バウムクーヘン博覧会2022 -ユーハイムクランツ・THEO・バウムクーヘンBAR47・バウムフリット・ファイナルクーヘン総選挙・究極のバウムクーヘン-
バウムクーヘン博覧会と広島
バウムクーヘンで有名な「ユーハイム」の創業者,カール・ユーハイムは,日本軍の捕虜として現在の広島市南区似島の捕虜収容所に連行されたドイツ人で,彼の焼き上げたバウムクーヘンを広島県物産陳列館(現在の原爆ドーム)でお披露目したことにより,日本で初めてバウムクーヘンが知られることとなりました。
このお披露目をしたのが1919年3月4日のことで,これを記念して毎年3月4日は「バウムクーヘンの日」とされています。
そんなバウムクーヘンとゆかりのある広島で,今年も「バウムクーヘンの日」に近い2022年3月16日から22日にかけて「バウムクーヘン博覧会 2022」が開催されました。
(「バウムクーヘン博覧会 2022」ポスター)
広島そごうの特設会場には,全国47都道府県,約150ブランドのバウムクーヘンがずらりと勢ぞろいしました。
全国各地のバウムクーヘンの販売はもちろん,ユーハイム100周年イベント,AIバウムクーヘン職人「THEO(テオ)」が焼き上げる「AI焼き立てバウムクーヘン」,全国47都道府県・47種類の中から好きなバウムクーヘン5種を食べ比べることができる「バウムクーヘンBAR47」,バウムクーヘン博覧会限定バッグに6種類のバウムクーヘンが入った「バウムクーヘン詰め合わせセット」の販売,ご当地バウムクーヘン日本一を決める「ファイナルクーヘン総選挙」など,バウムクーヘンにちなんだ様々なイベントが用意されていました。
そうしたイベントのいくつかを御紹介したいと思います。
ユーハイムクランツ
株式会社ユーハイムが2022年3月7日に100周年を迎えられたことから,その記念イベントが行われていました。
その1つとして「できたてユーハイムクランツ」の実演・実食コーナーがあったので,参加しました。
ホールのスポンジケーキをクルクル回しながら白いバタークリームが塗られていく様子を見学した後,イートインコーナーでできたてのユーハイムクランツをいただきました。
(ユーハイムクランツ)
スポンジケーキにバタークリームを塗り,仕上げにアーモンド入りシュガーをまぶしたシンプルなケーキです。
ふわふわのケーキ,しっとりとして軽い口当たりのバタークリーム,シャリシャリ感が楽しめるアーモンドシュガーと,できたてならではの美味しさと食感が楽しめました。
AIバウムクーヘン職人「THEO(テオ)」
昨年に続き,今年もAIバウムクーヘン職人「THEO(テオ)」がバウムクーヘンを焼き上げていました。
THEOはユーハイムが開発したAI搭載のバウムクーヘン専用オーブンです。
(AIバウムクーヘン職人「THEO(テオ)」)
会場には2台のTHEOが設置され,順番にバウムクーヘンを焼き上げていました。
出来上がったバウムクーヘンは,「AI焼き立てバウムクーヘン」として数量限定で販売されました。
「THEO(テオ)」(株式会社ユーハイム)
全国のバウムクーヘン食べ比べ「バウムクーヘンBAR47」
全国47種類の中から食べたいバウムクーヘンを5種選んで食べ比べができる「バウムクーヘンBAR47」が今年も開催されました。
今回私が選んだバウムクーヘンは次の5種です。
(バウムクーヘン47(群馬・秋田・千葉・沖縄・富山))
写真右側の星のピックが刺してあるバウムクーヘンが群馬で,それから時計回りに秋田,千葉,沖縄,富山のバウムクーヘンとなります。
群馬県:「琴音や」の「味噌バウム」
秋田県:「お菓子のくらた」の「醤油ばうむ」
千葉県:「パティスリーメヌエット」の「檸檬のバームクーヘン」
沖縄県:「ふくぎや」の「ガジュマル」
富山県:「フェルヴェール」の「バウムクーヘン」
これまで味わったことのない都道府県のバウムクーヘンや,珍しい素材が使われたバウムクーヘンを中心に選びました。
群馬県桐生市「琴音や(ことねや)」の「味噌バウム」は,素材に味噌が使われている珍しいバウムクーヘンです。
