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2020年10月23日 (金)

広島県三次市の郷土料理と三次もののけミュージアム(湯本豪一記念日本妖怪博物館)

 広島県の北部,三次市を訪問しました。

 今回は三次市の郷土料理と,同市内に2019年4月にオープンした「三次もののけミュージアム(湯本豪一記念日本妖怪博物館)」を御紹介したいと思います。


三次市の郷土料理・「みよし米御膳」

 三次市・庄原市など備北(広島県北部)地域の代表的な郷土料理の1つに「ワニ料理」があります。

 ここで言う「ワニ」とは,爬虫類のワニではなく,サメ肉のことです。

 ネズミザメなどのサメの肉は,保存性が高く,山間部でも生食できる魚として重宝されてきました。

 三次市内の料理店で,「ワニ料理」をはじめ,三次の「お米」や吉舎(きさ)町の特産品「大和芋」など,三次市の地元食材をふんだんに使った郷土料理の御膳をいただきました。

(みよし米御膳)
Photo_20201022185701

 「みよし米御膳」です。

 写真上側の青い皿にのせられた魚が「旬魚米粉焼き」,その右下が「冷そば」,中央が「吉舎産大和芋磯部揚げ」,右下が「ワニ刺身」,右上の紙鍋が「イベリコ豚米粉だんご汁」です。

(広島菜のめはり寿司)
Photo_20201022191101

 こちらはマグロの醤油漬けを広島菜で巻いた「広島菜のめはり寿司」です。

(ワニ刺身)
Photo_20201022191102

 ワニ(サメ)の刺身をアップで撮った写真です。

 醤油とおろし生姜でいただきました。

 淡いピンク色をした刺身で,ネチネチした独特の食感がありますが,臭みはなく,あっさりとした味で,美味しくいただきました。

 ワニ(サメ)は,三次市内や庄原市内のスーパーマーケットの鮮魚コーナーへ行くと普通に販売されており,回転寿司店でもワニの握り寿司が回っているのを見かけたことがあります。

 また,同市廻神町の「フジタフーズ」では,サメ肉を使った「ワニバーガー」,「ワニドッグ」,「ワニまん」,「ワニソーセージ」,「ワニ焼きそば」など,様々なワニ料理を味わうことができます。


三次もののけミュージアム(湯本豪一記念日本妖怪博物館)

 「三次もののけミュージアム(湯本豪一記念日本妖怪博物館)」を訪問しました。

 妖怪の博物館というのは珍しいですが,江戸時代の妖怪物語「稲生物怪録(いのうもののけろく)」の舞台となったのが三次であることや,民俗学者・妖怪研究家の湯本豪一氏から妖怪コレクションを寄贈いただいたことにより,設立に至ったようです。

(三次もののけミュージアム(湯本豪一記念日本妖怪博物館))
Photo_20201022191901

 館内は大勢のお客さんで賑わっていました。

 子供にも人気が高い博物館です。

 展示品の一部を御紹介したいと思います。

(妖怪という言葉)
Photo_20201022192201

 「『妖怪』という言葉が普及したのは,『妖怪博士』の異名をとった哲学者・井上円了(いのうえ えんりょう)が各地で行った妖怪学の講義による功績が大きいといえます」という説明書きがありました。

 井上円了と言えば,哲学者で東洋大学(哲学館)の設立者というイメージが強いので,妖怪研究の第一人者で「妖怪博士」とも呼ばれた人物だったというお話は興味深かったです。

(妖怪造形コレクション)
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 企画展「妖怪のかたち 魔像三十六体と百体の謎」の妖怪造形コレクションです。

(神社姫)
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 神社姫(じんじゃひめ)は,予言する妖怪「予言獣」です。

 竜宮からの使いであると名乗り,豊作と流行病を予言し,「私の姿を描いて見れば病を逃れられる」と伝えたとの言い伝えがあります。

(髪切の奇談)
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 「髪切の奇談(かみきりのきだん)」は江戸時代最後の年・慶応4年に起きた怪奇事件を伝える錦絵です。

