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2020年8月

2020年8月25日 (火)

フランス料理の特徴と主な料理11 -フォアグラクッキー・アナグマのリエット・生牡蠣とウニ・和牛のロティ・アナグマの煮込み・ベッコフ-

 今回は,お気に入りのフレンチレストランで味わった,ちょっと珍しい食材・料理などを御紹介したいと思います。

フォアグラクッキー

 
ガチョウや鴨の肝臓を肥大化させた世界三大珍味の1つ「フォアグラ」。

 アミューズとして,そのフォアグラを使ったクッキーをいただきました。

(フォアグラクッキー)
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 大きな松ぼっくりに刺さっているクッキーがフォアグラクッキーです。

 クッキーにフォアグラを混ぜている程度ではなく,クッキーに使うバターの代わりにフォアグラが使われているという,とても贅沢なクッキーです。

 フォアグラの深いコクが味わえる,珍しいクッキーでした。


アナグマのリエットとマッシュルームの燻製

 前菜に,地元で捕獲したアナグマのリエットのシュー包みと,マッシュルームの燻製をいただきました。

(アナグマのリエットとマッシュルームの燻製)
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 「リエット」は,肉の塊を脂身とともに煮崩れるまで煮てペースト状にし,塩などで調味した料理です。

 パンと一緒にいただくのが一般的ですが,今回はシュー生地でいただきました。

 ジビエで想像しがちな獣特有のクセがなく,言われなければ豚肉か鶏肉かという感じの美味しいリエットでした。

 一方,マッシュルームの燻製は,桜チップで燻製されていました。

 中にクリームチーズが詰められた「ファルス」(詰め物料理)で,燻製したマッシュルームとクリームチーズの相性が抜群でした。


生牡蠣とウニ

 生牡蠣とムラサキウニです。

(生牡蠣とウニ)
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 生牡蠣は広島県福山市に近い,岡山県笠岡市北木島産のものです。

 味付けはされておらず,生の牡蠣そのままをいただいたのですが,生臭さは全くなく,海の香りが口の中一杯に広がりました。

 ウニはムラサキウニで,中には生ウニとトウモロコシのムースが入っていました。

 殻付きのウニなので,贅沢な気持ちになりました。


和牛モモ肉のロティとアナグマの煮込み

 メインとして提供された「和牛モモ肉のロティとアナグマの煮込み」です。

(和牛モモ肉のロティとアナグマの煮込み)
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 写真中央が和牛モモ肉のロティ(ロースト),右上の肉の塊がアナグマの煮込み(ラグー)です。

 和牛モモ肉のロティは,ソースとして赤ワインの代わりに福山・鞆の浦の有名な薬味酒「保命酒(ほうめいしゅ)」が使われていました。

 シェフは地元・福山の食材等を使い,その美味しさをお客様と共有することを重視されており,私も共感しています。

 そしてアナグマの煮込みです。

 アナグマの肉の塊をナイフがいらないほど柔らかく煮込まれた一品で,クセがなく,程良く脂ものっていたので,とても美味しくいただきました。

 アナグマ料理からも,食材にこだわっておられるシェフの意気込みを感じることが出来ました。


ベッコフ

 ベッコフはフランス・アルザス地方の郷土料理です。

 シェフが渡仏されていた際に出会った料理とのことでした。

(ベッコフ)
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 豚肉,玉ねぎ,人参,ジャガイモなどの食材を,白ワイン,ローリエ,タイム,塩,こしょうなどで調味し,鍋でコトコトと煮た料理で,例えるならフランス版「肉じゃが」です。

 シェフが興奮気味に「白ワインで煮るのに,仕上がりの味は醤油・酒・みりん・砂糖で作る日本の肉じゃがと同じ味になるんですよ!」とおっしゃってましたが,本当にそのとおりで,味は肉じゃがそのものでした。

 醤油やみりん・砂糖を使ってないのに,なぜ似たような味になるのかとても不思議でした。

 白ワインを煮込むことにより,醤油やみりん・砂糖を煮た時と同じような「メイラード反応(褐変反応)」が起こって,肉じゃがと同じような味になるのでしょう。


まとめ

 お店へ電話で予約する際,シェフから「お苦手なものやアレルギーはございますか?」と聞かれたので,私は冗談で「うーん,あえて言えばシェフが…」とお答えすると,シェフから「ではお席へお伺いするのを自粛します」と切り返され,お互い大笑いしました。

