山陰本線の観光列車「あめつち」の旅(鳥取駅-倉吉駅編)-あめつちどら焼き・ホットコーヒー-
山陰本線の観光列車「あめつち」
週末を中心に,鳥取駅~出雲市駅間を1日1往復運転されている山陰本線の観光列車「あめつち」。
「あめつち」という名称は,漢字で「天地」と書き,山陰地方を舞台にした神話も多い「古事記」の「天地(あめつち)の初発(はじめ)のとき」という一文にちなんでいます。
(あめつち運行区間)
JR西日本「あめつち」パンフレットから一部抜粋・引用
鳥取県と島根県の主要都市を結び,日本海,大山,宍道湖(しんじこ),斐伊川(ひいがわ)など見どころ満載の観光列車「あめつち」に魅力を感じ,鳥取駅から出雲市駅まで乗車することにしました。
今回は「あめつち」の旅を御案内します。
鳥取駅とあめつち
広島市から高速バスを利用して鳥取市へ行きました。
鳥取市内のホテルで1泊し,翌朝,「あめつち」へ乗車するために鳥取駅へ向かいました。
(鳥取駅)
きっぷの改札を済ませ,構内に入ると,階段に「あめつち」ののりば案内がありました。
(あめつち・のりば案内(鳥取駅階段))
階段に「あめつち」とそのロゴマークが,背景には鳥取砂丘と日本海が描かれています。
駅の柱にも「あめつち」の広告がありました。
(あめつち・柱広告(鳥取駅構内))
雲のイラストは出雲地方を,ウサギとサメのイラストは因幡地方を連想します。
山陰地方には,神社,お酒,歌舞伎,相撲など日本文化の様々なルーツがあると紹介されています。
同じ駅構内に,とても大きくてカラフルな傘も展示されていました。
(しゃんしゃん傘(鳥取駅構内))
鳥取市の夏祭り「鳥取しゃんしゃん祭り」の踊りで使われる「しゃんしゃん傘」です。
カラフルな色は,鳥取砂丘や海や魚などを表現しています。
また,鳥取砂丘を擁する鳥取ならではの,砂のアート作品もありました。
(砂で作った「神話・因幡の白兎」)
色々と目移りしてしまう鳥取駅構内ですが,「あめつち」の出発ホーム・発車時刻もしっかり確認しました。
(鳥取駅・発車案内表示器)
鳥取駅4番ホームへ向かうと,すでに「あめつち」が入線していました。
(あめつち・鳥取駅4番ホーム)
山陰の海と空をイメージした紺碧(こんぺき)色の車体です。
「あめつち」のほかにも,朝の鳥取駅ホームには様々な列車が入線していました。
(朝の鳥取駅1番~3番ホーム)
1番ホームから4番ホームまですべて列車で埋まっていました。
あめつちの車内の様子
それでは「あめつち」の車内を御案内します。
(あめつち・エンブレム(ドア付近))
ドア付近の「あめつち」のエンブレムです。
たたら製鉄や鋭利で崇高な日本刀をイメージさせるデザイン・書体・色です。
「あめつち」の車内へ入りました。
(あめつち車内(1号車))
「あめつち」1号車・車内の様子です。
グリーン車ということもあって,高級感のあるゆったりした車内となっています。
続いて2号車へ移動しました。
(あめつち車内(2号車))
白木が使われていることで,清潔感があり,落ち着きや温かみも感じられる車内となっています。
私が観光列車で一番興味をもつ,物販カウンターへも行ってみました。
(物販カウンター)
食堂車どころか車内販売まで減少傾向にある今となっては,「列車内に売店がある」というだけで非日常感・特別感があり,ワクワクします。
あめつち・鳥取駅出発
いよいよ「あめつち」の出発時刻が近づきました。
(JR鳥取鉄道部の皆様によるお見送り)
JR鳥取鉄道部の皆様からお見送りを受ける様子です。
(JR鳥取鉄道部の皆様によるお見送り(車窓から))
「いってきんさいや! 山陰の旅を楽しんできないや」
感動的なお見送りを受けつつ,「あめつち」は鳥取駅から出雲市駅へ向けて出発しました。
(あめつち・乗車券・グリーン券)
席は,日本海や宍道湖などが望める窓側のカウンター席「2号車4番A席」を利用しました。
(あめつち車窓から眺めた日本海)
真っ青で白波が立つ海は,穏やかな瀬戸内海沿岸に住む私には珍しい風景です。
(あめつち・2号車・因州和紙の照明)
2号車の天井照明は,赤と緑の因州和紙が使われています。
列車がトンネルに入ると,赤と緑のラインがひときわ鮮やかに見えました。
車内に「あめつち車窓手帖」という折りたたみ式のカラー手帖が御用意されていました。
(あめつち車窓手帖(表紙・鳥取駅~宝木駅))
※画像をクリックすると拡大します
この手帖には,鳥取駅-出雲市駅間の車窓から楽しめる風景や,各地の観光名所などが詳細に紹介されています。
どの観光列車に乗っても思うのですが,鉄道会社の皆さんは,沿線の観光名所をはじめ,特産品や名産品,文化・歴史,楽しい小話やちょっとした裏話に至るまで,本当によく調べておられます。
それも一度乗っただけでは消化しきれないほどの膨大な情報量を。
地域のことを深く理解するには,その地域の観光列車に乗るのが一番の方法なのかも知れません。
途中の運転停車駅・松崎駅で「名探偵コナン列車」とすれ違いました。
(名探偵コナン列車)
はわい・東郷湖への玄関口である松崎駅の近くには,由良駅(愛称:コナン駅)もあります。
あめつちどら焼き・ホットコーヒー
待ちに待った車内販売が開始されたので,私は「あめつちどら焼き」と「ホットコーヒー(あめつち限定紙カップ)」を購入しました。
(あめつちどら焼き・ホットコーヒー)
「あめつち」ロゴマークの焼き印入りのオリジナルどら焼きと,あめつち限定紙カップに注がれたホットコーヒーです。
「あめつちどら焼き」は車内限定販売で,お土産にもなることから,人気商品の1つとなっています。
