観光列車「ラ・マル・ド・ボア -La Malle de Bois-」の魅力 -旅するせとうちスイーツBOX-
観光列車 La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボア)
「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボア)」は,岡山と宇野,尾道,琴平を結ぶJRの観光列車です。
手元の仏和辞典では,「Malle」が「大型のトランク・かばん」,「Bois」が「森・林・木材」となっているので,「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボア)」は「木製の旅行かばん」といった意味になります。
JR西日本のサイトには「旅に必要なモノとコトが揃った特別な列車」と説明されています。
「La Malle de Bois(ラ・マル・ド・ボア)」は,ちょっと覚えにくい名前ですが,それぞれの列車に愛称もあり,岡山・宇野間を走る列車は「ラ・マル せとうち」,岡山・尾道間を走る列車は「ラ・マル しまなみ」,岡山・琴平間を走る列車は「ラ・マル ことひら」と呼ばれています。
列車に乗る楽しみだけでなく,車内限定販売のグッズ・食べ物を買う楽しみもある観光列車です。
いつか乗車したいと思っていたところ,この度「ラ・マル しまなみ」に乗車する機会がありましたので,御紹介したいと思います。
La Malle de Bois 尾道駅発車
尾道15時48分発,岡山17時09分着の「ラ・マル しまなみ」のきっぷを手配しました。
この列車は,乗車券のほかに,普通列車用グリーン券が必要となります。
当日は広島駅から尾道駅まで普通列車で行き,尾道駅から「ラ・マル しまなみ」に乗車して岡山駅を目指しました。
(尾道駅ホームで出発を待つ「ラ・マル しまなみ」)
尾道駅ホームで出発を待つ「ラ・マル しまなみ」です。
尾道・岡山間の山陽本線は何度も乗っていますが,観光列車へ乗って行くとなると,別世界への旅のように感じました。
鉄道好きの私は,夢中になって列車の写真を撮りました。
(「ラ・マル しまなみ」ドア付近)
ドアに掲げられたグリーン車のマークが,特別な列車であることを物語っています。
(車内カウンター・本)
乗車し,車内を見て回ると,車内カウンターに本が置かれていました。
表紙に桃太郎が描かれた日本昔話の本も用意されていました。
岡山ならではですね。
(スタンプ台と記念乗車証)
本が置かれたカウンターの一角に,スタンプ台と記念乗車証が用意されていたので,記念乗車証に押印し,記念にいただきました。
(車内販売カウンター)
車内販売カウンターへ行くと,ラ・マル・ド・ボアのオリジナルグッズや各種ドリンク・フードなどが販売されていました。
(サイクルスペース)
自転車が展示されているコーナーもありました。
輪行袋に収納可能な自転車なら,持ち込みもできるようです。
(リクライニングシート)
私が利用した1号車1番A席(窓側)の様子です。
座席後方にはアート作品「旅の道具の旅」も展示されています。
このリクライニングシートのほかに,窓側向きのカウンター席も用意されています。
ひととおり見学を終えたところで,出発時刻となりました。
車掌さんが「八点鐘(はってんしょう)」と呼ばれるハンドベルを鳴らし,列車は岡山駅へ向け,尾道駅をゆっくりと出発しました。
車内には終始心地よいBGMが流れ,車掌さんによる観光案内もありました。
尾道駅を出発してすぐ,尾道大橋が見える箇所で,列車は停車寸前までスピードを落としました。
そのおかげで,尾道の観光案内を聴きながら,尾道大橋や尾道水道をゆっくりと眺めることができました。
(車窓から眺めた尾道大橋)
この列車がしばらく線路を独占しているかのような贅沢感が味わえました。
旅するせとうちスイーツBOX
ラ・マル・ド・ボアには車内限定販売のものがいくつかありますが,その中に車内限定・事前予約限定の商品があります。
岡山のフレッシュタルトのお店「STYLE(スタイル)」が販売する「旅するせとうちスイーツBOX」です。
事前にお店にネット予約をし,当日,列車内の車内販売カウンターで購入するしくみとなっています。
実は,私がラ・マル・ド・ボアに乗りたいと強く思ったきっかけは,この車内限定タルト,とりわけレモンタルトが販売されているという情報を得たことにあります。
車内販売限定のレモンのお菓子があるなら,ぜひ味わってみたいと思っていました。