 そんな気軽に本格的なフランス料理を味わえる,居心地の良いレストランです。


 最後に…

(バースデープレート)
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 「Joyeux Anniversaire Kouji」と書かれたデザートプレートです。

 「Joyeux Anniversaire」は,フランス語で「ジョワイヨ アニヴェルセル」と読み,「お誕生日おめでとう」という意味です。

 「Kouji」は…ローマ字だと「コウジ」ですが,フランス語では「クジ」となります(笑)


 冗談はさておき,皆様のおかげで,本日誕生日を迎えることが出来ました。

 当ブログにお付き合いいただき,ありがとうございます。

 これからもよろしくお願い申し上げます。


<関連サイト>
 「ラルドワーズ」(広島県福山市御幸町上岩成455-3)

<参考文献>
 辻調理師専門学校監修「基礎からわかるフランス料理」柴田書店

2020年8月21日 (金)

広島のレモン菓子・レモンケーキ14 -しまなみレモンバイク・瀬戸田レモンケーキ・瀬戸田レモネード・瀬戸内レモン丼-

SHIMANAMI LEMON BIKE(しまなみレモンバイク)

 JR西日本のおでかけガイド「西Navi 2020.8月号」に,「SHIMANAMI LEMON BIKE(しまなみレモンバイク)」の特集がありました。

 「しまなみレモンバイク」はレモンをイメージした黄色い自転車で,この自転車に乗って広島県尾道市と愛媛県今治市を橋で結ぶ「しまなみ海道」をサイクリングしませんかという記事です。

 神戸松陰女子学院大学の学生メンバーによる「乗って楽しい・写真を撮りたくなる自転車を」という提案を受け,JR西日本と尾道の自転車メーカー「BETTER BICYCLES」とのコラボレーションで今年(2020年)に誕生したオリジナル自転車のようです。

 これは楽しい企画だと思った私は,夏季休暇を利用して尾道へ向かいました。

 尾道駅から徒歩で駅前桟橋へ,駅前桟橋から高速船で瀬戸田港へ行き,瀬戸田の店舗で「しまなみレモンバイク」をお借りすることにしました。

 尾道駅前桟橋に係船されていたサイクルシップ「ラズリ」です。

(サイクルシップ ラズリ(前方))
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 「ラズリ」は自転車を積んで移動できる高速船で,土日祝限定便です。

(サイクルシップ ラズリ(後方))
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 私が訪問した日は平日だったので,「シトラス」という高速船を利用しました。

(シトラス(前方))
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 柑橘色の高速船で,尾道~因島~佐木島~瀬戸田を結びます。

(シトラス(後方))
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 シトラスで,いざ,瀬戸田へGO!

 このシトラスも自転車を積むことができます。

(シトラスと自転車)
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 この時は乗客が多かったこともあるのですが,ちょっと詰め込み過ぎのような気も…(笑)

 瀬戸田港に着き,私は桟橋の目の前にある「しまなみロマン」というお店で「しまなみレモンバイク」をお借りしました。
(電話での事前予約がおすすめです。)

(しまなみロマン)
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 こちらのお店にはレモンの料理もたくさん用意されているようだったので,帰りに味わってみようと思いました。

 レンタサイクルの手続きを済ませ,瀬戸田(生口島)の海沿いを走って,広島県と愛媛県の県境にかかる多々羅大橋を目指しました。

 途中,多々羅大橋が見える場所で「しまなみレモンバイク」を撮影しました。

(しまなみレモンバイクと多々羅大橋全景)
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 ※画像をクリックすると拡大します。

 これが「しまなみレモンバイク」です。

 全体がレモン色のかわいい自転車です。

 タイヤはレモンの中ワタをイメージしたオフホワイトに仕上げてあります。

 7段ギアが付いているので,橋の上り下りなども楽々でした。

 多々羅大橋近くの「レモン谷」で瀬戸田の「エコレモン」の案内板を見つけました。

(レモンアイランド案内板)
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 瀬戸田は国産レモン発祥の地で,「レモンアイランド」と呼ばれているそうです。

 レモンの実がついたレモンの木も見かけました。

(レモンの木)
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 さらに走ると,国産レモン発祥の地の石碑とレモンのベンチが設置されたスポットがありました。

