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カカオポッドとカカオパルプ
チョコレートの原料は「カカオ」という植物です。
そのカカオの実は「カカオポッド」と呼ばれます。
(カカオの実(カカオポッド))
この写真はカカオの模型で,右側がカカオポッド,左側がカカオポッドを半分に切った様子です。
このカカオポッドの中心部に白い果肉(ワタ)で覆われたカカオ豆が入っています。
このカカオ豆を発酵・乾燥・焙煎させてチョコレートが作られます。
一方,カカオ豆を覆っている白い果肉(ワタ)は「カカオパルプ」と呼ばれます。
カカオパルプは,チョコレートの原材料には使われませんが,甘くて美味しいと言われ,原産地では逆にこれだけを食べてカカオ豆は捨てていたようです。
こうした食べ方は,野山に自生する植物「アケビ」にも似ていますね。
今回はこのカカオパルプの果汁で作られた飲料を御紹介したいと思います。
カカオフルーツドリンク
ゴディバの店舗に「カカオフルーツドリンク(Cacao Fruits Drink)」という商品が販売されていました。
(カカオフルーツドリンク(ゴディバ店頭販売))
陳列棚には,カカオフルーツドリンクについて,
「カカオドリンクは,カカオの実の白い果肉から作られたドリンク」
「同じカカオから作られる,チョコレートからは想像のつかないさっぱりとした甘味と爽やかな酸味が特徴」
「カカオをフルーツとして楽しめる,ゴディバからの新提案です」
と紹介されていました。
「カカオの実の白い果肉」とはカカオパルプのことです。
ゴディバジャパンが「カカオフルーツシリーズ~フルーツとして楽しむ もうひとつのカカオ~」として,2020年9月から期間限定で販売されている新シリーズです。
以前からカカオパルプを味わってみたいと思っていた私は,興味を持って購入しました。
(カカオフルーツドリンク(瓶))
クリーム色の液体で,スタイリッシュな瓶に詰められています。
(カカオフルーツドリンク(食品表示))
食品表示を見ると,エクアドル産カカオ(カカオパルプ)果汁90%入りのドリンクとなっています。
冷蔵庫で冷やし,グラスに注いでみました。
(カカオフルーツドリンク)
ライチのようなさわやかな果実の香りを感じました。
いただいてみました。
ドロッとした甘酸っぱいドリンクでした。
その飲み口は不二家の「ネクター(ピーチ)」にも似ています。
ライチやリンゴをイメージする風味でした。
もちろん飲みやすく加工されているのでしょうが,こんなにフルーティーで飲みやすいとは想像していませんでした。
カカオフルーツジュース
ゴディバに「カカオフルーツジュース」が味わえる店舗があることを知り,後日,そのお店を訪問しました。
お店には「カカオフルーツジュース」と「カカオフルーツジュース あまおう」が販売されており,私は「カカオフルーツドリンク」との飲み比べができるよう「カカオフルーツジュース」を注文しました。
(カカオフルーツジュース)
カカオフルーツドリンクと同様,ライチに似た,さわやかな果実の香りを感じました。
(カカオフルーツジュース(拡大))
カカオフルーツドリンクとの違いは,氷の入ったスムージーに仕上げられていることです。
そのため,チョコレートドリンク「ショコリキサー」と同様,飲みやすい大きめのストローが用意されます。
冷たくシャリシャリした甘酸っぱいドリンクで,カカオフルーツドリンクと同様に,ライチやリンゴをイメージする風味でした。
まとめ
カカオパルプの果汁飲料と聞いて,当初は熱帯フルーツ「ドリアン」のような甘くてクセのあるものをイメージしましたが,実際にいただいてみると,クセがなくて飲みやすいドリンクでした。
カカオの原産地の人々が,カカオパルプだけを食べてカカオ豆を捨てていた気持ちがわかる気がしました。