味噌の深いコクと香ばしさが感じられるバウムクーヘンです。
秋田県湯沢市「お菓子のくらた」の「醤油ばうむ」は,醤油など秋田の食材にこだわって作られたバウムクーヘンです。
表面がシュガーで薄くコーティングされており,それがほのかに感じられる醤油風味のケーキと合わさって,みたらし団子のたれのような甘じょっぱさが楽しめました。
千葉県我孫子市「パティスリーメヌエット」の「檸檬のバームクーヘン」は,ケーキ生地と表面のフォンダン(砂糖がけ)に瀬戸内レモンが使われたバウムクーヘンです。
ケーキ生地にレモンが練り込まれ,フォンダンにもレモンの酸味が感じられるほどたっぷりのレモン果汁が使われた,レモン風味満点のバウムクーヘンです。
沖縄県那覇市「ふくぎや」の「ガジュマル」は,沖縄の黒糖が使われたハードタイプのバウムクーヘンです。
しっかりと焼き上げられた生地に,黒糖のやさしい甘さとコクがマッチしたバウムクーヘンです。
富山県高岡市「フェルヴェール」の「バウムクーヘン」は,ドイツの伝統的製法で作られたバウムクーヘンです。
1枚1枚の層がしっかり焼き上げられていて,生地にほどよい弾力としっとり感があります。
前回に続き,もう一度味わいたいと思い,選びました。
バウムフリット
ユーハイムのコーナーで,今回も出来立てのバウムフリットが販売されていました。
バウムクーヘン博覧会限定のお菓子です。
100gあたり300円(税込み324円)とお得で,とても美味しいので,今回も100g購入しました。
(バウムフリット(開封))
紙袋の中の様子です。
一口サイズのバウムクーヘンを揚げたクッキーのようなお菓子です。
(バウムフリット)
バウムクーヘンを油で揚げた商品だと思っていましたが,正しくはノンフライヤーで油を使わずに揚げたバウムクーヘンだとわかりました。
賞味期限が当日までとなっていましたが,これはサクサクのクッキーのような食感が楽しめる期間が短いことも関係しています。
(時間が経つと空気中の水分を吸収し,サクサク感が失われてきます。)
このお菓子,興味を持たれず素通りされる方も多いのですが,この博覧会限定で,バウムクーヘンを凝縮した美味しさがあり,独特の食感も楽しめ,なおかつコストパフォーマンスも良いので,おすすめです。
ファイナルクーヘン総選挙 2022春 神戸・広島選抜大会
バウムクーヘン博覧会会場内で「ファイナルクーヘン総選挙 2022春 神戸・広島選抜大会」が実施されていました。
(ファイナルクーヘン総選挙 2022春 神戸・広島選抜大会 ポスター)
2022年春の総選挙は,神戸阪急と広島そごうの2会場,そしてオンラインで実施されました。
有権者の1人として,投票所へ行きました。
(ファイナルクーヘン総選挙 ポスター掲示場)
文字の大きさ・フォント・色,ポスター掲示板のデザインなど,すべてがリアルです。
ファイナルクーヘン総選挙ということで,実施主体は「最終年輪選挙管理委員会」となっています(笑)
選挙管理委員会の方に,写真撮影可能かどうか確認した上で撮影しました。
(ファイナルクーヘン総選挙 ポスター掲示場(全体))
全国のバウムクーヘンのお店(70店舗)が立候補されているだけに,掲示されたポスターも半端ない数となっています(笑)
受付で投票用紙と鉛筆をお借りし,投票記載台で「エントリーナンバー」・「店舗名」・「候補バウム名」を投票用紙に記入しました。
(投票記載台)
投票記載台のセット,投票用紙の様式・大きさ,そして鉛筆を使うところまで本物の選挙とそっくりです。
記入した投票用紙を投票箱へ入れ,投票を終えました。
投票所を出る際,選挙管理委員会の方から総選挙のチラシとバウムクーヘンをいただきました。
(ファイナルクーヘン総選挙チラシと「THEO」のバウムクーヘン)
バウムクーヘンは「THEO」が焼き上げた試供品です。
(「THEO」のバウムクーヘン)
選挙に投票して清々しい気持ちになり,同時にお得感も味わえました。
究極のバウムクーヘン・アソート