(しまなみレモンバイクと国産レモン発祥の地の石碑)
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 多々羅大橋をバックにしたこのスポットは,有名な記念撮影スポットでもあります。

 行く先々で,私が乗る「しまなみレモンバイク」は他のサイクリストから注目の的でした。

 多々羅大橋に着き,記念撮影をしました。

(多々羅大橋としまなみレモンバイク)
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 自動車では何度も多々羅大橋を渡ったことがありますが,自転車は今回が初めてでした。


Blue Greenのレモンケーキとレモネード

 多々羅大橋を折り返し地点に,再び瀬戸田港へ向かって自転車を走らせました。

 途中,「瀬戸田サンセットビーチ」・垂水港の近くで気になるのぼり旗を見つけました。

(瀬戸田レモン ドリンク&ケーキのぼり旗(Blue Green))
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 「瀬戸田レモン ドリンク&ケーキ」
 しまなみレモンバイクに乗った私は吸い込まれるようにこのカフェへ寄りました。

 軽食(予約制)とドリンク・スイーツのお店で,レモンのドリンク・スイーツは,レモネード・レモンスカッシュ・レモンケーキがありました。

 私はアイスレモネードとレモンケーキのセットをお願いしました。

(アイスレモネードとレモンケーキ)
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 アイスレモネードもレモンケーキも,地元瀬戸田のレモンが使われています。

 アイスレモネードは,そのままだとレモン果汁のみで酸っぱいので,甘いシロップを注いで甘さを調整しました。

 サイクリングで汗だくになった体を,冷たくさわやかなレモネードが癒してくれました。

(レモンケーキ)
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 レモンケーキはパウンドケーキのような四角いケーキで,表面には細長く刻まれたレモンピールが,ケーキ生地の中には大きめの角に刻まれたレモンピールがたくさんありました。

 しっとりとした食感で,手作りレモンピールがふんだんに使われたレモン風味豊かなレモンケーキでした。

 「瀬戸田レモン」と「瀬戸内レモン」の違いについてお店の方にお話を伺うと,「瀬戸田が国産レモン発祥の地で,のちにレモン栽培が瀬戸内地方全般に広まっていき,『瀬戸内レモン』と呼ばれるようになったのでは」とのことでした。

 瀬戸田の人々はプライドを持って「瀬戸田レモン」と呼んでおられるのだろうなと思いました。

 リフレッシュできたところで,自転車で「しまなみロマン」まで戻りました。


瀬戸内レモン丼

 「しまなみロマン」で自転車をお返しした後,期待していたレモン料理をいただきました。

 「塩レモン唐揚丼」,「レモンポーク丼」,そしてその両方を味わえる「瀬戸内レモン丼」とあったので,私は「瀬戸内レモン丼」を注文しました。

(瀬戸内レモン丼)
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 瀬戸内レモン丼とお吸い物,漬物のセットです。

 写真右上の黄色いコースターもレモンの輪切りをイメージしたもので,冷水もレモンを入れたレモン水でした。

(瀬戸内レモン丼(拡大))
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 瀬戸内レモン丼は,具の半分が塩レモン唐揚(写真の丼の上半分),残り半分がレモンポークの焼肉(写真の丼の下半分)で,中心に輪切りのレモンがのせられています。

 輪切りのレモンが「しまなみレモンバイク」の車輪のようです(笑)

 塩レモンの下味を付けた鶏の唐揚げは,レモンの酸味が効いて,唐揚げをさっぱりさわやかにいただくことができました。

 塩レモンと唐揚げの相性は抜群でした。

 一方,愛媛・岩城島のレモンを食べて育ったブランド豚「レモンポーク」を焼いたレモンポークの焼肉も絶品でした。

 レモンポークは柔らかくてジューシーな肉とコク・甘味のある脂身が特長です。

 今回の焼肉は,厚めにスライスした肉を,塩・こしょう,レモン汁というシンプルな味付けで調理したものでしたが,これが一番美味しくいただける調理法だと思いました。


まとめ

 私はこれまで「しまなみ海道」沿いの観光地を訪問する際は,自動車しか利用したことがありませんでした。

 今回初めて,尾道駅から高速船やレンタサイクルを利用してしまなみ海道の一部を周遊したわけですが,徒歩や自転車で周遊すると,自動車では見過ごしてしまうような風景や施設・お店が発見出来たり,気になるスポットにちょっと立ち寄ってみることが出来たり,サイクリスト・観光客同士の出会いがあったりと,自動車とは異なった大きな魅力があることがわかりました。

