イタリア料理の特徴と主な料理6 -カファレルのジャンドゥーヤとペルジーナのバッチチョコレート-
イタリア発祥のチョコレート店「カファレル(Caffarel)」
終業後,職場の後輩と旅行やカフェ・スイーツの話題で盛り上がりました。
その際,その後輩から神戸の「カファレル(Caffarel)」というお店のチョコレートやケーキがおすすめだと教えてもらいました。
カファレルについて,同店のウェブサイトで調べてみると,
○1826年,創業者のピエール・ポール・カファレルが,イタリア・ピエモンテ州トリノで最初のチョコレート会社を創設
○チョコレートにヘーゼルナッツを練り込んだ「ジャンドゥーヤ(チョコレート)」は,カファレル社が発祥
○古くからヨーロッパ各地の王室や貴族ご用達チョコレートとして認められ,190年以上に渡り,イタリアのチョコレート業界の老舗ブランドとして愛され続けている
と紹介されていました。
イタリア・トリノは「イタリアのチョコレートの都」とも呼ばれ,チョコレートをこよなく愛する人が多い街です。
一方,神戸のチョコレート店と言えば,当ブログ記事でも,「日本で初めてバレンタインデーにチョコレートを贈るというスタイルを紹介した」モロゾフや,「日本で初めてウィスキーボンボンを作った」ゴンチャロフといった,ロシア人にルーツをもつお店を御紹介していますが,イタリア発祥のお店もあることまでは把握していませんでした。
ジャンドゥーヤ発祥のお店が神戸にあることを知った私は,後輩に「今度神戸へ行ったら,ぜひカファレルへ行ってみたい」と話しました。
その強い思いが後輩に通じたようで,翌週の昼休みにその後輩からカファレルの詰合せをプレゼントしていただきました。
こんなに早く実現するとは…私は良い後輩に恵まれました(笑)
カファレルのジャンドゥーヤ
プレゼントでいただいたのは,「アートエッグひよこ」というチョコレートの詰合せです。
(アートエッグひよこ)
カファレルの商品はかわいいデザインが多く,女性から人気が高いのも納得です。
(アートエッグひよこ(中身))
中身もかわいいですね。とりわけ興味を持ったジャンドゥーヤも2つ入っていました。
後輩がジャンドゥーヤ入りのアソートを選んでくれたようです。
(ジャンドゥーヤ(包装))
カファレルの職人が1865年に作ったチョコレートです。
手元のイタリア料理用語集で「ジャンドゥーヤ」(gianduiotto:ジャンドゥイオット)について調べてみると,「ペースト状にしたヘーゼルナッツを加えたトリノのチョコレート」と説明されています。
(ジャンドゥーヤ)
横長で先がとんがった独特な形をしています。
ヘーゼルナッツの含有量が28%と非常に高く,生地がとても柔らかいため,生地を型に流し込んで固めるのではなく,生地を絞り出して固められます。
(ジャンドゥーヤ(断面))
ジャンドゥーヤを半分に切ってみました。
ヘーゼルナッツ入りのチョコレートを固めたもので,生チョコや生キャラメルのようにとても柔らかいです。
どんな味だろうかとドキドキしながらいただいてみました。
とてもなめらかな食感で,ヘーゼルナッツの香ばしい香りと深いコクがチョコレートと一体化して口の中いっぱいに広がり,とても幸せな気持ちになりました。
心優しい後輩に感謝です。
ペルジーナのBaci(バッチチョコレート)
イタリア・ピエモンテ州と言えば「スローフード」運動が始まった地としても有名です。
そして同州トリノ郊外には,その「スローフード」の理念を形にした「Eataly(イータリー)」という食の巨大複合施設があります。
この「イータリー」は現在,東京にも店舗があります。
東京・日本橋三越本店の本館にある「イータリー日本橋店」を訪問した際,私の好きなイタリア・ペルジーナ社のチョコレート「Baci(バッチチョコレート)」が販売されていましたので,このチョコレートを御紹介したいと思います。
(バッチチョコレート(包装))
バッチチョコレートは,私がイタリア・ローマを訪問した際にガイドさんから教えていただいたチョコレートで,現地で味わって「これは美味しい」と思い,日本でも探し続けていました。
イタリアの定番土産でもあるのですが,なぜか日本の店舗では見かけることがなかったので,「イータリー日本橋店」で見つけた時の感動はひとしおでした。
(バッチチョコレート)
正式な商品名は,「Baciオリジナルダークチョコレート」です。
細かく刻んだヘーゼルナッツ入りのジャンドゥーヤと,丸ごとヘーゼルナッツを,ダークチョコレートでコーティングしたトリュフチョコレートです。
銀紙から取り出すと,1つ1つに名言が添えられているのですが,これもバッチチョコレートの楽しみの1つです。
ちなみに今回の名言は…「your wealth is where your friends are(友達こそあなたの財産)」。
食べれば食べるほど,人生についても深く考えさせられるチョコレートです。
チョコレートとヘーゼルナッツの組合せは,先に御紹介した「カファレル」のジャンドゥーヤと同じですね。
確かにこの組合せは最高だと思います。
今更ながら,ふと包装の裏側を確認すると,「Baci(バッチ)はイタリア語でキスの意味。Baciを贈ることはたくさんのキスを贈ることです。」と書かれていました。
私はカフェで女性にお土産としてプレゼントしたことがあるのですが,こんな説明があったとは知らずに贈りました(笑)
イタリアらしいチョコレートです。
<関連サイト>
「カファレル(Caffarel)」(カファレル北野本店・神戸市中央区山本通3-7-29 神戸トアロードビル1F)
「EATALY(イータリー)」(「イータリー日本橋店」東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本館B1ほか)
「BACI(バッチ)」(日仏貿易株式会社)
<関連記事>
「ロシア革命と日本のバレンタインチョコレート -神戸・御影のバレンタイン広場訪問-」
<チョコレート関連記事>
「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「チョコレートの研究」を御参照ください。
<参考文献>
「世界の食を愉しむ BEST500」日経ナショナル ジオグラフィック社
辻調理師専門学校監修「イタリア料理基本用語」柴田書店
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