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2021年6月20日 (日)

鳥取の食文化探訪2 -すなば珈琲・もさ海老ブラックカレー・砂たまご-

 広島から高速バスを利用し,鳥取県鳥取市を訪問しました。

(鳥取シネマと名探偵コナンの映画案内)
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 鳥取駅前の通り沿いにある鳥取シネマで,「名探偵コナン」の映画案内を見つけました。

 名探偵コナンは,鳥取県北栄町出身の青山剛昌さんの作品で,「青山剛昌ふるさと館」・「コナン駅(JR由良駅)」・「コナン大橋」(鳥取県北栄町)のほか,JR山陰本線では「コナン電車」が走っていたり,鳥取空港(鳥取市)の愛称が「鳥取砂丘コナン空港」と命名されているなど,鳥取県中部~東部を中心に様々なスポットで名探偵コナンに出会うことができます。

 食の名探偵コナンになったつもりで,鳥取市の食文化の謎に迫りたいと思います。


すなば珈琲

 「スタバはないが日本一のスナバはある」

 平井伸治・鳥取県知事の名言です。

 この話をもとに誕生した鳥取の喫茶店が「すなば珈琲」です。

 地元食材を使った料理も御用意されていることから,鳥取駅前にある「すなば珈琲 新鳥取駅前店」を訪問しました。

(すなば珈琲 新鳥取駅前店)
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 歩道から地下へ降りたところがお店の入口になっており,テイクアウト専用コーナーもあります。

 私は午後2時頃に訪問しましたが,観光客の方も多く,行列待ちになることも度々ありました。

 お店の方に席を案内され,お水とおしぼりが提供されました。

 基本的にフルサービスの喫茶店なのですが,現代風だと思ったのは,メニュー表がタブレット端末で,注文もその端末から送信する仕組みとなっていることです。

(タブレット端末のメニュー表(もさ海老ブラックカレー))
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 私はタブレット端末のメニュー表の中から,鳥取ならではの食材「もさ海老」を使った「もさ海老ブラックカレー(コーヒー付き)」を注文しました。


すなば珈琲のブレンドコーヒー

 セットのコーヒーは,注文時に食事と一緒か,食後かを選べました。

 普段なら食後にゆっくりといただくのですが,今回はあまり時間がなかったので,食事と一緒に提供していただくようお願いしました。

 しばらく待っていると,最初にコーヒーが用意されました。

(すなば珈琲のブレンドコーヒー)
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 サイフォンで淹れたブレンドコーヒーです。

 大きなカップにコーヒーがたっぷりと注がれていました。

 一般的なコーヒーの2杯分あるのではと思うほどの量でした。おそらくサイフォン1回分の量なのでしょう。

 苦味が少なく,スッキリとした,私好みのコーヒーでした。


もさ海老ブラックカレー

 続いて,待望の「もさ海老ブラックカレー」とサラダ・みそ汁(スープ)が用意されました。

(もさ海老ブラックカレー)
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 イカ墨入りのブラックカレーで,もさ海老の素揚げと海老カツがトッピングされていました。

 「もさ海老」は甘エビのような海老で,鮮度劣化が早いため,水揚げされた鳥取でしか味わえない「幻の海老」です。

 また,鳥取市は一世帯あたりのカレー消費量が常にトップクラスで,お店では様々なカレーが味わえる「カレーの街」としても有名です。

 そのため,鳥取には,鳥取砂丘のらっきょう,二十世紀梨,ズワイガニ,鳥取和牛など,鳥取ならではの食材を使った様々なカレーがあります。

 そんな鳥取ならではの食をまとめて味わえるのが,この「もさ海老ブラックカレー」です。

 もさ海老の素揚げは,もさ海老を頭や殻ごと素揚げにしたものです。

 もさ海老の頭や殻は柔らかいので,揚げれば丸ごと食べることができます。

 パリパリと香ばしい頭や殻と,甘エビに似た柔らかくて甘味のある身を一度に楽しむことができました。

 一方,もさ海老の海老カツは,もさ海老の身をミンチにし,パン粉を付けて揚げたもので,海老の甘味と旨味が凝縮されていました。

 イカ墨入りのカレーは深みとコクがあり,もさ海老との相性も抜群でした。

 カレールーには金箔が散りばめられており,贅沢な気分になりました。

 全ての料理を食べ終え,コーヒーも飲み終えて一息ついていたところ,お店の方がサイフォン持参で来られ,「コーヒーのおかわりはいかがですか」と声をかけていただきました。

 せっかくなのでおかわりをお願いすると,コーヒーカップにコーヒーをたっぷりと注いでくださいました。

 こうしたサービスもあるんだなと新鮮な感動を覚えました。(たまたま運が良かったのかも知れませんが…。)

 またゆっくりと訪問したいと思いつつ,お店を後にしました。

 ちなみに,現在(2021年6月時点)は鳥取県内にスターバックスが4店舗あります。

 そこで鳥取駅近くのスターバックス・シャミネ鳥取店へも行ってみました。

(スターバックス シャミネ鳥取店)
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 ドライブスルーもあるおしゃれな独立店舗で,店内にはたくさんのお客さんがおられました。

 鳥取ではスナバもスタバも楽しめますよ!


