中国料理の特徴と主な料理3 -白菜の中華風サラダ・麻婆豆腐・北京ダック・サツマイモの飴がけ-
旅と食べることが好きな仲間が集まって広島市内の中華料理店へ北京ダックを味わいに行きました。
私は丸ごとの北京ダックを味わうのは初めてで,少人数ではなかなか味わえない料理なので,ワクワクしながら参加しました。
今回は,北京ダックを中心に,お店で味わった中国料理を御紹介したいと思います。
白菜の中華風サラダ
最初に「白菜の中華風サラダ」を味わいました。
メニュー表には「家常涼菜」(日常の冷菜)と表現されていました。
(白菜の中華風サラダ ①)
白菜,キュウリ,人参,きくらげ,湯葉などを細長く切り,春雨も加えて胡麻油の効いたピリ辛ソースで和えたサラダです。
(白菜の中華風サラダ ②)
こちらはお店を御紹介いただいた幹事さんからいただいた写真です。
いつも魅力的な写真を撮られているので,このあとも何枚か御紹介させていただきます。
さっぱりとしていて,シャキシャキした食感が楽しめる一品でした。
白菜は日本でも馴染み深い野菜ですが,日本での歴史は意外と浅く,日本に到来したのは明治の中頃で,日清戦争に従軍した日本兵が中国から持ち帰ったのが最初とされています。
麻婆豆腐
日本でも定番の中華料理,麻婆豆腐です。
豆腐と挽き肉を豆板醤・甜麺醤で炒めた四川料理の1つです。
(麻婆豆腐)
こちらのお店の麻婆豆腐は,花椒(ホワジャオ)がかなり効いていて,いただいた後もしばらく口がピリピリ痺れました。
このパンチの効いた麻婆豆腐が売りなのでしょう。
メンバーから「花椒には赤,青のほかに紫もある」というマニアックな話も出て,盛り上がりました。
北京烤鴨(北京ダック)
今回のメイン料理,北京烤鴨(ベイジンカオヤー,北京ダック)を御紹介します。
北京ダックは,香ばしく焼いたアヒルの皮をそぎ,ネギやキュウリの細切りと甘味噌の「甜麺醤(テンメンジャン)」を小麦粉の生地で包んでいただく北京料理の1つです。
まずは丸ごと北京ダックを御紹介します。
(北京ダック ①)
続いて私が撮影した写真を2枚。
(北京ダック ②)
頭部まで丸ごとなので,とてもリアルなアヒルの姿です。
食に関心が高いメンバーばかりなので,この「ダックちゃん」を囲んで記者会見のように熱心に写真撮影しました。
お店の人や周りのお客さんからは,北京ダックより,私たちの方が変わってると思われたことでしょう(笑)
(北京ダック ③)
お披露目会が終わった後,「ダックちゃん」は再び厨房に戻され,調理されました。
北京ダックの皮をそぎ,食べやすく一口大にしてテーブルに供されました。
(北京ダックと海老せんべい)
たれに水飴が使われているので,つやつやした照りが出ています。
サクサクに揚げた海老せんべいの上に盛られています。
写真左上の黒いたれが甜麺醤です。
「ダックちゃん」が痛々しいなと思ったのは,メンバーの中で多分私だけでしょう(笑)
みんなキャッキャッと喜んでテンション高かったので。
(北京ダック・薄餅・キュウリ・白ネギ)
写真左下が北京ダックと海老せんべい,中央上側が「薄餅(バオピン)」と呼ばれるクレープのような小麦粉の生地,右下がキュウリと白ネギの細切りです。
薄餅に北京ダック(皮),キュウリ,白ネギ,甜麺醤をのせた上でその具を包み,いただきました。
その様子をまずはいただいた写真で。
(北京ダック(薄餅包み) ①)
続いて私の作った薄餅包みの写真で。
(北京ダック(薄餅包み) ②)
北京ダックの皮が見た目以上に弾力があったので,野菜と一緒に薄餅で包んでいただいた方が,そのままよりも食べやすくて美味しかったです。
北京ダックの皮だけを味わうことも多いですが,こちらのお店では,皮の下の肉も炒めてお出しいただきました。
(北京ダック炒め ①)
北京ダックの肉を白ネギ,唐辛子,ニンニクと一緒に炒めた北京ダック炒めです。
甜麺醤ベースの甘辛い味に仕上げられていました。
(北京ダック炒め ②)
奥の白いワイシャツ姿で写真撮影している人物は私です(笑)
「皮だけでなく,肉も普通に美味しい」というのが私の素直な感想です。
そしてさらに,肉の付いた骨をだしにした鍋も御用意いただきました。
(北京ダック鍋 ①)
骨がぶつ切りにされ,豆腐,白ネギ,唐辛子,ニンニクなどと一緒に煮込んだスープです。
(北京ダック鍋 ②)
鍋の中から,縦半分に切られた頭や背骨,足骨などが次々と出てきたので,私は少し引きました。
逆にその骨をパズルのように組み立て,これはどこそこの骨だと親切に解説してくださった,たくましいメンバーもおられました。
そんな中,私たちは「北京ダックは北京でも北京ダックと呼ばれているのか」という話題で盛り上がりました。
中国・天津に「天津飯」や「天津甘栗」がなかったり(※1),オーストリア・ウィーンに「ウィンナーコーヒー」という呼び名がない(※2)のと同じではないかという話です。
※1…かつて中国からの輸入品は天津(港)から日本にやってきたことから,中国=天津のイメージで名付けられたという説がある。
