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2022年6月

2022年6月26日 (日)

ビッグ錠先生の世界6 -湘南台応援イベント「ミッドナイト・ジョー」・スコッチウイスキー「ビッグ錠ラベル」-

湘南台応援イベント「ミッドナイト・ジョー」

 私がいつもお世話になっている神奈川県藤沢市湘南台のバー「ArsNova(アルスノーバ)」。

 このお店のマスターから,アルスノーバとビッグ錠先生がコラボした湘南台応援イベント「ミッドナイト・ジョー」が開催されることを教えていただき,約半年ぶりにアルスノーバを訪問しました。

 お店へそろそろ行きたいと思っていたところだったので,今回のイベントはちょうど良い機会となりました。

(アルスノーバ(「ミッドナイト・ジョー」イベント))
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 朝,新幹線で広島を出発し,午後にお店に着くと,すでに店内はお客さんでいっぱいでした。

 ビッグ錠先生もいらっしゃいました。

 お土産にもみじ饅頭(30個入)を持参しましたが,あっという間になくなりました(笑)

 人の多さに少々戸惑いつつ,イベントに参加しました。


「ミッドナイト・ジョー」について

 「ミッドナイト・ジョー」は,ビッグ錠先生の愛称です。

 ビッグ錠先生は「ArsNova(アルスノーバ)」(※)を親しみを込めて「ある巣の場」と呼ばれています。
 ※本来は「新しいアート」という意味だそうです。

 ビッグ錠先生は深夜,仕事に疲れてホッと一息つきたくなった時,気がつくとこの「巣」のカウンターでグラスを傾けておられるそうです。

 そのお姿から,いつの間にかお店で「ミッドナイト・ジョー」と呼ばれるようになったのだとか。

 そのミッドナイト・ジョーさんとマスター,そして常連さんで「巣」(出会いの場)にふさわしい物(ブツ)を…と企画されたのが,今回のイベント「ミッドナイト・ジョー」です。


ウイスキーボトル「ミッドナイト・ジョー」

 今回のイベントでは,「ミッドナイト・ジョー」オリジナルラベルのスコッチウイスキーのほか,オリジナルのTシャツ,フーディー(パーカー),ステッカーが販売されました。

(ミッドナイト・ジョー ビッグ錠ラベル販売案内)
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 「ミッドナイト・ジョー ビッグ錠ラベル」は,スコットランドのスペイサイド(スペイ川流域)・オルトモア蒸留所で11年熟成されたシングルモルトウイスキーです。

 カウンターで試飲させていただきました。

(ミッドナイト・ジョー ビッグ錠ラベル)
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 花のような良い香りがして,体にしみわたりました。

 お酒は弱いのですが,広島で忙しい日々を送っている間,この一杯のひとときをどれだけ待ち望んでいたことか…。

 このウイスキーを購入すると,瓶にビッグ錠先生直筆のサインを書いてもらえます。

(ミッドナイト・ジョー ビッグ錠ラベル(瓶))
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 その順番が来るまで,カウンターでゆっくりとお酒を飲んだり,常連の方と楽しく会話しながら過ごしました。

 やがて私の番となり,購入したお酒の瓶にビッグ錠先生の絵を描いていただいた後,ボトルネームのタグに私の似顔絵を描いていただきました。

 こちらがビッグ錠先生のサインと私の似顔絵です。

(ビッグ錠先生のサイン・似顔絵)
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 似顔絵を描いていただいている間,ビッグ錠先生から「もっと笑顔でリラックスして」と言われましたが,ほかのお客さんも大勢いらっしゃる中で笑顔を保つことは大変でした。

 お酒のほかに,オリジナルTシャツも購入しました。

(ミッドナイト・ジョー オリジナルTシャツ(表))
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 バーでお酒を楽しむ紳士が描かれています。

 アルスノーバでこんな姿の紳士をお見かけしたことはありませんが(笑)

(ミッドナイト・ジョー オリジナルTシャツ(裏))
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 Tシャツの背中部分は「ミッドナイト・ジョー」のイラストです。

 良い記念品になりました。


「ミッドナイト・ジョー」がマンガに登場

 カウンターにさりげなく1冊の本が置かれていました。

(「俺流!絶品めし Vol.28」)
Vol28

 いろんなグルメ漫画が掲載された本ですが,その中にビッグ錠先生が連載されている「快盗くいしん坊」が掲載されており,「ミッドナイト・ジョー ビッグ錠ラベル」も紹介されていました。

