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2021年7月11日 (日)

山陰本線の観光列車「あめつち」の旅(倉吉駅-出雲市駅編)-あめつち御膳・大山みどり・鳥取二十世紀梨ゼリー感動です-

 週末を中心に,鳥取駅~出雲市駅間を1日1往復運転されている山陰本線の観光列車「あめつち」。

 鳥取県と島根県の主要都市を結び,日本海,大山(だいせん),宍道湖(しんじこ),斐伊川(ひいがわ)など見どころ満載の観光列車「あめつち」に魅力を感じ,鳥取駅から出雲市駅まで乗車しました。

 今回は,その後編。倉吉駅から出雲市駅までの「あめつち」の旅を御紹介します。


あめつち御膳と大山みどり

 倉吉駅を出発し,しばらくしてアテンダントの方々が食事の準備を開始されました。

 私はあらかじめ「あめつち御膳」をネットで予約しておきました。

 ワクワクしながら待っていると,しばらくして私の席に「あめつち御膳」が配膳されました。

(あめつち御膳(包装)と大山みどり)
Photo_20210711113601

 「あめつち」のロゴマーク入りの「あめつち御膳」とペットボトル入りの煎茶「大山みどり」です。

 煎茶「大山みどり」は,鳥取県大山町産の茶葉が使われた,鳥取ならではのお茶です。

 ペットボトルのラベルを眺めると,「星取県」の紹介スペースがありました。

(星取県のラベル(ペットボトル))
Photo_20210711113801

 鳥取県は,どの市町村からも,手が届きそうなほど間近にきれいな星を眺めることができることから,愛称として「星取県」を名乗っておられます。

 地域の特色を生かしたネーミングで,香川県の「うどん県」とよく似ていますね。

 続いて「あめつち御膳」のふたを開けてみました。

(あめつち御膳)
Photo_20210711114001

 「かに爪」や「かに寿司」をはじめ,鳥取・島根の代表的な食材が詰め込まれたお弁当です。

 個別に料理を御紹介します。

【あご梅しそ巻きフライ・長芋・人参天ぷら・あごちくわ・とうふちくわ・するめ麹漬け】

(あご梅しそ巻きフライ・長芋・人参天ぷら・あごちくわ・とうふちくわ・するめ麹漬け)
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 「あごの梅しそ巻きフライ」,「長芋・人参の天ぷら」,「あごちくわ・とうふちくわ」,「するめの麹漬け」です。

 「あご」はトビウオのことで,島根県では県魚に指定されています。

 「あごの梅しそ巻きフライ」は,鳥取で水揚げされた「あご」を三枚に開き,梅肉としその葉で巻いたフライです。

 「あごちくわ」・「とうふちくわ」は,あごや豆腐を原材料に使ったちくわで,いずれも鳥取名物となっています。
 木綿豆腐と白身魚のすり身を混ぜて蒸し上げた「とうふちくわ」は,繊細で柔らかな食感が特長です。

 そして鳥取の砂丘地帯で栽培されている代表的な野菜が「長芋」と「人参」です。
 「長芋・人参の天ぷら」は,そんな長芋と人参を天ぷらにしたものです。

 「するめの麴漬け」は,新鮮なスルメイカを麹で漬けた料理で,鳥取の名産品です。

【鳥取牛のしぐれ風旨煮・厚焼き玉子】

(鳥取牛のしぐれ風旨煮・厚焼き玉子)
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 続いて「鳥取牛のしぐれ風旨煮」と「厚焼き玉子」です。

 「鳥取牛のしぐれ風旨煮」は,鳥取県産牛を地元の醤油でしぐれ煮風に煮付けた一品です。

 甘くてやわらかい「厚焼き玉子」も美味しくいただきました。

【かに爪・あごちくわの金平・イカ白子の旨煮】

(かに爪・あごちくわの金平・イカ白子の旨煮)
Photo_20210711114702

 「かに爪」は,鳥取県が水揚げ量日本一を誇る紅ズワイガニの爪を茹でたものです。

 「あごちくわの金平」は,鳥取名物の「あごちくわ」と人参を薄く切り,きんぴらの味付けにした料理です。

 「イカ白子の旨煮」は,とても珍しいイカの白子を旨煮にした料理です。サックリとした食感の珍味でした。

【鳥取県産鶏熟成むね肉の南蛮漬け】

(鳥取県産鶏熟成むね肉の南蛮漬け)
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 「鳥取県産鶏熟成むね肉の南蛮漬け」は,鳥取県産鶏のむね肉を3日間調味・熟成させ,地元の酢を使って南蛮漬けにした料理です。

【元祖かに寿司】

(元祖かに寿司)
Photo_20210711115001

 「元祖かに寿司」は鳥取の仕出し・駅弁メーカー「アベ鳥取堂」の看板料理です。
 地元・鳥取の漁港で水揚げされた新鮮なかにを使ったちらし寿司です。
 かにの身と錦糸玉子がたっぷりとのせられた,贅沢で美味しいちらし寿司でした。