ただ,タルトの内容は時期によって変わるようなので,あればラッキーぐらいの気持ちで事前注文しました。
車内販売カウンターで予約番号を伝え,ラ・マル・ド・ボアの箱に入ったタルトセットを購入しました。
(旅するせとうちスイーツBOX(箱))
窓側に置くと,確かに旅するスイーツBOXに見えます(笑)
レモンタルトがあるかどうか,ドキドキしながら開封しました。
(旅するせとうちスイーツBOX(開封))
念願叶って,レモンタルトもありました。
今回のミニタルトは,「みついも」,「みたらし(だんご)」,「生チョコバナナ」,「レモン」,「親子もも」の5種類でした。
(みついも・みたらしのミニタルト)
写真左が「みついも」,右が「みたらし(だんご)」のミニタルトです。
「みついも」は岡山県産の「早雲蜜芋」とサツマイモが使われたミニタルトです。
「みたらし」はその名のとおり,中にタレが入ったみたらしだんごを半分に切ってタルトにのせた和風のミニタルトです。
(生チョコばなな・レモン・親子もものミニタルト)
写真左が「生チョコばなな」,中央が「レモン」,右が「親子もも」のミニタルトです。
「生チョコばなな」はキューブの生チョコがのせられたバナナ風味のミニタルトです。
「レモン」はチーズクリームに,シロップ漬けの輪切りのレモンとざく切りのレモンピールがたっぷりのせられた瀬戸内ならではのミニタルトです。
「親子もも」は白桃と青桃のシロップ漬けがのせられた,桃が有名な岡山ならではのミニタルトです。
車窓から流れゆく景色を眺めながらいただくタルトは最高でした。
列車を降りる際,車内に置き忘れて本当に「旅するせとうちスイーツBOX」にならないよう,注意して持ち帰りました(笑)
La Malle de Bois オリジナルグッズ
「旅するせとうちスイーツBOX」と一緒に,ラ・マル・ド・ボアのオリジナルグッズもいくつか購入しました。
(クリアファイル・今治タオルハンカチ・ピンバッジ)
ラ・マル・ド・ボアがデザインされたクリアファイル,今治タオルハンカチ,そしてピンバッジです。
良い記念・お土産になりました。
La Malle de Bois 岡山駅到着
列車が要所を走るたびに,車掌さんが観光案内をしてくださいました。
「新倉敷駅は山陽新幹線乗入れ以前は『玉島駅』と呼ばれていました」,「ただ今通過しております笹ヶ瀬川は,桃太郎の桃が流れてきたとされる川です」という感じの興味深いお話が続き,楽しめました。
あと興味深かったのは,終点岡山駅まで車内放送による乗換(時刻)案内が一切なかったことです。
この列車は観光列車なので,今この時間を楽しむことに配慮されているのだなと思いました。
観光列車と言えば…途中の停車駅で普通列車と間違えて乗車する観光客がおられたことも印象深かったです。
間違って乗車された後,「この列車は全席グリーン指定席で,きっぷをお持ちでない方は御乗車できません」という車内放送を聞かれて,慌てて下車される方が何人かおられました。
夕暮れ時の岡山の景色を楽しんでいるうちに,列車は終点岡山駅に到着しました。
(岡山駅に到着した「ラ・マル しまなみ」)
約1時間20分の旅はあっという間でした。
(岡山駅ホームから見た「ラ・マル しまなみ」(中央))
暖色系の照明が点いた車内もいい眺めです。
(岡山駅ホームから見た「ラ・マル しまなみ」(運転席側))
名残惜しい気持ちとともに,シャッターを押しました。
(岡山駅・発車案内表示器)
岡山・尾道・琴平などへ御旅行の際には,観光と移動を兼ねてラ・マル・ド・ボアを利用されると,旅がもっと楽しくなると思います。
<関連サイト>
「観光列車の旅時間 La Malle de Bois」(JRおでかけネット・JR西日本)
「フレッシュタルトのお店 STYLE(スタイル)」(岡山県岡山市北区岡町6-9ほか)
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コメント
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横文字は苦手な方ですが、頭に「La」が付くとオシャレな感じがしますね^^
「八点鐘」という言葉の響きも好きです^ - ^
ルパンシリーズにそういうタイトルがあった様な気がしますが、さぞかし良い音色がしたでしょう♪
乗るとしたらカウンター席が良いですね^^
ただ、一人で窓ひとつ確保出来るのでしょうか?