(ミッドナイト・ジョー(快盗くいしん坊))
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「俺流!絶品めし Vol.28」ぶんか社 p177の一部を引用・加工

 今回のイベント・お酒を知る人だけが理解できる1コマです(笑)

 タイをいっぱい釣り上げたジイさんが,船長へお土産として「ミッドナイト・ジョー」を贈り,それを船上で船長と船員が味わうというストーリーです。

(ミッドナイト・ジョーに乾杯(快盗くいしん坊))
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「俺流!絶品めし Vol.28」ぶんか社 p177の一部を引用・加工

 「ミッドナイト・ジョー」の味やフレーバーについても紹介されています。

(ミッドナイト・ジョーの味・フレーバー(快盗くいしん坊))
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「俺流!絶品めし Vol.28」ぶんか社 p177の一部を引用・加工

 「ほんのりと漂ってくる草原の花の香りとハチミツの甘さ…」
 「そしてかすかにささやく潮風の香り…」

 さすがビッグ錠先生,絶妙な表現です。

 その後は,「ミッドナイト・ジョー」を江ノ島のイカで作ったイカの塩辛とともに味わい,洋上で月見を楽しむという展開ですが,このマンガもツッコミどころ満載で楽しませていただきました。


ビッグ錠先生やアルスノーバの皆さんとの食事・会話

 イベント終了後,近所の焼肉店で食事をしながら,ビッグ錠先生やアルスノーバの皆さんとお話する機会をいただきました。

(焼肉)
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 神奈川の焼肉店なのに,大阪・鶴橋の焼肉の話で盛り上がりました(笑)

 あと,大阪のお好み焼と広島のお好み焼の話にも熱が入りました。

 私が「広島の人間に『広島風お好み焼』と言うのは機嫌を損ねるからやめた方がいい」と力説したところ,皆さんからは「広島のお好み焼は『モダン焼き』で一般的なお好み焼ではない」という回答がありました。

 それはそれとして,今回ビッグ錠先生とのお話の中で強く印象に残ったのが,ビッグ錠先生の「時間は決められているのではなく,人間が決めるもの」というお話です。

 忙しい時や楽しい時はすぐに時間が経ち,逆に退屈な時はとても長く感じるものですが,結局,人の時間の感じ方は主観的なものなんだろうなと思いました。

 あっという間に時間が経ち,お疲れのビッグ錠先生はヘロヘロになって帰宅されました。


まとめ

 再びお店に戻り,イベントの余韻に浸りながら,しばらくバーで過ごしました。

(コンパスボックスのウイスキー)
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 私は限界を探りながらちょっとずつウイスキーをいただきました。

 チョコレートと一緒にいただくと,とても相性が良かったです。

 江ノ島のイカの塩辛もあればなぁ(笑)

 カウンターに,ビッグ錠先生が今回のイベントで寄せられたメッセージとイラストがありました。

(ビッグ錠先生のイラスト)
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 今回のイベントを企画された経緯や思いが書き綴られており,最後にこのイラストがありました。

 「ボン・ボヤージ 良き航海を…」
 「この町をチョッとだけ面白くしよう会 会長・ビッグ錠」

 確かに私もすっかりこの町(湘南台)と人のファンになりました。

 またチョッと疲れた時,息抜きしたい時,皆さんにお会いしたくなった時,湘南台の「巣」へ戻りたいと思います。


 ArsNovaの皆さん,今回も大変お世話になりました。

 またお会いできる日を楽しみにしております!


 「この町をチョッとだけ盛り上げよう会」会員より


<関連記事>
 「ビッグ錠先生の世界1 -石巻カレー全集「食堂パレスの黄色いレトロカレー」とArs Novaの特製ハヤシライス-
 「ビッグ錠先生の世界2 -ビッグ錠先生からのビッグなプレゼント-
 「ビッグ錠先生の世界3 -ビッグ錠先生との出会いと私の似顔絵-
 「ビッグ錠先生の世界4 -ArsNovaのおでん・特製オムライス・コーヒー-
 「ビッグ錠先生の世界5 -スイートベルモット・ブランデーバック・ArsNova特製コーヒー・デンマークチーズケーキ-

<参考文献>
 ビッグ錠「快盗くいしん坊・第27話」(「俺流!絶品めし Vol.28」ぶんか社)

2022年6月19日 (日)

