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2022年3月 6日 (日)

広島のレモン菓子・レモンケーキ19 -「ミニヨン」のお菓子,広島県内の洋菓子・焼き菓子の特徴-

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介するシリーズです。

 今回は広島市東区のレモン菓子・レモンケーキを御紹介し,あわせて広島県内のレモンケーキ・ブランデーケーキ・バターケーキ・ロールケーキなど洋菓子・焼き菓子の特徴についてもお話ししたいと思います。


広島のレモンケーキとブランデーケーキをお取り寄せ

 当ブログの読者で,全国のレモンケーキにお詳しいchibiayaさんのブログ記事に,御自分のお誕生日に合わせ,広島からレモンケーキとブランデーケーキをお取り寄せ注文されたお話が紹介されていました。

 私は,注文されたのが地元・広島のどこのお店なのか,とても興味を持ちました。

 ヒントは,レモンケーキとブランデーケーキをお取り寄せでも扱っておられる広島のお店です。

 広島ならではの代表的な洋菓子と言えば,「レモンケーキ」,「ブランデーケーキ(洋酒ケーキ)」,「バターケーキ」が挙げられますが,これらのお菓子を組み合わせ,お取り寄せでも対応されているお店となると,数が絞られてきます。

 「もしかしてあのお店かも…」と思い始めると居ても立っても居られなくなり(笑),すぐにその思いついた店へ車を走らせました。


ケーキハウス「ミニヨン」

 私が今回,広島市南区の自宅から車で向かったお店は,広島市東区光町にあるケーキハウス「ミニヨン」です。

(ケーキハウス「ミニヨン」店舗)
Photo_20220306113001

 「ミニヨン」は,地元・広島ではシュークリームで有名なお店です。

 私はレモンケーキとブランデーケーキ,そして2種類のシュークリームを購入しました。


「広島瀬戸内レモンケーキ」

 レモンケーキはバラ売りで購入しました。

(ミニヨン「広島瀬戸内レモンケーキ」(包装))
Photo_20220306113201

 店名が入った「ミニヨン」オリジナルの包装です。

(ミニヨン「広島瀬戸内レモンケーキ」)
Photo_20220306113301

 サイズは横約7.5cm,幅約5.5cm,高さ約4cmで,レモンケーキの中では大きい方です。

(ミニヨン「広島瀬戸内レモンケーキ」(中身))
Photo_20220306113401

 しっとりした生地で,大きめのレモンピールも入っています。

 バターがたっぷりと含まれた生地をじっくりと焼き上げられているため,バターの風味が豊かで,深いコクも味わえました。

 コーティングされているレモンチョコレートは,パリッとして酸味は控えめでした。

 広島のバターケーキに似たバター風味豊かなケーキ生地に,ザックリと大きめのレモンピールが入った,広島ならではのレモンケーキでした。

 ミニヨンではバターケーキも販売されていることから,その特長をレモンケーキにも生かされているように思いました。


シュークリームとレモンクリームシュー

 続いては,「ミニヨン」の看板商品の1つとなっているシュークリームです。

(ミニヨンのシュークリームとレモンクリームシュー(包装))
Photo_20220306114101

 写真左が定番人気のシュークリーム,右がレモンクリームシューです。

 シュークリームは看板商品の1つだけに,その種類は多く,ほかにもクッキーシュー,チョコシュー,抹茶シュー,苺クリームシューなどが用意されていました。

 このうちシュークリームとクッキーシューだけは,店頭の冷蔵陳列ケースに並べられておらず,注文を受けてからカスタードクリームを詰める販売方法となっています。

(ミニヨン「シュークリーム」)
Photo_20220306114301

 こちらがシュークリームです。

 見た目は一般的なシュークリームと変わりませんが,食べてみるとそのシュー生地にかなりもっちりとした弾力があることがわかりました。

 カスタードクリームもしっかりと卵黄とバニラ風味を感じる王道のカスタードクリームでした。

(ミニヨン「レモンクリームシュー」)
Photo_20220306114601