【炙りハタハタ寿司】

(炙りハタハタ寿司)
Photo_20210711115101

 地元・鳥取の漁港で水揚げされたハタハタ(シロハタ)を地元の酢でしめて炙り,にぎり寿司にしたものです。

 とろけるように柔らかく,しっかりと脂がのったハタハタは絶品でした。


伯耆大山駅-米子駅-安来駅

 食事を終え,ゆったりとした気持ちで車窓からの眺めを楽しんでいると,「あめつち」は伯耆大山駅を通過しました。

(伯耆大山駅ホーム)
Photo_20210711115301

 伯耆大山駅を過ぎてしばらくすると,中国地方最高峰の名峰「大山」が見えました。

(あめつち車窓から眺めた大山)
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 この日は大山が明瞭に見える日ではなかったようですが,大山とか富士山とか岩木山とか,車窓から眺める名峰はなぜかひときわ偉大で立派に見えます。

 やがて「あめつち」は米子駅に到着しました。

(あめつち・米子駅)
Photo_20210711131701

 米子駅は,山陰本線,伯備線,境線が走る主要駅です。

(米子駅ホーム)
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 米子駅ホームには,いろんな列車が停車していました。

 米子駅で山陰本線のラインカラー(路線のシンボルカラー)が緑(鳥取二十世紀梨の色・城崎温泉~米子)からオレンジ(日本海・宍道湖の夕陽の色・安来~益田)に変わります。

(JR境線・ねこ娘列車)
Photo_20210711131801

 米子駅構内に「ねこ娘列車」が待機していました。

 このような「鬼太郎列車」はJR境線(米子駅~境港駅)で走っています。

 鳥取県境港市は「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげるさんゆかりの地で,ゲゲゲの鬼太郎や妖怪にちなんだ観光地として有名です。

 ちなみに,米子駅は「ねずみ男駅」,境駅は「鬼太郎駅」という愛称がつけられています。

 やがて出発時刻となり,「あめつち」は再び出雲市駅へ向けて,米子駅を出発しました。

 米子を過ぎると,いよいよ島根県です。

(あめつち車窓から眺めた安来駅ホーム)
Photo_20210711132001

 駅名標のラインカラーが緑色から赤色に変わっています。

 安来市と言えば,「安来節」と「どじょうすくい踊り」が有名ですね。


鳥取二十世紀梨ゼリー 感動です

 車内販売メニューを見ていると,気になるネーミングの商品がありました。

(車内販売メニュー)
Photo_20210711132201
 ※画像をクリックすると拡大します。

 その名も「鳥取二十世紀梨ゼリー 感動です」です。

 感動を求め,興味を持って購入しました。

(鳥取二十世紀梨ゼリー 感動です(容器))
Photo_20210711132401

 梨の形をした容器に入っています。

 このゼリーを石州瓦(せきしゅうかわら)で飾られた机の上に置いてみました。

(鳥取二十世紀梨ゼリー 感動です)
Photo_20210711132601

 ふたを開けた様子です。

 いただいてみると,やわらかくてフルフルの梨ゼリーの中に,細かく刻まれた鳥取二十世紀梨がザクザク入っていました。

 鳥取の二十世紀梨をそのままいただいているような感じでした。

 お菓子のテーマパーク「お菓子の壽城」でも有名な寿製菓の商品です。


松江駅到着

 お菓子を味わっているうちに,「あめつち」は松江駅に到着しました。

(あめつち・松江駅)
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 JR松江駅の皆様にお出迎えいただきました。

(JR松江駅の皆様によるお出迎え)
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 出雲市駅と岡山駅を結ぶ「特急やくも」も停車していました。

(特急やくも・松江駅)
Photo_20210711133001

 JR松江駅の駅員さんは,「あめつち」・「やくも」とお出迎えに大忙しです。


出雲の椿と銀座・資生堂

 「あめつち」は松江駅を出発し,出雲市駅を目指しました。

 車内に美しい工芸品が飾られていました。

(「神楽衣裳」と「あめつち手帖」)
Photo_20210711133101

 島根県浜田市の「神楽衣裳」です。

 「あめつち手帖」という冊子も用意されていました。

 この冊子には,沿線の神話・歴史・文化・祭事などが紹介されていました。

 その中で私が特に興味を持ったのが「椿が繋げる銀座と出雲」という記事です。

 東京・銀座にある「花椿通り」は,かつては出雲出身者が多く住んでいたことから「出雲町」と呼ばれていたそうです。

 その出雲から銀座へ贈られた「出雲椿」(ヤブツバキ)の街路樹が「花椿(はなつばき)通り」という名称の由来となり,この地に本社のある化粧品メーカー「資生堂」のシンボルマーク「花椿」とのかかわりも深いのだとか。