ふっくらと焼き上げた皮と,ほど良い甘さの粒あんが特長のどら焼きです。
このどら焼きは,鳥取県米子市の菓子メーカー「丸京製菓(菓子庵 丸京)」で製造されたものです。
丸京製菓は,どら焼き生産量で世界一を誇るだけでなく,「どらやきの日」(4月4日)の制定,「どらやき大使」の任命,「どらやき体操」の啓発,「どらドラ市民基金」の創設など,どら焼きの普及・振興にもかなり力を入れておられます。
ドラえもんも「どらやきのまち米子」へ住めばいいのに(笑)
鳥取県米子市を拠点とする丸京製菓の和菓子は,全国のスーパーマーケットなどで販売されています。
ホットコーヒーは,すっきりした飲み口で,ブラックで美味しくいただきました。
車窓から流れゆく景色を眺めながらいただくコーヒーは格別でした。
あめつち・倉吉駅到着
ソワソワした気持ちも次第に落ち着き,これからゆっくりと列車旅を楽しもうと思い始めた頃,「あめつち」は倉吉駅に到着しました。
(あめつち・倉吉駅)
白壁土蔵群や三朝温泉が近い倉吉からもお客さんが乗車されました。
倉吉でしばらく停車した後,「あめつち」は再び島根・出雲市駅へ向けて出発しました。
<関連サイト>
「あめつち」(JRおでかけネット)
「鳥取しゃんしゃん祭り」(鳥取しゃんしゃん祭り振興会)
「どらやきのまち米子」(丸京製菓株式会社・鳥取県米子市旗ヶ崎2002-2)
<関連記事>
観光列車・イベントの記事については,パソコン版サイト「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化体験・イベント」も御覧ください。
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コロナが落ち着いたらサンライズ出雲で島根に行こうか?
などと考えていましたが、あめつちも良いですね^^
外見がブルートレインの様で、こちらでは珍しい気動車というのも、日本海の旅情を感じさせます(^_^)
どら焼きといえばドラえもん(^.^)v
ドラえもんどら焼きの製造元は広島のにしき堂という会社の様です^o^
もみじ饅頭と原料共有(^_^)
投稿: なーまん | 2021年7月 4日 (日) 14時38分
あぁいいですねえ、こういう旅!
中学生か高校生の夏休みだったか、山口市の両親の実家に行った際、
やることなくて(笑)、山口駅~益田駅~下関駅~防府駅を回りました。
駅からは出ず、ひたすら乗ってました。
詳細なことは忘れてしまった(カメラもなかったので記録が一切ない)のですが
日本海って意外と青いんだなと思ったのだけは覚えています。
あとは初めてのローカル線ということもあり、バスみたいな乗車方式も面白かったです。
こんな経験、もうできないだろうな~。もっとやっておけばよかったです。
投稿: chibiaya | 2021年7月 4日 (日) 16時22分
なーまん 様
なーまんさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます<(_ _)>
サンライズ出雲,いいですね。子供の頃からずっと寝台特急にあこがれがあって,でも乗れる機会もなく,気付けばサンライズ出雲・瀬戸だけになっているので,私もいつか乗ってみたいと思っています。
今回の「あめつち」も,車体がブルーで,なーまんさん同様,ブルートレインのようだなと思いながら乗車しました。
気動車,あえて説明しませんでしたが,さすがなーまんさん,よく御存知で!
「キロ」で気動車のグリーン車となります。
観光列車は一般的な列車とは真逆で,眺めが良いローカル線を,車内販売付きで,ゆっくりのんびりと走る方が良いので,気動車もいいです。
ドラえもんどら焼き,にしき堂と言えば「どこでもみじ」のことかなと思ったのですが,
https://www.nisikido.co.jp/kasi/momiji/dokodemomomiji.html
よく検索してみると,川崎の藤子・F・不二雄ミュージアムに,にしき堂のどら焼きが売られているんですね!
一昨年前,このミュージアムに行った時にもあったのでしょうが,私はドラえもん版のスパゲティ・アラビアータ「ドラビアータ」をいただきました(笑)
にしき堂のどら焼き,広島では売ってないようですね…。
投稿: コウジ菌 | 2021年7月 4日 (日) 22時03分
chibiaya 様
chibiayaさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます\(^o^)/
山口駅~益田駅~下関駅~防府駅の鉄道旅って,面白い旅をされたんですね。
私は近いからわかりますが,相当距離がありますよね。
気になって時刻表で調べたら,乗り継ぎ時間を入れなくても軽く8時間はかかるようです(@_@)
益田駅から下関駅まで山陰本線で日本海を眺められたんですね。
ローカル線ワンマンは運転席後ろに運賃表があって,無人駅では運転手さんがきっぷの改札までされますが,そういう列車は首都圏ではほとんどないでしょうね。
(取手から守谷まで乗車した関東鉄道がディーゼルカーで,妙に親しみを感じたことを思い出しました(笑))
実はこういう路線こそ,観光列車を走らせるのに向いていると思います。
歳を重ねるにつれ,時間をお金で買っている(普通列車・バス→新幹線・飛行機)ような気がしますが,実は,のんびりと,本を読んだり,うたた寝したり,ボーッと景色を眺めたりする時間があるというのが一番の贅沢なのかも知れませんね(^-^)
投稿: コウジ菌 | 2021年7月 4日 (日) 22時30分