青森のソウルフード探訪記2 -味噌カレー牛乳ラーメン・味噌カレー牛乳煎餅・味噌バターカレー牛乳どらやき-
青森県青森市を訪問しました。
弘前駅から奥羽本線で青森駅へ向かったのですが,青森駅のホームに降り立つと,本州北端のターミナル駅なので,感慨深いものがありました。
この駅の先にあるのは,かつての青森と函館を船で結んだ青函連絡船の旅客ターミナルです。
現在は八甲田丸が係留保存され,一般公開されています。
(青森駅に停車する701系電車と青森ベイブリッジ)
青森のソウルフード「味噌カレー牛乳ラーメン」
青森駅周辺を歩いていると,お土産店や飲食店で「味噌カレー牛乳ラーメン」という珍しいネーミングのラーメンをよく目にしました。
このラーメン,知る人ぞ知る青森のソウルフードなのです。
そこで,この「味噌カレー牛乳ラーメン」が一体どんなラーメンなのか,味わってみることとしました。
私は牛乳(生乳)が全く飲めないので,少しためらいもあったのですが,食文化に興味を持つ者として,珍しい青森の郷土料理を味わうことなく帰る訳にはいかないと思い,「味噌カレー牛乳ラーメン」で有名なお店を訪問しました。
お店のメニューには,味噌ラーメン,塩ラーメン,しょうゆラーメン,カレーラーメン,バターラーメンなどシンプルな味のラーメンも用意されていました。
そうした単体の味がいろいろと組み合わされることでメニューが増やされ,味噌バター,味噌カレー,牛乳(バター入り),味噌カレーバターとだんだんと複雑なメニューとなり,その頂点に「味噌カレー牛乳ラーメン(バター入り)」が君臨しているのです。
個人的には,札幌ラーメンなら味噌バター,冒険して味噌カレーバターまでがストライクゾーンかなと思ったのですが,青森のソウルフードは「味噌カレー牛乳ラーメン」なので,少し勇気を出して,このラーメンを注文しました。
(味噌カレー牛乳ラーメン(バター入り))
これが「味噌カレー牛乳ラーメン(バター入り)」です。
味噌の褐色,カレーの黄色,牛乳の白色が混ざり,明るめの黄色いスープとなっています。
具はもやし,メンマ,わかめ,チャーシューで,その上にバターの塊がのせられています。
スープの表面がテカテカしており,相当こってりしているのではないかという印象を持ちました。
テーブルには梅干しも用意されていました。
スープがたっぷり注がれ,麺が見えないので,麺をアップで撮影してみました。
(味噌カレー牛乳ラーメン(麺))
黄色く太いちぢれ麺です。
牛乳と表面の油脂で麺に光沢があります。
ドキドキしながらラーメンをいただいてみました。
スープは,味噌ベースのスープに牛乳を加え,カレー粉を加えた感じで,味噌の風味とスパイシーなカレー粉(カレールウではない)のおかげで見た目ほどこってりしておらず,牛乳っぽさも感じない仕上がりとなっていました。
それぞれの味がうまく協調し合って,独自の美味しさを生み出しています。
このスープをうまく受け止めているのが,札幌ラーメン系の太くコシのあるちぢれ麺です。
スープと同じ黄色い麺で,色の一体感もあります。
味の強さは商品名の順番と同じく,強い順に味噌味,カレー味,牛乳味そしてバター味だと感じました。
「この味ならいける」と思い,完食しました。
食べ終えた後になって,メニュー表に「味付けはいかようにも致します。お申し付けください。」と書かれていることに気付きました。
そこで,レジでの精算時,お店の方に,「例えば牛乳を少なめとか注文できるのですか。」と尋ねたところ,あっさりと「はい,できますよ。」と教えていただきました。
牛乳は少なめにお願いすればよかった…。
お店を出ると,お店の入口で味噌カレー牛乳ラーメンを紹介する映像が流れていました。
(「味の札幌 大西」入口)
その映像で味噌カレー牛乳ラーメンの作り方が紹介されていたので,興味を持ってひととおり観てみました。
味噌カレーラーメンの作り方は,
(1)ラーメン丼に自家製味噌ペーストを入れる。
(2)このペーストに牛乳とカレー粉を加える。
(3)このスープベースを豚骨と鶏ガラベースの熱いスープで溶く。
(4)太ちぢれ麺を入れ,もやし,チャーシュー,メンマ,わかめ,そしてバターの塊をのせて完成。
というものでした。
私にとっては,味噌ペーストに牛乳パックの牛乳をそのまま入れていた場面の映像が衝撃的でした。
やはり…牛乳は少なめにお願いすればよかった(笑)。
味噌カレー牛乳煎餅
青森のソウルフード「味噌カレー牛乳ラーメン」にちなんだ味噌カレー牛乳味のお菓子もあります。
「味噌カレー牛乳煎餅」です。
(味噌カレー牛乳煎餅(包装))
「味噌のコクとスパイシーなカレー,牛乳のまろやかさが絶妙なご当地名物味のせんべいです。」と説明されています。