むしろ,この甘いカカオパルプではなく,中の種(カカオ豆)をメイン食材として選択し,チョコレートやココアに仕上げたことの方がすごいと思います。
今回,私は「カカオフルーツドリンク」を2本購入しました。
1本は自分用,もう1本は職場の後輩への誕生日プレゼント用です。
誕生日プレゼントとしては,「チョコレートブランドの商品」,「お手頃価格で気軽に受け渡しできる」,そして「珍しい食材」であることから,チョイスしました。
食に興味を持つ私らしいプレゼントだと思いませんか(笑)
そして,プレゼントする「前」ではなく,プレゼントした「後」に自分も飲んでどんな味か確かめるところも私らしいです(笑)
甘くてフルーティーで飲みやすいので,御興味がある方はお試しください。
<関連サイト>
「GODIVA(ゴディバ)」
「カカオフルーツジュース」(「GODIVA(ゴディバ)」)
<関連記事>
「カカオ豆とチョコレート」
このほか「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「チョコレートの研究」を御参照ください。
今回は広島のちょっと珍しいレモンケーキを御紹介します。
島ごころ「メープルレモンケーキ」
広島県尾道市瀬戸田町。
瀬戸内海・生口島で,国産レモン発祥の地として知られる町です。
その町の菓子工房「島ごころ」から販売されている「メープルレモンケーキ」です。
(島ごころ「メープルレモンケーキ」(包装))
「島ごころ」宮島口店(広島県廿日市市)で購入しました。
もみじは,広島県の木(花)であり,宮島の「もみじ饅頭」も有名なことから,広島と言えば「もみじ」をイメージされる方も多いと思います。
「メープルレモンケーキ」は,そんな「もみじ」(メープルシロップ)と瀬戸田の「レモン」を使った広島ならではのレモンケーキです。
(島ごころ「メープルレモンケーキ」)
開封した瞬間から,メープルシロップの甘い香りが漂ってきました。
「島ごころ」のレモンケーキは,レモンチョコのコーティングがなく,レモンの形に焼き上げたケーキそのものを味わうのが特徴ですが,このメープルレモンケーキもその特徴が生かされています。
(島ごころ「メープルレモンケーキ」(中身))
ケーキ生地に褐色のメープルシロップがたっぷりしみ込んでいる様子がわかります。
大きめのレモンピールもザクザクと入っています。
しっとりとした生地です。
味はメープルシロップそのものですが,レモンピールがアクセントとなっており,全体的によく調和していました。
パンフルート「世羅抹茶レモンケーキ」
続いては,広島市中区「パンフルート」の「世羅抹茶レモンケーキ」です。
広島県世羅郡世羅町は,かつてお茶の栽培が盛んでしたが,その後,高齢化や後継者不足などでお茶の生産量が減少しました。
こうした状況を踏まえ,現在,同町の生産者団体「世羅茶再生部会」が中心となって,茶畑の再生やお茶を使った加工食品の開発など,世羅茶ブランドの復活を試みておられます。
この「世羅抹茶レモンケーキ」も「世羅茶再生部会」の生産者から「パンフルート」へ提供されたレモンが使われています。
(世羅抹茶レモンケーキ(包装))
抹茶をイメージさせる深緑色の包装となっています。
開封しました。
(世羅抹茶レモンケーキ)
やはり想像どおりレモンケーキも緑色です。
ケーキにも,コーティングされているホワイトチョコレートにも,抹茶が入っています。
(世羅抹茶レモンケーキ(中身))
ケーキ生地に抹茶が練り込まれており,抹茶ケーキとなっています。
いただいてみると,ケーキもコーティングされているホワイトチョコレートも抹茶風味に統一されていました。
ケーキ生地には,所々に大きめのレモンピールも入っていました。
(世羅抹茶レモンケーキ(中身・拡大))
レモン(ケーキ)の形はもちろん,ケーキやホワイトチョコレートの抹茶の香りが主張し過ぎず,レモンピールによってレモンの酸味・風味が引き立てられているところが,抹茶ケーキではなくレモンケーキと呼ばれる理由だと思います。
