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2019年8月 3日 (土)

パレスチナ料理の特徴と主な料理2 -マクドゥース・サラダ・フムス・ラブネー・ピタパン-

 広島市内のカフェでパレスチナの朝ごはんをいただきました。

 私がこのお店に初めて訪問した際にいただいたのも,パレスチナの朝ごはんでした。

(パレスチナの朝食)
Photo_20190803161701

 今回御用意いただいたのは,マクドゥース,サラダ,フムス,ラブネー,ピタパンのセットです。

 それでは1つずつ御紹介したいと思います。


【マクドゥース】

(マクドゥース)
Photo_20190803161704

 「マクドゥース」はナスの中身をくり抜いて,細かく刻んだクルミのペーストを詰め,オリーブ油で漬けた料理です。

 縦に半分に切られたやわらかい小ナスの中に,肉詰めのような感じでザクザクしたクルミのペーストが詰められていました。

 店主さんから,日本で中東の料理を作る場合は,ナスをはじめいろんな夏野菜が出回る夏が適していると教えていただきました。


【レッドキャベツとキュウリのサラダ】

 レッドキャベツとキュウリのサラダです。

(レッドキャベツとキュウリのサラダ)
Photo_20190803161802

 ギザギザのキュウリに特徴があります。


【フムス】

 ひよこ豆をマッシュポテトのようにペースト状にした料理「フムス」です。

(フムス)
Photo_20190803161703

 ひよこ豆の皮まで取り除いて作られており,手間がかけられたフムスでした。

 赤いパプリカの粉末や「スマック」と呼ばれる中東独特の赤いスパイスなど,数種類のスパイスがかかっていました。

 茹でたひよこ豆ものせられていて,ひよこ豆のいろんな食感も楽しむことができました。


【ラブネー】

 「ラブネー」と呼ばれるヨーグルトのディップです。

(ラブネー)
Photo_20190803161801

 ギリシャヨーグルトに「ザアタル」と呼ばれる中東のミックススパイスを混ぜた料理です。

 こちらも赤いパプリカの粉末がかけられています。

 東欧に「スメタナ」と呼ばれるサワークリームに似たディップがありますが,それとよく似た味だと思いました。


【ピタパン】

 中東で広く食べられている代表的なパン「ピタパン」です。

(ピタパン)
Photo_20190803161702

 インドのナンに似た平べったいパンです。

 ピタパンの面白い特徴は,手で簡単にパンを2枚に開けられること(パンのポケットを作れること)です。

 なぜこうなるのか店主さんに質問したところ,よく発酵・乾燥させたパン生地を焼くと,こうしたパンに仕上がるとのことでした。

 中東の気候から生まれたパンなので,日本では「わざと」パン生地をそうした条件にして作られるのだそうです。

 こうした特徴があるピタパンは,中にいろいろと好きな具をはさんで食べることができます。

 私はこのことをすっかり忘れ,しばらくピタパンと料理を別々にいただきました。

 すると私の向かいのお客さんが,半円のピタパンをドラえもんのポケットのように2枚に開き,その中にサラダやフムス,ラブネーなどの料理を入れてサンドイッチにして召し上がっておられる様子が目に飛び込んできました。

 私は食べるのをピタッとやめ,「あっ,その食べ方がありましたね」とお話しして,早速私も試してみました。

 出来上がったピタパンサンドは,ピタッと味がまとまっていて,格別の美味しさでした。


 1つのテーブルをみんなで囲んでいただくカフェなので,単にカフェを楽しむだけでなく,みんなで試行錯誤しながら飲食したり,その料理や国の話題で盛り上がったりすることも可能なことが,このカフェの魅力だと思います。


<関連サイト>
 「Cafe Igel あかいはりねずみ」(広島市南区的場町1-7-2)

<関連記事>
 「パレスチナ料理の特徴と主な料理1 -ピタパン・パレスチナ オリーブオイル・フムス・セージティー-

<参考文献>
 「朝食から見た世界 イスラエル」中国新聞セレクト(2019年7月28日号)

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コメント

パレスチナというと気候、風土、宗教など、漠然と日本と対極に
あるようなイメージですが、ナスやキュウリが出てくると何だか
親しみを感じますね(^。^)
どちらもインド原産のようですが。
ワールド麺ロードの向こうを張って、ワールドパンロードを巡る
のも面白そうですね(^.^)v

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

ナスやキュウリはインド原産なのですね!
パレスチナでナスやキュウリが使われるって,親近感が湧きますよね。

本日,国境なき医師団(MSF)の医師からパレスチナの活動報告を伺ったのですが,その中でザクロ(ジュース)もよく食べられると伺いました。ザクロも親しみを感じます。

世界の麺やパンのルートを巡るのは,楽しいと思います。
今回のカフェの店主さんは,本当に世界のパンを巡って研究されているのですが,その原動力はきっとその面白さ,楽しさにあるのでしょう。
サンフランシスコの全米No.1ベーカリー「タルティーンベーカリー」のパンを,日本から一番近いソウルのお店で購入され,カフェで出されるほどの方ですから(笑)
こちらのカフェへお越しになれば,何か珍しいものが味わえると思いますよ(^^)/

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