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2017年8月

2017年8月27日 (日)

ギリシャ料理の特徴と主な料理1 -サガナキ・ホリアティキ・スブラキ・ムサカ・マスティクア-

ギリシャ料理の主な特徴

 エーゲ海のおよそ3,000もの島によって構成されるギリシャは,地中海文明の中心地として,ヨーロッパ,アフリカ,アジアの文化や歴史に大きな影響を与えてきました。

 ギリシャの食文化の中心をなす食材はトマトとオリーブで,1人あたりの消費量がともに世界トップクラスとなっています。

 ギリシャ料理の主な特徴としては,

(1)トマトやオリーブ油がよく使われる。
(2)トマトで煮込んだり,味付けの濃い料理が多いが,香辛料はあまり好まれない。
(3)仔牛肉,仔羊肉,鶏肉,タコ,イカ,ジャガイモ,ナス,キュウリ,ピーマン,きのこをよく用いる。
(4)海洋国であり,魚介類が豊富でよく食べられる。

 ことなどが挙げられます。

 今回は,ギリシャの代表的な料理をいくつか御紹介したいと思います。


サガナキ

 サガナキは,ハルミチーズの鉄板焼きです。

 「ハルミチーズ」は,山羊乳と羊乳から作られるセミハードタイプのチーズで,キプロスが原産とされています。

 とても弾力があるので,少々焼いたぐらいでは溶けることはありません。

 また塩味が効いていることもあり,焼いて食べるのが最も適した珍しいチーズです。

(サガナキ)
Photo_8

 今回のサガナキは,鉄板で焼いたハルミチーズにオレガノがかけられたもので,添えられたレモンを絞っていただきました。

 シコシコ,モギュモギュとした鶏のささみのような独特の食感で,比較的あっさりした塩味のチーズなので,チーズが苦手な方でも食べやすいと思います。


ホリアティキ

 「ホリアティキ」はギリシャ風サラダのことで,直訳すると「田舎風・自家製サラダ」という意味です。

 「フェタチーズ」と呼ばれる山羊乳や羊乳を使ったギリシャの代表的なチーズや,オリーブの実が使われることに特徴があります。

(ホリアティキ)
Photo_2

 賽の目に切ったフェタチーズ,カラマタ産のオリーブ,レタス,キュウリ,赤玉ねぎ,トマト,パプリカで構成されるサラダに,オリーブ油と酢がベースのシンプルなドレッシングがたっぷりかけられ,仕上げにオレガノがかけられています。

 フェタチーズは,先程御紹介したハルミチーズとは対照的に,粉チーズを押し固めたかのような,フォークでつつけばポロポロ崩れていく繊細なチーズです。

 このチーズは塩味がよく効いているので,塊を崩しながらサラダに絡めて食べるとちょうど良い味付けとなりました。

 これは基本的なホリアティキですが,今回訪問したお店では,夏限定で角切りのスイカ入りホリアティキも用意されていて,ギリシャではスイカ入りも好まれているとのお話でした。


スブラキ

 スブラキは肉の串焼きのことです。

 あらかじめスパイスに寝かせ,マリネした肉を鉄串(スブラ)に刺し,オーブンでじっくり焼いて,仕上げにレモンオイル,胡椒,パプリカの粉末,オレガノなどの調味料を振りかけて作られます。

(スブラキ)
Photo_3

 写真のスブラキは羊肉の串焼きです。

 添えられたレモンをかけたり,写真中央上部の「ジャジキ」と呼ばれるタルタルソースのような白いディップをつけていただきます。

 「ジャジキ」は,ヨーグルトにすりおろしたにんにくや細かく刻んだキュウリを混ぜ,塩,オリーブ油,酢などで味を調えたディップで,ギリシャ料理には欠かせない付合せです。

 このほか,フライドポテトや生野菜も添えられていました。

 いただいてみると,スパイスで十分マリネされているので,串焼きだけでも十分美味しかったですが,レモンをかけたり,シャキシャキのキュウリが入ったジャジキにつけていただくことで,一層味わい深いスブラキを楽しむことができました。

