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2018年8月 2日 (木)

広島のレモン菓子・レモンケーキ11 -菓子・パンメーカーの全国展開と地域(店舗)限定ビジネス-

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


不二家「瀬戸内大長レモンケーキ」

 「不二家」の「瀬戸内大長(せとうちおおちょう)レモンケーキ」です。

(不二家「瀬戸内大長レモンケーキ」(包装))
Photo

 「大長(おおちょう)みかん」で有名な広島県呉市豊町大長地区で採れたレモンが41%使用されています。

(不二家「瀬戸内大長レモンケーキ」)
Photo_2

 開封した瞬間,さわやかなレモンの香りが広がりました。

 サイズは横約7cm,幅約4.5cm,高さ約3cmです。

 レモンチョコのコーティングはありませんが,レモンピールがざくざく入っており,表面にもいくつかレモンピールが確認できます。

(不二家「瀬戸内大長レモンケーキ」(中身))
Photo_3

 ケーキ生地はしっとりとしており,バターよりもレモン風味を強く感じる,レモン好きには嬉しい仕上がりとなっています。


 「不二家」(広島県内の各店舗ほか)


八天堂「ひろしま檸檬ケーキ」

 広島県三原市で創業し,今や全国で知られるようになったパン屋「八天堂」の「ひろしま檸檬ケーキ」です。

 広島空港に近いスイーツパン工房「八天堂カフェリエ」で購入しました。

(八天堂「ひろしま檸檬ケーキ」(包装))
Photo_4

 レトロなイメージの包装紙がレモンケーキとよく合っています。

(八天堂「ひろしま檸檬ケーキ」)
Photo_5

 ケーキとは言え,パン屋さんで売られているケーキなので,横約12cm,幅約7cm,高さ約3cmと,広くひらべったい形をしており,その大きさは菓子パンに近いです。

 レモンチョコはなく,カステラのようなふわふわしたとてもやわらかい生地です。

 これは看板商品の「くりーむパン」と同様,スイーツのようなパンを作る発想が生かされているからでしょう。

(八天堂「ひろしま檸檬ケーキ」(中身))
Photo_6

 ケーキ生地には,レモンピールが練り込まれており,その食感を楽しみながらいただくことができます。


 「八天堂カフェリエ」(広島県三原市本郷町善入寺用倉山10064番190)


ガトーフェスタ ハラダ「ティグレス シトロン」

 ラスク「グーテ・デ・ロワ」で有名な「ガトーフェスタ ハラダ」から,広島限定のレモンケーキ「ティグレス シトロン」が販売されています。(2018年7月10日販売開始)

(ガトーフェスタ ハラダ「ティグレス シトロン」(包装))
Photo_7

 チラシには,
 「シトロンとは,フランス語でレモンを意味します。『ティグレスシトロン』は,ガトーフェスタ ハラダ自慢のチョコレートケーキ『ティグレス』を広島限定でレモンテイストにアレンジしたお菓子です。
 瀬戸内のレモンの果皮と果汁を生地に使用することで生み出される,フレッシュなレモンの魅力を焼き菓子にそのまま封じ込めたかのような味わいは,レモン本来の爽やかな酸味と香りを感じることができる逸品です。」
 と説明されています。

 そして,よく見ると,ロゴマークがレモン絞り器のデザインとなっています(笑)。

(ガトーフェスタ ハラダ「ティグレス シトロン」(レモンロゴマーク))
Photo_8

 遊び心もありますね。

 期待を胸に,開封してみました。

(ガトーフェスタ ハラダ「ティグレス シトロン」)
Photo_9

 横約7cm,幅約5.5cm,高さ約2cmの小判形(楕円形)です。

 中のくぼんだ部分にレモンチョコがたっぷりと入っています。

(ガトーフェスタ ハラダ「ティグレス シトロン」(中身))
Photo_10

 断面を御覧いただくと,ケーキ生地にレモンチョコが厚めに流し込まれている様子がお分かりいただけるかと思います。

 このレモンチョコは,「酸っぱい」と感じるほどレモンの酸味が強く,レモンケーキ全体のレモン風味を引き立てています。

 ケーキ生地もしっとりとしてレモン風味が効いており,中には大きめのレモンピールもたくさん混ぜ込まれています。

 レモンケーキというよりは,レモンのショートケーキのような印象を持ちました。

 暑い時期は冷やすとより一層美味しくいただけるように思います。

 ちなみにガトーフェスタ ハラダでは,この広島限定ティグレスのほかにも,「ティグレス ノースホワイト」(ホワイトチョコ・北海道限定),「ティグレス 小倉餡」(小倉餡・愛知限定),「ティグレス マッチャ」(抹茶チョコレートと黒豆・京都限定)など地域限定菓子・お土産用菓子にも力を入れておられるようです。


(補足)「ティグレス」の意味について

 「ティグレス(Tigresse)」はどういう意味だろうかと手元のフランス語辞典で調べてみると,「ティグル(Tigre,「トラ」)」の女性名詞で「雌のトラ」という意味でした。