包装の裏面には,青森味噌カレー牛乳ラーメンについて説明書きがありました。
(味噌カレー牛乳煎餅(包装裏面))
味噌カレー牛乳ラーメンには,バターが自動的にトッピングされること(だから名称に「バター」が入ってないのですね。),30年以上の間,青森市民に愛され続けるソウルフードであることなどが説明されています。
開封し,煎餅を取り出してみました。
(味噌カレー牛乳煎餅)
中心が盛り上がった一辺が約4.5cmの正方形で,黒ゴマが加えられた南部せんべい風のせんべいです。
ただ,市販の南部せんべいと比べて軽い食感で,味は明治「カール カレーあじ」(2017年5月25日販売終了)に似ているように感じました。
カレー粉と牛乳の味が前面に出ており,ほんのりと味噌味を感じました。
この煎餅を汁の中に入れると,青森県八戸市の名物「せんべい汁」を進化させた「味噌カレー牛乳せんべい汁」ができそうです(笑)。
味噌バターカレー牛乳どらやき
「青森市文化観光交流施設 ねぶたの家 ワ・ラッセ」内にある「青森ふるさとショップアイモリー」で面白いお菓子を見つけました。
(ドラえもんの口調で)「味噌バターカレー牛乳どらやきー」(笑)。
(味噌バターカレー牛乳どらやき(包装))
味噌カレー牛乳ラーメン以上に味の想像がつかない食べ物です。
「2012年ふるさと食品コンクール」で青森県知事賞を受賞した青森県推奨土産品認定商品です。
(味噌バターカレー牛乳どらやき)
袋を開けた瞬間,カレーの香りが広がりました。
どらやきの皮は,小麦粉・卵・砂糖のほか,地元津軽の味噌が加えられており,水の代わりに牛乳でこねて焼き上げられたものです。
味噌や牛乳が加えられていますが,一般的な甘いどらやきの皮とよく似ています。
特徴的なのは中のあんです。
甘い白あんにカレーが混ぜられているため,ベースは甘いのですが,カレーのスパイシーな風味も感じられる不思議な味のカレーあんに仕上がっています。
そして写真のどらやきをよく御覧いただくと,カレーあんと皮の間に黄色の薄い層があることが御確認いただけるかと思います。
これはバターの層です。
バターがたっぷり塗られていることで,味噌,牛乳,カレーあんの味をうまく包み込み,全体がうまく調和した味に仕上がっているのです。
このどらやきはバターが重要な役割をしているので,商品名も「味噌カレー牛乳」ではなく「味噌バターカレー牛乳」とされているのでしょう。
味噌カレー牛乳をお菓子にするというアイデアも面白いのですが,「面白い,珍しい」にとどまらず,その味をうまくまとめ,立派な青森のお菓子に仕上げられていることが素晴らしいです。
もちろん,ドラえもんにもおすすめです。
味噌カレー牛乳にバターまで加わった青森のソウルフード,いかがでしたでしょうか。
私はこう思いました。
「わいは,めぇ!」(これはびっくり,うまい!)
<関連サイト>
「味の札幌 大西」(青森市古川1-15-6 大西クリエイトビル1F)
「有限会社マルカワ渋川せんべい」(青森市新田1-9-17)
「青森ふるさとショップアイモリー」(青森市安方1-1-1)
「松栄堂」(青森市栄町1-5-4)
<関連記事>
「青森のソウルフード探訪記1 -万茶ンの太宰ブレンド・りんごジュース自動販売機・イギリストースト-」
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コメント
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こんばんは!
牛乳ラーメンなら会津にもありますが~
味噌カレーが合体してるのね。
美味しそうです(* ̄∇ ̄*)
投稿: ヒナタ | 2018年7月 5日 (木) 22時08分
ヒナタ 様
こんばんは。
明るくお元気なコメントをいただき,なにより嬉しいです!
確かに会津に「ミルクみそラーメン」がありますね。
それにカレー粉とバターを加えれば「味噌カレー牛乳ラーメン」の出来上がり(笑)
青森では「味噌カレー牛乳ラーメン」が有名なので,こちらをいただきましたが,会津なら,まずは「会津ラーメン」,「喜多方ラーメン」をいただきたいです。
牛乳のトッピングはちょっと,ほんのちょっとでいいです(笑)。
投稿: コウジ菌 | 2018年7月 5日 (木) 22時47分
あっ、牛乳ダメでしたね。(笑)
思い出しました!(* ̄∇ ̄*)
投稿: ヒナタ | 2018年7月 6日 (金) 14時29分
ヒナタ 様
牛乳ダメなのですが…食の興味の方が強いので,これからもいろんな料理に挑戦したいです(^^)v
投稿: コウジ菌 | 2018年7月 6日 (金) 19時46分