カンボジア料理の特徴と主な料理11 -バナナ・焼きバナナ・パパイヤ・オンボック・ノムシン-
カンボジアの食の旅。
今回はカンボジアの果物,お菓子,パンを御紹介します。
コンポントム市場のバナナ・焼きバナナ
カンボジアの首都・プノンペンとアンコール遺跡のある街・シェムリアップを結ぶ国道6号線のほぼ中間にある街がコンポントムです。
その市場でバナナが販売されていました。
(バナナ販売店)
たくさんのバナナが一房単位で売られていました。
まだ青いバナナからうっすらと黄色に熟したバナナまで,いろんな状態のバナナが並べられていました。
そのまま食べるだけでなく,料理にも使われるからでしょう。
別のお店へ行くと,焼きバナナも販売されていました。
(焼きバナナ)
バナナ4本を串刺しにして焼いている様子です。
バナナを焼くことによって,甘みとコクが増し,とろけるような食感となります。
日本では完熟したバナナをそのまま食べるのが一般的なので,バナナを調理している様子を興味深く見学させていただきました。
パパイヤ
カンボジア・コンポントム州郊外のホームステイ先で,パパイヤをいただきました。
(パパイヤ)
庭になっているパパイヤを採ってきて,カットしていただいたものを食べました。
パパイヤ採りは私も体験させていただきました。
先端に鎌のような刃物が付いた長い木の棒と,大きくて丈夫な布を用意します。
高い木の上になっているパパイヤを見つけると,1~2人でパパイヤの落下予想地点に布を張ってスタンバイします。
そしてもう1人が棒の先端の刃で高い所になっているパパイヤを切り落とし,それを布でキャッチするのです。
カンボジアのパパイヤはとても甘くて柔らかく,「きっとカンボジアの現地でしか味わえない美味しさなのだろうな」と思いながらいただきました。
カンボジアの女の子と一緒におやつとしていただいたのですが,その女の子は皮をお皿代わりにして,果肉を残さずきれいに食べていました。
改めてここは南国なんだなと感じました。
オンボック
「オンボック」はバナナと炒り米(パアー)をつぶしながら混ぜ合わせ,砂糖で甘くしたお菓子です。
ホームステイ先で,食後のデザートとしていただきました。
(バナナとパアー)
バナナとパアーです。
バナナの皮をむき,スプーンで一口大に切ったあと,バナナを押しつぶす感じでパアーと混ぜ合わせます。
(バナナとパアーを混ぜる様子)
途中で砂糖(グラニュー糖)もパアーッと加え,十分に混ぜ合わせたら完成です。
(オンボック)
ねっとりと甘いバナナのお菓子です。
砂糖を入れなくても十分甘いのですが,砂糖を加えることによって「お菓子」に変化させているのでしょう。
ノムシン
ホームステイ先の食事で,ご飯やおかゆと一緒によく出されたのが「ノムシン」と呼ばれる揚げパンです。
(ノムシン(皿盛り))
平べったい形の生地にゴマをのせて油で揚げたパンで,現地ではご飯のような感じでおかずと一緒に食べられています。
食事パンの扱いですが,実はほんのり甘く,菓子パンに近いパンです。
甘いパンなので,子供たちにも大人気でした。
パンの一種「ナン」のような柔らかくてしっとりした食感で,味や風味は「かりんとう」に似ていました。
生地を油で揚げてあったり,ゴマが使われていたりすることから,ノムシンは中国からカンボジアへ伝えられたパンではないかと思います。
帰国後,中国・上海からのお土産としてゴマせんべいをいただいたのですが,この味がノムシンとそっくりで驚きました。
(中国・上海「老大房」のゴマせんべい)
ゴマをたっぷり使って油で揚げた,中国の甘い薄焼きせんべいです。
メダル大の大きさの小さなせんべいです。
このせんべいをいただきながら,カンボジアのノムシンを思い浮かべました。
(ノムシン)
ノムシンは,カンボジアでいただいた家庭料理の中で一番印象に残った美味しいパンでした。
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