 続いてレモンクリームシューです。

 こちらはシュー生地の上にレモンチョコレートがかけられており,中のクリームもレモン風味のカスタードクリームに仕上げられています。

 レモンチョコレートも中のレモンカスタードクリームもレモンの風味・酸味を強く感じました。

 興味深かったのは,同じお店の商品でありながら,レモンクリームシューとレモンケーキでは,それぞれに使われているレモンチョコレートの味が異なっていることです。

 レモンケーキに,レモンクリームシューに使われているような強いレモン風味と酸味が楽しめるレモンチョコレートを使ってみるのも良いのではないかと思います。


ブランデーケーキ

 最後にブランデーケーキを御紹介します。

 ミニヨンでは1本ずつ箱売りされています。

(ミニヨン「ブランデーケーキ」(箱))
Photo_20220306115101

 広島県内にはブランデーケーキ・洋酒ケーキを販売されているお店がたくさんありますが,その多くは個包装で,このお店のように1本丸ごと販売されていることは珍しいです。

 このブランデーケーキは,贈答・お土産用としても喜ばれると思います。

 箱を開けてみました。

(ミニヨン「ブランデーケーキ」(開封))
Photo_20220306115401

 ブランデーケーキは,お酒が含まれていることもあってか,たいてい銀色のアルミ袋やアルミ箔で包装されています。

 ブランデーケーキの1本買いは初めてなので,興味津々で包装を取り外しました。

(ミニヨン「ブランデーケーキ」)
Photo_20220306115402

 サイズは長さ約20cm,幅約6cm,高さ約4.5cmです。

 ケーキを焼いた時の割れ目があるのでわかりづらいですが,写真手前の表面に「ケーキハウス ミニヨン」と焼き印がされています。

 ケーキを手で持ち上げると,指がケーキにのめり込んでしまうほど,やわらかいケーキです。

 包丁でカットしました。

(ミニヨン「ブランデーケーキ」(カット))
Photo_20220306115501

 ケーキの底にはブランデーシロップがたっぷりしみ込んでいます。

 広島のブランデーケーキ(洋酒ケーキ)は,カステラに甘い洋酒シロップをしみ込ませたものが多いのですが,「ミニヨン」ではカステラではなく,スポンジケーキのようなやわらかいケーキで作られています。

 そのため,カステラよりも一回り小さく,より軽くきめ細かな舌触りで,ケーキ全体にブランデーシロップの甘い香りが行き渡っていました。

 ちなみに後日,chibiayaさんのブログを訪問すると,私の予想どおり「ミニヨン」でお取り寄せされた旨の記事がアップされていました。

 当たって嬉しかったと同時に,埼玉からよくこのお店を見つけられたなと改めて感心しました。


 「ケーキハウス ミニヨン」(広島市東区光町1-6-16)


広島県内で販売されている洋菓子・焼き菓子の特徴

 「ミニヨン」と言えばシュークリームというイメージだったのですが,広島の代表的な洋菓子「レモンケーキ」・「ブランデーケーキ」・「バターケーキ」すべてが揃ったお店でもあることがわかりました。

 広島県内には,レモンケーキは尾道市瀬戸田・「しまなみ海道」を中心とした瀬戸内地域(県南部),ブランデーケーキは三次市・庄原市・府中市上下町など備後地域(県北部・東部),バターケーキは呉市や広島市など安芸地域(県西部)と,それぞれメインとなる地域がバランスよく存在しています。

 また,これらの洋菓子はすべて,カステラの製法をベースに生み出されていることも大きな特徴です。

 そのため,カステラをベースにした「もみじ饅頭」や,分厚い皮とずっしりとした重さが特徴の「ロールケーキ(ロールカステラ・イタリアンロール)※」もまた,広島ならではのお菓子となっているのです。
 ※江田島市・尾道市瀬戸田町など瀬戸内海地域(県南部)が中心となっています。

 こうした経緯から,広島県内の洋菓子店では,「レモンケーキとブランデーケーキ」,「レモンケーキとバターケーキ」,「レモンケーキとロールケーキ」,「バターケーキともみじ饅頭」といった複数の組合せで販売されているところも多く,お土産店やお土産コーナーには,当然のことながら,これらのお菓子がずらりと並んでいます。

