青森のソウルフード探訪記1 -万茶ンの太宰ブレンド・りんごジュース自動販売機・イギリストースト-
太宰治も通った喫茶店「万茶ン」
青森県弘前市を訪問しました。
(弘前駅に停車する701系電車)
弘前駅の発車メロディーは,津軽三味線による「津軽じょんがら節」です。
弘前では,「奇跡のりんご」のスイーツが味わえる「パティスリー山崎」や,バナナ最中の「旭松堂」,「弘前市立観光館(想い出ショップさくらはうす)」,弘前城などを巡りました。
見どころ満載の弘前市内において,太宰治ファンなら押さえておきたい店があります。
喫茶店「万茶ン(まんちゃん)」です。
(喫茶店「万茶ン」)
創業が昭和4年と東北最古の喫茶店で,文豪 太宰治をはじめ,洋画家の阿部合成や作家の石坂洋次郎なども通い,この店で珈琲を楽しんだようです。
店内は静かで落ち着いた雰囲気で,旅の疲れを癒してくれました。
私は昭和の珈琲「太宰ブレンド」を注文しました。
店内を見回してみると,私が座った席の真後ろに太宰治の本が集められていました。
(太宰治の本)
「人間失格」,「走れメロス」,「斜陽」,「お伽草子」,「女生徒」…中高生時代にいろんな作品を読んだなと懐かしく思いました。
カウンターではマスターがサイフォンでコーヒーを丁寧に淹れておられました。
コーヒーが出来上がり,テーブルに運ばれてきました。
(「万茶ン」の「太宰ブレンド」)
コーヒーがカップに注がれた後,置いていかれたサイフォンの中にもう一杯分のコーヒーがあったので,コーヒーを2杯分ゆっくりと楽しむ事ができました。
深みがあり,後味がすっきりした味わいのコーヒーでした。
私の旅はいつも駆け足の「走れメロス」状態なのですが,できればこの喫茶店でしばらくゆっくりしたいなと思うほど,落ち着いて雰囲気の良いお店でした。
青森駅・りんごジュースの自動販売機
続いて青森市を訪問しました。
青森駅で降り,ねぶたの展示・体験施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」やりんごを中心に青森のグルメを集めたショップ「AーFACTORY」,「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」などを散策しました。
(青森駅周辺施設)
3月中旬だったので,まだ雪が積もっていますが,写真の橋が「青森ベイブリッジ」,橋のふもと,写真左側が「AーFACTORY」,写真右側手前が「ねぶたの家 ワ・ラッセ」,さらに写真中央奥には青函連絡船として活躍した八甲田丸も見えます。
青森駅構内を歩いていると,青森らしい自動販売機がありました。
(青森駅・りんごジュースの自動販売機)
青森のりんご(ふじ・トキ・つがる・きおう)100%のジュースだけがずらりと販売されています。
りんごジュースの飲み比べができるなんて,青森らしくていいアイデアですね。
工藤パンの「イギリストースト」
青森駅から青森市街を散策していると,コンビニエンスストアで面白い商品案内を見つけました。
(イギリストースト商品案内)
「青森県のソウルフード イギリストーストありま~す♪」
青森県のソウルフード?青森とイギリス?