ひろしま国際プラザ「難民の故郷の味フェア」 -チキンのレモン煮・麻婆豆腐・アメリカンドッグ・ブロッコリーライス・チルカーノ・アスウィットサラダ・ケニア紅茶-

6月20日は世界難民の日

 毎年6月20日は「世界難民の日」(World Refugee Day)です。

 難民の保護と支援に対する世界的な関心を高めることを目的に,2000年12月4日の国連総会で決議されました。

 日本でも,全国各地で「世界難民の日」にちなんだイベントが行われています。

 今回は,そのイベントの1つ,「ひろしま国際プラザ」で開催された「難民の故郷の味フェア」について御紹介したいと思います。


ひろしま国際プラザ(HIP)

 広島県東広島市鏡山には,試験・研究機関が集積する「広島中央サイエンスパーク」があります。

(広島中央サイエンスパーク)
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 そしてこの「広島中央サイエンスパーク」内に「ひろしま国際プラザ」があります。

(ひろしま国際プラザ)
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 「ひろしま国際プラザ」(HIP:Hiroshima International Plaza)は,「広島県立広島国際協力センター(HICC:Hiroshima International Cooperation Center)」と「国際協力機構(JICA)中国センター」が一体化した複合施設です。

(レストラン「ラコルト」と宿泊棟)
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 手前の丸い建物がレストラン「ラコルト」,奥が海外からの研修員などが宿泊・滞在する宿泊棟です。

 私はJICA中国やHICCの職員の方とインドネシアへ出張したり,このHIPで中国・四国地方各県の海外研修員の皆さんと交流事業を企画・実施したことがあるので,HIPにはとても親しみがあります。

 懐かしさで胸が一杯になりつつ,ひろしま国際プラザに入館し,「難民の故郷の味フェア」が開催されている施設内のレストラン「ラコルト」を目指しました。


「難民の故郷の味フェア」

 「難民の故郷の味フェア」は,「世界難民の日」にちなみ,2022年6月14日から27日までの期間限定で開催されているイベントです。

(難民の故郷の味フェア)
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 「食」を通じて難民問題を知ることを目的に,難民を多く輩出している国の料理(ウクライナ風ボルシチ,ワッタッカー(スリランカ風かぼちゃのカレー),アダスィー(イランのレンズ豆スープ),いんげん豆と野菜の炒めもの(エチオピア),チキンカラヒ(パキスタン風チキンカレー)など)が提供されるイベントです。

(レストラン「ラコルト」)
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 レストラン「ラコルト」の入口です。

 ランチは定額制(750円)でバイキング形式となっています。

 レストラン利用者向けに使い捨てのビニール手袋が用意されるなど,衛生管理を徹底されていました。

 レストラン内に世界のスパイスの紹介コーナーがありました。

(世界のスパイス紹介コーナー)
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 世界の様々な国から広島を訪問・滞在されている研修員・留学生向けの食事に,こうしたスパイスを活用した料理が作られています。

 セルフサービスで料理を皿に盛り,席に着くと,テーブルに難民の紹介文がありました。

(難民の紹介文(コマネチ))
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 難民として,ルーマニアの体操選手・コマネチさん,インテルのCEO・アンドルー・グローヴさん,科学者・アインシュタインさんなどが紹介されていました。

 レストランが,世界の食や難民問題を学ぶ場にもなっていました。

 それではランチで味わった料理を御紹介します。

(2022年6月18日のランチ)
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 私が訪問した2022年6月18日のランチです。

 世界各国の料理が日替わりで提供され,それにご飯・野菜カレー・フレッシュサラダ・ドリンク(コーヒー・紅茶・ウーロン茶・お茶)・デザート(今回はぶどうゼリー)が付きます。

 続いて,それぞれの料理を御紹介します。

(チキンのレモン煮・麻婆豆腐・アメリカンドッグ・ブロッコリーライス)
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 写真左上から時計回りに,チキンのレモン煮,麻婆豆腐,アメリカンドッグ,ブロッコリーライスです。

【チキンのレモン煮】
 「チキンのレモン煮」はモロッコの料理です。
 一口サイズに切った鶏肉をレモンと一緒に煮込んだものです。
 レモンで煮込むことで,皮付きの鶏肉がさっぱり・スッキリとした仕上がりになっていました。
 カレーに欠かせないターメリックやクミンも使われており,さわやかなチキンカレーのような料理でした。

