日本のバウムクーヘン100周年イベント -2019広島みなとフェスタ・バウムクーヘン博覧会 2019-
今から100年前(1919年)の3月4日,広島県物産陳列館(現在の原爆ドーム)でドイツ人捕虜による技術工芸品展示会が開催されました。
その展示会で,ドイツの菓子職人カール・ユーハイム(後の「ユーハイム」の創業者)が焼き上げたバウムクーヘンが紹介されました。
これが日本で最初に紹介されたバウムクーヘンです。
これを記念して,毎年3月4日は「バウムクーヘンの日」とされ,広島が日本のバウムクーヘン発祥の地となりました。
今年(2019年)の3月4日で100周年を迎えたことから,広島では数多くの記念イベントが開催されています。
数あるイベントのうち,私は3月に開催された「2019広島みなとフェスタ」と「2019バウムクーヘン博覧会」へ出かけました。
2019広島みなとフェスタ
「広島みなとフェスタ」は,広島市南区の「広島みなと公園」とその周辺地域,そして日本で最初にバウムクーヘンが焼かれた似島を会場として毎年開催されている広島の一大イベントです。
今年は日本のバウムクーヘン100周年を記念して,様々なイベントが実施されました。
【似島バウムクーヘン】
広島市南区の進徳女子高等学校と「パティスリーアニバーサリー」で考案された伝説スイーツ「似島バウムクーヘン」が販売されていました。
(似島バウムクーヘン)
「安芸小富士」と称される似島の形をイメージした三角形のバウムクーヘンです。
このバウムクーヘンの特徴は,似島でも生産されているレモンが使われていることです。
もっちりとした厚みのある生地に,大きめのレモンピールがザクザク入っており,外側はレモンチョコでコーティングされています。
レモンケーキに近い,広島ならではのバウムクーヘンでした。
【Baumコロコロステーキ】
広島市の洋菓子店「櫟(くぬぎ)」の出店ブースで販売されていた「Baumコロコロステーキ」です。
(Baumコロコロステーキ)
バウムクーヘンをホットプレートの上で焼き,サイコロステーキのように一口大に切って,チョコレートソース・ピスタチオ・ドライフルーツをトッピングしたお菓子です。
バウムクーヘンは焼いたり温めたりして食べると,風味が増してより美味しくなることがわかりました。
【ギネスに挑戦!世界一長いバウムクーヘン】
今年は特別イベントとして「ギネスに挑戦!世界一長いバウムクーヘン」というイベントが開催されました。
2019年にちなんで,世界最長となる2019cmのバウムクーヘンを100人で焼き,観客がその証人になろうという企画です。
この長いバウムクーヘンの作り方は,
(1)長い鉄の棒をゆっくり回転させながらバウムクーヘンの生地を流し込む
(2)棒を炭火の上に平行移動させ,ゆっくり回転させながら生地を焼く
(3)生地が焼き上がったら,再度棒を手前に平行移動させ,焼けた生地の上にバウムクーヘンの生地を流し込む
(4)(2)~(3)の作業を繰り返し,バウムクーヘンの年輪を一層ずつ作る
というものです。
(世界一長いバウムクーヘンを作る様子)
焼けた生地の上にバウムクーヘンの生地を流し込んでいる様子です。
写真手前にも用意されている炭火を使ってじんわり・ふっくらと焼き上げられます。
(鉄の棒を平行移動させている様子)
長さ36mに及ぶ鉄の棒の端で,バウムクーヘン生地の上と炭火の上とを交互に平行移動させている様子です。
緩やかな山なり(アーチ形)の鉄棒ですが,バウムクーヘンの層が増すにつれ,その重みでMの字に変化していたのが印象的でした。
こうした作業が約2時間続けられ,14層のバウムクーヘンが完成しました。
(世界一長いバウムクーヘン完成の様子)
歓声に沸く参加者の様子です。
続いて,ギネス認証に向けた審査が行われました。
(ギネス審査員による審査)
ギネス審査員により,バウムクーヘンとしてどの箇所もきちんとムラなく焼き上がっているかどうかが審査され,次に出来上がったバウムクーヘンの全長がメジャーで計測されました。
そしていよいよ,メインステージで大勢の観客が注目する中,審査結果発表が行われました。
結果は20m87cm
目標の2019cm(20m19cm)を優に超えています。
見事世界記録達成です!
(ギネス認定の様子)
最後は全員で合言葉「ブンダバー」(※)と発声し,ギネス認定の喜びを分かち合いました。
※ドイツ語で「素晴らしい」・「美味しい」という意味
2019年バウムクーヘン博覧会
今回で3回目の開催となる「バウムクーヘン博覧会」へ行きました。
【焼きたてバウムクーヘン】
会場内でユーハイムのマイスターの方が手作りで丁寧に焼き上げられた「焼きたてバウムクーヘン」をいただきました。
(焼きたてバウムクーヘン)
焼きたて・ホカホカで,しっとり・もっちりした食感があり,バターの風味が豊かなバウムクーヘンでした。
【バウムクーヘンBAR47】
会場内では,日本全国47都道府県のバウムクーヘンが販売されており,それらのバウムクーヘンを一口サイズで味わえる企画もありました。
そこで,私もいくつか味わってみました。
(バウムクーヘンBAR47・その1)
写真上から時計回りに
茨城県:「バームクーヘン専門店クローネ」の「クローネバウムクーヘン」
青森県:「お菓子のみやきん」の「ふっくらバームクーヘン年輪焼」
福島県:「お菓子の蔵 太郎庵」の「メープルバウム会津桐」
静岡県:「リーベンローザ」の「リーベンバウム」
山梨県:「パティスリー ザ・エレン」の「エレンバウム「時のなる木」ハードタイプ」
です。
(バウムクーヘンBAR47・その2)
写真右上から時計回りに
兵庫県:「杵屋」の「書写千年杉(小倉)」
奈良県:「BAUM283」の「プレーン」
滋賀県:「サロン・ド・カフェ・アプリ」の「さきらバウム」
沖縄県:「大家スイーツ工房」の「福ブラウン(沖縄黒糖のこだわりバウム)」
香川県:「フランス菓子工房ラ・ファミーユ」の「黄金バウムクーヘン」
です。
バウムクーヘンと言っても,「しっとり系・ふんわり系・ハード系」,「プレーン(バター)風味・キャラメル風味・チョコレート風味・メープル風味・黒糖風味・抹茶風味・果物風味」,「年輪形・長方形・天然木形・スティック形」,「食材(米粉・卵・砂糖・生クリーム・はちみつなど)の重視」など,実にバラエティ豊かです。
【100周年記念バウムクーヘン】
広島みなとフェスタ会場内でバウムクーヘン100周年記念スタンプラリーのカードをいただきました。
広島市内の各デパートのバウムクーヘン記念イベント会場でスタンプを集めると,オリジナルバウムクーヘンがもらえると知り,頑張ってスタンプを集めました。
そしてオリジナルバウムクーヘンをいただきました。
(100周年記念バウムクーヘン)
博覧会会場では100周年記念シールもいただき,いずれも良い記念となりました。
現在,広島の洋菓子店やお土産店では,バウムクーヘン100周年にちなんだバウムクーヘンがたくさん販売されています。
今年はぜひバウムクーヘン発祥の地・広島でバウムクーヘンを御賞味ください。
<関連サイト>
「バウムクーヘン博覧会」(バウムクーヘン博覧会)
<関連記事>
「「バウムクーヘン博覧会」 -広島からはじまる日本のバウムクーヘンの歴史-」
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