※2…ウィーンでは「アインシュペナー」(「一頭立て馬車」という意味)や「カフェ・ミット・シュラークオーベルス」(泡立て生クリームをのせたコーヒー)と呼ばれる。
ウィーンに滞在経験のあるカフェに詳しいメンバーから「アインシュペナー」の説明があり,感心しながら話を聞きました。
逆に神戸の「神戸牛」のように地元でも通用する名称の可能性もあります。
こうした話題で盛り上がるところが,旅や食事に興味のある仲間らしくて面白かったです。
抜絲地瓜(さつまいもの飴がけ)
デザートに「抜絲地瓜」(バースーディグワ,さつまいもの飴がけ)をいただきました。
(抜絲地瓜(さつまいもの飴がけ))
海老せんべいの上に熱々の大学芋がのせられ,飴の糸がグルグル巻かれています。
「飴が溶ける前に早く写真撮影しないと」と,私も含め,みんなで必死に写真を撮りました。
みんなであっという間に食べたので,フワフワの飴の糸をどうやって分けて食べたのかよく覚えていませんが(笑),大学芋が熱々のホクホクで美味しかったです。
中国料理はなるべく大勢でテーブルを囲んで食べるのが理想です。
食材を丸ごと食べることが出来たり,いろんな種類の料理をみんなで少しずつ味わうことが出来るからです。
またこうした珍しい食材・料理を仲間で集まって味わいたいです。
「中華料理 四季」(広島市中区基町19-2 基町ショッピングセンター内)
<参考文献>
北岡正三郎「物語 食の文化」中公新書
岡田 哲「世界の味探究事典」東京堂出版
21世紀研究会「食の世界地図」文春新書
UCCコーヒー博物館「図説 コーヒー」河出書房新社
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北京ダックの尾頭付き?豪華ですね〜ゴージャスですね〜♫
横浜中華街には北京烤鴨店(ペキンカォヤーテン)という
北京ダック専門店があって、店先に北京ダックがイッパイ
吊るしてありますが、頭は付いてなかったと思います。
北京ダックのテイクアウトのお店もあって250円で食べ
歩きが出来ますが、仰るとおり中国料理はなるべく大勢で
テーブルを囲んで食べるのが理想的ですね(^-^;
投稿: なーまん | 2019年9月30日 (月) 23時43分
なーまん 様
なーまんさん,こんばんは。
早速コメントいただき,ありがとうございますm(__)m
尾頭付きの北京ダック,確かにそうですね(笑)
頭が付いていると,ちょっとかわいそうな気もしました。
北京ダック専門店,ウェブサイトを拝見しました。
北京ダック食べ放題とは,すごいお店ですね!
こちらのお店でも皮だけでなく肉も味わえるようですが,実際に肉の方も美味しかったですよ。
さらに250円で北京ダックがテイクアウトできるお店もあるんですね。
さすが,よく御存知で,私も勉強になります。
中国料理は本来,大勢で食材を丸ごといただく食文化があるようです。
大勢で注文した方が,より豪華で珍しい料理にありつける可能性が高くなるのが中国料理の特徴の1つと言えるでしょうね。
逆に「ラーメンや天津飯など,少人数・個人で食べられるような料理が多く揃えられているのが日本の中華料理店」と説明できるような気もします。
投稿: コウジ菌 | 2019年10月 1日 (火) 23時12分
頭付きの北京ダック!ひえーー。
でもつやっつやですごく美味しそう(^^)
個人的にはその麻婆豆腐が食べてみたいです。
ところで、ファンタのSOCATA、ついに見つけられたんですね。
飲みたいと思わないと、意外と簡単に見つかるもので、家人が入院した病院のフロアの自販機にもありました。
糖尿病患者もいるフロアにこんなの置いていいんでしょうか(笑)
投稿: chibiaya | 2019年10月 2日 (水) 12時09分
chibiaya 様
chibiayaさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
北京ダック,確かに美味しかったです。
ただ,頭もそのままって,ちょっと痛々しい感じしませんか(笑)
というような話をメンバーにすると「そんなことじゃ,いけんよ!」と注意されました(>_<)
麻婆豆腐も美味しかったですが,口の周りがビリビリしびれるほど花椒がかかってましたよ。それでも大丈夫ですか?(笑)
教えていただいたファンタのSOCATA,ついに見つけました!
広島市の中心部・紙屋町の「シャレオ」という地下街の自販機にさりげなーく売られていました。
飲んでみると,想像どおりマスカットに似たエルダーフラワーのフレーバーが楽しめるドリンクでした。
私の好きな味です。
品川駅だけじゃなく,病院のフロアにもありましたか(笑)
笑っちゃ失礼ですけど,ゴメンナサイ,想像して笑ってしまいました(^O^)
レモンケーキと一緒で,気にしていると見つかるものですね!
投稿: コウジ菌 | 2019年10月 2日 (水) 20時12分