 実際,今回御紹介したレモンケーキ・レモネード,瀬戸内レモン丼などは訪問先で初めて知ったものばかりです。

 皆様も御興味があれば,しまなみ海道でサイクリングをお楽しみください。

 きっと新たな発見・出会いがあり,思い出深い旅になることでしょう。


<関連サイト>
 せとうちパレットプロジェクト「SHIMANAMI LEMON BIKE」(「JRおでかけネット」JR西日本)
 「Blue Green(ブルーグリーン)」(広島県尾道市瀬戸田町垂水1720-1)
 「しまなみロマン」(広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田214-1)
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
  chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<参考文献>
 JR西日本「西Navi」(2020.8月号)

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

2020年8月18日 (火)

みみかき鎌倉大仏の耳かき -神奈川県鎌倉市-

鎌倉大仏が耳かきをしている様子を表現した耳かきです。

鎌倉・小町通り商店街のお土産店で購入しました。

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お店でこの耳かきを見た瞬間,思わず笑ってしまいました。

自ら耳かきをされている鎌倉大仏を表現した耳かきなんて,しゃれてますよね(笑)

小町通り商店街は,たくさんのお土産店や飲食店,雑貨店などが並び,老舗も新店舗もあるので,みんなで楽しめるスポットです。

皆さんも鎌倉・小町通りで楽しいお土産を探してみてください。

2020年8月14日 (金)

日本各地のレモン菓子・レモンケーキ5 -五感の檸檬燦とサロンドロワイヤル京都のシトロンドーム-

 日本各地で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。

 今回は関西編。大阪と京都のレモンケーキを御紹介したいと思います。


五感(GOKAN)「檸檬燦」

 大阪市北浜に本店がある洋菓子店「五感(GOKAN)」の「檸檬燦(れもんさん)」です。

(五感「檸檬燦」(包装))
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 和のレモンケーキを感じさせるデザインの包装です。

(五感「檸檬燦」)
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 サイズは横約8cm,幅約5cm,高さ約3.5cmで,やや大きめです。

 瀬戸内海・岩木島(愛媛県越智郡上島町)産のレモン「いわぎレモン」と大阪府千早赤阪村のハチミツが使用されているのが特長です。

 かなり厚みのあるレモンチョコが表面にコーティングされています。

(五感「檸檬燦」(中身))
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 ケーキ生地はやわらかいマドレーヌのような仕上がりとなっています。

 細かいレモンピールも練り込まれています。

 分厚くコーティングされたレモンチョコに強いレモンの酸味・風味を感じるレモンケーキでした。


 「五感(GOKAN)」(大阪・北浜本館,梅田阪急店ほか)


サロンドロワイヤル京都(Salon de Royal Kyoto)「シトロンドーム」

 京都市中京区,御池通りを少し上がった木屋町通りにあるチョコレート・洋菓子店「サロンドロワイヤル京都(Salon de Royal Kyoto)」のレモンケーキ「シトロンドーム」です。

 カフェが併設されたチョコレートのお店ということで,私はカフェ利用で訪問したのですが,店内でレモンケーキも販売されていたので,喜んで購入しました。

(サロンドロワイヤル京都「シトロンドーム」(包装))
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 シンプルに「Salon de Royal Kyoto」と書かれた包装です。

 「シトロンドーム」というおしゃれなネーミングのレモンケーキは初めてです。

(サロンドロワイヤル京都「シトロンドーム」)
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サイズは横約6.5cm,幅約5cm,高さ約3cmです。

白いレモンチョコが,底を含めてケーキ生地全体にコーティングされています。

(サロンドロワイヤル京都「シトロンドーム」(中身))
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 チョコレートが売りのお店だからか,レモンチョコが厚めにコーティングされています。

 みっしり,しっかりと詰まったケーキ生地です。

 大きめのレモンピールもたくさん練り込まれており,レモンの風味・酸味をよく感じられるレモンケーキでした。

 こちらのお店は鴨川沿いにあり,夏は鴨川を間近に眺めながら飲食を楽しめる「納涼床(川床)」もあります。

 私は夏の暑い日に納涼床で熱々の「ショコラショー」(ホットチョコレート)をいただくという面白い経験をしましたが(笑),気軽に納涼床を楽しめるお店として利用されるのも良いかと思います。

