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2020年9月26日 (土)

中国料理の特徴と主な料理5 -ワンタンスープ(弄堂混飩)と重慶麺(重庆小面)-

 広島からカンボジア・シェムリアップを訪問した際,中国・上海で飛行機を乗り継ぎました。

 乗継ぎにまとまった時間があったので,上海浦東国際空港を出て上海中心街を散策しました。

 今回は上海の街で味わった「粉もの料理」と上海の街を御紹介したいと思います。


ワンタンスープ(弄堂混飩)

 上海浦東国際空港からどこへ行こうか考え,時間があったので上海郊外の蘇州へ行ってみようと思いました。

 そこでまずは上海浦東国際空港から地下鉄二号線に乗り,上海虹橋国際空港近くの虹橋火車站駅(上海虹橋駅)を目指しました。

 上海虹橋駅から蘇州駅までは高速鉄道を利用する予定でした。

 が,駅にも空港と同じ手荷物検査があり,行先も中国語(簡体字)で書かれているので,果たして自分が上海虹橋国際空港に居るのか上海虹橋駅に居るのか,それすらもわからない状況になりました。

 インフォメーションセンターへ何度も行き,上海虹橋駅の高速鉄道乗り場の場所を尋ねましたが,結局たどり着くことはできませんでした。

 上海虹橋駅は世界最大の駅のようですし,基本的に地元・中国人向けの駅なので,初めて行った日本人がわからなくても仕方ないのでしょうが…。

(上海虹橋駅西口・中国国際輸入博覧会の案内)
Photo_20200926140201

 上海虹橋駅西口から外を眺めた様子です。

 中国国際輸入博覧会が紹介されていました。

 高速鉄道の乗り場はわかりませんでしたが,せっかく来たのだからここで食事でもして帰ろうと思い,上海虹橋駅内のフードコートへ行きました。

(弄堂混飩のメニュー表示)
Photo_20200926140301

 私の目に留まったのは,この「弄堂混飩(ロンタンフントゥン)」という料理でした。

 一碗が15元。1元=約16円として,約240円です。

 食券を買う場所と注文する場所が異なり,少し戸惑いましたが,中国語がわからない客だと悟った店員さんが,私のいたテーブルまで料理を持ってきてくださいました。

(弄堂混飩)
Photo_20200926140801

 これが弄堂混飩です。いわゆるワンタンスープです。

 日本のお吸い物のようなシンプルであっさりしたスープに,肉詰めのワンタンがたっぷり入っていました。

 具は錦糸玉子,海苔,香菜(パクチー)がのせられていました。

 主張し過ぎないあっさり味のスープの方が,ワンタンのおいしさがわかって良いと思いました。

 ここで「弄堂混飩」の意味についても少し触れておきたいと思います。

 「弄堂(ロンタン)」は上海ならではの表現で,路地・横丁・集合住宅といった意味です。

 上海の街の繁華街・メイン通りから少し中に入ると,そこで暮らす人々の日常生活を垣間見ることができます。

(南京東路・集合住宅)
Photo_20200926141401

 窓から突き出した物干し竿と洗濯物が整然と並んでおり,生活感があふれています。

 料理にも,こうした上海の日常食という意味が込められているのでしょう。

 一方,「混飩(フントゥン)」は小麦粉で作った団子に餡を入れて煮たもので,いわゆる「ワンタン」のことです。

 団子がクルクルしていて端がないことから「混飩」と名付けられたようです。

 広東地方では「雲吞(ワンタン)」と呼ばれるようですが,こちらの方が日本人にはわかりやすいですね。

 地元の日常食を堪能しました。


重慶麺(重庆小面)

 南京東路から人民広場,そして大世界と上海の街を歩いてみました。

(上海・南京東路・歩行者天国・電動カート)
Photo_20200926144001 

 南京東路の歩行者天国では,電動カートが走っていました。遊園地みたいです。

(上海・人民広場付近)
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 上海市人民政府や上海博物館などがある人民広場付近の様子です。

 高層ビルも建ち並んでいます。

(上海・大世界)
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 魔都・上海を象徴する歴史的建物「大世界」です。

 伝統芸能などを観ることができます。

(上海大光明電影院・映画広告)
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 街中で見つけた上海大光明電影院の映画広告です。

 「マレフィセント」,「ONE PIECE(ワンピース)」,「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」などが紹介されていました。

 大通りから少し中に入った通り沿いに,観光客相手ではなさそうな,地元の人たちで賑わっていた料理店があったので,このお店で食事することにしました。

(老上海混飩舗・金陵店)
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 「古き良き上海のワンタン店」という意味でしょうか。意味もよくわからずお店に入ると,食券制のお店でした。

 写真を指差し,麺料理を注文して,空いている席で待ちました。

 ここで問題が起きます。

 厨房の店員が出来上がった料理名を伝え,それを聞いたお客さんがセルフで受け取りに行くという方式なのですが,中国語がわからない私は,自分が注文した料理名で呼ばれていても,それがわからなかったのです。

 「重庆小面(チョンチンシャオミエン),重庆小面」

 多分そうおっしゃってたのでしょう。ほかのお客さんが誰も反応しないのを見て「これが私の注文した料理かも」と思った私は,店員に食券の控えをお見せしました。

 するとやはり私の注文した料理だったようで,こうして何とか無事に料理を受け取ることが出来ました。

 その後,周りのお客さんも外国人の私に親切にしてくださるようになり,食事を楽しむことが出来ました。

 「重庆(チョンチン)」は中国の都市「重慶」のこと,「小面(シャオミエン)」は小麦粉の麺料理,とりわけトッピングなしの麺料理のことです。

 重慶では,小面は火鍋と並んで有名な料理のようです。(中国では麺のことを「面」と表記します。)

