に具が入っている訳ではありません。

 じゃがいも,じゃがいものでんぷん,玉ねぎが主な材料なので,食べるとほのかにじゃがいもの香りがします。

 でんぷんによる,むっちり,プルンとした独特の食感をソースの味とともに楽しむことができました。


花ぱん(群馬県桐生市・みどり市)

 相老駅から「わたらせ渓谷鐡道」に乗って,桐生駅へ向かいました。

(わたらせ渓谷鐡道(相老駅))
Photo_5

 ディーゼル車で,プレートに富士重工(スバル)製とありました。

 桐生駅構内にある「桐生観光物産館わたらせ」では,桐生市やみどり市の特産品が幅広く販売されています。

 私はここで「花ぱん」と「アイスまんじゅう」を購入しました。


 「花ぱん」は桐生市やみどり市で昔から作られている郷土菓子です。

(花ぱん(包装))
Photo_6

 材料の小麦粉,砂糖,鶏卵を練って焼き上げ,砂糖がけ(アイシング)した昔ながらの素朴なお菓子です。

(花ぱん)
Photo_7

 固く焼き上げた甘食,駄菓子のたまごパン,または佐賀の銘菓「丸ボーロ」に似ていると思います。

 砂糖がけの強い甘味が,子供に人気で,大人も労働の疲れを癒してくれることでしょう。


アイスまんじゅう(群馬県桐生市)

 続いて,桐生市の「シロフジ製パン所」の「アイスまんじゅう」です。

(アイスまんじゅう(包装))
Photo_8

 さすがにアイスのままで広島まで持って帰れないので(笑),桐生のホテル内で撮影し,いただきました。

 ちなみに,背景の敷物は「桐生織」で,細かい紋様までとても美しく作られていたのが印象的でした。

(アイスまんじゅう)
Photo_9

 ずんぐりしたロケットのような形をしています。

 ミルクアイスの中に小豆のあんこが入っており,まんじゅうのようなアイスとなっています。

(アイスまんじゅう(中身))
Photo_10

 あんこはこしあんで,すっきりした味わいのあんこと濃厚なミルクアイスがうまく調和していました。


食文化を通じた地域の研究

 群馬県桐生市や太田市は繊維産業や輸送機器産業で発展してきた地域で,両市には桐生高等染織学校を前身とする群馬大学工学部のキャンパスがあります。

 今回御紹介した料理やお菓子は,いずれもその地域の特色や育まれてきた食文化が色濃く反映された食べ物だと言えるでしょう。

 浅間山や赤城山など火山の影響を受けた「関東ローム層」により畑作が中心となったことから,じゃがいもや小麦が食材の中心となり,明治以降の近代化に合わせるように和洋折衷や「洋食」としてのソースが好まれるようになり,職人さん中心の地域であるがゆえにボリュームも重視される必要があったと説明することが出来るでしょう。

 このような地域特性を把握すれば,一見珍しく思える食文化も,実は生まれるべくして生まれ,育まれてきた食文化であることが御理解いただけるかと思います。

 その地域の食文化を調べることで,その地域について理解を深める。

 こうした観点からフィールドワークを行い,地域を研究する手法もあるのです。

 私が学んだ経済学の分野で言えば,地域経済学などの分野で応用出来るのではないかと思います。


<関連記事>
群馬の食文化の特徴を探る(1) -群馬県桐生市のソースカツ丼・ひもかわ-

群馬の食文化の特徴を探る(2) -桐生市「子供洋食」からわかる群馬の食文化-

« 土肥金山の耳かき -静岡県伊豆市- | トップページ | 群馬の食文化の特徴を探る(4) -「子供洋食」と「ミックス ポテト入り焼きそば」- »

日本各地の食文化」カテゴリの記事

コメント

おはようございます!
スバル最中、煎餅。とても、スバルしい~^^子供受けしそうo(*^▽^*)o
シュウマイは・・なんじゃ~この見た目は~と食べたことないし未知じゃ~
花パンは~そうだね。多分、どこにでも、ある懐かしい感じがします。
同じようなのがある。そうそう、甘食。
アイスまんじゅうは~普段、どこにでもあるアイスまんじゅうとは
ちと、違うのかな~可愛い感じがしますね~
いやぁ~実に面白いです(笑)

一瞬「ロリコン」シュウマイに見えてしまって、
そんなのあるのー?!と驚いちゃいました(笑)
でもいわゆるシュウマイとは全然違うんですね~。
群馬の食文化はなかなか個性的な感じ?

