広島のレモン菓子・レモンケーキ18 -尾道市瀬戸田町の魅力・島ごころ・向栄堂・尾道グリーンスローモビリティ・意外なレモンケーキの歴史-
注目スポットが次々と誕生する街・瀬戸田
しまなみ海道を渡り,広島県尾道市瀬戸田町を訪問しました。
(瀬戸田港)
瀬戸田港周辺は最近,注目のスポットが次々と誕生しています。
一例として,「SOIL SETODA(ソイル瀬戸田)」と「Azumi Setoda」を御紹介します。
「SOIL SETODA(ソイル瀬戸田)」は,カジュアル食堂「MINATOYA」,ポートランド発のカフェ「OVERVIEW COFFEE」,アクティビティセンター,ゲストルームなどで構成されるカルチャースポットです。
また「Azumi Setoda」は,高級リゾート旅館で,高級リゾートホテル「アマン」の創業者が手掛ける新ブランド「Azumi」の1号店です。
私は「ソイル瀬戸田」の「MINATOYA」でランチをいただきました。
(ポキ丼)
ハワイの料理「ポキ」(魚介の切り身料理)にちなんだポキ丼です。
調味された角切りの刺身,キュウリ,アボカド,トマトなどに黄身をまぶし,白ご飯とともにいただきました。
(コーヒー)
食後に美味しいコーヒーもいただき,店内でゆったりとしたひとときを過ごしました。
しおまち商店街・耕三寺周辺の散策
その後,瀬戸田港から耕三寺へと続く「しおまち商店街」を散策しました。
途中,レモン色(黄色)の郵便ポストを見つけました。
(レモン色の郵便ポスト(角型))
さすが国産レモン発祥の地「瀬戸田」です。
(耕三寺山門)
耕三寺境内には,日光東照宮陽明門や平等院鳳凰堂などが再現された建物があります。
その山門の向かいに,またまたレモン色の郵便ポストがありました。
(レモン色の郵便ポスト(丸型))
元は赤い郵便ポストだったものをレモン色に塗り替えたのでしょうね。
(「みしまや」店舗)
当ブログでも御紹介している「れもんケーキ」で有名な「みしまや」の店舗です。
瀬戸田はレモンケーキ発祥の地でもあることから,いろんなお店でレモンケーキが販売されています。
尾道グリーンスローモビリティ
瀬戸田の街中を散策している途中,楽しそうなミニ周遊バスを何度も見かけました。
「尾道グリーンスローモビリティ」という乗り物で,300円で観光ルートが1日乗り放題と紹介されていました。
「これは面白そう」と思い,瀬戸田港で利用申込をしました。
「尾道グリーンスローモビリティ」は,尾道市やJR西日本などがグリーンスローモビリティ(小型電動車)の導入を実証・検討するための事業で,期間限定(令和3年7月17日~9月26日)で実施されています。
(グリーンスローモビリティ)
ボディーはグリーン(緑色)ではなく,やっぱりレモン色です(笑)
ゴルフ場を移動する際に利用するゴルフカートを大型化したような乗り物です。
モニター料金なのでしょうが,300円なら気軽に乗ってみたくなる運賃です。
しかも乗車証明書を提示すると,様々なお店で優待割引やプレゼントがもらえる特典付きです。
申込書やアンケートを記入していると,観光案内の男性から「甘いものはお好きですか?」と声をかけていただきました。
私が「はい,大好きです」とお答えすると,その方から「では,このレモンケーキのお店を記したマップをお渡しするので,ぜひ食べ比べてみてください。『島ごころ』さんで乗車証明書を提示すれば,レモンケーキのプレゼントもありますよ」と教えていただきました。
(瀬戸田案内マップ(レモンケーキ販売店))
※画像をクリックすると拡大します
レモンケーキの宣伝とは瀬戸田らしくて面白いなと思いつつ,グリーンスローモビリティに乗車しました。
(グリーンスローモビリティ(車内からの眺め))
徒歩で往復した「しおまち商店街」をグリーンスローモビリティで改めて移動すると,新鮮で全く異なる景色に見えました。
運転手さんとの会話も楽しんだのですが,その中で「さきほどレモンケーキをすすめておられた人,実は向栄堂の社長さんなんですよ」と笑いながら教えていただきました。
日本で最初にレモンケーキを作ったお店の社長さんから瀬戸田のレモンケーキをすすめていただいたようです。
他店のレモンケーキまで御案内されるとは,謙虚な方だなと感心しました。
そこで改めて,このグリーンスローモビリティを利用して,瀬戸田のレモンケーキを味わうことにしました。
島ごころのレモンケーキ