 レモンケーキと一緒にお土産として購入したピーカンナッツチョコレートも,皆さんにとても好評でした。


 「サロンドロワイヤル京都」(京都市中京区木屋町通り御池上ル上樵木町502)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

2020年8月 9日 (日)

中国料理の特徴と主な料理4 -上海料理(紅焼肉・上海粗炒面)と上海リニアモーターカー-

 広島からカンボジア・シェムリアップへ向かう途中,中国・上海で飛行機を乗り継ぎました。

 乗継ぎにまとまった時間があったので,上海浦東国際空港を出て上海中心街を散策しました。

 今回は上海の街で味わった料理や上海の街,そして上海リニアモーターカーなどを御紹介したいと思います。


上海リニアモーターカー乗車

 上海浦東国際空港から上海中心街への公共交通機関は,地下鉄,リニアモーターカー,エアポートバス,タクシーなどがあります。

 リニアモーターカーが一番速く着きそうですが,実はこのリニアモーターカー,上海中心部までつながっておらず,空港から上海中心部までの半分ぐらいの距離で終わってしまいます。

 そこから先は,結局同じ空港から出発する地下鉄二号線の地下鉄に乗り換えなければならないので,空港から地下鉄1本で向かう方が,少し時間はかかりますが,安くて楽です。

 それでも,鉄道好きの私は「世界最速の商業列車」と呼ばれる上海リニアモーターカーに乗ってみたかったので,空港から乗車しました。

(上海リニアモーターカー外観)
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 上海リニアモーターカーの運賃は,地下鉄の何倍もするので,乗客のほとんどは外国人観光客で,車内もガラガラに空いていました。

(上海リニアモーターカー車内)
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 いざ出発!リニアモーターカーはぐんぐん速度を上げていきます。

(上海リニアモーターカー車窓)
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 磁力で車体が浮いているので音は静かです。

(上海リニアモーターカー速度表示 時速301km)
301km 

 このリニアモーターカーは時速301kmが最高でした。

 この速度は日本の新幹線とほぼ変わらないのですが,リニアモーターカーに乗車したという感動を味わえました。

 終点の龍陽路駅で地下鉄二号線に乗り換え,中心街を目指しました。

(上海リニアモーターカーと上海地下鉄の切符)
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 写真上側が上海リニアモーターカー(上海磁浮列車),下側が地下鉄の切符です。

 切符は紙ではなくプラスチックのカード式で,出場の際に自動改札機で回収されます。


浦東地区・外灘・洋館

 上海随一の繁華街のある南京東路駅で下車し,上海の2大人気エリア「浦東(プウドン)」と「外灘(ワイタン)」地区を見学しました。

(上海・浦東地区)
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 浦東地区の超高層ビル群と東方明珠塔(テレビ塔)です。

 職場旅行以来,十数年ぶりに上海に来ました。

 上海初訪問の際は,見るものすべてが新鮮で,日本とはまるで別世界だった印象がありますが,今回は旅慣れてきたからか,2回目の訪問だったからか,普通に日本国内を観光しているような感覚でした。

(上海・外灘・洋館)
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 外灘の洋館が建ち並んだ様子です。

 それぞれの洋館の上に中国の赤い国旗が掲げられているのが印象的でした。


上海料理店で食事

 周囲を散策した後,福州路と四川中路の交差点にある上海料理店「上海姥姥(シャンハイラオラオ)」というお店を訪問しました。

(上海姥姥)
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 メニュー表を見て,上海ならではの料理が食べたいと思い,豚肉の甘辛煮「紅焼肉(ホンシャオロウ)」と上海焼きそば「上海粗炒面(シャンハイツーチャオミエン)」を注文しました。

 この2種類で十分なのに,女性店員から「白ご飯もないと」,「お茶もつけますね」という意味のことを言われ,「多いんだけどな…」と思いつつ,言われるがままに従いました。

(紅焼肉・上海粗炒面・白飯小碗・大麦茶)
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 「想像以上に多い…」。つい日本の中華料理店の感覚で注文した私が間違っていました。