 やっとの思いで味わえた重慶面(重庆小面)です。

(重慶麺(重庆小面))
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 白くてツルツルした麺と醤油ベースのスープの麺料理です。

 具は,揚げた牛肉,チンゲンサイ,そしてピーナッツでした。

 スープには唐辛子油やこしょうなどの香辛料が混ぜられていて,辛口に仕上げられていました。

 唐辛子だけではなく,花椒(ホワジャオ)やこしょうなど,様々な香辛料が複雑にからみ合った辛さでした。

 海外で売られている醤油ベースのスパイシーな即席麺のスープのような味でした。

 麺はストレートの太麺で,ツルツルとのどごしがよく,ボリューム感もありました。

 ピーナッツと一緒にいただくと,香ばしさとコクが増し,トッピングとしてピーナッツもありだと思いました。

 牛肉・チンゲンサイ・ピーナッツと具も盛りだくさんだったので,これ1杯で十分な食事になりました。


上海大光明大戯院(グランドシアター)と李香蘭

 今回の記事で上海大光明電影院について少し触れましたが,今回の記事をまとめる際,改めて上海大光明電影院について調べてみると,ここはかつて「上海大光明大戯院(グランドシアター)」と呼ばれた場所で,昭和20年6月に李香蘭(りこうらん)さんがリサイタルをされた会場だったことがわかりました。

 実は,私は李香蘭さんゆかりのこの場所へ行ってみたかったのです。

 蘇州まで行こうと思ったきっかけも,李香蘭さんが歌った「蘇州夜曲」が好きだからです。

 「大世界」への訪問も,「これがかつてのグランドシアターなのでは」との思い込みによるものでした(笑)

 人民広場駅付近の交差点を歩いたのですが,その交差点から南京西路を西側にあと300~400m歩けばグランドシアターがあったとは…。

(「夜来香 上戸彩 「李香蘭」」)

 (YouTube Kincyantora)
 ※上戸 彩さんが歌う「夜来香」・「蘇州夜曲」の動画です。上海大光明大戯院(グランドシアター)は0:22から登場します。

 また上海に行く機会があれば,「上海大光明電影院」かつての「上海大光明大戯院(グランドシアター)」も訪問したいと思います。

 次回は迷わず行ける自信があります(笑)


<関連サイト>
 「上海虹橋駅」上海ナビ
 「小面・重慶小面」在重慶日本国総領事館

<中国料理 関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」にある「中国料理」を御参照ください。

<参考文献>
 宮崎正勝「知っておきたい「食」の日本史」角川ソフィア文庫

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各国料理の特徴と主な料理」カテゴリの記事

コメント

こんにちわ。
この記事とは全然関係ないのですが…
今日いつもあまり行かないスーパーに買い物に行ったら、藤稔(山梨産)に出会いました。
1,280円!高ッ!と思って通り過ぎた後、見切り品コーナーで350円まで値崩れしたものにまで(笑)
350円なら…と手に取ったのですが「う~んちょっとこれは…」な感じだったので買いませんでした。
やっぱり買えばよかったなと、今後悔中です(笑)

chibiaya 様

chibiayaさん,你好(ニーハオ)!
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

藤稔,ありましたか!
高いのから,安いのまで,色々あったんですね(笑)
見切り品をパスされたようですが,初めて味わうなら,それでよかったのではないかと思います。
せっかくなら,果実が新鮮でジューシーな,ゼリーのような美味しいのを味わった方が感動は大きいと思います。

私もあれから藤稔を色々と探しましたが,デパートやスーパーよりも産直市の方が販売されている確率が高いです。
あと今が旬なのか,広島県内の2つの産直市で「ポポー」が売られてましたよ。
「あ~chibiayaさんにお届けできたらな」と思いました(笑)
美味しい果物を召し上がって,秋を満喫してください(^^)/

今回は旅ブログという感じで拝見しました^_^
一発で自分が注文したものを取りに行けたとは素晴らしい!
なーまんなら何度も行ったり来たりして、お店の人にやな顔されたと思います(´∀`*)
日本のフードコートみたいに無線呼び出し機があると便利でしょうが、緊張感を楽しむのも旅の醍醐味でしょうか(^.^)
例によって醍醐を食べた事はないですが(^。^)

なーまん 様

なーまんさん,こんにちは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます。謝謝<(_ _)>

少しでも旅行気分を味わっていただけたらという思いで記事を作成しておりますので,「旅ブログ」とはとても嬉しいお言葉です(^-^)
料理の注文・受け取り,実際は決して自慢できるようなことではなかったのですよ(^^ゞ
海外で現地の言葉もわからずに行動していると,予期しない出来事が起こるものですね。
もし食券の控えがなかったら…おそらくもう一度,注文した料理の写真を指差し,「これのことですか」と尋ねていたことでしょう(笑)
そう考えると,なーまんさんがおっしゃった日本のフードコートの無線呼出し機はよく考えられていますよね。
「なるほど,その発想があったのか」と感心しました。
こうしたことがパッと頭に浮かぶ頭の良いなーまんさんなら,きっとうまく注文されることでしょう。

旅先で醍醐を味わうことができれば,この上ない醍醐味なのですが(笑)

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