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2018年5月 4日 (金)

宍道湖の夕景 -夕景撮影と夜景撮影のポイント・比較-

 宍道湖の夕日を撮影したいと思い,広島市内から自動車で島根県松江市を訪問しました。

 尾道松江線(中国やまなみ街道)が開通したおかげで,以前と比べてずいぶんアクセスが良くなり,所要時間も短くなりました。


宍道湖夕日スポット

 夕方になり,国道9号沿いの宍道湖に面した「宍道湖夕日スポット」へ行きました。

 日没時刻の約1時間半前に着きましたが,すでにちらほら人が集まっていました。

 三脚にカメラをセットし,夕日スポットテラスに座ってベストタイムを待つこととしました。

 自然と隣の方と会話するようになり,お話を伺ったところ,その方は京都から夕日の撮影のために松江まで来られたとのことでした。

 オリンパスの機械式一眼レフカメラやフィルムを見せていただきましたが,お互いカメラ好きなので初対面でもすぐに話が合いました(笑)。

 日没時刻が近づくにつれ,徐々に人が増えてきました。

 そのうち,私と隣の方の間に割り込んでくるようにキャノンの立派な望遠レンズを付けたカメラを持った方が来られ,人が混んできたのかなと後ろを振り返ると,テラス一面に人だかりができていました。

 車だけでなく,バスやタクシーで見学に来られた方も大勢おられました。

 私のようにカメラや三脚を持ってきて,気合いを入れて写真撮影されている方も多く,記者会見の会場を思わせるような状況でした。

 私もカメラマンになりきり,夢中でシャッターを切りました。


宍道湖の夕日写真

 次の写真は,いずれも宍道湖に浮かぶ嫁ヶ島と夕日を撮影したものです。

(宍道湖夕景A)
Photo
※写真をクリックすると拡大します。
ニコンD7100・AF-S DX NIKKOR 18-105mm f3.5-5.6/80mm・マニュアルモード・f6.7・1/1500秒・ISOオート/900・AWB

宍道湖夕景Aは,全体的にバランスがよいと思い選びました。


(宍道湖夕景B)
Photo_2
※写真をクリックすると拡大します。
ニコンD7100・AF-S DX NIKKOR 18-105mm f3.5-5.6/58mm・マニュアルモード・f8・1/1000秒・ISOオート/500・AWB

 宍道湖夕景Bは,夕日の色合いが出ていると思い,選びました。
 観光遊覧船も見えます。


(宍道湖夕景C)
Photo_3
※写真をクリックすると拡大します。
ニコンD7100・AF-S DX NIKKOR 18-105mm f3.5-5.6/66mm・マニュアルモード・f8・1/500秒・ISOオート/720・AWB

 宍道湖夕景Cは,夕日に少し雲がかかっていますが,嫁ヶ島の上に鳥が群れ,観光遊覧船も写っているので,選びました。

 皆さんはどれが1番良いと思われましたでしょうか。

 「どれもいまいち」かも知れませんが…(笑)。


夕景撮影のポイント

 今回撮影してみてわかった夕景撮影のポイントをまとめてみました。

(1)プログラムオート撮影を除き,太陽が沈むにつれ,明るさも刻々と変化してくるため,その都度シャッタースピードや露出などを調整する必要がある。
(今回の写真は,マニュアルモード(シャッタースピードと絞りを自分で決める)で撮影しました。)

(2)太陽の光が強いため,ISO感度は低めで対応できる。
(ISO感度を高めに設定する夜景写真とは対照的です。)

(3)露出はマイナス補正すると夕日の色がより強調される。
(今回の写真はあえて補正せず,青系も含めたやわらかい感じの写真にしてみました。)

(4)絞りを絞る(f値を大きくする)と,夕日の輪郭がはっきり映るが,「ゴースト」(レンズの影響を受けた光の輪郭が起きる現象)や「フレア」(写真が白っぽくなる現象)も起きやすくなる。

(5)単調な風景の場合は,望遠モードや望遠レンズで夕日をクローズアップさせるとよい。
(今回の写真は嫁ヶ島や観光遊覧船を入れました。)

(6)構図は,水面(地上)に輝く夕日と夕焼け空のどちらを強調させたいかによって,強調させたい方の割合を多くするように水平線(地平線)の位置を決めるとよい。
(今回の写真は夕焼け空のグラデーションを強調させたいため,空の割合を多くしました。)

(7)夕日が沈む直前に雲があるかどうかが写真の出来に左右する。
(これはもう運です。何度か通うのがいいのでしょうが,撮影場所が遠いとなかなか難しいですよね…。)


 1つ参考例を御紹介します。

 (3)について,「宍道湖夕景B」の写真(RAWデータ)を,レタッチソフトを使って露出を-1.0補正してみます。

(宍道湖夕景B’)
Photo_5
※写真をクリックすると拡大します。
ニコンD7100・AF-S DX NIKKOR 18-105mm f3.5-5.6/58mm・マニュアルモード・f8・1/1000秒・-1.0補正・ISOオート/500・AWB

 「宍道湖夕景B」と比較してみてください。夕日の色が強調されてますよね。

 その分,コントラストも強くなり,嫁ヶ島や観光遊覧船が黒くつぶれてしまうのですが,夕景写真では,そのコントラストも大切な要素となります。


夕景撮影と夜景撮影の比較・共通点

 以前,私は夜景を撮影したことがありますが,夕景撮影は夜景撮影より難しいと思いました。

 前述の「夕景撮影のポイント」と照らし合わせると,夜景撮影の場合は,

(1)シャッタースピードや露出を固定できる。
(シャッタースピードが遅くなるので三脚があった方がよい。)

