« 柚子果汁でマヨネーズを作る -柚子とマヨネーズの特徴を知る- | トップページ | 広島の名物・郷土料理5 -海田さつま・海田さつま飯- »

2021年6月 6日 (日)

鳥取の食文化探訪1 -ほっぺ焼・砂丘らっきょう・美人らっきょうチョコレート-

 ゴールデンウイークに広島から高速バスを利用し,鳥取県鳥取市を訪問しました。

(鳥取駅)
Photo_20210606111401

 今回は,鳥取市の食を御紹介したいと思います。


ほっぺ焼き

 鳥取の食を求めて,鳥取駅前にあるデパート「鳥取大丸」の地下食品フロアを訪問しました。

 鳥取の銘菓や食品,海産物などがたくさん販売されている中,私がひときわ興味を持ったのが,食品フロアの中心で販売されている「ほっぺ焼き」です。

(ほっぺ焼き店舗)
Photo_20210606112001

 お店の様子から,「ほっぺ焼き」は小麦粉の生地にあんを詰めて焼いた大判焼きの名称のようです。

 大判焼きの名称は,ほかにも今川焼き,回転焼き,太鼓焼き,二重焼き(広島)など全国様々ですが,「ほっぺ焼き」という名称は初めて知りました。

 「ほっぺ焼き」の名称の由来については,その形が丸くて人の頬(ほほ,ほっぺ)によく似ているからとか,ほっぺが落ちるほど美味しいからなど,私なりに色々と考察してみました。

(ほっぺ焼きのこだわり)
Photo_20210606112401

 北海道・十勝産あずきを使用し,灰汁(あく)抜きを徹底して,甘さ控えめで食べやすいあんこがたっぷり入っているのが特長となっています。

 ユニークなネーミングで,美味しそうなので,購入しました。

(ほっぺ焼きの種類)
Photo_20210606112801

 定番の「あずき」のほか,「白あん」,「豆乳」,「抹茶」,「カスタード」があり,よもぎ入りの生地で焼かれた「よもぎほっぺ焼き」など期間限定品もあるようです。

 「豆乳」(豆乳クリームとあずきあんのミックス)は,広島市中区にある二重焼き・あんこのお店「いわた屋」で一番人気の「ミックス」と同じ組合せで,珍しいので興味を持ちました。

 そこで私は「ほっぺ焼き」の「あずき」と「豆乳」を1つずつ購入しました。

 購入の際,お店の方に「ほっぺ焼き」の名称の由来についてお尋ねしました。

 するとお店の方から,「この食品フロアが『ほっぺタウン』と呼ばれることに由来しているのです」と,私の予想とは大きくかけ離れたお答えをいただきました。

 そこで私はお店の方に,「ではこの『ほっぺ焼き』は,ここ(鳥取大丸)だけで売られているものですか」と尋ねると,「はい,そうです」とのことでした。

 山陰を代表する菓子メーカー「寿製菓」のお店ですが,「ほっぺ焼き」は鳥取大丸オリジナル商品のようです。

 お店の方にお礼を申し上げ,エスカレーター近くのフロア案内板を見てみると,確かにB1(地下1階)は「おいしさまじめの食品フロア」・「ほっぺタウン」と表記されていました。

(鳥取大丸・フロア案内板)
Photo_20210606113701

 おいしさの追求は真面目なのでしょうが,ネーミングは遊び心いっぱいです(笑)

 鳥取大丸を出て,お店の周りを歩いていると,「ほっぺタウン」専用の出入口がありました。

(鳥取大丸・ほっぺタウン入口)
Photo_20210606113801

 こちらの入口から入ると,野菜で描かれた人の顔もありました。

(ほっぺタウン・野菜で描かれた人の顔)
Photo_20210606114001

 鳥取市民の皆さんにはきっとよく知られた場所なのでしょう。

(ほっぺ焼き(包装))
Photo_20210606114101

 大丸の包装紙に包まれ,鳥取大丸の名物となっています。

(ほっぺ焼き(あずき・豆乳))
Photo_20210606114102

 これが「ほっぺ焼き」です。

 右側の「豆乳」を半分に割ってみると,つぶあんと豆乳クリームの2つの層になっていました。

 皮はとてももっちりとしてわずかに甘みを感じる仕上がり,つぶあんは小豆の香りがして甘さ控えめ,豆乳クリームは濃厚・クリーミーでこちらも甘さ控えめでした。

 全体的に甘さを抑え,その分,素材の味が生かされている感じでした。

 もっちりとした皮と甘さ控えめなあんが特長の,美味しいお菓子でした。

 今度鳥取市に来たら,お土産として買いたいと思います。


砂丘らっきょう

 鳥取市と言えば鳥取砂丘が有名です。

 鳥取砂丘は,鳥取駅からバスで約20分の場所にあります。

(鳥取砂丘)
Photo_20210606114901

 東西16km,南北2.4kmに渡る広大な砂丘です。

 中国山地の岩石が風化して砂となり,その砂が千代川によって日本海に流れ出て,波浪により海岸に打ち上げられ,北西の季節風によって内陸側に積もってできたのが鳥取砂丘です。