 お店のメニューを見ると,羊肉のほかにも豚肉や牛肉のスブラキも用意されていました。

 実はこのスブラキ,通常は2本で1セットなのですが,1人でいろんな料理を注文しまくる私の様子を御覧になったお店の方の配慮で,半分の1本にしていただきました(笑)。


ムサカ

 ムサカはナス,ポテト,ミートソース,ベシャメルソースの重ね焼きで,ギリシャの代表的な料理です。

(ムサカ)
Photo_9

 メニューを見ると,丸いココット皿で作られたムサカの写真があったので,大して量はないだろうと思い注文したのですが,ココット皿が想像より一回り大きくて深く,立派なメイン料理でした。

 ラザニアとよく似ており,ラザニアに入っているパスタ(ラザニア)の層を野菜に替えた料理を想像していただけると近いかと思います。

(ムサカ(中身))
Photo_5

 今回のムサカの中身を御紹介しますと,まず皿の底に輪切りのジャガイモを敷き,その上にミートソースをかけます。

 さらにその上に輪切りの米ナスを敷き,ミートソースをかけ,その上に輪切りのナスを敷き…という具合に具とミートソースを交互に層状に積み上げていくのです。

 そして最後に全体に行き渡るようにベシャメルソースをかけ,チーズをのせてオーブンで焼かれた料理となっていました。

 ミートソースのグラタンなのでボリュームがあるのですが,輪切りのナスも多いので「これなら何とか食べられそう」と食べ進めていました。
 が,最後に厚みのあるジャガイモの輪切りが登場し,そのボリュームに圧倒されました。

 食べ終えるのに少し時間はかかりましたが,きれいに完食しました。


マスティクア


 お店のメニューに「マスティクア(MASTIQUA)」というスパークリングウォーターが用意されていました。

 メニューの説明には,「ギリシャのヒオス島だけにある「マスティハの樹液」の持つ健康美肌効果は現代科学で次々に証明され,世界中の機関が認めるところとなりました。そのマスティハを使った炭酸水がこのマスティクアです。」とありました。

 ギリシャのヒオス島だけにある…ダメです。私はこういう言葉に弱いのです(笑)。

 マスティハの樹液が入った(炭酸)「水」(アクア)なので「マスティクア」と呼ばれているのでしょう。

 食事中のドリンクとしてこのマスティクアを注文しました。

(マスティクア)
Photo_6

 コップにボトルのマスティクアを注ぎ,ミントを浮かべていただきました。

 甘味も酸味もないスパークリングウォーターなのですが,かすかに薬草のような風味を感じました。

 どこかで飲んだようなことがあるとしばらく考え,思い出したのがお酒のジンです。

 ジンは「ねずの実(ジュニパーベリー)」などの香草が添加された独特の香りがする蒸留酒ですが,その香りに似ているように思いました。

 「ノンアルコールのジン風味の炭酸水」と例えられるかと思いますが,さっぱりとしていてギリシャ料理との相性が良かったです。

 ヒオス島のマスティハのありがたみをジーンと味わいながら,数々のギリシャ料理を堪能しました。


 サントリーニ島を思わせる白と青のインテリアが特徴的なギリシャ料理店「スピローズ」。
 人呼んで「蒲田のサントリーニ島」と呼ばれる楽しいお店で,しばしギリシャ気分を味わうことが出来ました。

