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2020年4月10日 (金)

カンボジア料理の特徴と主な料理9 -コンポントム市場をめぐる(前編) 野菜・果物・炒り米・昆虫食-

 カンボジアの首都・プノンペンとアンコール遺跡のある街・シェムリアップを結ぶ国道6号線のほぼ中間にある街がコンポントムです。

(カンボジア・コンポントム)
Photo_20200408200801
森枝卓士「世界の食文化4 ベトナム・カンボジア・ラオス・ミャンマー」農山漁村文化協会 p138の一部を引用・一部加工


コンポントム市場

 今回は,このコンポントム中心街にある「コンポントム市場」を御紹介したいと思います。

 市場は,その土地の食文化を身近に感じられる場所でもあるので,興味津々で見て回りました。

 国道6号線から眺めたコンポントム市場の入口の様子です。

(コンポントム市場の様子(入口))
Photo_20200408201101

 屋台,バイク,雑多な雰囲気が,いかにもアジアの市場という感じです。

 バイクに乗ったまま品定めする人も見受けられました。

 それでは,さらに市場の中へ入ってみましょう。

(食料品売場の様子)
Photo_20200409185101

 食料品売場の様子です。

 テントやビーチパラソルを張って,露店で販売されています。


コンポントム市場の果物売場

 屋台で果物が売られていました。

 大きな柑橘,パパイヤ,仏手柑(ぶっしゅかん)などが陳列されていました。

(柑橘・パパイヤ・仏手柑)
Photo_20200409185501


 バナナ・ヤシの実売場もありました。

(バナナ・ヤシの実売場)
Photo_20200409185502

 手前に黄色い容器に入った炒り米(パアー)がありますが,これは刻んだバナナや砂糖と混ぜてお菓子として食べるためではないかと思います。


 市場内にあったフルーツ屋台です。

(フルーツ屋台)
Photo_20200409185701 

 下段にカットフルーツ,上段にはカットフルーツにかける塩や唐辛子などの調味料が用意されています。


 続いて地元のお客さんに果物を販売されている様子です。

(果物売場の様子)
Photo_20200409185901

 対面販売が基本です。

 カンボジアの日常の買い物風景です。


コンポントム市場の野菜売場

 続いては,野菜売場を御紹介します。

(野菜・果物売場)
Photo_20200409190101

 テントが張られた内部には,所狭しと野菜や果物が売られていました。

 白菜,キュウリ,トマト,ピーマン,人参,玉ねぎ,レタス,チンゲンサイ,レモングラス,四角豆(ブラピエイ),ドリアン,パイナップル…中国野菜や南国の果物を中心に様々な野菜や果物が販売されていました。

