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2019年7月13日 (土)

中国料理の特徴と主な料理1 -水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め)-

 中国少数民族料理を味わいたいと思い,神奈川県藤沢市の中国料理店「茶馬燕(ちゃーまーえん)」を訪問しました。

 今回の一番のお目当ては発酵食の「水豆鼓(スイドウチ)」の料理です。

 お店でいただいた料理を御紹介します。


お茶と前菜

 最初にお茶をいただきました。

 お茶の種類が「凍頂烏龍茶」,「東方美人」,「プーアル茶」,「茉莉花茶(ジャスミン茶)」から選べたので,私は台湾で有名な「東方美人」をホットでいただきました。

 しばらくお茶を楽しんでいると,前菜プレートが用意されました。

(前菜)
Photo_20190713162301

 写真左上が「自家製叉焼(チャーシュー)」,右上が「カブの甘酢」,中心が「おつまみ唐辛子」,左下が「台湾スパイシー枝豆」,そして右下が「マダコの香菜ソース」です。

 「自家製叉焼」は,厚めにカットされていて,ジューシーなチャーシューでした。

 「カブの甘酢」は,日本の紅白なますと同じような,さっぱりと酸味の効いた前菜でした。

 「おつまみ唐辛子」は,大きめの唐辛子から辛味成分を抜いた,辛くない唐辛子のチップスとナッツのセットでした。
 辛味を抜いた唐辛子というのは初めてで,なぜ辛味を抜くことができるのだろうかととても不思議に思いながらいただきました。

 「台湾スパイシー枝豆」は,茹でた枝豆を殻ごとスパイスと一緒に炒めた料理でした。

 「マダコの香菜ソース」はマダコの刺身に香菜(シャンツァイ,コリアンダー)のソースをかけた料理でした。


水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め)

 前菜を味わった後,いよいよ私が一番味わってみたかった料理が登場しました。

 「水豆鼓炒蛋(スイドウチ チャオダン)」(貴州納豆の卵炒め)です。

 「水豆鼓」は,中国雲南省,湖南省,四川省の一部などでよく使われる大豆発酵食品です。
 ※湖南省では「腊八豆(ラァバァドゥ)」とも呼ばれます。

 糸を引かない納豆のような食品で,こちらのお店では知らない人でもイメージしやすいよう「貴州納豆」と呼ばれています。

 日本の納豆との大きな違いは,納豆は納豆菌で発酵させるのに対し,水豆鼓(貴州納豆)は乳酸で発酵させ,さらに大豆の茹で汁に漬けて熟成させることです。

 納豆菌ではないため,糸は引きません。

 では料理を御紹介します。

(水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め))
Photo_20190713163901

 水豆鼓(貴州納豆)を卵でふんわりと炒め合わせたシンプルな料理です。

 いただいてみました。

 大粒の納豆をお湯で洗ってねばりを落とし,サラサラにした納豆を卵とじにしたような感じです。

 発酵させているので大豆はとてもやわらかく,乳酸発酵なので酸味も強く感じました。

 香りは納豆よりも醤油や魚醤に近く,醤油になりかけの大豆をいただいているような感じでした。

 納豆と卵の相性が良いように,水豆鼓(貴州納豆)と卵の相性もとても良かったです。

 そして納豆・卵と言えば,やはり白ご飯ですよね。

(水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め)と白ご飯)
Photo_20190713163202

 追加で白ご飯を御用意いただいたので,レンゲで水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め)をご飯の上にのせていただきました。

 まさに納豆卵かけご飯!相性は抜群でした。


白きくらげとメロンのコンポート

 デザートは「白きくらげとメロンのコンポート」をいただきました。

(白きくらげとメロンのコンポート)
Photo_20190713163203 

 白きくらげと一口大のメロンを優しい甘さのシロップに漬けたお菓子で,肉桂(シナモン)の香りも感じました。


 初めての料理や珍しい料理も多く,堪能させていただきました。

 会計の際,「茶馬燕」の中村秀行シェフも執筆された中国少数民族料理の本「ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華」が販売されていたので購入しました。

 お店のメニューには,中国の定番料理だけでなく,「雲南タイ族白身魚の揚げなれずし」,「雲南ジノー族風チベットティーのスープ」,「猛毒豆腐」など興味をそそる中国少数民族料理もたくさんありました。

 またいつか訪問し,いろんな中国料理を味わいたいです。


<関連サイト>
 「茶馬燕」(神奈川県藤沢市南藤沢20-15 第一興産18号館6F)

<参考文献>
 小山内耕也・中村秀行・水岡孝和「ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華」柴田書店
 「料理通信 2019年5月号 世界が夢中!"発酵"レッスン」料理通信社