 また機会があれば訪問したいお店です。


ギリシャ料理とトルコ料理はよく似ている

 今回ギリシャ料理を味わってみて,気付いたことがあります。

 「ギリシャ料理はトルコ料理とよく似ている」ということです。

 いくつか例を挙げてみますと…

(1)「サガナキ」で登場した独特な食感が特徴の「ハルミチーズ」は,トルコの「ヘリムチーズ」と同じ味・食感。

(2)ギリシャの「スブラキ」は,トルコでは串焼き料理「シシュケバブ」となる。

(3)中東を中心によく食べられている「ピタ(パン)」はギリシャ料理店・トルコ料理店いずれの店にも用意されている。

(4)ギリシャ料理の「ケフテデス」(肉団子)とトルコ料理の「キョフテ」(トルコ風ハンバーグ)は語源も含めてよく似ている。

(5)ギリシャもトルコも米を炒めたピラフ(ギリシャでは「ピラフィ」,トルコでは「ピラウ」と呼ばれる)がよく食べられる。

(6)「バクラバ」と呼ばれる,パイ生地に甘いシロップを浸して作られるとても甘いお菓子は,ギリシャ・トルコに共通するお菓子。

(7)粉状にしたコーヒー豆を煮立たせ,上澄みを飲むコーヒーは地域によって「ギリシャコーヒー」,「トルココーヒー」などと呼ばれるが,要はどちらも同じ飲み物。

 などの共通点が見い出せるのです。

 この理由は,地理にお詳しい方はピンときた方もおられるでしょうが,地図で確かめるとすぐに理解出来ます。

(ギリシャ周辺の地図)
Photo_7
(国土地理院の電子地形図(タイル)に国名・地名等を追記して掲載)
※地図をクリックすると拡大します。

 ギリシャとトルコは隣同士で,ハルミチーズやヘリムチーズの原産地とされるキプロスも両国の近くにあります。

 また,歴史的背景から考えても,かつてトルコが東ローマ帝国の支配下にあった時代や,逆にギリシャがオスマン帝国の支配下にあった時代を経験していることなどから,両国間で食文化の深い交流があり,お互い似たような料理が作られるようになったのでしょう


まとめ

 英語の文章で「It's Greek to me」という慣用句があります。

 直訳すると「私にとってはギリシャ語のようだ」となり,それが転じて「(難解なギリシャ語のように)ちんぷんかんぷんだ」という意味で使われます。

 ギリシャは,ギリシャ語をはじめ,理解することが難しいこともあるとは思いますが,だからこそ誰もが舌で明瞭に理解することのできる食の分野からギリシャを理解するというアプローチも実用的なのではないかと思います。

 ギリシャではカジュアルなレストランやパブのことを「タベルナ」と言いますが,食を通じてその国の文化や歴史を理解したいと思う私なら,真っ先に「タベルナ」へ行き,ギリシャ料理を思う存分食べるなぁ(笑)。


<参考文献>
 岡田 哲「世界の味探究事典」東京堂出版
 「大使館の食卓 おうちで簡単レシピ集」産経新聞出版

<店舗情報>
 「SPYRO’S(スピローズ)」(東京都大田区蒲田5-7-6)

<関連記事>
 「ギリシャ料理の特徴と主な料理2 -ティロピタ・グリークサラダ・ギリシャヨーグルト・フルーツ・ガラトピタ-
 「トルコ料理の特徴と主な料理1
 「トルコ料理の特徴と主な料理2 -神戸・「ケナン」のトルコ料理(前編)-
 「トルコ料理の特徴と主な料理3 -神戸・「ケナン」のトルコ料理(後編)-

2017年8月25日 (金)

韮山反射炉の耳かき -静岡県伊豆の国市-

 幕末に欧米列強に対抗するための軍事力強化の一環として,鉄製大砲などを鋳造するための金属溶解炉として築造されたのが韮山反射炉です。

 韮山代官だった江川英龍(坦庵)が責任者となり,韮山反射炉の築造という一大プロジェクトが進められました。

 ちなみに彼は兵糧食として日本で初めてパンを焼いた人物でもあり,パン業界では「パン祖」として有名な人物です。

 韮山反射炉は,2015年7月に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」に登録されました。

 この耳かきは韮山反射炉に隣接する「反射炉物産館」で売られていたものですが,まさか韮山反射炉そのままの耳かきがあるとは思ってもいなかったので,見つけた時はとても嬉しかったです。

 こうした直球勝負のオリジナル耳かきこそ,ご当地耳かきとして価値の高い一品だと言えるでしょう。

 さらに欲を言えば,韮山反射炉PRキャラクター「てつざえもん」の耳かきにも期待したいところです(笑)。

2202200

 祝 ご当地耳かき掲載200本!

