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2020年7月19日 (日)

フランス料理の特徴と主な料理10 -キャビア・フォアグラ・オマール海老の料理,牛フィレ肉のグリル・ロッシーニ風,ソースペリグー-

 フランス料理には「ロッシーニ風」と名付けられた料理があります。

 ここで登場する「ロッシーニ」は,イタリアの音楽家ジョアキーノ・ロッシーニのことで,彼は作曲家としてはもちろん,美食家としても有名な人物です。

 フランス料理で「ロッシーニ風」と名付けられた料理には,フォアグラやトリュフなどの贅沢な食材が用いられることが多く,美食家・ロッシーニにふさわしいネーミングとなっています。

 今回は,このロッシーニ風料理を中心に,いくつかのフランス料理を御紹介したいと思います。


マグロのタルタル キャビア添え

 フランスでタルタルと言えば,生肉を細かく刻んだ料理のことです。

 私はパリのビストロでメニューにあったタルタルを注文しようとして,お店の方から「(生肉だから日本人のあなたには)無理です。」と断られた経験があります。

 今回いただいた料理は,マグロの生の赤身を細かく刻み,きれいに丸く整えて,上にキャビアを添えたものでした。

(マグロのタルタル キャビア添え)
Photo_20200710193801

 それでもやはり,日本人向けにタルタルソースが添えられているところが面白いです。

 マグロのタルタルをカリカリにトーストされたメルバトースト(スライスバゲット)にのせていただきました。

(マグロのタルタル メルバトーストのせ)
Photo_20200709201702

 濃厚な旨味のあるネギトロをカリカリのパンにのせて食べたような感じで,美味しくいただけました。


フォアグラのソテー トリュフソース 焼きりんご添え

 
フォアグラを軽くソテーし,焼きりんごをのせて,刻んだ黒トリュフのソースをかけた料理です。

(フォアグラのソテー トリュフソース 焼きりんご添え)
Photo_20200710193901

 フォアグラには,濃厚な甘さを持つ酒精強化ワイン(ポートワイン・マディラワインなど)をベースにしたソースがよく合います。

 今回のソースは,ソース・ペリグー(トリュフソース)とりんごのソースだと思います。

 ソース・ペリグーについては,後程改めて御紹介したいと思います。


オマール海老の茶碗蒸し

 このレストランのスペシャリテ,オマール海老の茶碗蒸しです。

(オマール海老の茶碗蒸し)
Photo_20200710194301

 オマール海老の殻を煮込んで作られた「ソース・アメリケーヌ」をかけた洋風茶碗蒸し(フラン)。

 オマール海老のエキスが凝縮されたアメリケーヌソースやプリプリのオマール海老の身と一緒にいただく茶碗蒸しは格別でした。


広島県産牛フィレ肉のグリル フォアグラ添えロッシーニ風 ソースペリグー

 今回のコースで一番の目当てだった料理がこちら,「広島県産牛フィレ肉のグリル フォアグラ添えロッシーニ風 ソースペリグー」です。

(広島県産牛フィレ肉のグリル フォアグラ添えロッシーニ風 ソースペリグー)
Photo_20200710201601

 広島県産牛フィレ肉をグリルし,その上にフォアグラのソテーがのせられ,ペリグーソースがかけられています。

 皿の左側には,付合せとしてマイタケのソテーが添えられています。

 そして全体にスライスした黒トリュフがあしらわれています。

 柔らかく脂肪の少ない牛フィレ肉と濃厚なフォアグラを,赤ワインとフォン・ド・ヴォをベースとした甘いソースがうまくまとめていました。

 ソースには刻んだトリュフも入っており,そのトリュフの気品高い香りが良いアクセントになっていました。

 牛フィレ肉,フォアグラ,トリュフと贅沢な食材が使われていることもあり,とても贅沢な気分で美味しくいただきました。


ソース・ペリグーとは

 牛フィレ肉をグリルし,その上にソテーしたフォアグラがのせられた料理は「ロッシーニ風」と呼ばれています。

 でも今回の私の目当ては厳密にはこれではありませんでした。

 そのロッシーニ風にかけられていた褐色のソース「ソース・ペリグー」を味わってみたかったのです。

 写真を御覧いただくと,黒トリュフのスライスがのせられていることがわかると思いますが,「ソース・ペリグー」にはこの刻んだトリュフが加えられていることが特徴です。

 「ソース・ペリグー」

 フランス料理の本を参照すると,「ソース・ペリグー」はマディラ酒,「フォン・ド・ヴォ・コルセ」(フォン・ド・ヴォ(子牛のだし汁)をさらに約半分に煮詰めたもの),「ジュ・ド・トリュフ」(トリュフのだし汁),バター,塩,こしょうで作るソースと紹介されています。

 つまり,酒精強化ワインを煮詰め,フォン・ド・ヴォとトリュフのだしで仕上げた贅沢なソースなのです。

 また今回のように細かく刻んだトリュフが加えられることもあります。

 一般的なワインと比べて甘く濃厚な酒精強化ワインが使われるので,ソースも甘く濃厚な仕上がりとなります。

 そのため,牛肉やフォアグラなどとの相性が良いソースです。

 私にとっては高価なコースの,さらにオプションで注文してやっと味わえたソースでしたが,実際にいただいたことでとても勉強になり,それだけの価値がある食体験が出来たと思っています。

 フォアグラのソテーの段階でソース・ペリグーが登場するとは思いませんでしたが…(笑)


<店舗情報>
 「FRENCH RESTAURANT OZAWA」(広島市中区田中町6-10 オリエンタルホテル広島1F)

<関連記事>
 「フランス料理の特徴と主な料理5 -牛ヒレ肉ロッシーニ風-

<参考文献>
 21世紀研究会編「食の世界地図」文春新書
 辻調理師専門学校監修「基礎からわかるフランス料理」柴田書店

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コメント

サスガ美食倶楽部会員のコウジ菌様ですねz(^。^)
トリュフはラー博で、キャビアは椿山荘のサンバショーとパリに行った時食べた記憶はありますが
味は忘れました(*´-`)
フォアグラは自分の内臓がフォアグラ状態ですね^ ^
パリのレストランでマグロ料理を食べた事がありますが、フランス人にマグロ料理は無理だ!
と思いました( ̄^ ̄)
エラソーですが、実は北鎌倉近くの魯山人窯の近くに住んでいた事があります^ ^
住んでいただけで、いつのまにか火事で全焼してしまいましたが(*´-`)

なーまん 様

なーまんさん,こんにちは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます<m(__)m>

椿山荘,パリ,魯山人窯…美食倶楽部を名乗れるのは,なーまん様のようなお方ですよ(^-^)
私はラー博がわかるようになっただけ,少し成長しました(笑)

椿山荘は目白駅から散歩していていて知り,いつか行けたらいいなと思いました。
あと,魯山人窯のお話を伺って,なーまんさんが鎌倉の料理店にお詳しい理由がわかりました。
広島に住んでいると限界がありますね…。

トリュフ,キャビア,フォアグラ…どれも値段が張るからか,いつもよく味わえてません(笑)

私はお店で,「自分が食べたい料理」ではなく,「自分が知らない料理」を選んで食べる傾向にあります。
特にフランス料理の場合は,そうすることでいろんな料理を覚えるようにしています。

今回で言えば,純粋に「ソースペリグーを味わってみたい」という一心でお店を決め,高めのコースの,さらにオプションでソースペリグーを味わったというわけです。

そんな熱意を持ってお店に臨んだので,ソースペリグーのお味も私の気持ちも当然,ベリグー(very good)でした(笑)

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