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各国料理の特徴と主な料理」カテゴリの記事

コメント

おそらく藤沢の記事だろうと予想していましたが、まさか中華料理とは(^。^)
完全に意表を突かれました^_^
私の場合藤沢で行きつけの中華料理店といえば、萬福楼と餃子の王将だけですが(^_^)
中華街でもサービスランチばかりです( ´∀`)実に羨ましい!
可処分所得が豊富だったころ、台湾に行った事がありますが、料理はもちろんお茶が
美味しかった事を覚えています。
少数民族の料理には、私も心が動きます(^.^)
交通費は格安で済みそうですが、行ったら一人5千円以上掛かりそうですね( ´∀`)
お酒も飲みたいしね( ^ω^ )

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは!
コメントいただき,ありがとうございます。

地元のなーまんさんにぜひ読んでいただきたかったので嬉しいです。
恐らく,江ノ島のしらす丼か何かだと思われたと思います。
実際,なーまんさんのブログで御紹介いただいたお店は見に行きましたので(^^)v

今回は発酵を1つのテーマにしていたので,藤沢の珍しい中国料理店へ行くことに決めました。
萬福楼,良い雰囲気のお店ですね。また,湘南台でビッグ錠先生に似顔絵描いてもらった時,本当の背景は瀬戸内海や宮島ではなく,餃子の王将だったんですよ(笑)
台湾はお茶も美味しいですね。今台湾が人気ですが,なーまんさんは先見の明がおありだったのですね(笑)
茶馬燕は珍しい中国少数民族の料理も扱っておられるので,お値段もそれなりにかかるでしょうが,知っておいて損はないと思います。

生まれて初めての江ノ島や藤沢駅周辺,とても楽しかったです。
湘南台のバーへまた行く際,江ノ島・藤沢グルメもまた楽しめたらと思っています。
また湘南の魅力について,なーまんさんのブログなどで教えてくださいね。
楽しみにしております(^o^)

おはようございます。
キクラゲがメロンと一緒にデザートに…!
私には注文する勇気がありません(笑)
チラッとお店のHPを見たら、「猛毒豆腐」という文字がΣ(・ω・ノ)ノ!
どういう豆腐何だろう??とても気になって仕方ありません。

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは!
コメントいただき,ありがとうございます。

白キクラゲとメロンのデザート,中国にはこんな組合せもあるんだろうなと思いながらいただきました(笑)
食感が楽しめて,美味しかったですよ(^^)v
白キクラゲのことより,メロンのデザートなんて贅沢だなと思いながら食べたからかも知れませんが…(笑)

「猛毒豆腐」これ気になりますよね~(笑)
何と参考文献の本に掲載されていました!

要約すると,
○中国・湖南省に「湖南魚子豆腐(フゥナンユイズドウフゥ)」(魚卵の猛毒豆腐)と呼ばれる淡水魚の生の卵巣が使われる麻婆豆腐そっくりの調理・味付けの料理がある。
○お店の「猛毒豆腐」は,石川のフグの卵巣の糠漬けをペーストにし,ニンニク,生姜,豆板醤,豆鼓,鶏湯,干しシイタケ,醤油などとともに豆腐を入れて煮立てた料理。
○鮒ずしの卵巣を用いてもよく,それらの発酵によるうま味と香りが味わいの決め手となる。
と説明されています。

石川のフグの卵巣の糠漬けをごはんにのせたら「猛毒ごはん」になりますね(笑)

本は2,700円もしましたが,買ってchibiayaさんに御紹介出来て良かったです(^o^)

詳細な説明をありがとうございます。
豆腐そのものが猛毒なんじゃなくて、麻婆豆腐風な料理なんですね。
普段口にしている食材・料理なんて、世界で食べられているものの
ほんの一部なんだろうな~と改めて思いました。
そうそう、駅で電車を待っているときにふと自販機を見たらルーマニアの
国民的な飲料のファンタなるものが売られていました。
日本でルーマニアの味のジュースが飲めるとは…!

chibiaya 様

お読みいただき,ありがとうございました。
「麻婆」豆腐という名にかけて「猛毒」豆腐と命名されたのでしょうね。
本当に猛毒だったら,保健所が黙ってないだろうなとふと想像しました(笑)

先程まで料理教室へ参加していたのですが,講師に中国少数民族料理のことをお話ししたら,御存知で,猛毒豆腐の話などですごく盛り上がりました(笑)

ルーマニアのファンタ,気になったので少しだけ広島市内中心部の自動販売機を見て回ったのですが,見当たりませんでした。
エルダーフラワーが使われているようですが,このエルダーフラワーのドリンクはとても好みです。
過去に私の記事でデンマークの初夏の飲み物「フーゴ」を御紹介したことがあるのですが,多分これと似ているのだと思います。
https://kojikin.air-nifty.com/blog/2018/07/---ca04.html
興味深い情報,ありがとうございました!
さすがchibiayaさん!!

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