2017年8月14日 (月)

ボルトジンユとスピルリナ

 今回は,健康食品として注目を浴びている「ボルトジンユ」と「スピルリナ」について御紹介したいと思います。


ボルトジンユ

 広島市内のスーパーマーケットの産直市のコーナーで,「ボルトジンユ」と呼ばれるハーブが販売されていました。
 広島県世羅町産(「甲山いきいき村」)です。

(ボルトジンユ(包装))
Photo

 名前からはどんな食べ物なのか推測することは難しいので,説明書きはないかと探してみると,ケースの裏にありました。

(ボルトジンユ(説明書き))
Photo_2

 「奇跡の薬草 糖尿病や高血圧などの生活習慣病やメタボ他にも効能が有ると言われています。お茶で飲んでください。詳しくはネットで検索してみてね。」

 「詳しくはネットで検索」という説明書きが現代風ですが(笑),奇跡の薬草という言葉に引かれて購入してみました。

 次の写真は,パックを開けてボルトジンユを出した様子です。

(ボルトジンユ)
Photo_3

 一枚一枚の葉は,だいたい大人の指先ほどの大きさで,厚みがあります。

 見た目は厚みのあるミントのようです。

 葉を指で撫でてみると,強いざらつき(引っ掛かり)を感じました。これはボルトジンユの大きな特徴だと思います。

 そんなボルトジンユの葉を,2~3枚もいで水で洗い,コップに入れてお湯を注ぎ,ボルトジンユのお茶を作ってみました。

(ボルトジンユ茶)
Photo_4

 とても苦くて渋いお茶に仕上がりました。

 葉にとても強い苦味や渋味があるので,少しで十分なことをこの時初めて理解しました。

 葉に強いざらつき(引っ掛かり)を感じたのも,この強い苦味や渋味の成分によるものなのかも知れません。

 そのあと,何度かお茶を作ってみたのですが,急須に葉を3~4枚程度の量で十分だと思います。

 糖尿病,高血圧,メタボなどに効果があると説明されているだけあって,脂肪を燃やしてくれるような苦味と渋味が感じられました。

 香りは,ドクダミかローズマリーのような薬草・ハーブ独特の香りがしました。

 毎日少しずつ飲むと効果がありそうです。


スピルリナ入りブルークリームソーダ

 山口県岩国市の郊外,延々と蓮根畑が続く一帯の中に岩国市地方卸売市場があります。

 その卸売市場の構内にあるジューススタンド「Vegetrip(ベジトリップ)」で「スピルリナ入りクリームソーダ」というドリンクを見つけました。

 真っ青なドリンクでインパクトが大きかったので,お店の方にスピルリナについて尋ねてみると,今話題のスーパーフードで,青色はスピルリナそのものの色だと教えていただきました。

※スーパーフード:栄養バランスに優れ,一般的な食品より栄養価が高い食品。あるいは,ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品。(「一般社団法人日本スーパーフード協会」の定義を抜粋)

(スピルリナ入りブルークリームソーダ)
Photo_5

 現物も確かに真っ青でした。

 私が思わず「わっ,これは想像以上にスゴイ色だ!」と声を出すと,お店の方が「少しスピルリナ入れ過ぎたかもしれませんね。スピルリナは,藻の一種で,その青い色素は天然色素としてガリガリ君ソーダ味にも使われているのですよ。」と説明してくださいました。

 ネットで調べてみると,確かにガリガリ君ソーダ味は,スピルリナから抽出された青色色素(商品名:リナブルー)で作られていることが理解できました。

 「冷菓に使われている植物うまれの青色着色料「リナブルー」」(DICライフテック株式会社ウェブページ)