紅焼肉

(紅焼肉)
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 上海を代表する料理「紅焼肉」です。

 豚バラ肉の角切りを醤油,砂糖,酒で煮込んだ豚の甘辛煮です。

 1つの大きさが4~5cm角もあり,しかも約3分の1は脂身,これが十数個山積みされていたので,とてもボリュームがありました。

 ゆで卵も2個分添えられていました。

 飴煮のような甘辛い角煮は,それだけでいただいても,白ご飯と一緒にいただいても美味しかったです。

 私は食べ残すのが嫌で,頑張って食べたのですが,量が半端なく,甘くて濃い味付けで,脂身も多かったので,食べ切ることができませんでした。
 (複数で来られていたほかのお客さんもよく残していましたが,これが中国の料理店では当たり前なのかも知れません。)


上海粗炒面

 続いて上海焼きそば「上海粗炒面」を御紹介します。

(上海粗炒面)
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 もっちりした太麺をチンゲンサイや細切り肉と一緒に炒め,醤油や砂糖,オイスターソースなどで味付けた焼きそばです。

 油が大量に使われていて,かなりこってりしていました。
 (上海で麺を注文すると,「油そば」とも言えるような,油たっぷりの麺料理が出されることも多いです。)

 甘めの醤油焼きそばで,日本のソース焼きそばとは異なる趣きがあり,美味しかったです。

 油が少なければもっと食べやすいのですが…。


 1人で,しかも少食な私が,この2つの大皿料理と白ご飯という組合せは量的に少し無茶でしたが,濃い味付けでこってりした料理ばかりだったので,白ご飯と一緒に食べたのは正解でした。

 「紅焼肉」にも「上海粗炒面」にも当てはまることですが,一般的に上海・江南料理は醤油,砂糖,酒,黒酢などを利用したこってり甘辛な味付け,甘酸っぱい味付けが特徴です。

 食事後,支払いをすると,紅焼肉が75元,上海粗炒面が26元,白ご飯が2元,お茶が1元で合計104元(1元=約17円で計算すると日本円で約1,768円)でした。

(レシート)
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 レシートにも「上海粗炒面」とありますが,上海の街を歩くと,日本で言う「麺」のことを「面」と表現されていたことも興味深かったです。

 あと,中国人民元の通貨記号が日本円と同じ「¥」だったことも面白かったです。
 (今思えば,中国東方航空の機内販売のパンフレットを見て「妙に安いな」と思った自分が恥ずかしいです…。)

 お店を出て,食べ過ぎたので,再び上海の街を散策しました。


再び上海リニアモーターカー乗車

 夕方,夜出発の上海発カンボジア・シェムリアップ行の飛行機に乗るため,上海浦東国際空港へ戻りました。

 戻りも龍陽路駅から空港までは上海リニアモーターカーを利用しました。

(上海リニアモーターカー改札(龍陽路駅))
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 日本では手荷物(X線)検査と言えば,飛行機に乗る時ぐらいですが,上海では列車に乗る際もその手荷物検査があります。
 (ちょっと地下鉄を利用する際でも検査を受ける必要があります。)

 車内はやはり空いていました。

 往路では新幹線並みのスピードしか感じなかったので,復路もあまり期待してなかったのですが,復路はグングンスピードを上げていくのがわかりました。

 「これはスピードが違う」と思い,電光掲示板を見ると…

(上海リニアモーターカー速度表示 時速430km)
430km

 時速430km!思わず「いいぞ!」と心の中で叫びました。

 このスピードだと確かに速いと感じ,興奮しました。

 これが上海リニアモーターカーの最高速度なのですが,このスピードを出せるのは,午前は9:00~10:45,午後は15:00~15:45の間しかないようで,私は偶然,最高速度が出せる時間帯の列車に乗車できたようです。

 時速300kmにせよ,430kmにせよ,距離が短いのであっという間に目的地へ着いてしまいますが,少なくとも日本のリニアモーターカーが開業されるまでは,上海のリニアモーターカーに乗ったことを自慢し続けようと思います(笑)


 上海浦東国際空港で約8時間の空き時間を利用しての上海観光。

 久しぶりの海外でしたが有意義なひとときを過ごすことができ,最終目的地カンボジア・シェムリアップを目指しました。

2020年8月 5日 (水)

出雲の勾玉の耳かき -島根県松江市-

出雲の勾玉(まがたま)の耳かきです。

松江市の「めのうの店 川島」で購入しました。

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松江市玉造は「めのう」と呼ばれる鉱物の産地です。

かつて,玉造温泉街など松江市内でお土産用の「めのう」を売るお店をたくさん見かけましたが,今では貴重な鉱物となり,高級な装飾品・お土産品として販売されています。

その「めのう」で作られた勾玉が金属製の耳かきの頭に付けられています。

三種の神器(鏡・剣・(勾)玉)の1つでもある勾玉の耳かき。

今回は特別公開です(笑)