興味を持って店内に入り,イギリストーストなるものを購入してみました。
宿泊先のホテルで開封し,いただきました。
(イギリストースト(包装))
イギリスの旗,ユニオンジャックがデザインされた「イギリストースト」。
地元青森の工藤パンの商品です。
なるほど,山形の食パンをイギリスパンと呼ぶことから,イギリスなんですね。(工藤パンでは山形の食パンを「イギリスブレッド」として販売されています。)
でもトーストされて(焼かれて)ないのに,トーストとは面白いネーミングです。
(イギリストースト(中身))
イギリスパンが二枚合わせになっており,中にマーガリンとグラニュー糖のフィリングがはさまれています。
グラニュー糖がたっぷりで,ジャリジャリした食感が楽しめます。
マーガリンとグラニュー糖のコンビ。
そう言えば,二枚合わせではありませんが,食パンの上にマーガリンとグラニュー糖が塗られた「シュガーマーガリン」という昔ながらの菓子パンがあります。
「イギリストースト」は,この「シュガーマーガリン」を二枚合わせにした菓子パンのことです。
※「シュガーマーガリン」,私の住む広島だけではないですよね…。広島では,シュガーマーガリンにさらにイチゴジャムまで塗られたパンも見かけるのですが,全国区かと言われれば少し自信がありません。
訪問したお店では,ほかにもグラニュー糖が多い「ジャリ増し」や,ラスクも売られていました。
(「イギリストースト ラスク」)
ラスクの方がトーストっぽい気もします。
ラスクなら,ジャリ感とともにバリバリ感も味わえます。
イギリストーストに関するウェブサイトを見てみると,地元青森ではオリジナル商品のほかにも,チョコレートやコーヒークリーム,小倉あん,ジャムなどいろんな種類のイギリストーストが販売されているようです。
中には,フレンチトーストやフレンチトースト・ピザ風まで販売されたこともあるようで,こうなると,イギリスなのかフランスなのかイタリアなのか,一体どこの国のパンなのかわからなくなってしまいます(笑)。
ちなみに,以前当ブログで,青森や秋田ではバナナが好まれ,バナナ最中という郷土菓子まであることを御紹介しましたが,「工藤パン」でも,「スペシャルバナナ」や「バナナオムレット」などバナナのパンも販売されているようです。
青森には魅力的な食べ物や飲み物がたくさんありますので,食をテーマにした旅行もおすすめです。
<関連サイト>
「万茶ン」(青森県弘前市土手町36-6)
「青森りんごシリーズ」(「acure(アキュア)」JR東日本ウォータービジネス)
「工藤パン」(イギリストースト)
<関連記事>
「青森・秋田の郷土菓子 バナナ最中 -青森・秋田でバナナ最中が好まれる理由-」
「青森のソウルフード探訪記2 -味噌カレー牛乳ラーメン・味噌カレー牛乳煎餅・味噌バターカレー牛乳どらやき-」
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コメント
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コウジ菌さん
ご存じの通り、愛知県が生んだ隠れ?名物パン「小倉マーガリン」はありますが
「シュガーマーガリン」なるパンは愛知県に、、、ないです(≧∇≦)!ぶっちゃけ初めて聞きました!!
もしや、広島だけ?!
いやはや、青森まで行かれるとは本当にコウジ菌さんの食への情熱はすごいですね
リンゴの自販機、昔の私ならばリンゴを食べつつ飲み比べてただろうな~と思いました
投稿: tomo | 2018年5月14日 (月) 22時27分
tomo 様
こんばんは。
コメントいただき,ありがとうございます。
愛知のソウルフード,小倉マーガリンはもはや全国区と言っても過言ではないと思います。
今回御紹介したイギリストーストのシリーズでも販売されたようですし,岩手の福田パンや私の住む広島でも当たり前のように販売されていますよ。
でも…シュガーマーガリンは愛知で見かけませんか!
正直,かなり驚きました。
だって,青森と広島にはあるんですよ。その中間の愛知で見かけないとは…。
小倉マーガリンが幅を利かせ過ぎ,製パン用のマーガリンが全て小倉とのコンビにされているのかも知れませんね(笑)。
ぜひ一度召し上がっていただきたいです。
秋田・青森まで行った理由は,もちろん食の興味もありましたが,実はご当地耳かきをゲットしたいという理由も大きかったんですよ(^^ゞ
おかげさまでご当地耳かきもたくさん入手出来ました。
でも,青森の食文化は本当に面白いので,tomoさんにおすすめです!
りんごを食べつつ,りんごジュースを飲み比べる。
面白い,実に面白い発想です!!想像して笑ってしまいました(^_^)/
投稿: コウジ菌 | 2018年5月14日 (月) 23時15分