レモンケーキのお店「島ごころ」を訪問しました。
(島ごころSETODA(瀬戸田本店))
お店で乗車証明書を提示し,レモンケーキ「島ごころ」をプレゼントしていただきました。
(島ごころ(レモンケーキ))
300円の運賃で,250円のレモンケーキがプレゼントされるなど,8種類の特典があるグリーンスローモビリティプロジェクトは感動ものです。
「島ごころ」店内限定の「焼きたてレモンケーキ」を購入し,イートインでいただきました。
(焼きたてレモンケーキ(島ごころ))
レモンピール入りでサクサクのレモンケーキでした。
店内に「アップルレモンケーキ」や「ショコラレモンケーキ」というちょっと珍しいレモンケーキが販売されていたので,こちらも購入しました。
(アップルレモンケーキとショコラレモンケーキの紹介)
「アップルレモンケーキ」は,敷き詰めたレモンケーキにレモン果汁で煮込んだリンゴをのせ,あんずジャムを加えてオーブンで焼き上げたケーキです。
「ショコラレモンケーキ」は,チョコレートケーキの中にレモンケーキが丸ごと入っているケーキです。
どちらもレモンケーキが丸ごと使われているのが特徴です。
(アップルレモンケーキとショコラレモンケーキ)
左のアップルレモンケーキのケーキ生地は,レモンケーキが何層にも積み重ねられたものです。
右のショコラレモンケーキも,中央がレモンケーキの断面の形になっているのがわかります。
レモンケーキが丸ごとたっぷり使用された贅沢なケーキでした。
向栄堂のレモンケーキ・レモン菓子
グリーンスローモビリティで再び瀬戸田港へ戻ると,レモンケーキを御案内いただいた向栄堂の社長さんも待機しておられました。
私はお世話になった社長さんにお礼を述べ,その足で向栄堂へ向かいました。
(「向栄堂」店舗)
お菓子をいくつか購入しました。
(レモンケーキ・焼きドーナツ(レモン)・ロールカステラ(包装))
写真上がレモンケーキ,写真左下が焼きドーナツ(レモン),そして写真右下がロールカステラです。
(レモンケーキ・焼きドーナツ(レモン)・ロールカステラ)
レモンケーキは,これが元祖レモンケーキと言われているものです。
サイズは小ぶりで,きめ細かな生地とたっぷりコーティングされたレモンチョコが特長です。
焼きドーナツ(レモン)は,レモンケーキの焼きドーナツ版という感じで,大きめにカットされたレモンピールがたくさん入っていました。
ロールカステラは,やわらかいスポンジ生地と香ばしくしっかりと焼かれた生地の二層構造で,スライスアーモンド,生クリーム,甘酸っぱいあんずとオレンジのミックスジャムを加えて巻いたお菓子です。
やわらかいスポンジ生地と,今川焼きの皮のようなしっかりと焼かれた生地の2つの異なる食感が同時に楽しめるロールケーキで,このお店の人気商品です。
広島県江田島市にも同じような二層のロールケーキ「イタリアンロール」(岡林花月堂)があるのですが,こうした独特の食感が楽しめるロールケーキは,瀬戸内の島のスイーツとしておすすめです。
意外なレモンケーキの歴史
いただいた瀬戸田案内マップの裏に「勝手にレモンケーキ比べ」というレモンケーキの記事が掲載されていました。
(「勝手にレモンケーキ比べ」)
※島のたより「こうこう」Vol.7(2017.11.1)から引用
※画像をクリックすると拡大します
瀬戸田の「向栄堂」,「クレメント」,「みしまや」,「梅月堂」,「島ごころ」,「あじば農園」のレモンケーキが紹介されています。
この記事を読んで,驚いたことがあります。
それは向栄堂のレモンケーキの記事の,
・レモンケーキの始まりは1974年
・昔は二倍近くの大きさだったが,お客さんの声から食べやすい今のサイズになった
という話です。
レモンケーキは明治とか大正とか昭和初期とか,そのくらいの時代からあるお菓子だと思っていましたが,実は1974年(昭和49年)に作られたお菓子で,しかも当初のレモンケーキはかなり大きいサイズだったようです。
「一正堂製菓」(広島県豊田郡大崎上島町)のように,大きいサイズのレモンケーキを販売されているお店がありますが,これが当初のレモンケーキに近いのでしょう。
(当ブログ「レモンケーキとブランデーケーキ -レモンケーキが今も支持されている理由-」で御紹介しています。)
サイズの大小,レモンチョコレートの有無,チョコレート・りんご・杏ジャム・マロングラッセ入り,焼きたて・揚げたて,レモンケーキを材料にした創作菓子…瀬戸田のレモンケーキは,元祖も含め,常に変化をしながら受け継がれているようです。