2020年8月 2日 (日)

安芸津のじゃがいもと肉じゃが・杜氏と広島の日本酒 -広島県東広島市安芸津町-

安芸津のじゃがいも

 広島県沿岸部の真ん中あたりに位置する東広島市安芸津町は,じゃがいもの名産地です。

 東広島市安芸津町や隣の竹原市の沿岸部は,見た目が赤い「赤土」の土壌が広がっており,レンガ作りで栄えました。

 また,赤土のミネラルが多く,水はけもよいという性質を利用し,じゃがいもの栽培も盛んになりました。

 安芸津のじゃがいもは,「出島」と呼ばれる品種を中心に栽培されています。

 安芸津のじゃがいもと言えば,私は以前,仕事仲間と安芸津のスナックで飲んだことがあるのですが,その際に仲良くなったママから「これ息子に送ろうと思っているじゃがいもだけど食べてみて」と言われ,みんなで蒸かしたじゃがいもをいただいたことがあります。

 このじゃがいもが何とも美味しく,息子さんに送るはずの大切なじゃがいもを分けていただいたお気持ちも含め,感動しながら食べたことを思い出します。

 そんな思い出のある安芸津のじゃがいもですが,私はこの度,安芸津の方から地元のじゃがいもをいただきました。

(安芸津のじゃがいも)
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 例年6月から7月が春じゃがいもの収穫時期にあたります。(11月から12月が秋じゃがいもの収穫時期となります。)

 大きくてきれいな丸形をしたじゃがいもです。

 何より表面の皮が美しいだと思いました。


安芸津のじゃがいもで肉じゃがを作る

 このじゃがいもを見た瞬間,私は「肉じゃがで味わいたい」と思いました。

 自宅に玉ねぎと豚肉のストックがあったので,早速肉じゃがを作ってみました。

 片手鍋にわずかに水をはり,日本酒,みりん,醤油を加えます。

 この煮汁を中火で煮ながら,適当な大きさに切ったじゃがいも,玉ねぎ,豚肉を順に入れ,蓋をして煮込みます。

 途中,豚肉から出るアクをすくい取りながら,じゃがいもが中までやわらかくなったら完成です。

(肉じゃが(安芸津のじゃがいも))
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 じゃがいもをいただいてみると,見た目どおり,甘みがあって上品な味がしました。

 食感はキメ細かく,しっとりホクホクしていました。

 玉ねぎや豚肉もお互いの美味しさを引き立て合っており,美味しい肉じゃがに仕上がりました。

 でも,これは私が料理上手だからではありません。

 安芸津のじゃがいもが良かったからです。

 あと,次のことを踏まえたら,より美味しい肉じゃがが出来ると思います。

(1)基本となる調味料(日本酒・みりん・醤油)はできるだけ良いものを使う。
(2)水は控えめにし,その分,酒を使う
(3)甘みをみりんで出す
(4)アクを丁寧に取る
(5)煮るばかりでなく,途中で火を止めて冷まして具に味をしみ込ませる(※)
 ※「ソレー効果」と言います。


日本三大酒処・広島の酒は安芸津から

 今回,肉じゃがの調味料としても使った日本酒ですが,安芸津は日本酒とも深いかかわりがあります。

 安芸津は,広島の軟水を使った日本酒の醸造法を考案・確立した三浦仙三郎さんの出身地であり,その醸造法を受け継いだ杜氏を多く輩出してきた「杜氏の郷」でもあるのです。

 この杜氏の活躍により,東広島市の西条が酒の街として発展し,兵庫・灘,京都・伏見と並ぶ「日本三大酒処」と呼ばれるまでになりました。


 機会があれば,安芸津のじゃがいもや広島の日本酒を味わってみてください。


<関連サイト>
 「杜氏のふるさと安芸津」(北村浩司)
 (当ブログ「滋賀県・琵琶湖の恵みと発酵食文化 -マジカ・鮒ずし・ブラックバス・すじえび・発酵食フレンチ-」にもコメントをくださった北村浩司さんの関連記事。食にお詳しい広島のコウジさんです。)

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 「マグロの目玉の煮付け」(ソレー効果関連)

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