愛媛県新居浜市 「東洋のマチュピチュ」別子銅山遺跡とマチュピチュカレー
「東洋のマチュピチュ」別子銅山遺跡
ペルーのアンデス山脈にあるマチュピチュ遺跡。
標高2,280mの高地にあるインカ帝国の天空都市の遺跡です。
信じられないような高地に都市遺跡があることで有名ですが,実は日本にも「東洋のマチュピチュ」と称される観光地があります。
愛媛県新居浜市にある別子銅山遺跡です。
別子銅山は,標高750m前後の東平(とうなる)地区を拠点に,赤石山系の山中から海面下約1,000mまで広範囲に採鉱された銅山です。
元禄3(1690)年に銅の露頭が発見された翌年から住友が採掘を開始し,昭和48(1973)年の閉山までの283年間で総出鉱量約3,000万トン,産銅量約65万トンを記録しました。
別子銅山と住友,新居浜市の郷土料理「いずみや」
別子銅山は,現在の住友グループの基礎を築いた母なる銅山でもあります。
東平には最盛期には5,000人余りの銅山関係者とその家族が住み,劇場や「私立住友別子尋常高等小学校」(教員は住友社員)も設置されてました。
現在はレンガ造りの銅山関連施設や生活関連施設の面影を残すのみとなっていますが,その遺跡群は確かにペルーのマチュピチュを彷彿させるものがあります。
(東平から新居浜市街地・瀬戸内海を望む)
写真手前上方の遺跡が「貯鉱庫跡」,下方の遺跡が「索道停車場跡」,写真右上は新居浜市街地と瀬戸内海です。
新居浜市内には「リーガロイヤルホテル新居浜」がありますが,都市型の大型ホテル「リーガロイヤルホテル」が新居浜市にあるのも,住友の企業城下町ならではと言えるでしょう。
また,新居浜市には「いずみや」と呼ばれる郷土料理もあります。
コノシロやアジなどの魚に「おから」を合わせる押し寿司で,そのルーツは江戸時代に住友家からもたらされた寿司飯の押し寿司にあります。
当時貴重だった米に代わって「おから」を用いた押し寿司が新居浜の料理となったのです。
住友家由来の料理ということで,料理名は住友家の屋号「泉屋」に由来しています。
ちなみに現在の住友グループの「井桁マーク」もこの「いずみ」に由来したものです。
別子銅山遺跡と銅食器
東平から山側を眺めました。
(東平から赤石山系を望む)
「索道停車場跡」から赤石山系を撮影した写真です。
東平の奥にもさらに高い山々が連なっているのがわかります。
続いて「小マンプ」(短いトンネル)内の鉱山運搬機器を見学しました。
(小マンプ内鉱山運搬機器展示場)
銅鉱石運搬車両や蓄電車など住友金属鉱山株式会社から新居浜市に寄贈された運搬機器・車両が展示されています。
その後,「東平歴史資料館」を見学しました。
(銅食器などの銅製品)
銅食器は見た目の美しさや熱伝導率の良さが特長として挙げられます。
そう言えば,フランス料理店の厨房でもキャスロール鍋などの銅製調理器具をよく見かけるように思います。
マチュピチュカレー
「マイントピア別子・東平ゾーン」施設内のレストラン「もりの風」で食事をしました。
特色のあるメニューの中から,私は最も別子銅山らしいと思った「マチュピチュカレー」を注文しました。
(マチュピチュカレー)
「SNS映え」,「インスタ映え」しそうな料理です(笑)。実際,周りのツーリング仲間からも注目されました。
お店の方から,「両側のライスが別子銅山の山を,カレー中央の白い生クリームが山あいを流れる足谷川を表現しています。」と教えていただきました。
ライスに刺さったレンコンやサツマイモは別子銅山の遺跡でしょうか。
ライスの形が左右異なっており,起伏のある山々がうまく表現されていると思いました。
ライスの山を少しずつ採掘する楽しみを味わいながら,美味しくいただきました。
カレーライスの具を「インカのめざめ」にすると,より話題性のあるマチュピチュカレーに仕上がるかも知れませんね。
別子銅山周辺は,飲食店・お土産店・鉱山観光・資料館・温泉など楽しめる施設が集まった魅力あふれる観光地です。
四国の観光にぜひ御利用ください。
<関連リンク>
「住友の歴史 別子銅山」(住友グループ広報委員会)
新居浜の郷土料理「いずみや」(えひめ愛フード推進機構)
「マイントピア別子」
<参考文献>
尾形希莉子・長谷川直子「地理女子が教えるご当地グルメの地理学」ベレ出版
« チンアナゴの耳かき・ちんあなごクッキー -広島県広島市- | トップページ | パレスチナ料理の特徴と主な料理1 -ピタパン・パレスチナ オリーブオイル・フムス・セージティー- »
「日本各地の食文化」カテゴリの記事
- 栃木の食文化探訪 -宇都宮の黒カレー・かりまん・揚げたてあげあんパン・チャット-(2025.01.05)
- 広島のいなり寿司 -「尾道いなり」と「棒いなり」(ばあちゃんの駅弁・いなりとチキン)-(2024.08.18)
- 沖縄の食文化探訪6 -沖縄のいなり寿司の特徴・なぜ沖縄で「いなりとチキン」が人気なのか-(2024.08.11)
- 沖縄の食文化探訪5-沖縄の大衆食堂で「ランチ」を味わう(トンカツ・天ぷら・海老フライ・揚げかまぼこ・ポークと玉子焼き・沖縄そば)-(2024.07.28)
- 沖縄の食文化探訪4-城まんじゅう、くんじゃんナントゥ、いもぽき、ポーポー、こんぺん・くんぺん-(2024.07.14)
コメント
« チンアナゴの耳かき・ちんあなごクッキー -広島県広島市- | トップページ | パレスチナ料理の特徴と主な料理1 -ピタパン・パレスチナ オリーブオイル・フムス・セージティー- »
最初の写真が特にマチュピチュみたいです!
投稿: chibiaya | 2018年11月 7日 (水) 20時21分
chibiaya様
コメントいただき、ありがとうございます。
はるか先に市街地と海が見え、後ろを振り返ると、はるか高く山がそびえ立ってました。
写真に写った送電線が日本っぽいですが(笑)
投稿: コウジ菌 | 2018年11月 7日 (水) 22時38分
ヘー初めて知りました!
映像しか知らないマチュピチュですが
確かに似てる(* ´ ▽ ` *)ノ
カレーも美味しそうでぅね!(*^O^*)
投稿: ヒナタ | 2018年11月 8日 (木) 17時33分
ヒナタ 様
コメントいただき,ありがとうございます!
私も初訪問で,初めて知ったことも多かったです(^^ゞ
「東洋のマチュピチュ」,四国・愛媛の観光地としておすすめです。
マチュピチュカレーですが,周りを見ると注文したのが私だけだったので,かなり目立ちました(笑)。
美味しくて楽しめるカレーライスです。
投稿: コウジ菌 | 2018年11月 8日 (木) 23時36分