「アパ社長カレーショップ」1号店が広島にオープンした理由 -テストマーケティングからの考察-
石川県小松市で創業し,今や日本全国にホテルを展開されているアパホテル。
ホテルとともに数多くのレストランも経営されていますが,日本で唯一,広島でしか味わえないアパオリジナルの料理があります。
「アパ社長カレー」です。
2017年2月19日にアパホテル広島駅前に隣接する「アパ社長カレーショップ広島駅前店」(広島市南区松原町10-11)がオープンしました。
オープン後,ずっと気になっていた「アパ社長カレー」をいただきに,アパ社長カレーショップ広島駅前店へ伺いました。
アパ社長カレーショップ広島駅前店
お店のドアには,カレーを手にしたシェフ姿のアパホテルの社長 元谷芙美子氏のオリジナルマークがありました。
(「アパ社長カレー」オリジナルマーク)
コック帽にはアパホテルのロゴ入りです。
ドアの隣には,「アパ社長カレー」の広告ポスターもありました。
(「アパ社長カレー」広告ポスター)
モンドセレクション銀賞を受賞されたカレーです。
「アパ社長カレー」レセプション&無料食事会のアンケートで,
「99.3%の人が「美味しい」と回答」
「94.3%の人が「備蓄用・日常用に適している」と回答」
されたと紹介されています。
もし私がまずいと感じたら,わずか0.7%の仲間に入ることになるのです(笑)。
大いなる期待を胸に,店内に入りました。
「牛ステーキ社長カレー」
入口の券売機で食券を購入し,席に着いて注文する方式でした。
「アパ社長カレー」のほかに,「ロースカツ社長カレー」,「ラタトゥイユ社長カレー」,「ハンバーグ社長カレー」,「エビフライ社長カレー」など様々なカレーが用意されていました。
どれにしようか考え,せっかくなら豪華なカレーをと思い,一日5食限定の「牛ステーキ社長カレー」の大盛を注文させていただきました。
お店の方から「こちらのカレーは約10分程度お時間をいただくこととなりますが」とお話がありましたが,私は笑顔で「はい構いません」とお答えしました。
優雅な気持ちでしばらく待っていると,注文したカレーが出来上がりました。
これが日本で唯一,広島でしか味わえない「アパ社長カレー」の,さらに一日限定5食しか販売されない,まさに超レアなカレー「牛ステーキ社長カレー」(大盛)です。
(牛ステーキ社長カレー(大盛))
なんと華麗なカレーでしょう。
ほどよい焼き加減の牛のモモ肉のステーキをスライスし,「アパ社長カレー」にトッピングされています。
カレーはよく煮込まれた欧風ビーフカレーで,カレールーがライスと別々ではなく,ライスの上にかけられているため,ドライカレーのようにライスとの一体感があります。
千切りキャベツが添えられており,ステンレス製のカレー皿も独特です。
ここまで御説明するとピンときた方もおられると思いますが,「アパ社長カレー」は全国的に有名になった「金沢カレー」がベースになっているのです。
濃厚な欧風カレールー,一体感のあるカレールーとライス,キャベツの千切り,ステンレス製のカレー皿,トンカツやハンバーグなどボリュームのあるトッピング,先割れスプーンなど,アパグループの創業地石川県の「金沢カレー」の特徴が生かされたカレーとなっています。
「アパ社長カレー」で用意される先割れスプーンもアパオリジナルで,スプーンの柄には「アパ社長カレー」と刻印されています。
(アパ社長カレー専用スプーン)
コクと深みのある欧風ビーフカレーライスと絶妙な焼き加減の牛ステーキを交互にいただきながら,贅沢なひとときを過ごすことができました。
アパ社長コーヒーとアパオリジナル「うまい棒」
贅沢なひとときに食後のコーヒーは欠かせないと思い,券売機へ戻って追加で「アパ社長コーヒー」の食券を購入し,注文しました。
お店の方から,コーヒーとともに,記念のアパオリジナル「うまい棒」もいただきました。
(「アパ社長コーヒー」とアパオリジナル「うまい棒」)
「アパ社長コーヒー」よりも「うまい棒」の方が目立ちますが(笑),コーヒーはすっきりとして雑味がなく,私好みの味でした。
