広島のレモン菓子・レモンケーキ16 -島ごころの「メープルレモンケーキ」とパンフルートの「世羅抹茶レモンケーキ」-
今回は広島のちょっと珍しいレモンケーキを御紹介します。
島ごころ「メープルレモンケーキ」
広島県尾道市瀬戸田町。
瀬戸内海・生口島で,国産レモン発祥の地として知られる町です。
その町の菓子工房「島ごころ」から販売されている「メープルレモンケーキ」です。
(島ごころ「メープルレモンケーキ」(包装))
「島ごころ」宮島口店(広島県廿日市市)で購入しました。
もみじは,広島県の木(花)であり,宮島の「もみじ饅頭」も有名なことから,広島と言えば「もみじ」をイメージされる方も多いと思います。
「メープルレモンケーキ」は,そんな「もみじ」(メープルシロップ)と瀬戸田の「レモン」を使った広島ならではのレモンケーキです。
(島ごころ「メープルレモンケーキ」)
開封した瞬間から,メープルシロップの甘い香りが漂ってきました。
「島ごころ」のレモンケーキは,レモンチョコのコーティングがなく,レモンの形に焼き上げたケーキそのものを味わうのが特徴ですが,このメープルレモンケーキもその特徴が生かされています。
(島ごころ「メープルレモンケーキ」(中身))
ケーキ生地に褐色のメープルシロップがたっぷりしみ込んでいる様子がわかります。
大きめのレモンピールもザクザクと入っています。
しっとりとした生地です。
味はメープルシロップそのものですが,レモンピールがアクセントとなっており,全体的によく調和していました。
パンフルート「世羅抹茶レモンケーキ」
続いては,広島市中区「パンフルート」の「世羅抹茶レモンケーキ」です。
広島県世羅郡世羅町は,かつてお茶の栽培が盛んでしたが,その後,高齢化や後継者不足などでお茶の生産量が減少しました。
こうした状況を踏まえ,現在,同町の生産者団体「世羅茶再生部会」が中心となって,茶畑の再生やお茶を使った加工食品の開発など,世羅茶ブランドの復活を試みておられます。
この「世羅抹茶レモンケーキ」も「世羅茶再生部会」の生産者から「パンフルート」へ提供されたレモンが使われています。
(世羅抹茶レモンケーキ(包装))
抹茶をイメージさせる深緑色の包装となっています。
開封しました。
(世羅抹茶レモンケーキ)
やはり想像どおりレモンケーキも緑色です。
ケーキにも,コーティングされているホワイトチョコレートにも,抹茶が入っています。
(世羅抹茶レモンケーキ(中身))
ケーキ生地に抹茶が練り込まれており,抹茶ケーキとなっています。
いただいてみると,ケーキもコーティングされているホワイトチョコレートも抹茶風味に統一されていました。
ケーキ生地には,所々に大きめのレモンピールも入っていました。
(世羅抹茶レモンケーキ(中身・拡大))
レモン(ケーキ)の形はもちろん,ケーキやホワイトチョコレートの抹茶の香りが主張し過ぎず,レモンピールによってレモンの酸味・風味が引き立てられているところが,抹茶ケーキではなくレモンケーキと呼ばれる理由だと思います。
まとめ
今回御紹介したレモンケーキは,レモン以外の食材が使われたレモンケーキですが,いくつか共通点もあります。
【今回のレモンケーキの共通点】
①その地域・地方ならではの食材が使われていること
②いずれもレモンケーキ(レモン)の型で作られていること
③レモンピールによりレモンの風味・酸味が生かされていること
一括りに「レモンケーキ」と言っても,レモンチョコ(ホワイトチョコ)がコーティングされていないレモンケーキや,ウィークエンドシトロンやホールケーキ・ショートケーキのようにレモンケーキ(レモン)の形をなしてないレモンケーキもあります。
また,日本のレモンケーキは,洋菓子店だけでなく,和菓子店,パン屋・パンメーカー,カフェ・喫茶店・レストランなど,いろんなお店・会社で製造されています。
さらに,今回のように,メープルシロップや抹茶が主体となった「レモンケーキ」まで存在します。
このことは,いかに「レモンケーキ」が日本人に親しまれ,ポピュラーなお菓子となっているかを物語っていると言えるでしょう。
<関連サイト>
「島ごころ」(広島県尾道市瀬戸田町沢209-32)
「パンフルート」(広島市中区舟入南三丁目19-16)
「世羅茶再生部会」(広島県世羅郡世羅町本郷629-9)
「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
埼玉県在住のchibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。
<レモンケーキ関連記事>
「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。
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レモンケーキといえば耳かきと並んで貴ブログの定番ですネ^ ^
暑い夏にはレモンがピッタリ🍋
先日イトーヨーカドーのポッポというフードコートで、瀬戸内レモンクリーム入り今川焼きを頂きました^o^
さすがにレモンの形はしていませんでしたが(⌒-⌒; )
投稿: なーまん | 2021年7月18日 (日) 13時24分
なーまん様
なーまんさん、こんにちは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。
レモンケーキ、広島では郷土菓子のような感じになっていて、このブログを通じて皆さまに地元の食を知っていただきたいという気持ちで御紹介しています。
あっ、旅行先でも耳かきとレモンケーキは必ず探します(笑)
湘南にもレモンケーキがたくさんありますね!
瀬戸内レモンクリーム入りの今川焼き、これこそ、ブログネタです(笑)
私もいつか味わってみたいです。
とても興味深い情報、ありがとうございました<(_ _)>
投稿: コウジ菌 | 2021年7月18日 (日) 15時06分
レモンとメープル、レモンと抹茶。
ちょっと思いつかない組み合わせです。
パンフルートは普通のレモンケーキもおいしかったので、これも美味しいでしょうね~。
夏季限定でレモンケーキを売る店が多いですが、チョコレートやアイシングがかかっていると
扱いが面倒(!)なので、レモンが旬の冬季限定にしてほしいものです…
そうすればクール便にならないから送料も安く済むし(笑)
投稿: chibiaya | 2021年7月18日 (日) 23時07分
chibiaya 様
chibiayaさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
最近は形はレモンケーキ,味はメープルシロップ,抹茶,チョコレート,ネーブル…といったレモンケーキも登場してますね。
そうそう,パンフルートはchibiayaさんがお取り寄せされた洋菓子屋さんでしたね!
召し上がった広島ピースレモンケーキの抹茶版を想像していただいたら間違いないと思います。
レモンと言えば,さわやかなイメージがあるからでしょうか,夏季限定のレモンケーキ・レモンのお菓子が多いですね。
食べたくなるのも暑い時期ですし…。
広島の島しょ部では,みかんとレモンが栽培されている農園が多いですが,確かにたくさん実がなるのは冬ですね(笑)
暑い季節に旅先でレモンケーキを買うと,持って帰るのに神経使います(^^ゞ
特に日中に車の中には放置させておけないので,大事に連れ歩いてます(笑)
というわけで,私も冬季販売に賛成です(^^)/
投稿: コウジ菌 | 2021年7月19日 (月) 20時18分