 この鳥取砂丘の東側には,約120haのらっきょう畑が広がっています。

 らっきょうは寒暖差が激しい砂地でも育つことから,鳥取県東部・中部の砂丘地を中心に栽培されており,その生産高は全国トップクラスです。

 冬の寒さが厳しければ厳しいほど,色白でかたく引き締まったらっきょうに育つようです。

 砂の美術館の売店で「砂丘らっきょう甘酢漬け」を購入しました。

(砂丘らっきょう甘酢漬け(包装))
Photo_20210606115401

 パッケージは,らっきょうが秋に紫色の花を咲かせることにちなんで,淡い紫色となっています。

 「色が白く歯切れがよく一度食べたら忘れられない砂丘らっきょう」と紹介されています。

(砂丘らっきょう甘酢漬け)
Photo_20210606131301

 色白で,キュッと細長く締まった形をしています。

 採れたてのらっきょうをいただいているかのような,シャキシャキした食感と鮮烈な香り,そしてらっきょうの持つ甘みを楽しめました。

 寒暖差が激しい砂丘地で育てられたからか,ほかのらっきょうに比べて,香りやうま味が凝縮されているようにも感じました。

 砂丘地で育てられる野菜としては,らっきょうのほかに長芋があります。

 鳥取の長芋は,肌がきれいで,長くまっすぐなのが特長です。

 鳥取市内のお土産店や食品売場で,箱入りの長くまっすぐな長芋が販売されているのをよく見かけました。


美人らっきょうチョコレート

 鳥取市国際観光物産センター「まちパル鳥取」で,「美人らっきょうチョコレート」(泊綜合食品)というちょっと珍しいチョコレートを見つけました。

(美人らっきょうチョコレート(箱))
Photo_20210606131701


 チョコレートの中にらっきょうを入れるとは,らっきょうの産地・鳥取ならではの発想です。

(美人らっきょうチョコレート)
Photo_20210606131702

 箱を開けてみると,一口サイズのチョコレートがいくつも詰められていました。

 チョコレートの表面には,らっきょうとらっきょうの花が描かれています。

 チョコレートを切って中の様子を確認したところ,とても細かく刻まれたらっきょうが入っていました。

 基本はミルクチョコレートなのですが,時折,細かく刻まれたらっきょうを舌で感じ,その甘酸っぱい味とシャキシャキとした食感がアクセントになっていました。

 確かに,鳥取の砂丘で採れたらっきょうはその姿形が美しいですし,そのらっきょうをいただけば,血液サラサラ効果・酢の効果などで美人になれそうです。

 鳥取名産のらっきょうを使った,ちょっと珍しいお土産品です。


<関連サイト>
 「鳥取大丸」(鳥取県鳥取市今町2-151)
 「寿製菓」(鳥取県米子市旗ヶ崎2028)
 「砂の美術館」(鳥取県鳥取市福部町湯山2083-17)
 「砂丘らっきょう」(全農とっとりアグリマーケット)
 「砂丘らっきょう甘酢漬け」(全農とっとりアグリマーケット)
 「鳥取市国際観光物産センター・まちパル鳥取」(鳥取県鳥取市末広温泉町160)
 「泊綜合食品」(鳥取県鳥取市安長85)

« 柚子果汁でマヨネーズを作る -柚子とマヨネーズの特徴を知る- | トップページ | 広島の名物・郷土料理5 -海田さつま・海田さつま飯- »

日本各地の食文化」カテゴリの記事

コメント

名前を聞いただけで、ほっぺが落ちそうな響き^o^
子供の頃楕円形の大判焼きを見た記憶がありましたが、全国的には同じ物なのですね^^
牛乳とあんぱんは結構合うので、豆乳とあんこも合いそうですね(^^)
美人らっきょうチョコレート^o^
こういう珍品を見つけるのも旅の醍醐味ですね(^^)v

ほっぺ焼きは私も初耳です。
春日部では「あま太郎焼き」です。
らっきょうチョコレート!これは鳥取ならではですねー。
それほど入ってないのね…という印象です(^^;

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます<(_ _)>

「ほっぺ焼き」って,やっぱり顔のほっぺを想像しますよね…。
「ほっぺが落ちそうな」という美味しさの表現,なーまんさんからフォローいただき,ありがとうございます。
楕円形の大判焼きというのは,私は見たことがありませんが,「大判」という名前からして,楕円形の方が合ってますね!
広島県呉市広には,「カレー焼き」と呼ばれる細長い大判焼きがあり,カレーが入っています。
https://tabetainjya.com/archives/cat_14/post_1327/

豆乳クリームとあんこ,生クリームとあんこに比べて軽いので,食べやすくて美味しいですよ。

美人らっきょうチョコレート,こういう珍しいお土産を見ると,すぐ買って,記事にしたくなるんです(^^ゞ
なーまんさんに御理解いただけて,幸せです!(^^)!

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます\(^o^)/

「ほっぺ焼き」って,名前だけ聞くと気になりますよね。
春日部の「あま太郎焼き」も初耳で,もっと気になります(笑)
広島では「二重焼き」という呼び名が一般的ですが,これも広島だけのようですから,chibiayaさんにとっては不思議な呼び名だと思います(笑)
福岡には「むっちゃん万十」と呼ばれるムツゴロウの形をした大判焼きがあります。
http://www.mucchanmanjyuu.com/
最近,私の近所にもお店ができたようなので,いつか行ってみようと思います。

らっきょうチョコレート,鳥取ならではというか,鳥取だけというか…(^-^)
そうなんです。チョコレートを包丁で切ってみたのですが,視覚的によくわかるほどは入ってなくて,えっ?!という感じでした。
ただ,食べてみると,らっきょうの小さな粒が舌の上で感じられて,シャキシャキ感もありました。
東京のアンテナショップにも売られてるかも知れません。御興味があればお試しください(^^)/

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 柚子果汁でマヨネーズを作る -柚子とマヨネーズの特徴を知る- | トップページ | 広島の名物・郷土料理5 -海田さつま・海田さつま飯- »

最近のトラックバック

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