宮島のバラエティー豊かな「もみじ饅頭」とも似ています。
今回の訪問で,レモンケーキについての理解が深まりました。
瀬戸田は,街も人も食べ物も,魅力いっぱいです。
<関連サイト>
「SOIL SETODA(ソイル瀬戸田)」(広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田254-2)
「Azumi Setoda」(広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田269)
「しおまち商店街」(広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田)
「耕三寺・耕三寺博物館」(広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田553-2)
「みしまや」(広島県尾道市瀬戸田町沢209-17)
「島ごころ」(本店・広島県尾道市瀬戸田町沢209-32ほか)
「向栄堂」(広島県尾道市瀬戸田町瀬戸田229)
「イタリアンロール」(えたじまブランド認定品・「江田島市地域ブランド推進協議会」)
「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
埼玉県在住のchibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。
<レモンケーキ関連記事>
「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。
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レモン谷を越え、多々羅大橋を渡った途端、ポストがみかん色に変わったら楽しそうですね^o^
300円の運賃で250円のケーキがおまけに付いてくるとは!
素晴らしい「しまごごころ」でございます^^
これぞまさしく「ご接待」の精神でしょうか?
来てよかった(^_^)また来よう〜♫
そう思ってもらう事は大事ですね^_^
勉強させていただきましたm(_ _)m
投稿: なーまん | 2021年8月29日 (日) 12時31分
なーまん様
なーまんさん,こんにちは。
早速コメントいただき,ありがとうございます<(_ _)>
多々羅大橋を渡って愛媛県になった途端,郵便ポストがみかん色になるというお話ですね!
お上手ですね!!
そしてまごころの込められた島ごころですか。
こういう温かい文章がなかなか思い浮かばないんですよね(笑)
おっしゃるとおりで,観光客が「来てよかった」,「また来よう」,「せっかくだからこれもやってみよう」,「このお店・施設にも寄ってみよう」という気持ちになれば,気持ちよくお金も時間も使えますし,リピーターになってくれれば,また地域も潤うというプラスの循環につながりますよね。
私の方こそ,大切なことに気付かせていただき,ありがとうございました。
投稿: コウジ菌 | 2021年8月29日 (日) 14時21分
ポストがレモン色!さすが瀬戸田 (笑)
焼きたてレモンケーキ、見るからにサクサクした感じです。
これも食べてみたいですが、それより向栄堂と一正堂製菓が気になりました。
いつか現地でいろいろ食べ比べたいものです。
投稿: chibiaya | 2021年8月29日 (日) 19時22分
chibiaya 様
chibiayaさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます(^-^)
郵便ポストがレモン色で,しかも何か所もあるのは驚きました(笑)
chibiayaさんが御記憶にあるレモンケーキもいくつかあると思います。
こんなお店ですよ,と御紹介する気持ちで記事を作成しました。
焼きたてレモンケーキ,しっとり感を通り越して,クッキー生地のようにサクサクでした。
木のフォークでこぼさずに食べるのが大変でした(笑)
向栄堂のレモンケーキは一口大のミニサイズ,逆に一正堂製菓のレモンケーキはビッグサイズなので,並べてみると面白そうです(^-^)
いつか機会があればレモンケーキの島へお越しください(^^)/
投稿: コウジ菌 | 2021年8月29日 (日) 22時26分