まとめ
今回御紹介したレモンケーキは,レモン以外の食材が使われたレモンケーキですが,いくつか共通点もあります。
【今回のレモンケーキの共通点】
①その地域・地方ならではの食材が使われていること
②いずれもレモンケーキ(レモン)の型で作られていること
③レモンピールによりレモンの風味・酸味が生かされていること
一括りに「レモンケーキ」と言っても,レモンチョコ(ホワイトチョコ)がコーティングされていないレモンケーキや,ウィークエンドシトロンやホールケーキ・ショートケーキのようにレモンケーキ(レモン)の形をなしてないレモンケーキもあります。
また,日本のレモンケーキは,洋菓子店だけでなく,和菓子店,パン屋・パンメーカー,カフェ・喫茶店・レストランなど,いろんなお店・会社で製造されています。
さらに,今回のように,メープルシロップや抹茶が主体となった「レモンケーキ」まで存在します。
このことは,いかに「レモンケーキ」が日本人に親しまれ,ポピュラーなお菓子となっているかを物語っていると言えるでしょう。
<関連サイト>
「島ごころ」(広島県尾道市瀬戸田町沢209-32)
「パンフルート」(広島市中区舟入南三丁目19-16)
「世羅茶再生部会」(広島県世羅郡世羅町本郷629-9)
「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
埼玉県在住のchibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。
<レモンケーキ関連記事>
「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。
週末を中心に,鳥取駅~出雲市駅間を1日1往復運転されている山陰本線の観光列車「あめつち」。
鳥取県と島根県の主要都市を結び,日本海,大山(だいせん),宍道湖(しんじこ),斐伊川(ひいがわ)など見どころ満載の観光列車「あめつち」に魅力を感じ,鳥取駅から出雲市駅まで乗車しました。
今回は,その後編。倉吉駅から出雲市駅までの「あめつち」の旅を御紹介します。
あめつち御膳と大山みどり
倉吉駅を出発し,しばらくしてアテンダントの方々が食事の準備を開始されました。
私はあらかじめ「あめつち御膳」をネットで予約しておきました。
ワクワクしながら待っていると,しばらくして私の席に「あめつち御膳」が配膳されました。
(あめつち御膳(包装)と大山みどり)
「あめつち」のロゴマーク入りの「あめつち御膳」とペットボトル入りの煎茶「大山みどり」です。
煎茶「大山みどり」は,鳥取県大山町産の茶葉が使われた,鳥取ならではのお茶です。
ペットボトルのラベルを眺めると,「星取県」の紹介スペースがありました。
(星取県のラベル(ペットボトル))
鳥取県は,どの市町村からも,手が届きそうなほど間近にきれいな星を眺めることができることから,愛称として「星取県」を名乗っておられます。
地域の特色を生かしたネーミングで,香川県の「うどん県」とよく似ていますね。
続いて「あめつち御膳」のふたを開けてみました。
(あめつち御膳)
「かに爪」や「かに寿司」をはじめ,鳥取・島根の代表的な食材が詰め込まれたお弁当です。
個別に料理を御紹介します。
【あご梅しそ巻きフライ・長芋・人参天ぷら・あごちくわ・とうふちくわ・するめ麹漬け】
(あご梅しそ巻きフライ・長芋・人参天ぷら・あごちくわ・とうふちくわ・するめ麹漬け)
「あごの梅しそ巻きフライ」,「長芋・人参の天ぷら」,「あごちくわ・とうふちくわ」,「するめの麹漬け」です。
「あご」はトビウオのことで,島根県では県魚に指定されています。
「あごの梅しそ巻きフライ」は,鳥取で水揚げされた「あご」を三枚に開き,梅肉としその葉で巻いたフライです。
