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2018年1月19日 (金)

イタリア料理の特徴と主な料理5 -マロッキーノ-

 広島の百貨店「福屋八丁堀本店」で開催された「イタリア展」へ行ってきました。

 その会場に東京都目黒区にあるイタリアンバール「LoSPAZIO(ロ・スパッツイオ)」のバールコーナーがあったので,お邪魔しました。

 その店のメニューにあった「マロッキーノ(marocchino)」というドリンクを飲んでみたいと思ったからです。

 マロッキーノは,チョコレート,泡立てたミルク(フォームドミルク),エスプレッソコーヒー,ココアパウダーで作られるドリンクです。

 カウンターに座り,私が「マロッキーノを」と注文すると,バリスタから「飲み慣れてらっしゃるようですね」と言っていただき,すっかりいい気持ちになりながら,バリスタの技を拝見しました。

 耐熱グラスの底に,まず液体のチョコレートソースを全体の約1割程度注ぎ,その上から静かに温かいフォームドミルクを全体の約6割注ぎます。

 その上から,ゆっくりとエスプレッソコーヒーを全体の約3割注ぐと,白いフォームドミルクと混ざった部分がカプチーノのように変化します。

 仕上げに表面にココアパウダーをかければマロッキーノの完成です。

(マロッキーノ)
Photo

 コップの底の黒い液体がチョコレートソース,その上の薄い褐色がフォームドミルクとエスプレッソが混ざったところ,グラス上部の白い層がフォームドミルク,表面の茶褐色がココアパウダーです。

 きれいに層を成しているのがお分かりになるかと思います。

 さてこれをどうやって飲むのか。
 飲み慣れてない私は戸惑いました(笑)。

 バリスタに伺ったところ,スプーンでかき混ぜて飲むとよいとのお話でしたので,少しもったいない気もしましたが,かき混ぜていただきました。

 実は私はミルクが苦手なので,正直なところ飲めるかどうか不安もあったのですが,実際にいただいてみると,チョコレート風味のカプチーノで,とても飲みやすく仕上がっていました。

 チョコレートソースとココアパウダーによるダブルのチョコレート風味と,フォームドミルクによりマイルドになったエスプレッソの相性が抜群です。

 カウンターでマロッキーノをゆっくり味わいながら,バリスタとの会話を楽しみました。

 マロッキーノはピエモンテ州(トリノなど)やロンバルディア州(ミラノなど)で人気のドリンクで,「モロッコ風の,モロッコ人の」という意味があるそうです。

 その呼び名の理由は,トッピングのチョコレートの褐色がモロッコ(人)を想像させるからではないかとおっしゃっていました。

 日本ではまだまだ知名度が低く,メニューにあるカフェ(バール)も少ないようですが,コーヒーチェーンで言えばドトールコーヒー系の「エクセシオールカフェ バリスタ」や「illy(イリー)」などで味わえるようです。

 興味を持たれた方は,ぜひお近くのバール,イタリア料理店,コーヒーチェーンなどで味わってみてください。


<関連リンク>
 「LoSPAZIO(ロ・スパッツイオ)」(東京都目黒区鷹番3-3-5ハーデンビル1F)
 「エクセシオールカフェ バリスタ」(店舗メニュー)
 「illy(イリー)」(店舗メニュー)

<参考文献>
 辻調理師専門学校監修/近藤乃里子・合田達子・正戸あゆみ著「イタリア料理基本用語」柴田書店

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コメント

マロッキーノ!ドルチェのティラミスにも似た構造なイタリアらしい飲み物ですね

前回のレモンチョコがかかっているさっぱりレモンケーキにも合いそう

次の大阪での試験後、こっそり広島散策しようと思っていたのに棚卸し直帰命令がぁ~(泣)

tomo 様

コメントいただき,ありがとうございます。

コーヒーとチョコレート(ココア)の組み合わせ,層を成した構造など,確かにティラミスに似ていますね!

手元の本では,ティラミスはヴェネト州(ヴェネチアなど),マスカルポーネチーズは今回も御紹介したロンバルディア州の特産と,いずれもイタリア北部の食べ物と説明されています。

ティラミスとよく似たトライフルケーキ「ズッパイングレーゼ」もイタリア北部ですし,イタリア北部ではこうした組み合わせ,層構造のお菓子や飲み物が好まれる傾向にあるのかも知れませんね。

(参考記事)
「ズッパイングレーゼの名前の由来について -スープの由来とイギリス風の意味-」
https://kojikin.air-nifty.com/blog/2014/12/post-a192.html

レモンケーキとの組み合わせも美味しそうですね。

いつもお菓子との相性を考えてくださるtomoさんは,さすが元パティシエだなぁといつも感心します。

広島へお越しの御予定でしたか。残念だなぁ。
お仕事なら仕方ありませんが,また機会があればぜひお越しになって,ゆっくりとお過ごしください。
いつでも歓迎します!

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