 夜中に厠へ行こうとした女中が,真っ黒な化け物に襲われて髪を切られた様子が描かれています。

(人面草紙)
Photo_20201022193101

 お餅か餃子のような独特な頭の形をした妖怪がたくさん描かれています。

 怖いお化けというより,かわいいキャラクターに見えます。

(河童)
Photo_20201022193201

 博物館の出口に河童の像がありました。

 「また来てね! SeeYou」と河童がお見送りしてくれました。

 よく見ると,新型コロナウイルス感染拡大防止のためのマスクまでしています(笑)


 皆様も広島県三次市へお越しになり,「妖怪を見て,ワニを食べてきた」と自慢されてはいかがでしょうか(笑)


<関連サイト>
 「むらたけ総本家」(広島県三次市十日市東6-1-8)
 「フジタフーズ」(広島県三次市廻神町738)
 「三次もののけミュージアム(湯本豪一記念日本妖怪博物館)」(広島県三次市三次町1691番地4)

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日本各地の食文化」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。
サメ肉って刺身でもいけるんですね~。
こちらのスーパーでもサメ肉(モウカザメ)を売っていますが生食できるとは書いてないような…
人面草紙の「お餅か餃子のような独特な頭の形をした妖怪」、思わず笑っちゃいました。
キモカワキャラで人気出そうな(笑)

三次盆地といえば中国山地のヘソみたいな所(^.^)
刺身が郷土料理というのは一見不思議に思えますが、サメという魚の特徴、江の川を船で遡れるという地の利を考えると納得出来ますね^^
なーまんはマグロも赤身の方が好きなので、色や食感に違和感を感じるかもしれませんが( ´∀`)
哲学と妖怪というとミスマッチな感じですが、井上円了は迷信を打破する為に妖怪の研究をした様ですね^^
迷信に惑わされず、頭ごなしに否定もせず、妖怪を楽しみたいものですね(°_°)

chibiaya 様

chibiayaさん,おはようございます。
いつもコメントいただき,ありがとうございます(^-^)

広島県備北地域では,サメ肉は刺身用の切身で売られていることが多く,私も刺身で食べるのが普通かと思ってました。
埼玉にもサメ肉が売られているとは驚きました。
確かに会津若松市内のスーパーでもサメ肉を見かけたことがあります。
全国に点在しているのかも知れませんね。

人面草紙の妖怪,人気があるのでしょうね。ミュージアムショップでもいろんなグッズが売られていました。
絵の中にお餅やだんごがたくさん描かれていて,この頃の人がこうした食べ物にいかに愛着を持っていたかがわかります。
キモカワキャラとして,LINEのスタンプなどにいかがでしょうか(笑)

なーまん 様

なーまんさん,おはようございます。
いつもコメントいただき,ありがとうございます<(_ _)>

当ブログの記事に関連することをさらに深く教えていただいたり,お調べいただいていることに,深く感謝しております。
サメ(ワニ)料理は,サメの特徴や地理的関係から,備北地域の郷土料理と言うことができますね。

サメの刺身は,薄いピンク色で食感がネチネチしているので,初めて食べると少し抵抗があるのですが,食べ慣れると,その独特な味・食感を求めてまた食べたくなる人も多いと思います。私もその1人です(笑)

今回の訪問で,井上円了が妖怪を研究されたことまではわかりましたが,それが迷信を打破することが目的だったというお話は初めて知りました。
とても新鮮で,勉強になりました!
おっしゃるとおり,何事も頭ごなしに否定せず,なぜそうなったのかを調べてみる姿勢・好奇心は大事ですね。
妖怪も,人間とまったくかけはなれたものではなく,人の姿かたちを変えて表現されたものではないかと思います。
その文化的背景も知れば,当時の人々の価値観・考えなどもわかってくるのではないでしょうか。

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