「あごちくわ」・「とうふちくわ」は,あごや豆腐を原材料に使ったちくわで,いずれも鳥取名物となっています。
木綿豆腐と白身魚のすり身を混ぜて蒸し上げた「とうふちくわ」は,繊細で柔らかな食感が特長です。
そして鳥取の砂丘地帯で栽培されている代表的な野菜が「長芋」と「人参」です。
「長芋・人参の天ぷら」は,そんな長芋と人参を天ぷらにしたものです。
「するめの麴漬け」は,新鮮なスルメイカを麹で漬けた料理で,鳥取の名産品です。
【鳥取牛のしぐれ風旨煮・厚焼き玉子】
(鳥取牛のしぐれ風旨煮・厚焼き玉子)
続いて「鳥取牛のしぐれ風旨煮」と「厚焼き玉子」です。
「鳥取牛のしぐれ風旨煮」は,鳥取県産牛を地元の醤油でしぐれ煮風に煮付けた一品です。
甘くてやわらかい「厚焼き玉子」も美味しくいただきました。
【かに爪・あごちくわの金平・イカ白子の旨煮】
(かに爪・あごちくわの金平・イカ白子の旨煮)
「かに爪」は,鳥取県が水揚げ量日本一を誇る紅ズワイガニの爪を茹でたものです。
「あごちくわの金平」は,鳥取名物の「あごちくわ」と人参を薄く切り,きんぴらの味付けにした料理です。
「イカ白子の旨煮」は,とても珍しいイカの白子を旨煮にした料理です。サックリとした食感の珍味でした。
【鳥取県産鶏熟成むね肉の南蛮漬け】
(鳥取県産鶏熟成むね肉の南蛮漬け)
「鳥取県産鶏熟成むね肉の南蛮漬け」は,鳥取県産鶏のむね肉を3日間調味・熟成させ,地元の酢を使って南蛮漬けにした料理です。
【元祖かに寿司】
(元祖かに寿司)
「元祖かに寿司」は鳥取の仕出し・駅弁メーカー「アベ鳥取堂」の看板料理です。
地元・鳥取の漁港で水揚げされた新鮮なかにを使ったちらし寿司です。
かにの身と錦糸玉子がたっぷりとのせられた,贅沢で美味しいちらし寿司でした。
【炙りハタハタ寿司】
(炙りハタハタ寿司)
地元・鳥取の漁港で水揚げされたハタハタ(シロハタ)を地元の酢でしめて炙り,にぎり寿司にしたものです。
とろけるように柔らかく,しっかりと脂がのったハタハタは絶品でした。
伯耆大山駅-米子駅-安来駅
食事を終え,ゆったりとした気持ちで車窓からの眺めを楽しんでいると,「あめつち」は伯耆大山駅を通過しました。
(伯耆大山駅ホーム)
伯耆大山駅を過ぎてしばらくすると,中国地方最高峰の名峰「大山」が見えました。
(あめつち車窓から眺めた大山)
この日は大山が明瞭に見える日ではなかったようですが,大山とか富士山とか岩木山とか,車窓から眺める名峰はなぜかひときわ偉大で立派に見えます。
やがて「あめつち」は米子駅に到着しました。
(あめつち・米子駅)
米子駅は,山陰本線,伯備線,境線が走る主要駅です。
(米子駅ホーム)
米子駅ホームには,いろんな列車が停車していました。
米子駅で山陰本線のラインカラー(路線のシンボルカラー)が緑(鳥取二十世紀梨の色・城崎温泉~米子)からオレンジ(日本海・宍道湖の夕陽の色・安来~益田)に変わります。
(JR境線・ねこ娘列車)
米子駅構内に「ねこ娘列車」が待機していました。
このような「鬼太郎列車」はJR境線(米子駅~境港駅)で走っています。
鳥取県境港市は「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげるさんゆかりの地で,ゲゲゲの鬼太郎や妖怪にちなんだ観光地として有名です。
ちなみに,米子駅は「ねずみ男駅」,境駅は「鬼太郎駅」という愛称がつけられています。
やがて出発時刻となり,「あめつち」は再び出雲市駅へ向けて,米子駅を出発しました。
米子を過ぎると,いよいよ島根県です。
(あめつち車窓から眺めた安来駅ホーム)
駅名標のラインカラーが緑色から赤色に変わっています。
安来市と言えば,「安来節」と「どじょうすくい踊り」が有名ですね。
鳥取二十世紀梨ゼリー 感動です
車内販売メニューを見ていると,気になるネーミングの商品がありました。
(車内販売メニュー)
※画像をクリックすると拡大します。