 出雲の椿と銀座の資生堂には,深いつながりがあることがわかりました。


宍道湖・斐伊川そして出雲市駅へ

 「あめつち」の車窓から,宍道湖が見えました。

(宍道湖と松江市街)
Photo_20210711133401

 宍道湖と松江市街です。手前の道路は国道9号です。

 車内放送で宍道湖の代表的な味覚「宍道湖七珍(しんじこしっちん)」の説明がありました。

 宍道湖七珍は,その頭文字をとって「スモウアシコシ」(※)と覚えるのだそうです。

 ※「ス」…スズキ,「モ」…モロゲエビ,「ウ」…ウナギ,「ア」…アマサギ(ワカサギ),「シ」…シラウオ,「コ」…コイ,「シ」…シジミ

 いよいよ「あめつち」の列車旅も終わりに近づいてきました。

 「あめつち」はゆっくりと斐伊川を渡りました。

(車窓から眺めた斐伊川)
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 斐伊川は,スサノオノミコトの八岐大蛇(ヤマタノオロチ)伝説の舞台と伝えられる川です。

 車内放送で斐伊川が案内されました。

 テーマソング「あめつちのテーマ」も流され,名残惜しみつつ,最後のひとときを過ごしました。

 やがて「あめつち」は終点・出雲市駅へ到着しました。

(山陰本線普通列車・出雲市駅)
Photo_20210711134001

 出雲市駅は山陰と東京を結ぶ寝台特急「サンライズ出雲」の起終点駅でもあります。

(あめつち・出雲市駅)
Photo_20210711134002

 楽しかったこともあり,長いようであっという間の列車旅でした。

(「あめつち」歓迎横断幕(出雲市駅))
Photo_20210711134101

 山陰地方の天と地によって育まれた様々な食・産品・自然・歴史・文化に触れ,存分に楽しむことができました。

 また,山陰地方の皆さんの温かいお人柄にも感動しました。

 観光列車「あめつち」での列車旅。

 鳥取・島根のいろんな魅力が発見できるので,自信を持っておすすめします。

<関連サイト>
 「あめつち」(JRおでかけネット)
 「星取県」(鳥取県観光戦略課)
 「とうふちくわ」(「食のみやこ 鳥取県」鳥取県)
 「アベ鳥取堂」(鳥取県鳥取市富安二丁目28)
 「『とろはた』って何?」(「食のみやこ 鳥取県」鳥取県)
 「寿製菓」(鳥取県米子市旗ケ崎2028)
 「資生堂(社名の由来・花椿マーク)」(株式会社資生堂)
 「銀座花椿通りとは」(銀座花椿通り会)
 「宍道湖七珍」(「しまね観光ナビ」島根県観光連盟)

<関連記事>
 「山陰本線の観光列車「あめつち」の旅(鳥取駅-倉吉駅編)-あめつちどら焼き・ホットコーヒー-
 観光列車・イベントの記事については,パソコン版サイト「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化体験・イベント」も御覧ください。

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コメント

鳥取二十世紀梨ゼリーのあまりの美味しさに
コウジ菌さんが感動したのかと思ったら、まさかの商品名!
美味しそうなゼリーです。
山陰本線の旅、いろんな景色があって楽しそうです。
ひたすら電車に乗って車窓を楽しむ旅行がしたい~。

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは(^^)/
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

商品名が「鳥取二十世紀梨ゼリー感動です」とあって,540円もするなら,これを試してみなきゃ後悔すると思って購入しました(笑)
ゼリーの中に,刻んだ二十世紀梨がザクザク入っていたので美味しかったです。

今回乗った「あめつち」は片道3時間半~4時間近くかかりますが,実はこの長時間乗れることが私にとって魅力でした。
ひたすら列車に乗って,ボーッと車窓を楽しんだり,読書したり,疲れたらうたた寝したり…(笑)
こういう時間を求めての旅でした。
と言いつつ,実際はいつも写真撮ったり,車内販売で何を買うか悩んだり,停車ごとにホームに出たり,食事しながらメモ取ったりと,落ち着かないまま,あっと言う間に目的地へ着いてしまうんですけどね(^^ゞ

真冬に米子方面から大山を見ると、富士山そっくり!
徐福もビックリですね^ ^
昔、小野ヤスシというコメディアンが「鳥取県が産んだ20世紀最大の芸術家」と自称していましたが、さしずめこのゼリーは「鳥取県が産んだ20世紀最高の20世紀梨ゼリー感動です」ですネ(T_T)
是非味わってみたいです^ ^
宍道湖七珍、いつかフルコースでいただきたいですネ(^_^)

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます<(_ _)>

大山は伯耆富士とも呼ばれますが,それぐらい富士山とよく似ていて,ありがたい気持ちになります。
広島に住む私は富士山を見る機会はめったにないので(笑),本物の,しかもきれいに見える日の富士山を見ると,とても感動すると思います。

鳥取二十世紀梨ゼリー,えっ,ゼリーだけでなく,刻んだ梨まで入ってるの!と,小野ヤスシさん顔負けの,どっきりまる秘報告並みの感動でした(笑)
大,大成功!ということで…(^^ゞ
すなば珈琲,ゴジラエビ,ばばちゃん鍋,二十世紀梨ゼリーと,鳥取においでの際は,どっきりドキドキする食をお楽しみください(^-^)

宍道湖七珍,私もいつか味わってみたいです。
今では贅沢な食材ばかりですよね。

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