会場内で,究極のバウムクーヘンが販売されていました。
抹茶・ごま・コーヒー・ラム酒の4種類が揃えられていました。
商品を眺めていて,ふと1つのバウムクーヘンに目が留まりました。
(究極のバウムクーヘン販売の様子(コーヒー))
コーヒーハンター・川島良彰さん監修のオリジナルブレンドコーヒーが使われたバウムクーヘンが紹介されていたのです。
川島良彰さんについては,漫画「僕はコーヒーが飲めない」で知り,東京のカフェ「ミカフェート」でコーヒーを味わったこともあります。
本当に良い材料が使われたバウムクーヘンばかりなのだろうと思い,コーヒーを含む4種類すべてのバウムクーヘンが詰め合わせになった「究極のバウムクーヘン・アソート」を購入しました。
(究極のバウムクーヘン・アソート(箱))
箱には「Happy Barthday Juchheim 100」と記載された金色のシールが貼られていました。
(究極のバウムクーヘン・アソート(中身))
バウムクーヘンが1切れずつ丁寧に包装されていました。
(究極のバウムクーヘン・アソート(抹茶・ごま・コーヒー・ラム酒))
写真左から,「抹茶」,「ごま」,「コーヒー」,「ラム酒」のバウムクーヘンです。
「抹茶」は,京都・宇治茶の老舗「丸久小山園」が特別に選んだ石臼挽き抹茶「又玄(ゆうげん)」が使用されたバウムクーヘンです。
抹茶の鮮やかな緑色とバウムクーヘンの層が美しく映えています。
ケーキ生地に抹茶が贅沢に練り込まれており,抹茶のとても良い香りがしました。
「ごま」は,大阪・天満の老舗ごまメーカー「和田萬」の金ごまが使用されたバウムクーヘンです。
金ごまのペーストとすりごまが,ケーキ生地とグラズーワ(砂糖衣)に贅沢に使用されています。
ごまの香ばしさとコクを存分に楽しめるバウムクーヘンです。
「コーヒー」は,川島良彰さんが監修されたオリジナルブレンドコーヒーを,このバウムクーヘンのために開発された「クラック・イブ・ロースト」製法(※)で作られたコーヒーバウムクーヘンです。
ケーキ生地にコーヒーが練り込まれていて,口の中いっぱいにコーヒーのアロマが広がります。
コーティングされているチョコレートにも粗挽きのコーヒー豆が入っており,コーヒーとチョコレートとバウムクーヘンが見事に調和していました。
※バウムクーヘンの焼成とコーヒー豆の焙煎を同時に行う製法
「ラム酒」は,高知県「菊水酒造」の国産ゴールドラムなどが使用されたバウムクーヘンです。
バウムクーヘンとの相性を考え,ケーキ生地には深いコクが味わえる「ジャマイカ産ダークラム」が,グラズーワには甘く豊かな香りの「国産ゴールドラム」とアクセントとなる「山椒」が使われています。
上品で爽やかな香りが楽しめるバウムクーヘンです。
どれも厳選された食材が使われており,まさに「究極のバウムクーヘン」と呼ぶにふさわしい逸品でした。
なお,ユーハイム神戸元町本店のカフェには,今回御紹介した「究極のバウムクーヘン食べ比べ」セットが御用意されているようです。
まとめ
今回のバウムクーヘン博覧会も盛りだくさんの内容で,バウムクーヘンの世界を楽しむことが出来ました。
カール・ユーハイムが広島の地でバウムクーヘンを紹介して以来,バウムクーヘンは日本全国に広まり,日本の洋菓子の1つとして長きにわたり親しまれています。
そのため,日本人にとってバウムクーヘンはとても身近なお菓子となり,時代とともに様々なバウムクーヘンが誕生しています。
伝統的な製法によるバウムクーヘン,地元の食材を取り入れたバウムクーヘン,フォトジェニックなバウムクーヘン,フルーツを使ったバウムクーヘン,高級食材を使ったバウムクーヘン,AIバウムクーヘン職人が焼いたバウムクーヘンなど,日本のバウムクーヘンの世界はどんどん広がっています。
お気に入りのバウムクーヘンとともに,素敵なティータイム・コーヒータイムをお過ごしください。
<関連サイト>
「バウムクーヘン博覧会」(バウムクーヘン博覧会実行委員会)
「ユーハイム」(「神戸元町本店」神戸市中央区元町通1-4-13ほか)