ヒナタ 様

おはようございます!
群馬にはたくさん面白い食べ物がありますよ。
スバル最中,職場のお土産用に買いました。まさに私が今乗ってる車ですから,スバルしいとしか言えません(笑)
シュウマイはでんぷんを蒸したものなので,例えるなら,かためのわらび餅にソースを漬けて食べるような感じです。
花ぱんはかたく焼き上げた甘食の砂糖がけですね。
アイスまんじゅう,桐生だけじゃなく全国で売られてるようですね。言われてみれば…おっしゃるとおりです。まぁ,桐生の名物ですから。
これはスゴイと思って,私の歯形が写ったアイスまんじゅうの写真も掲載しました(笑)

chibiaya 様

やめてくださいよ~!
ロリコンシュウマイにしか見えなくなっちゃった(笑)
冗談はおシュマイにして,コロリンシュウマイは,形がシュウマイですね。
これは私の想像の話でしかありませんが,内陸部では洋食=ソースのイメージが強く,昔は大都市のように容易に洋食や中国料理が食べられた訳ではありませんから,地元の食材を工夫して,洋食や中国料理をイメージする料理が作られたのではないでしょうか。
桐生では,地元で採れたじゃがいもをシュウマイの形にすることで中華風にし,それを洋食をイメージするソースにつけて食べることで,異国の文化漂うモダンな料理を作り,食を楽しまれたのではないかと思うのです。
過去に御紹介した桐生の「子供洋食」もしかりです。
こんな文化的背景まで考えると,食の世界も楽しいですね!

コウジ菌さん こんにちは!
先日、私の足利の記事にコメントいただき有難うございました。
私が藤を観ている間に、コウジ菌さんはこんなに楽しい旅をされていたんですね。
今度、北関東に行く時は、この記事を参考にしたいです。

Khaaw 様

こんにちは。コメントいただき,ありがとうございます!

Khaawさんの足利の記事を拝読した時,「お近くにいらっしゃったんだ!」と親しみを感じました。
また,今回の藤はもちろん,Khaawさんの撮られた花の写真はとてもきれいなので,写真で構図などを勉強させていただいております。

次回,北関東を御旅行される際の参考にしていただけたら幸いです。

そうそう,前回バスで東京湾アクアラインを渡った際,海ほたるで,Khaawさんのブログで紹介された千葉・保田漁協のお食事処「ばんや」のパンフレットがありましてね。Khaawさんの記事が頭に浮かびましたよ。次は私が行く「ばんや」ってコメントした事も(笑)。いつか行きたいです。

また楽しい情報があれば教えてください!

こんにちは。
この包装紙のアイスまんじゅう。子供の頃東京で売ってたと思うな。
多分。当時10円(笑)

じもん 様

こんにちは。
コメントいただき,ありがとうございます!

へぇー,アイスまんじゅう,東京でも売られてたんですか。
アイスまんじゅう,かつては全国で売られてたけど,今となっては,桐生のシロフジ製パン所など限られたお店でしか販売されてないので,懐かしくて人気があるのでしょうね。

桐生は,JR両毛線,東武鉄道,わたらせ渓谷鉄道,上毛電気鉄道と4つも鉄道が走っており,鉄道ファンとしても魅力の地だと思います。
機会があれば,桐生へお出かけください。
アイスまんじゅうを10円では買えませんが(笑)

こんにちは。
昔の事なので、間違っているかもしれませんが、あの包装紙はそうだと思うなー。
桐生、良い所ですよね。両毛線はいい路線だー。
行くなら東武に乗って、上毛電気鉄道に乗り換えがいいかなあ。

じもん 様

こんにちは!

アイスまんじゅうの包装紙,富士山や海が描かれていて,銭湯で定番の絵にも見えますが(笑),確かに昔から変わらないデザインなのでしょうね。

茨城にお住まいのじもんさんなら,水戸線,両毛線で桐生へ行かれるのが一般的だと思いますが,だからこそ東武鉄道や上毛電気鉄道に魅力を感じられるのかも知れませんね。

広島に住む私は,どの列車乗っても珍しくて楽しいですよ!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 土肥金山の耳かき -静岡県伊豆市- | トップページ | 群馬の食文化の特徴を探る(4) -「子供洋食」と「ミックス ポテト入り焼きそば」- »

最近のトラックバック

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