その名も「鳥取二十世紀梨ゼリー 感動です」です。
感動を求め,興味を持って購入しました。
(鳥取二十世紀梨ゼリー 感動です(容器))
梨の形をした容器に入っています。
このゼリーを石州瓦(せきしゅうかわら)で飾られた机の上に置いてみました。
(鳥取二十世紀梨ゼリー 感動です)
ふたを開けた様子です。
いただいてみると,やわらかくてフルフルの梨ゼリーの中に,細かく刻まれた鳥取二十世紀梨がザクザク入っていました。
鳥取の二十世紀梨をそのままいただいているような感じでした。
お菓子のテーマパーク「お菓子の壽城」でも有名な寿製菓の商品です。
松江駅到着
お菓子を味わっているうちに,「あめつち」は松江駅に到着しました。
(あめつち・松江駅)
JR松江駅の皆様にお出迎えいただきました。
(JR松江駅の皆様によるお出迎え)
出雲市駅と岡山駅を結ぶ「特急やくも」も停車していました。
(特急やくも・松江駅)
JR松江駅の駅員さんは,「あめつち」・「やくも」とお出迎えに大忙しです。
出雲の椿と銀座・資生堂
「あめつち」は松江駅を出発し,出雲市駅を目指しました。
車内に美しい工芸品が飾られていました。
(「神楽衣裳」と「あめつち手帖」)
島根県浜田市の「神楽衣裳」です。
「あめつち手帖」という冊子も用意されていました。
この冊子には,沿線の神話・歴史・文化・祭事などが紹介されていました。
その中で私が特に興味を持ったのが「椿が繋げる銀座と出雲」という記事です。
東京・銀座にある「花椿通り」は,かつては出雲出身者が多く住んでいたことから「出雲町」と呼ばれていたそうです。
その出雲から銀座へ贈られた「出雲椿」(ヤブツバキ)の街路樹が「花椿(はなつばき)通り」という名称の由来となり,この地に本社のある化粧品メーカー「資生堂」のシンボルマーク「花椿」とのかかわりも深いのだとか。
出雲の椿と銀座の資生堂には,深いつながりがあることがわかりました。
宍道湖・斐伊川そして出雲市駅へ
「あめつち」の車窓から,宍道湖が見えました。
(宍道湖と松江市街)
宍道湖と松江市街です。手前の道路は国道9号です。
車内放送で宍道湖の代表的な味覚「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」の説明がありました。
宍道湖七珍は,その頭文字をとって「スモウアシコシ」(※)と覚えるのだそうです。
※「ス」…スズキ,「モ」…モロゲエビ,「ウ」…ウナギ,「ア」…アマサギ(ワカサギ),「シ」…シラウオ,「コ」…コイ,「シ」…シジミ
いよいよ「あめつち」の列車旅も終わりに近づいてきました。
「あめつち」はゆっくりと斐伊川を渡りました。
(車窓から眺めた斐伊川)
斐伊川は,スサノオノミコトの八岐大蛇(ヤマタノオロチ)伝説の舞台と伝えられる川です。
車内放送で斐伊川が案内されました。
テーマソング「あめつちのテーマ」も流され,名残惜しみつつ,最後のひとときを過ごしました。
やがて「あめつち」は終点・出雲市駅へ到着しました。
(山陰本線普通列車・出雲市駅)
出雲市駅は山陰と東京を結ぶ寝台特急「サンライズ出雲」の起終点駅でもあります。
(あめつち・出雲市駅)
楽しかったこともあり,長いようであっという間の列車旅でした。
(「あめつち」歓迎横断幕(出雲市駅))
山陰地方の天と地によって育まれた様々な食・産品・自然・歴史・文化に触れ,存分に楽しむことができました。
また,山陰地方の皆さんの温かいお人柄にも感動しました。
観光列車「あめつち」での列車旅。
鳥取・島根のいろんな魅力が発見できるので,自信を持っておすすめします。
<関連サイト>
「あめつち」(JRおでかけネット)
「星取県」(鳥取県観光戦略課)
「とうふちくわ」(「食のみやこ 鳥取県」鳥取県)
「アベ鳥取堂」(鳥取県鳥取市富安二丁目28)
「『とろはた』って何?」(「食のみやこ 鳥取県」鳥取県)
