ギリシャ料理の特徴と主な料理2 -ティロピタ・グリークサラダ・ギリシャヨーグルト・フルーツ・ガラトピタ-
東京で世界の朝ごはんを味わう
東京に世界各国の朝ごはんが味わえるお店があります。
「World Breakfast Allday」(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)というお店です。
「朝ごはんを味わうことで世界各地の伝統的な食文化に触れる」ことを目的として,世界各国の様々な料理が用意されています。
各国大使館,政府観光局,航空会社,各国出身の方などの協力を得て料理を作られており,お店を訪問すれば,そんな世界各国を代表する料理をワンプレートで味わうことができます。
メニューは「イギリスの朝ごはん」,「台湾の朝ごはん」,「スイスの朝ごはん」などのレギュラーメニューと,2か月ごとに国を変えて提供されるスペシャルメニュー(朝ごはんプレートと単品料理),そして世界各国のドリンクで構成されています。
私は,東京に泊まった翌朝,「World Breakfast Allday 原宿店」へ行き,訪問時(2018年9月)に用意されていたスペシャルメニュー「ギリシャの朝ごはん」をいただきました。
ティロピタ・グリークサラダ・ギリシャヨーグルト・フルーツ
注文してしばらくすると,作り立てのギリシャの朝ごはんプレートが運ばれてきました。
(ギリシャの朝ごはんプレート)
手前に2つある大きなパイが「ティロピタ」,皿の左上が「グリークサラダ」,その右側が「ギリシャヨーグルト」,そして「フルーツ(マスカットとイチジク)」です。
(ティロピタ)
パイ生地(ピタ)の中に山羊乳や羊乳を使ったギリシャの代表的なチーズ「フェタチーズ」のクリームがたっぷりと入った料理です。
パイ生地は「フィロ」と呼ばれる薄い生地で,熱々パリパリなので,ナイフとフォークで切り分けようとすると皿の外に飛んで大変でした(笑)。
中のフェタチーズは,軽めで,においやクセが少ないので,チーズが苦手な人にも割合食べやすいチーズだと思います。
フェタチーズの塩味とパイ生地の甘味・バター風味がよく合いました。
ギリシャには,この「ティロピタ」に似た料理で,「スパナコピタ」と呼ばれるホウレンソウのパイ包み料理も有名です。
(グリークサラダ)
スライスしたトマト,キュウリ,玉ねぎ,オリーブなどの野菜に,オリーブ油や白ワインビネガーをベースにしたドレッシングをかけ,仕上げにオレガノがふりかけられたギリシャのサラダです。
このサラダに賽の目に切ったフェタチーズをかけ,たっぷりと皿に盛った料理は「ホリアティキ」(田舎風・自家製サラダ)と呼ばれます。
夏には角切りのスイカを入れた,日本人から見ると一風変わったサラダも好まれています。
(ギリシャヨーグルト)
ギリシャヨーグルトの特徴は,ヨーグルトの水切りを行う(水分や乳清を除去する)ことです。
そのため,他のヨーグルトに比べて,ギリシャヨーグルトは濃厚でクリーミーな味わいとなります。
今回のギリシャヨーグルトには,ギリシャ産の蜂蜜や粉末のシナモンがかけられており,そのままでは酸味の強いギリシャヨーグルトを食べやすくする工夫がされていました。
(フルーツ)
ギリシャではブドウ,イチジク,ザクロ,スイカ,メロンといったフルーツがよく食べられています。
こうしたフルーツの中で,今回はマスカットとイチジクが用意されました。
ヨーグルトと果物の組み合わせは,朝食にぴったりです。
ガラトピタ
せっかくの機会なので,朝ごはんプレートとは別にアラカルトで,デザートの「ガラトピタ」を注文しました。
(ガラトピタ)
「ガラトピタ」はセモリナ粉を使ったカスタードクリームのパイです。
御用意いただいた「ガラトピタ」は,表面がパリッと香ばしいパイ生地で,中にはバニラビーンズ入りのカスタードクリームがたっぷり詰められており,ホイップクリームとミントも添えられていました。
少しかためのプリンかカタラーナをパイ生地で包んだような食感・風味でした。
今回御紹介した「ティロピタ」(「ティロ」はチーズという意味),「スパナコピタ」(「スパナコ」はホウレンソウという意味)そして「ガラトピタ」(「ガラ」は牛乳という意味)など,ギリシャでは「ピタ」(パイ)を使った料理やお菓子が多いのも特徴の1つです。
世界の朝食を味わいながら世界各地の伝統的な食文化の理解を目指す取組みはとても興味深く,注目に値すると思います。
<関連リンク>
「World Breakfast Allday」(東京都渋谷区神宮前6-15-14-1F(原宿店)ほか)
<関連記事>
「ギリシャ料理の特徴と主な料理1 -サガナキ・ホリアティキ・スブラキ・ムサカ・マスティクア-」
<参考文献>
「大使館の食卓 おうちで簡単レシピ集」産経新聞出版
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