 スピルリナは緑色をしていますが,スピルリナの粉末に水を加え,ろ過することによって鮮やかな青色が抽出できるようです。

 さて,実際にいただいてみると…やはり色素なので,それ自体に特徴的な味がある訳ではなく,味は普通のクリームソーダと同じでした。

 ただ,植物由来の着色料なのでそれなりに安心感はありました。

 周りのお客さんからの注目度ナンバーワンのクリームソーダでした。


 「Vegetrip」(山口県岩国市尾津町5丁目11-1 岩国市地方卸売市場)


ベーグル(ケール&スピルリナ)

 ベーグル専門店「BAGEL&BAGEL」でケール&スピルリナのベーグルが販売されていました。

(ベーグル(ケール&スピルリナ))
Photo_6

 商品名がわからなければ,青のりのベーグルと間違えてしまいそうです(笑)。

 スピルリナは,同じ緑色で栄養価の高い野菜であるケール(青汁の原料)と一緒に使われることも多いようです。

 写真のベーグルの緑色の粒子はケールで,スピルリナは生地に練り込まれています。

 実際にいただいてみると,青臭さはなく,ほんのりとケールの風味を感じました。

 ただ,ケールの葉は固いので,刻まれてはいるもののケールの葉のシャキシャキとした食感がありました。

 スピルリナについては,「入っているんだろうな」ぐらいの感覚で,ケールとの明確な判別はできませんでした。

 「BAGEL&BAGEL」のベーグルには,このほかにもチアシード,キヌア,アマランサス,もち麦,豆乳などの健康食品が入ったベーグルが多数販売されており,健康意識の高まりが反映されているように思いました。


 「BAGEL&BAGEL


 スピルリナの加工食品は健康食品コーナーでよく見かけますので,御興味がある方はどうぞ。


まとめ

 ボルトジンユもスピルリナも,それ単体で食べるには無理がありますし,おいしいものでもありません。

 食糧供給が不安定で飢えに苦しむような状況では,まず注目されることのない食べ物だと言えるでしょう。

 現代日本はそれとは逆に高脂肪で,過剰な糖分や塩分を含む食品が数多く出回っており,よほど注意した食生活を送らないと,こうした食品から避けられないのが現状です。

 高脂肪・高カロリーになりがちな食生活を改善するための健康補助食品として,ボルトジンユやスピルリナをうまく利用するのもよいかもしれませんね。

2017年8月12日 (土)

広島のレモン菓子・レモンケーキ6

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」

 広島市東区牛田早稲田の創作菓子処「香る堂春長」の「レモンの花咲くところ」という名前のレモンケーキです。

(香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」(包装))
Photo_4

 ヨハン・シュトラウス2世がイタリアのレモン畑の様子を音楽にした「レモンの花咲くところ」という曲がありますが,その曲名にちなんだレモンケーキなのかも知れません。

 広島県尾道市瀬戸田町の「エコレモン」と国産小麦粉が使用されているのが特徴です。

(香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」)
Photo_5

 涙形か先の尖ったレードル(おたま)の形のような珍しいレモン型で作られたレモンケーキです。

 レモンチョコは上側半分にコーティングされており,落ち着いたベージュに近い黄色をしています。

(香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」(中身))
Photo_3

 ケーキ生地はきめ細かく,さっくりとしていました。

 バター風味も若干ありましたが,細かいレモンピールが入っており,レモン風味を強く感じるケーキでした。


 「香る堂春長」(広島市東区牛田早稲田1丁目5-12)