目の前が窓と窓の間だとガッカリですね(*´-`)
みたらしいのタルト、見た目も斬新で面白いですね(^。^)
投稿: なーまん | 2020年11月20日 (金) 18時26分
おはようございます。
車窓から海が見えるとか、乗ってて楽しいですね。
埼玉県の東部だと、海はもちろん、山も近くにないし、電車に乗ってもパッとしない風景でつまらないです(笑)
JR東日本が東北の方でスイーツ列車みたいなのやってたよなあ…と調べたらコレでした。
https://www.jreast.co.jp/railway/joyful/fruitea.html
西も東も同じようなこと考えるんですね。儲かる企画なのかな?(笑)
投稿: chibiaya | 2020年11月21日 (土) 07時33分
なーまん 様
いつもコメントいただき,ありがとうございます<(_ _)>
「La Malle de Bois」という名前は長くて,言いにくいですが,フランス語だと確かにおしゃれに聞こえますね。
「八点鐘」についてもそうですが,1つ1つよく考えられているのだと思います。
ルパンシリーズは初めて知りましたが,フランスつながりにされているのかも知れませんね。
(ルパン三世かと思いました(笑))
実はリクライニングシートとカウンター席どちらがよいか迷ったのですが,迷っているうちに残席がリクライニングシートだけになり,それで予約しました。
乗ってみてわかったのですが,普段の電車と違う雰囲気があるのはカウンター席で,そちらもいいなと思いました。
ほぼすべてのカウンター席が窓から十分景色が見える状態ですが,1~2席,少し窓のピッチが狭い席もありました。
ただその個所には,電源プラグがあったと記憶しているので,それはそれで便利な席となっています。
みたらしのタルトは,1個のみたらし団子を半分に切ってのせられていました。
こういう発想は斬新で面白いですよね。
「残り半分のみたらし団子は誰のタルトになってるのだろう」と考えてしまう私は,小さくてつまらない人間だと思います(笑)
投稿: コウジ菌 | 2020年11月21日 (土) 07時39分
chibiaya 様
chibiayaさん,おはようございます。
いつもコメントいただき,ありがとうございます!
広島県は近くに海か山しかなく,埼玉県東部は近くに海も山もない環境なんですね(^-^)
確かに東武鉄道とか乗っていると,群馬・栃木あたりまで山がないなぁとキョロキョロ見ています(笑)
春日部だとクレヨンしんちゃん号ですね。
JR東日本のスイーツ列車,これも楽しそうですね。
「乗ってみたい!」とウェブサイト見ましたが,男1人というのはなかなか勇気がいりそうです(笑)
でもレモンスイーツがあれば,やはり乗りたいなぁー。
今回のラ・マル・ド・ボアも,乗りたいと思った理由の1つは,瀬戸内レモンのお菓子があるとの情報をつかんだからです。
タルトの中にレモンがあるかどうかは「賭け」でしたが,あったので喜びはひとしおでした。
chibiayaさんに見ていただいて,良かったです!(^^)!
投稿: コウジ菌 | 2020年11月21日 (土) 09時31分