(野菜売場)
Photo_20200409190201

 こちらでは,レモングラス,ライム,ウリ,レタス,パクチー,チンゲンサイ,ホウレンソウなどが売られていました。

 日本でも馴染み深い野菜が多いですね。


炒り米(パアー)売場

 私は,シェムリアップからコンポントムへ向かう国道6号線の沿線で,頻繁に杵と臼を使って何かを作っておられる様子を目撃しました。

 それは後で,炒った米を杵と臼を使って平たく伸ばす作業だと知ったのですが,その炒り米がこちらです。

(炒り米(パアー)売場)
Photo_20200409190301 

 市場でこれだけの量が売られていることからも,炒り米がカンボジアの食文化になくてはならない重要な食材であることが理解できます。

(炒り米(パアー))
Photo_20200409190401 

 米がスライスアーモンドのように平たく伸ばされています。

 この炒り米は,スープ(ソムロー)に入れて「とろみ」を出したり,バナナ・砂糖などと混ぜてお菓子として食べたりされていました。


コンポントム市場の昆虫食売場

 昆虫食の盛んなカンボジアだけに,昆虫食売場や屋台も多く見かけました。

(昆虫売場)
Photo_20200409190601 

 クモ(タランチュラ),バッタ,コオロギなどが売られていました。

 きっと量り売りなのでしょう。

(昆虫屋台)
Photo_20200412101601
 ※写真をクリックすると拡大します。

 屋台でも果物などと一緒にクモ(タランチュラ),バッタ,コオロギ,タガメなどが売られていました。

 ちなみに赤い点々は唐辛子の輪切りです。風味のほかに保存性を高める効果もあるのでしょう。

 ちょっと買って食べてみようという勇気がなかったのですが,試してみるべきでした…。


まとめ

 ひととおり市場を見学してみて,気付いたことがあります。

 極めて当たり前のことなのですが「冷蔵庫がない」ことです。

 食品がすべて常温で,しかもカンボジアは南国なので高い温度で陳列されているのです。

 なので,素材そのままを提供する,(魚を水中に入れておくなど)生きたままの状態を保つ,保存性を高めるために塩漬・乾物にする,食材を発酵させるなどの状態で売られているものが多くを占めているように思いました。

 そのほかにも,市場の人々を観察すると,
(1)運搬も買い物もバイクが大活躍
(2)男女とも日よけの帽子をかぶっている人が多い
(3)靴ではなくスリッパを履いている人が多い(高床式の建物が多いため)
(4)パジャマのような普段着や派手な色の衣服を着ておられる人が多い
(5)小さな子供たちも市場でたくさん働いている
様子が伺えました。

 旅行先での市場めぐりは,その土地の文化・生活に直接触れることが出来るので,おすすめですよ。


<関連記事>
 「カンボジア料理の特徴と主な料理10 -コンポントム市場をめぐる(後編) 衣料品・食肉・貝・乾物・調味料・おもちゃ-
 「カンボジア料理の特徴と主な料理2 -フルーツ屋台の青パパイヤ・カンボジアの昆虫食(ヘビ)-」(フルーツ屋台・昆虫食屋台)
 「カンボジア料理の特徴と主な料理5 -プラホックを使った料理(ソムロー・コーコー・焼きプラホック)と揚げ魚-」(炒り米)

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コメント

日本では干し飯というのがありますが、炒り米というのはあまり聞きませんね(^.^)
中国にはある様ですが。
お米でポップコーンでなく、ポップライスが作れるそうですね。
日本の家も高床式ですから、草履や下駄を履いていたんでしょうね(^_^)

なーまん 様

なーまんさん,こんにちは!
コメントいただき,ありがとうございます。

カンボジアの炒り米,中国にもあるというお話を伺い,中国から伝わった製法なのかも知れないなと思いました。
現地の市場などを見た際,漢字で書かれたものも多く,予想以上に中国からの影響が大きいなと感じたからです。
米が年に2回も3回も収穫できる土地ですので,そのまま食べるだけでなく,加工して食べることもなされるのでしょう。
炒った米をスープなどに入れることで,香ばしさを出す効果もあるようです。

ポップライス,初めて聞いた言葉なので,何だろうとネットで検索してみたら,広島で言う「ポン菓子」のことでした(笑)
ちょっと前まで,自宅からお米を持参すると,公園や学校でポン菓子を作ってくれる出張販売店をよく見かけました。

カンボジア旅行で必須の旅行アイテム,それはスリッパです!(^^)!
床も砂だらけなので,靴だと中がすぐ汚れるんですよ(笑)

おはようございます。
コメを炒っても炊いたように柔らかくはならない気がするんですが、平たくするときに割れたりしないのでしょうか。
日本のコメとは違うからできるのかな?
昆虫屋台、大きくなるのかと思って写真をクリックしけど、大きくならず、ガッカリしたようなホッとしたような(笑)

chibiaya 様

chibiayaさん,おはようございます!
コメントいただき,ありがとうございます。

車中から,国道沿いで臼と杵を使って炒り米を作っている様子を見かけたのですが,車がものすごいスピードだったので,ゆっくり見学できませんでした(笑)
カンボジアのお米は,ジャポニカ米もインディカ米も混在していて,ゴチャゴチャの品種を一緒に炊いて食べられていました。
炒り米は主に粒が長いインディカ米が使われていて,それを平たく伸ばしてアーモンドスライスのような形で売られています。
おっしゃるとおり米が乾燥していると伸ばせないので,炊いた米を伸ばした上で,炒るか天日干しかで乾燥させ,商品にしているのだと思います。

昆虫屋台,クリックすると拡大するように「改善」しました(笑)

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