虎屋本舗「れもんけーき」

 福山の老舗和洋菓子店「虎屋本舗」の「れもんけーき」です。

(虎屋本舗「れもんけーき」(包装))
Photo_6

 このレモンケーキに限らず,「初恋の味」と書かれたレモンケーキが多いような気がします。甘酸っぱいイメージによるものなのでしょうか。

(虎屋本舗「れもんけーき」)
Photo_7

 サイズは横約7.5cm,幅約5cm,高さ約3.5cmです。

 レモンチョコはケーキ生地に均一に,浅めにコーティングされています。

(虎屋本舗「れもんけーき」(中身))
Photo_8

 広島県尾道市瀬戸田町のレモンが使用されています。

 ケーキ生地はバターケーキに近く,バターの風味を感じますが,中にレモンピールが混ぜ込まれており,レモンの酸味がアクセントになっていました。

 昔ながらのシンプルで素朴なレシピで作られたレモンケーキです。


 「虎屋本舗」(広島県福山市曙町1丁目11-18)


洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」

 広島市西区観音本町にある洋菓子店「シナガワ」の「瀬戸のレモンケーキ」です。

(洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」(包装))
Photo

 包装に書かれている「l'utilisation de la matière à un choix rigoureux」はレモンケーキの説明文かと思い,フランス語の辞典を引いてみると,どうやら「厳選された原材料を使用しています」といった意味のようです。

(洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」)
Photo_2

 サイズは横約7cm,幅約5cm,高さ約3cmです。

 レモンチョコが上品にチョコっとだけコーティングされています。こういうコーティングのレモンケーキは初めてです。

(洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」(中身))
Photo_3

 しっとりとしたコクのあるケーキで,レモンの風味を強く感じます。

 これは,ケーキ生地にレモンの皮をすりおろした「レモンゼスト」が入っているからなのでしょう。

 洋菓子の特徴を生かしたレモンケーキだと思います。


 「洋菓子のシナガワ」(広島市西区観音本町1-15-2)


シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」

 呉市焼山北にある洋菓子店「シュクレラボ・ロアジス」の「瀬戸内レモンケーキ」です。

(シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」(包装))
Photo_4

 一般的なレモンケーキはずんぐりした形ですが,こちらは一回り小さめのスマートな形をしており,モダンなレモンケーキに仕上げられています。

(シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」)
Photo_5

 レモンチョコが濃い黄色をしています。

(シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」(中身))
Photo_6

 ケーキ生地の原材料には,サワークリームやアーモンドパウダーも使用されています。

 レモンピールが入れられていることもありますが,ケーキ生地自体にかなり強いレモン風味と酸味を感じました。

 また,濃い黄色のレモンチョコも同様にしっかりとしたレモンの風味が感じられました。

 サイズは小ぶりながらも,まるでレモンを丸ごとかじっているかのような,レモン風味をしっかり感じられるレモンケーキです。


 「シュクレラボ・ロアジス」(広島県呉市焼山北1-9-9)


シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」

 東広島市西条町御園宇にある洋菓子店「シュクレラボ・ガーベラ」の「ハート島のレモンケーキ」です。

(シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」(包装))
Photo_7

 ハート形のレモンケーキです。

 広島のハート島をモチーフにしたレモンケーキですが,ここでこのハート島について少し触れておきたいと思います。

 広島のハート島は,広島県東広島市安芸津町にある瀬戸内海に浮かぶ「小芝島」と呼ばれる小さな無人島で,ハート形に見えることからそう名付けられました。

 詳しくは,こちらのウェブ記事を御覧ください。

 「ハートの島 小芝島を,大芝大橋を渡って見に行ってみる」(「広島ニュース 食べタインジャー」2012年1月17日記事)

(シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」)
Photo_8

 確かにこのレモンケーキは,ハート島の形をしています。

 ハート形を半分に切るというのは,少し抵抗がありましたが,中の様子を確認するため,切ってみました。

(シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」(中身))
Photo_9

 バターケーキの生地で,中にダイス状のレモンピールが入っています。

 レモンチョコのコーティングはありませんが,ケーキ生地にしっかりとしたレモン風味を感じました。

 レモンピールもアクセントとなり,しっかりとレモンの風味や酸味を感じることの出来るレモンケーキです。

 この「ハート島のレモンケーキ」は,JR山陽本線西条駅構内にある「おみやげ街道 西条」でも購入することができます。

 2個1セットで,地元オリジナルの洋菓子なので,お土産にしても喜ばれると思います。

 「シュクレラボ・ガーベラ」(東広島市西条町御園宇6225-1)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「レモンケーキとブランデーケーキ -レモンケーキが今も支持されている理由-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ1 -和菓子から生まれた日本独自の洋菓子-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ2 -レモンケーキの分類方法-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ3
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ4
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ5 -レモンブラン-

