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2017年5月25日 (木)

茨城県水戸市「黄門そば」のけんちんそばと我孫子駅「弥生軒」の唐揚げそば

 今回は,関東で有名なボリュームたっぷりのそばを御紹介します。


けんちんそば

 群馬県桐生市からJR両毛線で栃木県足利市・栃木市を訪問した後,小山駅からJR水戸線に乗り,茨城県水戸市を訪問しました。

(水戸駅前)
Photo

 水戸は,水戸黄門こと水戸藩主 徳川光圀をはじめ,徳川斉昭,徳川慶喜などの名君を輩出した水戸藩の城下町として栄えた街です。

(水戸駅前「水戸黄門と助さん格さん像」)
Photo_2

 水戸を中心とした茨城の郷土料理「けんちんそば」。

 全国的にはあまり知られてない料理ですが,地元の人達に愛されている郷土料理です。

 水戸在住のグルメや鉄道にお詳しい読者の方から,けんちんそばや後述の唐揚げそばの魅力を教えていただいていたこともあり,いつかいただいてみたいと思っていた料理です。

 そんなけんちんそばをいただきに,水戸駅から銀杏坂(国道50号)を少し上がったところにある「黄門そば」を訪問し,けんちんそばを注文しました。

 しばらく待っていると,山盛りのそばとけんちん汁がセットで提供されました。

(「黄門そば」のけんちんそば)
Photo_3

 すごいボリュームです。

 大きなザルに山のように盛られたかなり太めのそば。そして,大きめの丼によく煮込まれた具だくさんのけんちん汁のセットです。

 念のためにお店の方に食べ方を伺ったところ,そばをけんちん汁につけ,白ネギをかけていただくとのお話でしたので,そのようにしていただきました。

 けんちん汁につけていただくので,「つけけんちんそば」とも呼ばれています。

(けんちん汁にそばをつけた様子)
Photo_4

 けんちん汁の具が丼の中に一杯入っているので,そばを入れても中に沈みません(笑)。

 甘めの濃い醤油のつゆとそばがよく合います。

 麺はうどんに近いほど太く,箸で持ち上げるとずっしり重いです。

 メニューにはそばの大盛も用意されていますが,こちらは約1kgもあるそうです。

 けんちん汁の具は,大根,里芋,人参,ごぼう,厚揚げ,豆腐,こんにゃくで,全て大きめに切られ,褐色になるほどよく味が浸み込んでいます。

 そばとけんちん汁の具を交互にいただいたのですが,いずれも量が多いので,完食するまでに時間がかかりました。

 「もういいでしょう。」

 無事食べ終えて箸を置き,このセリフが出たのはお店に入ってから約45分後でした。

 完全に黄門そばにひれ伏しました。
 大満足でお店を後にし,次の地へ漫遊することとしました。


我孫子駅「弥生軒」の唐揚げそば


 続いて水戸駅からJR常磐線に乗り,千葉県我孫子市の我孫子駅へ行きました。

 この我孫子駅のホームに「弥生軒」という鉄道ファンの間で有名な駅そば屋さんがあります。

(我孫子駅「弥生軒」)
Photo_5

 かつて画家の山下 清さんも働いておられた「弥生軒」。
 このお店の看板商品「唐揚げそば」をいただきました。

 注文は食券制で,鶏の唐揚げは1個入りか2個入りか選べるのですが,広島に住む私はせっかくの機会で,次にいつ来れるかもわからないので,「唐揚(2ケ)そば・うどん」の食券を買い,注文しました。

 お店の方に食券をお渡しして間もなく,唐揚げそばが提供されました。

(唐揚げそば(2個入))
Photo_6

 噂どおりすごいボリュームです。

 そばにのせられた鶏の唐揚げが大きすぎて,丼からはみ出しています。

 そばつゆは,鶏の唐揚げのわずかなすき間からかけておられました。
 まともに唐揚げの上からつゆをかけると,唐揚げに遮られ,ほとんどが丼の外にこぼれてしまうからです。

