秋田と青森を結ぶリゾート列車「リゾートしらかみ」の魅力 -ジョイフルキャンディー・マグカツドック-
今回は秋田と青森を結ぶリゾート列車「リゾートしらかみ」の魅力を御案内したいと思います。
ゆっくりと旅するような気持ちでお付き合いください。
「リゾートしらかみ1号」秋田駅出発
秋田駅から「リゾートしらかみ1号」に乗り,五能線沿線の旅を楽しみました。
(秋田駅構内「なまはげ」飾り)
出発前の秋田駅構内で見た「なまはげ」飾りも旅情をかきたててくれました。
「リゾートしらかみ」は,五能線沿線の車窓の風景や車内イベントを楽しめるリゾート列車です。
(「リゾートしらかみ」と路線図)
(JR東日本『北東北のってたのしい列車』パンフレットから引用)
※画像をクリックすると拡大します。
秋田-青森間を奥羽本線・五能線経由で,途中主な駅に停車しながら走る快速電車です。
全席指定席で,乗車券のほかに指定席券が必要となります。
指定席券を事前購入したところ,私は1号車4番A席を用意していただきました。
リゾート列車など乗ったことのなかった私は,出発前から期待に胸がふくらみました。
(「リゾートしらかみ1号」(橅編成))
秋田駅で出発を待つ「リゾートしらかみ1号」(橅(ぶな)編成)です。
ホームで駅弁も販売されていました。
(「リゾートしらかみ1号」ドア付近)
ドア付近の様子です。
白神山地のブナのデザインや青森行きを示す行先表示器が,旅の始まりを実感させてくれました。
定刻の8時20分,「リゾートしらかみ1号」は青森へ向け出発しました。
五能線起点駅「東能代駅」
(東能代駅に停車する「リゾートしらかみ1号」と「キハ40系」)
秋田駅を出発し,奥羽本線経由で東能代(ひがしのしろ)駅に到着しました。
クリーム色に青色のストライプ(五能線色)のキハ40系が停車していました。
この駅が五能線の起点駅となり,ここから先は進行方向が変わって五能線となります。
「ORAHO」カウンター
落ち着いたところで,車内の売店「ORAHO(おらほ)」カウンターへ行ってみました。
(「ORAHO」カウンター)
食に興味のある「おらほ(私)」の出番だ~(笑)。
私は「GONO LINE ジョイフルキャンディー」を購入しました。
(「GONO LINE ジョイフルキャンディー」)
写真左が「ORAHO」販売商品の案内,写真右が「GONO LINE ジョイフルキャンディー」です。
「リゾートしらかみ」の車両は全部で3種類あり,今回私が乗車した白神山地のブナ林をイメージした「橅」編成(緑色)のほかに,日本海や十二湖をイメージした「青池」編成(青色)と,白神山地に生息するクマゲラと夕陽をイメージした「くまげら」編成(橙色)があります。
「GONO LINE ジョイフルキャンディー」は,その3種類の車両を色でイメージしたキャンディーの詰合せです。
緑色がメロン味,青色がソーダ味,橙色がオレンジ味です。
飴をなめつつ,のんびりと車窓から景色を眺めて過ごしていると,岩館駅を過ぎ,やがて青森県に入りました。
青森県深浦町の「マグカツドック」
十二湖駅から地元の方が乗り込み,買い物かご一杯に用意された出来たての「マグカツドック」の車内販売が始まりました。
これが大人気で,1個500円ですが飛ぶように売れていました。
当然,私も買いました。
(「マグカツドック」)
「ORAHO」販売商品案内にも「マグカツドック」が紹介されています。
深浦町は青森県内でマグロの水揚げナンバーワンで,「マグカツドック」以外にも,「深浦マグロステーキ丼(マグステ丼)」や「ザ・深浦マグロカレー」などマグロを使ったご当地グルメがたくさん用意されています。
その深浦町で「深浦マグロ料理グランプリ 2014」の初代グランプリに輝いた料理がこの「マグカツドック」です。
パンに深浦町特産のマグロをミンチにして揚げたカツがはさまれています。
カツと一緒にはさまれている野菜はサンチュです。
ソースは,中濃ソースとピリ辛でにんにくの効いた焼肉のタレが合わさったような味です。
出来たてカリカリのマグロのカツに,この特製ソースがよく合っていました。
(「マグカツドック」(拡大))
紙の包みもパンの形に揃えられ,電車内で手や口を汚さずきれいに食べられるよう工夫されていました。
原材料表示を見ると,特製ソースには,中濃ソースのほかに,しょうゆ,にんにく,みりん,コチジャン(唐辛子味噌),ごま油,砂糖,生姜,みそ,唐辛子,食塩,胡椒と記載されていました。
まさに焼肉のタレの原材料です。
ここで1つアイデアが浮かびました。