(2)ISO感度が固定できる。
(夕景に比べ,感度を高めに設定する。)

(3)露出を大きく補正する必要がない。

(4)「ゴースト」や「フレア」の心配が少ない。

(5)夜景は明かりや色の分散・広がりがある場所が好まれるため,単調な写真とはなりにくい。

(6)真っ暗(夜の山や海など)か被写体(明かり)があるかの世界なので,自然と強調させたいもの(構図)が決まる。

(7)天候に左右されるが,雲の有無まで気を遣う夕景ほどではない。

といった点で,夕景撮影と比べて撮影しやすいのです。


 夕景撮影と夜景撮影で共通点もあります。

 「勝負の時間が限られている」ということです。

 夕景撮影は日没前から日没後のトワイライト(黄昏時)まで,夜景撮影はトワイライトから数時間後までと,勝負時間が決まっているのです。

 「夜景撮影は夜中でもいいのでは」と思われるかも知れませんが,薄明りのあるトワイライトの時が夜空にもグラデーションが出ますし,夜遅くなるにつれ,街の明かりもだんだん少なくなり,さみしい写真になってきます。


 こうした内容を理解し,夕景・夜景撮影をされるとよいかと思います。
 

<関連リンク>
 「松江 宍道湖夕日情報」(「水の都 松江」(一社)松江観光協会)

<関連記事>
 「広島市南区の黄金山と「黄金山まんじゅう」」(黄金山の夜景)
 「夜景写真 -皿倉山(福岡県北九州市)・火の山公園(山口県下関市)-

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コメント

コウジ菌さん、こんにちは~o(*^▽^*)o
私が感じたままの感想なんですけど、
私は二枚目のBの写真が好きです
でもどれもすごくきれいですね!
私はこの間家族と一緒にワラビ採りに行って、
ワラビそっちのけでひとりで写真ばっかり撮ってました( ´艸`)フフフ
写真っていいですよね。
また撮りに行きたいなぁ。
しばらくは天気が怪しいので無理そうですけど、
近いうち近所の公園でも何でもいいのでカメラ持って散歩したいなと思いました。
すてきな風景をありがとうございますo(*^▽^*)o

ゆめはる 様

こんにちは。早速コメントいただき,ありがとうございました。

確かに,Bの写真が一番夕日の色が出ていますもんね。
ありがとうございます。どれがいいか,1人も感想がなかったらさみしいなと思ってたので,嬉しかったです(^^ゞ

ワラビ採りそっちのけで写真撮影されたんですか(笑)
そこまで集中できるなんて,ゆめはるさんは立派なカメラマンですね!
そのお気持ち,私にもとてもよくわかります。
私も写真撮影し始めると,1人の世界に入ってしまうのです。
釣りの時もそうなります。

日常の辛い事とか心配事とか忘れて,好きな事に集中できるって素晴らしいことですよね!

ゆめはるさんの写真,応援してま~す(^_^)/

今晩はo(_ _)oペコッ
私もBに一票( ^ω^ )
宍道湖は行ったことありますがやはり
夕焼けが綺麗でした。
松江出身の人とお酒を飲んだ時に、
日本一の夕焼けだと褒めたら、とても
喜んでいました(o^-^o)
出雲そばは2回食べました( ̄ー+ ̄)

おはようございます。
コメントいただき,ありがとうございます。

なーまんさんもBですか。
やはり夕景写真は夕焼けの色合いが大事なのですね。
勉強になりました。選んでいただき,とても嬉しいです。
しかも写真をお得意とするなーまんさんからのお話,光栄です(^o^)
写真BとB’の違いなどはよく御存知だと思います。

宍道湖で夕焼けを御覧になったことがおありなんですね!
神奈川から…スゴイなぁw(゚o゚)w
地元松江の人も宍道湖の夕日を自慢に思ってらっしゃるんですね。
こういう話をさらりと言えるなんて,さすがです!

出雲そば,昼に行ったら品切れで,夕景の撮影を終えて,夜に再挑戦したら,今度は夜遅くて閉まってました。
私も食べたかったなぁ~!

今度松江にお越しになる時は,夕焼けを撮影されるのも良いかと思います。
なーまんさんなら,日本一の夕日写真が撮れますよ!

おはようございます^^

宍道湖、
出雲への旅行で列車からその眺めを楽しんだのを思い出しました。
写真のように、
日が彼方に傾き空が夕刻に焼けてそれが湖面に映えてる感じでした。
すてきな写真ですね。
あらゆる条件(気象に時刻にテクニック!)が整って切り取られた一瞬ですね^▽^♪

サウスジャンプ 様

サウスさん,こんにちは。
コメントいただき,ありがとうございます。

出雲へ列車で旅行され,車窓から宍道湖の夕焼けを御覧になれたとは,ロマンチックでいい思い出ですね。
私は広島から車で行くので,山陰で列車に乗ったことがないんですよ(笑)
いつかそんな旅行をしてみたいです。

今回,夕日写真を撮ろうと気合いを入れて行ったのですが,夕日が水平線に近づくとだんだん雲が出てきまして…。
それにも増して,自分の撮影テクニックの未熟さがよくわかりました。

自分でも100%満足している写真じゃないので,お恥ずかしい限りですが,もっと写真のこと勉強して,また御紹介できたらいいなと思っています。

この写真を御覧になって出雲旅行を思い出していただけたこと,とっても嬉しかったですヽ(^o^)丿

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