「寿製菓」(鳥取県米子市旗ケ崎2028)
「資生堂(社名の由来・花椿マーク)」(株式会社資生堂)
「銀座花椿通りとは」(銀座花椿通り会)
「宍道湖七珍」(「しまね観光ナビ」島根県観光連盟)
<関連記事>
「山陰本線の観光列車「あめつち」の旅(鳥取駅-倉吉駅編)-あめつちどら焼き・ホットコーヒー-」
観光列車・イベントの記事については,パソコン版サイト「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化体験・イベント」も御覧ください。
山陰本線の観光列車「あめつち」
週末を中心に,鳥取駅~出雲市駅間を1日1往復運転されている山陰本線の観光列車「あめつち」。
「あめつち」という名称は,漢字で「天地」と書き,山陰地方を舞台にした神話も多い「古事記」の「天地(あめつち)の初発(はじめ)のとき」という一文にちなんでいます。
(あめつち運行区間)
JR西日本「あめつち」パンフレットから一部抜粋・引用
鳥取県と島根県の主要都市を結び,日本海,大山,宍道湖(しんじこ),斐伊川(ひいがわ)など見どころ満載の観光列車「あめつち」に魅力を感じ,鳥取駅から出雲市駅まで乗車することにしました。
今回は「あめつち」の旅を御案内します。
鳥取駅とあめつち
広島市から高速バスを利用して鳥取市へ行きました。
鳥取市内のホテルで1泊し,翌朝,「あめつち」へ乗車するために鳥取駅へ向かいました。
(鳥取駅)
きっぷの改札を済ませ,構内に入ると,階段に「あめつち」ののりば案内がありました。
(あめつち・のりば案内(鳥取駅階段))
階段に「あめつち」とそのロゴマークが,背景には鳥取砂丘と日本海が描かれています。
駅の柱にも「あめつち」の広告がありました。
(あめつち・柱広告(鳥取駅構内))
雲のイラストは出雲地方を,ウサギとサメのイラストは因幡地方を連想します。
山陰地方には,神社,お酒,歌舞伎,相撲など日本文化の様々なルーツがあると紹介されています。
同じ駅構内に,とても大きくてカラフルな傘も展示されていました。
(しゃんしゃん傘(鳥取駅構内))
鳥取市の夏祭り「鳥取しゃんしゃん祭り」の踊りで使われる「しゃんしゃん傘」です。
カラフルな色は,鳥取砂丘や海や魚などを表現しています。
また,鳥取砂丘を擁する鳥取ならではの,砂のアート作品もありました。
(砂で作った「神話・因幡の白兎」)
色々と目移りしてしまう鳥取駅構内ですが,「あめつち」の出発ホーム・発車時刻もしっかり確認しました。
(鳥取駅・発車案内表示器)
鳥取駅4番ホームへ向かうと,すでに「あめつち」が入線していました。
(あめつち・鳥取駅4番ホーム)
山陰の海と空をイメージした紺碧(こんぺき)色の車体です。
「あめつち」のほかにも,朝の鳥取駅ホームには様々な列車が入線していました。
(朝の鳥取駅1番~3番ホーム)
1番ホームから4番ホームまですべて列車で埋まっていました。
あめつちの車内の様子
それでは「あめつち」の車内を御案内します。
(あめつち・エンブレム(ドア付近))
ドア付近の「あめつち」のエンブレムです。
たたら製鉄や鋭利で崇高な日本刀をイメージさせるデザイン・書体・色です。
「あめつち」の車内へ入りました。
(あめつち車内(1号車))
「あめつち」1号車・車内の様子です。
グリーン車ということもあって,高級感のあるゆったりした車内となっています。
続いて2号車へ移動しました。
(あめつち車内(2号車))
白木が使われていることで,清潔感があり,落ち着きや温かみも感じられる車内となっています。
私が観光列車で一番興味をもつ,物販カウンターへも行ってみました。
(物販カウンター)
食堂車どころか車内販売まで減少傾向にある今となっては,「列車内に売店がある」というだけで非日常感・特別感があり,ワクワクします。
あめつち・鳥取駅出発
いよいよ「あめつち」の出発時刻が近づきました。
