リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展と食 -ラクレット・カスクノーフル-
リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展
広島県立美術館の特別展覧会「リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展」(2020年9月18日(金)~2020年11月29日(日))へ行きました。
(リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展パネル)
リヒテンシュタインはスイスとオーストリアに囲まれた面積約160平方キロ,人口約3万8千人の小さな国です。
(リヒテンシュタインの地図)
※中国新聞記事(広島県立美術館内パネル掲示)を引用
今回の特別展覧会は,リヒテンシュタイン侯爵家の数々のコレクションが展示されたものです。
広島にいながら,ルーベンスなど有名画家の絵画や,貴重な美術工芸品を鑑賞することが出来ました。
(ウイーン窯 アントン・デーリング,イグナーツ・ヴィルトマン「金地花文ティーセット」)
陶磁器で言えば,日本の有田や中国の景徳鎮からヨーロッパへ渡ってきたものも多く,日本や中国などからかなり影響を受けていることがわかりました。
また,東アジアからヨーロッパに渡ってきた陶磁器は,金ぴかの金属装飾が施されることが多かったようで,こうした金属装飾の有無で東アジアのものか,ヨーロッパのものかある程度見分けがつくことも学びました。
描かれた東洋風の景色とは裏腹に西洋風の金属装飾が施された陶磁器や,有田窯で料理用の壺として作られたものが,西洋に渡って金属装飾が施され,観賞用の壺となった陶磁器なども展示されていました。
こうした東洋と西洋の価値観の違いや移り変わりを知ることが出来ました。
リヒテンシュタイン家はハプスブルク家との関わりも深く,今年(2020年)の年始に行った東京上野・国立西洋美術館の「ハプスブルク展」とのつながりも感じました。
鑑賞後,広島県立美術館内のティールーム・レストランでリヒテンシュタイン展とコラボした料理をいただきました。
実はこれが一番の目的でした(笑)
「徒夢創家」のラクレット
広島県立美術館3階のティールーム「徒夢創家(トムソーヤ)」で,リヒテンシュタインにちなんだ「温野菜とブレッドのセット」をいただきました。
(温野菜とブレッドのセット)
リヒテンシュタインやスイスでよく食べられるラクレットをイメージしたブレッドセットです。
ラクレットは,熱でトロトロに溶かした(ラクレット)チーズをパンやジャガイモに絡めて食べる料理です。
温野菜とラクレット(ブレッド)のほかに,コンソメスープとコーヒーがセットになっていました。
(温野菜とブレッド)
熱々トロトロになったチーズがたっぷりのせられたパンでした。
温野菜は,茹でたブロッコリー,人参,カリフラワーで,粒々の揚げベーコンがのせられていました。
「美術館のティールームでゆっくりと休日を過ごすのもいいな」と思いながら,このセットをいただきました。
「Zona ITALIA in Centro」のカスクノーフル
リヒテンシュタイン展の会場へ再入場し,再度ゆっくりと美術品を鑑賞した後,広島県立美術館1階のイタリアンレストラン「Zona ITALIA in Centro(ゾーナ・イタリア・イン・チェントロ)」で遅めのランチをいただきました。
予約の際,ランチセットの前菜でリヒテンシュタインにちなんだ料理を御用意されていると伺い,その料理を楽しみに訪問しました。
(前菜)
ランチセットの前菜3種です。
写真左が「鶏肉のソテー マディラソース」,写真上が」「かぼちゃのスープ」,そして写真右が「カスクノーフル」と呼ばれるリヒテンシュタインの郷土料理です。
(カスクノーフル)
今回のカスクノーフルは,小麦粉と卵を練って作られたパスタ(ニョッキ)をチキンブイヨンで煮込み,揚げた玉ねぎとチーズをかけて焼き上げた料理でした。
味付けはチキンブイヨンとチーズの塩味のみですが,シンプルな味付けならではの美味しさを感じました。
あと,リヒテンシュタインの料理ではありませんが,今回ランチセットで味わった料理も御紹介します。
(パスタ(白身魚と新鮮野菜のトマトソース マリナーラ風))
パスタは「白身魚と新鮮野菜のトマトソース マリナーラ風」を味わいました。
写真ではわかりにくいですが,様々な根菜のほかに白身魚もゴロゴロ入っていて,ボリューム感のある美味しいパスタでした。
(デザートプレート)
デザートのケーキは,数種類用意された中から1品選べるのですが,私はプリン風味のカタラーナを選びました。
写真右がカタラーナで,写真上がリンゴのジュレ,写真右がイチゴのジェラートです。
広々としたテーブルで,窓ごしに名勝「縮景園」を眺めながら,ゆったりとランチをいただきました。
贅沢で幸せなひとときでした。
西洋美術を鑑賞して目が肥え,いろんな料理を味わって舌が肥えた…かどうかはわかりませんが,欲張って一度にたくさん食べたので体は肥えたことでしょう(笑)
<関連サイト>
「広島県立美術館」(広島市中区上幟町2-22)
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コメント
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モナコやルクセンブルクなら頭の中のヨーロッパ地図に浮かんできますが、リヒテンシュタインはちょっとわかりませんね(⌒-⌒; )
金閣寺は明の使節をもてなす為に建てられたらしいし、キンキラキンというのは侘び寂びと違って万国共通の価値観なのでしょう^^
チーズというとスイスを思い出しますが、リヒテンシュタインもそうなのですね^ - ^
赤い針鼠にお出かけされる時、話のタネになりますね(^_^)
投稿: なーまん | 2020年12月 2日 (水) 21時34分
なーまん 様
なーまんさん,改めましてこんばんは。
いつもコメントいただき,感謝申し上げます<(_ _)>
私もリヒテンシュタインはパッと頭に浮かびませんでしたので,今回記事をまとめて勉強になりました(^^ゞ
金閣寺のお話,恥ずかしながら初めて知りました。
確かに,日明(勘合)貿易の時代ですからね。
当時のヨーロッパでは,はるか遠い東洋の文化や,希少な貴金属に対する憧れが強く,陶磁器は権威の象徴としても使われてきたのでしょうね。
キンキラキンは成金…と思うのは現代だからでしょうか(^^;)
リヒテンシュタインはチーズをはじめ,スイスからの食文化の影響も大きいのでしょう。
私はハイジのパンを思い出しました(笑)
今回のお話,今回の記事などでカフェで出会った仲間にも伝わっているといいなと思います!(^^)!
投稿: コウジ菌 | 2020年12月 2日 (水) 23時24分