青森のにんにく,りんご,地元深浦町特産の甘い「ふかうら雪人参」などを入れて,より青森らしさを込めたソースに仕上げるというのはいかがでしょうか。
この地元食材を組み合わせたソースは,深浦町のご当地グルメ「深浦マグロステーキ丼(マグステ丼)」などに応用することも可能でしょう。
「リゾートしらかみ」橅編成と青池編成
軽食を楽しんでいるうちに,リゾートしらかみ1号は深浦駅に到着しました。
(「リゾートしらかみ」橅編成と青池編成(深浦駅))
深浦駅ホームに停車する「リゾートしらかみ号」です。
写真左の青い列車が「リゾートしらかみ2号(青池編成)」青森発秋田行き,写真右の緑の列車が今回御紹介している「リゾートしらかみ1号(橅編成)」秋田発青森行きです。
秋田-青森間のほぼ中間地点で,両列車とも始発駅から2時間30~40分後となります。
これから終着駅まで行く場合は,お互いこの倍の距離・時間をかけて向かうこととなります。
「乗ること」自体を楽しむリゾート快速列車なので,長いと感じる人は少なく,逆にいつまでも乗っていたいと思う人ばかりでしょうね。(秋田-青森間の移動でスピードを求めるなら,奥羽本線経由の特急「つがる」を利用すれば,半分の約2時間40分で行けます。)
深浦駅~広戸駅間の絶景ポイント
深浦駅を出発してしばらくすると,列車は速度を落とし,車内アナウンスで絶景ポイントの案内がありました。
(深浦駅~広戸駅間の車窓風景)
海や岩がすぐ目の前に見えます。
五能線きっての絶景ポイントです。
この後,千畳敷駅付近でも,海辺に石畳が広がる風景や太宰治文学碑などを見ることができました。
津軽三味線生演奏
鰺ヶ沢駅でお2人の演奏者が乗車され,1号車にある車内イベントスペースで津軽三味線を演奏してくださいました。
(津軽三味線生演奏)
演奏の様子は各車両のモニターへも中継されますが,生演奏を聴きに1号車へ来られる乗客の方もたくさんおられました。
私は1号車の前から4番目の席だったので,移動することなく間近で観賞することができました。
「りんご節」や「津軽じょんがら節」などが演奏されました。
私は特に「津軽じょんがら節」の緩急交えた力強い津軽三味線の音色に感動しました。
青森の名峰「岩木山」を眺めながら津軽三味線の生演奏が聴けるなんて最高の贅沢です。
(岩木山)
車窓から眺めた岩木山です。迫力と威厳を感じました。
太宰治も小説『津軽』の中で「なるほど弘前市の岩木山は,青森市の八甲田山よりも秀麗である。」と述べています。
五所川原駅到着
津軽三味線の演奏もフィナーレを迎え,「リゾートしらかみ1号」は12時11分に五所川原駅に到着しました。
私はこの五所川原駅で,名残惜しくも「リゾートしらかみ1号」とお別れとなりました。
(五所川原駅に停車する「リゾートしらかみ1号」と「キハ40系」)
写真右側,ホームの柱にある緑色の「ごしょがわら」と記載された駅名票には,リンゴの絵とJRのマークが描かれています。
青森らしくていいアイデアですね。
秋田駅を8時20分に出発して,五所川原駅まで約4時間。リゾート列車の旅を満喫することが出来ました。
ちなみに,この列車に青森駅まで乗り続けた場合は,青森駅13時29分着ですので,約5時間の旅となります。
乗車前は,途中で退屈になるだろうから,のんびり本でも読んで過ごそうと思っていたのですが,いざ乗車してみると,車窓から日本海の絶景などを楽しめるだけでなく,いろんな駅での途中下車(五能線起点駅「東能代駅」で記念写真,バスケの街・能代の「能代駅」でバスケシュート体験,「深浦駅」でのリゾートしらかみ待合せなど),絶景ポイントで案内放送を聴きながらの減速走行,「ORAHO」カウンターやご当地グルメの車内販売,津軽三味線の観賞,乗客同士の交流など様々な体験ができ,退屈するどころか,あっという間に時が過ぎてしまいました。
まさに夢のような,幸せなひとときでした。
今回,私は秋田駅から弘前駅・青森駅まで2日間乗り降り自由なきっぷ「五能線フリーパス」(3,810円)と指定席券で「リゾートしらかみ」に乗車しました。
この「五能線フリーパス」を利用して,私はこのあとも,五所川原駅から弘前駅,弘前駅から青森駅,翌日に青森駅から新青森駅へと移動出来ました。
とても便利でお得なきっぷです。
魅力いっぱいのリゾート列車「リゾートしらかみ」の旅。
皆様に自信を持っておすすめします。
<関連リンク>
「五能線リゾートしらかみの旅」(JR東日本秋田支社)
「リゾートしらかみ(のってたのしい列車)」(JR東日本)
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