砂たまご

 鳥取には日本一のスナバがあります。

(鳥取砂丘)
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 この鳥取砂丘の名物が「砂たまご」です。

(砂たまご(箱))
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 鳥取砂丘の砂で蒸し焼きにしたたまごです。

 鳥取砂丘にある「砂の美術館」売店や鳥取駅売店などで販売されています。

 鳥取砂丘がある福部町の方たちが,新たな鳥取砂丘の名物を作りたいと考えた際,「温泉たまごがあるなら,砂たまごがあってもエエデないかいヤ!」と「コロンブスの卵」的発想をもとに,努力と工夫を重ねて生まれた商品です。

(砂たまご(箱の中))
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 たまごが1個ずつ地元の因州和紙で包まれています。

 この状態で約240℃の高温の砂に入れ,蒸し焼きにしたのが「砂たまご」です。

 出来上がった「砂たまご」は,そのまま箱詰めされるので,箱の中にも微量の砂が残っています。

 お店の方からも「砂たまごは箱から砂が出てくるんですよ」と,さらにビニール袋で包んでいただきました。

(砂たまご(因州和紙包装と砂たまご))
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 写真右下に見える小さな黒い点々が砂です。

 ゆでたまごと同じように,たまごの殻をむいていただきます。

(砂たまご)
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 高温の砂で蒸し焼きされるため,白身の一部にほんのり焦げ目がついていますが,見た目はゆでたまごとほぼ一緒です。

 興味津々でいただきました。

 白身は普通のゆでたまごとほぼ一緒で,少し固めに仕上がっているかなという感じでした。

 普通のゆでたまごと大きな違いを感じたのは黄身の方です。

 少し固めに仕上がっており,イモや栗のような食感に変化しているのです。

 黄身の味も濃縮され,コクと深みのある味となっています。

 実際に普通のゆでたまごと比べて,鉄分やカルシウムなどが多く含まれるようです。

 窯入れから焼き上がりまですべて手作業でなされ,美味しく安全なたまごを食べてもらいたいとの願いから放し飼いの有精卵が使われるなど,手間暇かけられ,地元・福部町の人々の想いがいっぱい詰まった逸品です。

 この「砂たまご」を製造している「有限会社ふくべむら特産品本舗」では,高温の砂でコーヒー豆を焙煎した「砂コーヒー」も製造されています。

 このほかにも,鳥取砂丘には,粉末カラメルで砂のジャリっとした食感を味わえる「砂プリン」のお店(「Totto PURIN」)など,砂丘の砂に関連した食べ物がたくさん販売されています。

(砂丘会館)
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(らくだや)
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 鳥取市の食文化の謎を解くキーワードの1つは「砂」だと,食の名探偵コナンは考えました。

 それなら,鳥取砂丘のラクダ(キャメル)をイメージしたドリンク「キャメルフラペチーノ」とか,砂たまごを使ったサンドイッチ「サンドエッグサンド」などがあってもエエデないかいヤ!(笑)


<関連サイト>
 「すなば珈琲」(「鳥取駅前店」鳥取県鳥取市栄町706ほか)
 「Starbucks(スターバックス)」(「シャミネ鳥取店」鳥取県鳥取市東品治町112-13ほか)
 「Totto PURIN(トットプリン)」(鳥取県鳥取市福部町湯山2164-657)
 「砂丘会館」(鳥取県鳥取市福部町湯山2164)
 「らくだや」(鳥取県鳥取市福部町湯山2164-449)

<関連記事>
 「鳥取の食文化探訪1 -ほっぺ焼・砂丘らっきょう・美人らっきょうチョコレート-

<参考文献>
 尾形希莉子・長谷川直子「地理女子が教えるご当地グルメの地理学」ベレ出版

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コメント

本当に鳥取にはスタバがないのか、気になって気になって仕方ありませんでしたが、しっかりご紹介いただきありがとうございます😭
痒いところに孫の手を!至れり尽くせりのブログでございますね^_^
すなば珈琲、シアトル進出の前に是非全国展開を目指して欲しいものです^^
私はカレーのオトモといえば福神漬けよりらっきょうの方が好きなので、セットで食べてみたくなりました^o^

すなば珈琲の存在はニュースで知っていましたが、
その後にスタバもしっかり進出していたんですね。
砂プリン…あんまり美味しそうなネーミングではないですねえ(笑)
ちゃんと砂出しできていないアサリを食べたときの、あのいやーな
音が頭の中で響きます…

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます<(_ _)>

すなば珈琲さんは,アメリカ・スターバックスの鳥取県進出を「黒船襲来」と表現されていますが(笑),鳥取県ではスナバもスタバも良きライバルとして賑わっているようなので,案外Win Winの関係なのかも知れません。
なーまんさんの御興味がある話題だったようで,私も嬉しく思います(^-^)
私の方こそ,なーまんさんの記事でいつも学ばせていただいているので,感謝しております。
すなば珈琲の全国展開,スタバは洗練されたカフェ,すなば珈琲は食事ありの喫茶店という感じなので,案外うまくいくかも知れませんね。
すなば珈琲はコメダ珈琲と似ているように思いました。
カレーにらっきょうはいけますね!鳥取のらっきょうは歯ごたえがあって美味しいので,横須賀のスカレーにも合うと思います!

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます(^-^)

すなば珈琲って,鳥取県内だけにある喫茶店ですが,全国的にもかなり有名なんですね!
今回,鳥取駅近くのスターバックスへも行ってみましたが,大勢のお客さんで賑わっていました。
地元の皆さんはスターバックスの鳥取県進出を望まれていたんだなということが,よくわかりました。
見た感じ,すなば珈琲は地元客より観光客の割合がやや高く,スターバックスはほとんどが地元客のように思いました。
砂プリン,実はお店の前で気になりつつ,バスの出発時間があったので,買えずに帰ったのですが,やっぱり買えばよかったと後悔しました(^^;)
あえて砂のジャリジャリ感を求めるところがスゴイですよね(笑)
ただ,カラメルの砂なので,これは美味しいと思いますよ。
ほかにも落雁とかクッキーとかバウムクーヘンとか,鳥取砂丘にはジャリジャリ感を売りにしたお菓子がたくさんあります!(^^)!

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