「丸久小山園」(「西洞院店」京都市中京区西洞院通御池下ル西側)
「和田萬」(大阪市北区菅原町9-5)
「ミカフェート」(東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 13Fほか)
「菊水酒造」(高知県安芸市本町4-6-25)
<関連記事>
「ドイツ・ウィーン菓子の特徴と主な菓子 -シュトロイゼルクーヘン・レープクーヘン・バウムクーヘン-」
「「バウムクーヘン博覧会 2017」 -広島からはじまる日本のバウムクーヘンの歴史-」
「日本のバウムクーヘン100周年イベント -2019広島みなとフェスタ・バウムクーヘン博覧会 2019-」
「バウムクーヘン博覧会 2021 -AI焼き立てバウムクーヘン・全国バウムクーヘン食べ比べ・バウムフリット・切り売りバウムクーヘン・詰め合わせセット-」
「バウムクーヘン博覧会 2021 -ファットリア・ダ・コジモのガトーピレネー-」
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確か第九もそうだったと思いますが、ドイツ人捕虜は結構文化を伝えてくれていますね^^
味噌味醤油味のバウムクーヘン、興味をそそりますがさすがに魚醤味はないでしょうね^o^
黒糖の黒蜜が大好きなので、沖縄のバウムクーヘンが一番合いそうな気がします(^_^)
究極のバウムクーヘンも高級感があって、贈答品として貰った人は嬉しいでしょうね(^ ^)
投稿: なーまん | 2022年4月 3日 (日) 18時41分
パティスリーメヌエット、登場!
気になっているんですが、こんなに大きいの要らないんだよなーと…
味噌バウムが気になり、検索したら「上州焼きまんじゅうバウム」なんて
もっと気になるものを発見してしまいました(^^;)
投稿: chibiaya | 2022年4月 3日 (日) 21時36分
なーまん 様
なーまんさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
そうですね!第九も徳島・鳴門の収容所に連行されたドイツ人捕虜によって日本に伝えられた文化ですね。
https://www.awanavi.jp/site/midokoro/daiku.html (徳島県観光情報サイト)
徳島の第九も広島のバウムクーヘンも,今なおその文化が伝承され続けているところがスゴイです。
魚醤味のバウムクーヘンはちょっと…(笑)。
鵠沼の魚醤ですか?とても面白いことを考えられますね。
これこそ,究極のバウムクーヘン!!
沖縄の黒糖のバウムクーヘン,コクと香りがあって,美味しかったですよ。
しっかり焼かれたハードタイプと相性が良いように思いました。
究極のバウムクーヘン,どれも高級食材が使われているので,確かに贈答にも最適ですね。
少量でもとても幸せな気持ちになりました(^^♪
投稿: コウジ菌 | 2022年4月 3日 (日) 22時02分
chibiaya 様
chibiayaさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
おおっ,やはりパティスリーメヌエットに注目いただけましたか!
このお店,レモンのバウムクーヘンで有名だし,chibiayaさんの御自宅からも近そうだし,興味を持っていただけるだろうなと思っていました。
念のため,レモンケーキも売ってないか調べましたが,見あたりませんでした…。
特にフォンダン(砂糖がけ)のレモン風味が強く,バウムクーヘンの形をしたレモンケーキのようでした。
全国にある「味噌まんじゅう」もそうですが,味噌が使われたお菓子って,意外とありますよね。
ただ「上州焼きまんじゅうバウム」は,今初めて知りました(笑)
私もとても興味を持ちました。バウムクーヘン博覧会に出展してもらえないかな~(^-^)
群馬と言えば,「ロリコンまんじゅう」の話を思い出しました(笑)
投稿: コウジ菌 | 2022年4月 3日 (日) 22時25分