一方のアパオリジナル「うまい棒」は,「うまい棒」を販売している「株式会社やおきん」とアパグループのコラボ食品で,非売品です。
(アパオリジナル「うまい棒」)
ソース,青さ,紅生姜が入った「たこやき味」の「うまい棒」です。
やおきんオリジナルの「うまい棒」にも「たこやき味」がありますが,よく似た味だと思いました。
「アパ社長カレー」が広島だけで販売されている理由
食事後,お店の方に「アパ社長カレー」が広島だけで販売されている理由を伺ってみました。
私:「アパ社長カレーのお店は,広島だけのようですね。」
お店の方:「そうですね。全国でこの広島だけです。」
私:「社長さんのお考えとか,何か理由がおありなんですか。」
お店の方:「私もはっきりとした理由を知っているわけではありませんが,社長が広島が好きだからという話は伺ったことがあります。」
私:「へぇー,そうなんですか。それは嬉しいお話です。カレーもコーヒーもとても美味しかったです。」
お店の方:「それはどうもありがとうございます。」
広島の人間としては嬉しい限りのお話でした。
テストマーケティングに適した地 広島
ここまで広島限定というお話を強調してきましたが,今後は2017年11月1日に首都圏1号店となる「アパ社長カレー飯田橋駅南店」(東京都千代田区飯田橋3-1-4)を,同年11月7日には関西1号店となる「アパ社長カレー御堂筋本町駅東店」(大阪市中央区瓦町2-3-6)をオープンされるようです。
広島1号店から1年を待たずして,東京・大阪で「アパ社長カレーショップ」をオープンされるのです。
ここで私は,アパホテルの元谷芙美子社長さんが広島がお好きだからという理由のほかにも,広島に1号店を先行オープンされた理由があったのではないかと思いました。
その理由とは,広島がテストマーケティング(全国展開する前に試験的に販売すること)に適した地だからというものです。
広島がテストマーケティングの地として選定されやすい理由としては,
(1)全国企業の支店が集まるブランチ(支店)経済であること
(2)所得や人口が全国の平均的な水準で,日本の縮図となっていること
(3)周囲を山と海に囲まれ,特定の地域に人が集中しているため,他地域の影響を受けにくく,人々の嗜好が把握しやすいこと
(4)広島圏内で完結したメディアが存在していること
(5)中国・四国・九州地方の企業は,一般的に,当初は関西圏への進出を試みるが,広島の企業は当初から東京(首都圏)への進出を試みる傾向が強いこと
(6)物価が高く,首都圏や関西圏と肩を並べる水準であること
(7)熱しやすく冷めやすい県民性から,広島で成功すれば他の地域でも成功する可能性が高いと見込まれること
などが挙げられると思います。
こうした広島の状況を踏まえた上で,アパホテルが全国展開されている状況や「アパ社長カレー」の今後の展開を考えると,広島にアパカレーショップ1号店をオープンされた理由が経営学的見地から説明することも出来るのです。
まとめ
後半はマーケティングの話にまで発展しましたが,広島に住む私としては,元谷芙美子社長さんが広島がお好きで広島に1号店をオープンされたというお話を素直に喜び,嬉しかったことがこの記事を作成しようと思った動機であることは確かです。
広島1号店でのマーケティング結果をもとに,「アパ社長カレー」が全国の人々に身近で愛されるカレーになることを心からお祈り申し上げます。
なお,レトルトパウチの「アパ社長カレー」については,オンラインストア,全国のアパホテルフロント,アパホテル直営レストランでも販売されているようです。
「アパ社長カレー」に興味を持たれた方は,通販やお店でぜひ召し上がってみてください。
<関連リンク>
「アパ社長カレーショップ広島駅前店」(「アパホテルズ&リゾーツ」アパホテル<広島駅前>)
「アパ社長カレー【2016年度モンドセレクション銀賞】」 (「アパホテルズ&リゾーツ」ニュース)
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