イラン料理の特徴と主な料理 -セカンジャビン・シャルバット,トルシ,ククサブジ,バルバリ,パニール,イランのお菓子-
東京で世界各国の朝ごはんが味わえるお店「World Breakfast Allday(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)」外苑前店を訪問しました。
2019年2月,3月はイランの朝ごはんが特集されていました。
セカンジャビン・シャルバット
朝ごはんをいただく前に,お店の方にイランのドリンクについて尋ねたところ,「セカンジャビン・シャルバットはいかがでしょう」とお話いただいたので,このドリンクを注文してみました。
酢とミントで作られた「セカンジャビン」と呼ばれるシロップが入ったドリンクです。
(イランではドリンクのことを「シャルバット」と呼び,この名称は「シャーベット」の語源ともなっています。)
(セカンジャビン・シャルバット)
ミントの葉ものせられています。
程よい甘さの,さっぱり,スッキリとしたドリンクで,梅酒かベリー系リキュールを炭酸水で割ったような風味でした。
イランと言えばバラ水(ローズウォーター)も有名で,飲用だけでなく,料理やお菓子の香り付け・メイクなどにも幅広く使われています。
イランの朝ごはん
続いてイランの朝ごはんプレートが運ばれてきました。
(イランの朝ごはんプレート)
プレートの上側が「野菜サラダ」と「トルシ」,それから時計回りに緑色のオムレツ「ククサブジ」,手前が「ナン(バルバリ)」,小皿に入った「生クリームとはちみつ」,中心には白いチーズ「パニール」が盛り付けられています。
【野菜サラダとトルシ】
ベビーリーフ・トマト・ラディッシュ・クルミなどの野菜サラダと,「トルシ」と呼ばれる漬物(ピクルス)のセットです。
トルシは,オリーブの実とミニキュウリ(ガーキン)でした。
【ククサブジ】
野菜とハーブ入りのオムレツ「ククサブジ」です。
「クク」はオムレツ,「サブジ」は野菜(料理)という意味です。
上に飾られた赤い実はラズベリーです。
イラン原産のホウレンソウをはじめとする野菜やハーブがたっぷり入っており,本来は黄色いはずのオムレツが濃い緑色に仕上がっていました。
ハーブは主に乾燥ハーブを使われたそうです。
【ナン(バルバリ)・生クリームとはちみつ】
イランの主食「ナン」です。
今回のナンは「バルバリ」と呼ばれる,大きなわらじのような比較的厚みのあるナンでした。
パリッと香ばしいナンを小皿に入った生クリームや甘いはちみつと一緒にいただくと,「ナンなんだこのうまさは」と思えるほど美味しかったです。
【パニール】
中央の白い塊は「パニール」と呼ばれるチーズです。
クセがなく食べやすいチーズで,サラダやナンと一緒にいただきました。
イランのデザートプレート
イランのデザートプレートも注文しました。
(イランのデザートプレート)
皿の一番上が「サフラン風味のアーモンドタフィー」,以降時計回りに,「ローズウォーター&カルダモン風味のミルクプリン」,「イラン産のデーツ」,「ハルワ」,「サフランアイスクリーム」です。
【サフラン風味のアーモンドタフィー】
細かく刻んだアーモンド入りのタフィー(トフィー)です。
緑色のピスタチオ(イランは世界有数のピスタチオ生産国です)も添えられています。
板状のキャラメルと香ばしいアーモンドのお菓子です。
【ローズウォーター&カルダモン風味のミルクプリン】
イランでよく使われるローズウォーターとカルダモンを使ったミルクプリンです。
シナモンパウダーがかけられています。
私はミルクが苦手なのですが,バラやカルダモンの香りがする上品なミルクプリンに仕上がっており,美味しくいただくことができました。
【イラン産のデーツ】
ドライフルーツの1つ干しデーツ(ナツメヤシの実)です。
私は「神戸ムスリムモスク」でもこの干しデーツを見かけたことがあるのですが,それだけイスラム圏ではポピュラーな食べ物です。
また,デーツはそのコク深い甘さから,お好みソースの原材料に採用している広島のメーカーもあります。
【ハルワ】
ハルワは,バターで小麦粉をじっくり炒め,しっかりとかためたお菓子です。
バラとピスタチオが飾られています。
カボチャかサツマイモの甘いあんこ,もしくはスイートポテトをかたく丸めたような食感・風味のお菓子でした。
【サフランアイスクリーム】
サフラン入りアイスクリームです。
ピスタチオと生クリームを冷凍した白いアイスが添えられています。
サフランは世界一高価なハーブ・スパイスとして有名ですが,イランではアイスクリームや「チェロウ」と呼ばれる黄色いバターライスなど,料理やお菓子に幅広く使われています。
サフランの色や香りを楽しめるアイスクリームでした。
イランの朝ごはんプレートだけでなく,イランのドリンクやデザートプレートもいただき,とても豪華な朝食となりました。
<関連リンク>
「World Breakfast Allday」(東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F(外苑前店)ほか)
「デーツとは~お好みソースとデーツの深い関係~」(オタフクお好みソース)
<関連記事>
「ギリシャ料理の特徴と主な料理2 -ティロピタ・グリークサラダ・ギリシャヨーグルト・フルーツ・ガラトピタ-」
<参考文献>
沼野恭子編「世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理」東京外国語大学出版会
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コメント
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今晩は!
イラン料理というと、おこげ飯を思い出しますが、
朝はパン食なんでしょうかね?
私もそうですが。
アッ!パン食でなくナン食か( ^ω^ )
投稿: なーまん | 2019年3月18日 (月) 00時53分
なーまん 様
こんばんは。
コメントいただき,ありがとうございます!
イラン料理は,煮込み料理とバターライスの組み合わせが一般的とのことです。
ただ「おこげ」が好まれるという話までは知りませんでした。
勉強になりました。
イランでは,朝は主にナンで,昼や夜にはご飯も食べるという食生活が一般的なようです。
今回の食事で一番印象に残ったのが,ナンと生クリーム・はちみつの組み合わせでした。
これならナン食が何食続いても難なくいけるなと思いました(^^ゞ
朝食にナンもいいかも知れませんね。
湘ナンで食べると格別だろうな~(笑)
投稿: コウジ菌 | 2019年3月18日 (月) 23時27分