 フランス菓子の中に「ティグレ」と呼ばれる菓子があります。

 チョコチップなどを混ぜ込んだフィナンシェ生地の中心部にチョコレートなどを流し込んだ菓子で,その名称はフィナンシェ生地がトラ柄(ヒョウ柄)に見えることに由来しているものと思われます。

 そういう目で見てみると,ガトーフェスタ ハラダのティグレスシリーズは,パッケージがいずれも縦の縞模様ですし,ケーキ生地もチョコチップや小豆,黒豆などを混ぜ込んだトラ柄(ヒョウ柄)に仕上げられています。

 今回御紹介した「シトロン」の場合はレモンピールがそれに該当するのでしょう。


 「ガトーフェスタ ハラダ」(そごう広島店で販売)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<応用研究>
菓子・パンメーカーの全国展開と地域(店舗)限定ビジネス

 今回御紹介したレモンケーキは,いずれもオリジナル商品の強みを生かして全国に展開されている会社の商品です。

 ある地域の人気商品が全国で支持される人気商品へと発展し,やがて定番商品となると,新たな需要を喚起する新商品の開発も求められることとなります。

 そうした新商品を開発する際の有力な方法の1つが,地域の特長やオリジナリティを生かした「地域(店舗)限定商品」の掘り起しではないでしょうか。

 全国の店舗で人気のオリジナル商品を販売する一方で,地域・店舗を限定した商品にも力を入れるというビジネスモデルです。

 このビジネスモデルについては,とりわけ菓子・パンメーカーで顕著に取り組まれているように思います。

 地域の菓子・パンメーカーが全国展開し,やがて店舗を構える地域の特色を生かした「地域(店舗)限定商品」の開発・販売が行われ,その商品が地域(店舗)でヒットすれば再び全国展開させるという地域と全国の循環型ビジネスは,とても興味深いものがあります。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

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コメント

八天堂のレモンケーキ、のどに詰まりそう的なコメントを
見かけたのでどんななのか気になってたんですよー!
そこまでボソボソではないようですね(笑)
ガトーフェスタハラダのは美味しそうです。
広島だけかぁ~残念!

chibiaya 様

コメントいただき,ありがとうございます。

以前chibiayaさんが記事にされた品川限定の八天堂のレモンケーキがあったなと,過去の記事を読ませてもらうと,「ひろしま檸檬パン」と言って,今回の「ひろしま檸檬ケーキ」とは少し違う商品だったんですね。

http://chibiaya.cocolog-nifty.com/chibiaya/2016/12/post-140b.html

「ひろしま檸檬ケーキ」は,しっとりとしてふわふわした生地のパンでしたよ。
広島駅で売り切れてて,広島空港近くの店舗でやっと買うことができました。
関東の店舗でも売ってもらえないかな~(笑)

ガトーフェスタハラダ。
広島店では現在,店全体に「ティグレス シトロン」が置かれていて,店が黄色く染まっています(笑)。
これは,レモンチョコのレモン風味が強く,ケーキ生地にもレモン風味が効いており,レモンピールもザクザクなので,chibiayaさんに自信を持っておすすめできます!
これこそ,広島発の全国商品にしていただきたいです(^^)v

地域発信による、オリジナリティビジネス、に
レモンケーキが一つの主役になってるってところ、面白いです^^

レモンケーキ、ときいて、きらい、って人はそうはいないですよねー
そういった愛され商品を作るのに、
特徴としてその地域に生産品された食材を利用するって、
愛され要素をいっそう強くする感じで、
おいしいのあったりまえやん!って^^
ウケんのあったりまえやん!って^^

そんなふうに思いましたーっ

 - - -

前回のバナナ、皮まで食べられるのって、
それもオリジナリティの一種かな^^

サウスジャンプ 様

サウスさん,こんばんは。
コメントいただき,ありがとうございます。

確かにおっしゃるとおりですね!
地域で長年愛され続けている食材・料理で作ったお菓子なら,その地域でヒットするのは当たり前ですよね~。
だけど,恥ずかしながら,執筆時の私にはそういう発想がありませんでした(>_<)
地元の人向けではなく,その地域ならではのお土産として他地域の人に食べてもらうための商品開発を念頭に文章をまとめました。(例えば京都の八ッ橋とか広島のもみじ饅頭とか。)

でもよくよく考えてみれば,地元の人が好む,地元の人のための商品開発だから売れるわけで,そんなの「あったりまえやん!」の世界ですね。

コメント,とても勉強になりました!

皮ごと食べられるバナナも,国産完熟であること,皮ごと食べられることがオリジナリティ,セールスポイントと言えるでしょうね。
私はこんな珍しい食べ物があると,少々高かろうがすぐ買ってしまいます(笑)。

都会に人やモノが集中する傾向にありますが,地方・地域だってオリジナリティや際立った特徴があればビジネスチャンスはたくさんあると思います。

逆に都会はそういう地方・地域の恩恵に授かって成り立っているとも言えそうですね。

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