 これに日本では広島が発祥となるバウムクーヘンを加えれば,広島の特徴的な洋菓子・焼き菓子はほぼカバーできていると言えるでしょう。

 こうしたお話を参考に,広島県内のお店や全国のアンテナショップ,銘品コーナーなどで広島ならではの美味しい洋菓子・焼き菓子が見つけていただけると幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 埼玉県在住のchibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

<関連記事>
 「レモンケーキとブランデーケーキ -レモンケーキが今も支持されている理由-

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食文化事例研究」カテゴリの記事

コメント

ブランデーケーキはだいぶ日持ちするので、まだ手付かずです。
かなり期待できそうで、食べるのが楽しみです。
ちなみに、このリボン付きの包装で送られてきました(^^)
できることならシュークリームもお取り寄せ食べてみたかったです。
特にレモンクリームシューが食べてみたいーーーー。
レモンケーキはわかるのですが、ブランデーケーキとバターケーキが
広島の代表的な洋菓子なのは何でなんでしょうね?

最初に一言^^
私が観に行ったのは六本木7丁目の国立新美術館のルノアール展で、ルノアール六本木店ではありません^o^
お目当てだった絵は貸し出し中だった様ですね^^
小田原にも江の浦レモンケーキというのがあるそうですが、食べた事ないので不戦敗で結構ですm(_ _)m
ブランデーケーキといえばヨコハマ〜♫
ありあけのハーバーの「ありあけロイヤルハーバーマロングラッセ」なんていうのもあります^_^
ブランデーと細かくしたマロンが入っています(^_^)
なんだかグルメ漫画のケーキ対決みたいなコメントになってしまいましたねm(_ _)m

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます(^^♪

chibiayaさんのブログ掲載を待ってから,私の記事を公開しようと思っていたのですが,
ブランデーケーキの掲載を待たずして私の方が先に公開する結果となりました。ごめんなさい(>_<)

ブランデーケーキは日持ちするので,落ち着いて食べられますね。
ブランデーシロップがよくしみて美味しかったので,またゆっくりとお楽しみください。
ミニヨンの包装,かわいいので開けるのがもったいなかったです(笑)

シュークリームは注文を受けてからシュー皮にカスタードクリームを詰めるぐらいですから,発送は難しそうです。
ただ,手作り最中のように,シュー皮とカスタードクリームを別々に包装し,食べる直前に自分でシュー皮にカスタードクリームを詰める方法なら,お取り寄せもできそうな気がします(^-^)

レモンクリームシュー,このレモンチョコレートこそレモンケーキにも合うのではないかと思いました。
レモンの酸味がよく効いているので,こちらも召し上がっていただきたい一品です。

広島県内の洋菓子は,カステラをアレンジしたものが多いですが,レモンケーキはレモン一大産地だから,ブランデーケーキやバターケーキはそれぞれ発祥のお店があり,そのお店のケーキが美味しくて日持ちもするということで,徐々に周辺の洋菓子店にまで広がっていったのだと思います。
いずれのケーキも全国にありますので,広島県内では作られるお店が多く,お土産にもなっているという話だとも思いますが…。

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます(^-^)

画家のルノアールか喫茶店ルノアールか…お返事の際少し迷ったのですが,私の勘違いでした。
いつも楽しいなーまんさんなので,変化球もあるかなとお返事したのですが,お気を悪くされたら申し訳ございませんでした<(_ _)>

湘南にもレモンケーキはたくさんありますよね。
小田原江の浦のレモンを使った江の浦レモンケーキ,これはいつか食べてみたいです!
なーまんさんのおかげで,小田原で食べたいものがたくさんできました(笑)

横浜ハーバーに「ありあけロイヤルハーバーマロングラッセ」なるブランデー入りケーキもあるのですね!
横浜ハーバーはちょっと気合い入れたお土産が欲しい時に買っています。
お酒は弱いのですが,こちらもぜひ味わってみたいです。

神奈川対広島のグルメケーキ対決(笑)
洋菓子やパンと言えば,横浜の方がスケールは大きいし歴史もありますが,個性派の味のあるケーキでは,広島も負けてませんよ。
またこんな感じでグルメ対決をお願いしたいです(^^ゞ

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