 今回の唐揚げそばは,鶏の唐揚げが川の字に3個入っていました。

 鶏の唐揚げ1個は,約170gなのですが,大小の差が生じるため,小さめのが揚がると,「ニコイチ」(2個で1個扱い)にするのもお店の心意気なのだそうです。

 お店の心意気をありがたく感じながら,唐揚げそばをいただきました。

 鶏の唐揚げは,カリカリに揚がった醤油味の竜田揚げで,そのままでも美味しくいただけます。

 実際,この唐揚げを単品のお持ち帰りで注文されている方も多くおられました。

 また,そば抜きで,唐揚げ単品につゆをかけもらっていただくこともできます。

 そしてメインのそばは…唐揚げが大きいので,まずは唐揚げをある程度食べてからでないとそばまでたどり着けませんでした。

(唐揚げそば(そばとつゆ))
Photo_7

 そばは白くて太めの麺です。醤油の色が濃いつゆは,関東ならではの味です。

 どっしりとしたそばなので,そばも食べ応えがありました。

 店内は限られたスペースしかないので,食べ慣れた人はホームのベンチに持って行って食べておられました。

 野に咲く花のように,行き交う人々を和やかにしてくれるお店だと思いました。

 我孫子駅はJR常磐線とJR成田線との乗り換え駅なので,JR成田線が発車する待ち時間にこのお店を利用される方も多いようです。

 私も唐揚げそばでしっかり腹ごしらえした後,JR成田線に乗り換えて成田空港へ向かい,成田空港から広島空港行きのLCCに乗って広島に戻りました。

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コメント

こんにちは。
来水ありがとうございます。
「黄門そば」、あそこは茨城の中でも田舎蕎麦、の部類に入りますかね。
最近は洗練された蕎麦屋が多いので、貴重かもしれません。
盛りはいいですよー。大盛り頼まなくて良かったと思います(笑)普通盛りであれですから。
そして「弥生軒」、しかも唐揚げ2つ入りですかあ。大食い選手権をやっているみたい。
でも、満足頂けたみたいで嬉しいです(^^)

ケンチン蕎麦ってつけ麺なんですね^^
でも、美味しそう(笑)
駅そばもこの、から揚げは~何じゃ~??(笑)
そうですね。私も、高校の時は、駅のベンチで食べてた(笑)

おお!ソバだけじゃなくて具の気前さもやっぱり違うな~

じつの所、SOBAと呼んでいいか迷う程の低品質の物ならば

2トンほど栽培したことがあるんですが

普段、まったくという程に食べないソバ、その私から見ても

江戸のソバは疲れ切っていたように見える(笑)

じもん 様

こんにちは。
早速コメントいただき,ありがとうございます。
今回の記事は,じもんさんからいただいた情報が全てです。
心からお礼申し上げます。

水戸のけんちんそばの魅力を教えていただき,ありがとうございました。
「黄門そば」は,そば殻入りの太い田舎そばで,とても食べ応えがありました。
実は,注文した後で「大盛りにしておけばよかったかな」とも思ったのですが,出されたそばの量を見て「普通でよかったな」と思いました(笑)。
時間が限られていたので,水戸ではこのそばを食べ,水戸駅ビルでお土産買うのが精一杯でしたが,行き帰りの電車から眺めた偕楽園や千波湖の光景は忘れられない思い出となりました。

「弥生軒」の情報もありがとうございました。
鉄道ファン,グルメには外せない店と伺ってましたし,帰りが成田空港発だったので,よい機会でした。
唐揚げ,本当に大きいですね。こちらも驚きました。

どちらもとても魅力あるそばなのですが,同じ日に両方食べるというのは,結構大変ですね…。

この度は大変お世話になりました。

ヒナタ 様

コメントいただき,ありがとうございます。

茨城のけんちんそばはつけ麺です。
でも,今回のお店のそばは,けんちん汁だけ,またはざるそばだけでもそれぞれ1食分ありました。
甘辛い汁やよく浸み込んだ具と一緒にそばを食べるとおいしかったです。

駅そば,唐揚げが大きすぎてふたのようになり,中のそばが見えませんでした(笑)。
そばが食べられるようになるまで,相当な量の唐揚げを食べました。

ベンチに座って食べておられた方,多かったですよ~。
食べ慣れておられるなと感心しました。
中高生や鉄道ファンを中心に,とても人気があるようです。
ヒナタさんも,駅そばの思い出がおありなんですね。
私も塾に通ってた頃,広島駅でよく食べました(笑)。

tomo 様

コメントいただき,ありがとうございます!

へぇ~,tomoさんはそばも栽培された事がおありなんですね。しかも2トンも!!
本当のそばを御存知だからこそ,市販のそばは3年に1回程度しか召し上がらないのだろうなと思いました。
私ごときのそばの味覚とはレベルが違い過ぎます!(笑)。

先日,東京に行かれた時のそばは疲れ切ってましたか(笑)。
確かに,関東はうどんよりそばの文化ですから,質や量,味もそれだけ幅広いのでしょうね。

今回いただいた2種類のそばも,メインがそばと言うよりは,けんちん汁や鶏の唐揚げと言った方がいい,珍しいそばでした。

私は…疲れ切ったそばも,それはそれで親近感があるので,好きです(笑)。
心身共に疲れ切った時,疲れ切ったそばに疲れ切った天ぷらをのせて食べると,幸せな気分になります(^^)v

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