2017年8月10日 (木)

さくらんぼの耳かき -山形県米沢市-

 山形はさくらんぼの生産量が日本一です。

 「佐藤錦」,「紅秀峰」,「紅さやか」,「紅きらり」,「ナポレオン」など様々な品種が栽培されています。

 お土産屋さんに行くと,さくらんぼのお菓子やグッズも数多く販売されています。

 私が山形のお土産品を見て回った際に印象深かったのは,さくらんぼと同じぐらいラ・フランス(洋梨)のお菓子やグッズも数多く販売されていたことです。

 山形にはいろんな種類のご当地耳かきが販売されていますが,さくらんぼと同様,ラ・フランス(洋梨)のご当地耳かきもセットで販売されていると楽しいでしょうね。

 このさくらんぼの耳かきは,実,柄,葉っぱがカラービーズで作られています。

 この耳かきを購入した際,お店の女性店員から「おしょうしな~!」(米沢の方言で「ありがとう」の意味)と言っていただきました。

 方言っていいなと心から思った瞬間でした。

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2017年8月 6日 (日)

被爆72年を迎えたヒロシマ

 1945年8月6日8時15分。

 広島に原子爆弾が投下された日時。

 広島が一瞬にして焼け野原になり,ヒロシマに変わった瞬間…。

(原爆ドーム)
Photo

 広島で生まれ育った私は,今日まで平和学習などを通じて多くの被爆写真,被爆映像,被爆資料,被爆体験などを見たり聞いたりしてきた。

 それらの記憶は今も私の脳裏に焼き付いている。そして,多分一生記憶に留まるだろう。

 それくらい私にとって強烈で,この世の何よりも恐ろしい出来事だ。

 だから,いい歳した大人になった今でも,これらの被爆資料を見ることができない。

 被爆体験の話になると,耳をふさぎたくなる。

 誇りに思っている広島を案内する際でも,広島平和記念資料館に行くことだけはためらってしまう。

 情けない限りだが,それほど広島の人間は,様々なとらえ方があるにせよ,原爆について何らかの強い意識を持っていることは確かだ。

 あの日から今日で72年。

 私の中では,こんなに悲惨な,想像を絶する出来事があったのが「わずか72年前」だったという感が強い。

 あの日以降,広島は見事に復興し,日本有数の都市として発展してきた。

(原爆ドームと広島市街)
Photo_2

 二度とあの日のような過ちは繰り返してはならないと思う。

 それは理想論などではなく,私の脳裏に焼き付いた,消し去り難い記憶が自然とそう思わせるのである。

2017年8月 2日 (水)

神話の里 宮崎の耳かき -宮崎県宮崎市-

 宮崎は日本神話発祥の地として有名です。

 この耳かきの神様は,三種の神器である草薙(くさなぎ)の剣を手に持ち,勾玉(まがたま)の首輪をかけています。

 台紙に描かれた天狗のような神様はサルタヒコ(猿田彦)だと思います。

 そう考えると,この耳かきの神様は,アマテラスの命で高天原(たかまがはら)から日向国(ひゅうがのくに)に天下った(「天孫降臨」された)ニニギノミコトなのでしょう。

 このニニギノミコトのほかにも,イザナミ,イザナギ,アマテラス,ツクヨミ,スサノオ,オオクニヌシなど様々な神様を耳かきにして宮崎県内各地で販売されていたら,神話に興味を持つ人が増え,楽しいと思います。
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