(JR鳥取鉄道部の皆様によるお見送り)
JR鳥取鉄道部の皆様からお見送りを受ける様子です。
(JR鳥取鉄道部の皆様によるお見送り(車窓から))
「いってきんさいや! 山陰の旅を楽しんできないや」
感動的なお見送りを受けつつ,「あめつち」は鳥取駅から出雲市駅へ向けて出発しました。
(あめつち・乗車券・グリーン券)
席は,日本海や宍道湖などが望める窓側のカウンター席「2号車4番A席」を利用しました。
(あめつち車窓から眺めた日本海)
真っ青で白波が立つ海は,穏やかな瀬戸内海沿岸に住む私には珍しい風景です。
(あめつち・2号車・因州和紙の照明)
2号車の天井照明は,赤と緑の因州和紙が使われています。
列車がトンネルに入ると,赤と緑のラインがひときわ鮮やかに見えました。
車内に「あめつち車窓手帖」という折りたたみ式のカラー手帖が御用意されていました。
(あめつち車窓手帖(表紙・鳥取駅~宝木駅))
※画像をクリックすると拡大します
この手帖には,鳥取駅-出雲市駅間の車窓から楽しめる風景や,各地の観光名所などが詳細に紹介されています。
どの観光列車に乗っても思うのですが,鉄道会社の皆さんは,沿線の観光名所をはじめ,特産品や名産品,文化・歴史,楽しい小話やちょっとした裏話に至るまで,本当によく調べておられます。
それも一度乗っただけでは消化しきれないほどの膨大な情報量を。
地域のことを深く理解するには,その地域の観光列車に乗るのが一番の方法なのかも知れません。
途中の運転停車駅・松崎駅で「名探偵コナン列車」とすれ違いました。
(名探偵コナン列車)
はわい・東郷湖への玄関口である松崎駅の近くには,由良駅(愛称:コナン駅)もあります。
あめつちどら焼き・ホットコーヒー
待ちに待った車内販売が開始されたので,私は「あめつちどら焼き」と「ホットコーヒー(あめつち限定紙カップ)」を購入しました。
(あめつちどら焼き・ホットコーヒー)
「あめつち」ロゴマークの焼き印入りのオリジナルどら焼きと,あめつち限定紙カップに注がれたホットコーヒーです。
「あめつちどら焼き」は車内限定販売で,お土産にもなることから,人気商品の1つとなっています。
ふっくらと焼き上げた皮と,ほど良い甘さの粒あんが特長のどら焼きです。
このどら焼きは,鳥取県米子市の菓子メーカー「丸京製菓(菓子庵 丸京)」で製造されたものです。
丸京製菓は,どら焼き生産量で世界一を誇るだけでなく,「どらやきの日」(4月4日)の制定,「どらやき大使」の任命,「どらやき体操」の啓発,「どらドラ市民基金」の創設など,どら焼きの普及・振興にもかなり力を入れておられます。
ドラえもんも「どらやきのまち米子」へ住めばいいのに(笑)
鳥取県米子市を拠点とする丸京製菓の和菓子は,全国のスーパーマーケットなどで販売されています。
ホットコーヒーは,すっきりした飲み口で,ブラックで美味しくいただきました。
車窓から流れゆく景色を眺めながらいただくコーヒーは格別でした。
あめつち・倉吉駅到着
ソワソワした気持ちも次第に落ち着き,これからゆっくりと列車旅を楽しもうと思い始めた頃,「あめつち」は倉吉駅に到着しました。
(あめつち・倉吉駅)
白壁土蔵群や三朝温泉が近い倉吉からもお客さんが乗車されました。
倉吉でしばらく停車した後,「あめつち」は再び島根・出雲市駅へ向けて出発しました。
<関連サイト>
「あめつち」(JRおでかけネット)
「鳥取しゃんしゃん祭り」(鳥取しゃんしゃん祭り振興会)
「どらやきのまち米子」(丸京製菓株式会社・鳥取県米子市旗ヶ崎2002-2)
<関連記事>
観光列車・イベントの記事については,パソコン版サイト「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化体験・イベント」も御覧ください。
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