【麻婆豆腐】
 中国料理として,麻婆豆腐が提供されていました。
 マイルドな辛さで,豆腐と挽き肉がたっぷりの麻婆豆腐でした。

【アメリカンドッグ】
 アメリカ料理として,ミニアメリカンドッグが提供されていました。
 ソーセージ入りの揚げパンに似ている,日本でもお馴染みの定番スナックです。
 久しぶりに食べ,その味を楽しみました。

【ブロッコリーライス】
 「ブロッコリーライス」はブラジルの料理です。
 米とブロッコリーを炊いた(または炒めた)料理です。
 きちんと長粒米(インディカ米・ジャスミンライス)が使われていました。
 細かくやわらかくなったブロッコリーとご飯の相性が良く,主食としてもおかずとしても味わえる一品でした。

【チルカーノ】
 「チルカーノ」はペルーのスープです。

(チルカーノ)
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 スープの具として,タラやカボチャが入っていました。
 タラのうま味を生かしたシンプルな味のスープでした。
 なお,ペルーにはこのチルカーノにちなんだ同名のカクテルもあり,こちらも人気があるようです。

【アスウィットサラダ】
 「アスウィットサラダ」はスーダンの料理です。
 「難民の故郷の味フェア」で,難民を多く輩出している国の料理として提供された料理です。

(アスウィットサラダ)
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 焼いたナスをペースト状にのばした料理です。
 焼きナスの香ばしさとともに,さわやかな酸味を感じました。
 これはサワークリームかヨーグルトによる酸味だと思います。

(アスウィットサラダとレタス)
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 美味しかったので,レタスとともにおかわりをしました。

【野菜カレーとご飯】
 レギュラーメニューの野菜カレーとご飯もいただきました。

(野菜カレー・ご飯)
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 肉は入っていませんでしたが,これは誰でも食べられるように配慮されているからだと思います。

【ケニア紅茶】
 ドリンクコーナーにケニア紅茶のティーバッグがあったので,お湯を注いでケニア紅茶をいただきました。

(ケニア紅茶)
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 ケニアは紅茶の生産国として有名で,茶葉を細かく砕いたCTC製法の紅茶が広く流通しています。

 食後に紅茶をいただきながら,このレストランをイベント会場にして,中四国各県に派遣された海外研修員・留学生と一緒に食事したり,けん玉(広島県廿日市市が発祥)で遊んだことを思い出しました。

 訪問した日も多くの研修員・留学生が食事しておられ,国際色豊かな環境での食事となりました。

 食事を済ませてレストランを後にする際,「MEAL for Refugees(ミールフォーリフュージーズ:難民への食事)」の一環として募金箱が設置されていたので,わずかながら募金させていただきました。


ひろしま国際プラザ館内見学

 ひろしま国際プラザ館内を見学しました。

 「世界難民の日」にちなんで,世界の難民の状況を紹介するコーナーがありました。

(世界の難民の状況)
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 世界の避難民は1億人以上おられること,ロシアによるウクライナ侵攻で難民が急激に増加したこと,日本の難民認定率は1%未満と極めて少ないことなどを学びました。

 ロビーには外国人向けの様々なガイドブックがあったのですが,その中にベジタリアン向け・ムスリム向けのガイドブックがありました。

(ベジタリアン向け・ムスリム向けガイドブック(広島版))
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 ベジタリアンやムスリムの人が安心して利用できる広島の食事店などが紹介されているガイドブックです。

 そして玄関には,世界の方向看板がありました。

(世界の方向看板)
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 看板がありすぎて,とても複雑になっています(笑)

 世界のファッションや楽器が展示されているコーナーもありました。

(世界のファッション展・ペルーの衣装)
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 カラフルなペルーの衣装です。


 新型コロナウイルス感染症の影響で海外旅行が難しい状況となっていますが,お近くの国際交流・国際協力施設を活用すれば,世界の国々と交流し,国際協力活動ができるチャンスはいくらでもありますよ!

<関連サイト>
 「ひろしま国際プラザ(HIP)」(広島県東広島市鏡山3-3-1 広島中央サイエンスパーク内)
 「国際協力機構(JICA)中国センター」(広島県東広島市鏡山3-3-1)
 「難民支援協会(JAR)」(東京都千代田区西神田2-5-2 TASビル4階)
 「世界難民の日」(UNHCR(国連難民高等弁務官事務所))
 「ヨコハマぶらぶら40 みなとみらいのXmas?レレレノンかサルトルか〜♫
 (「なーまんのEye-Level」・JICA横浜「ポートテラスカフェ」)

<関連記事>
 「アルバニア料理の特徴と主な料理 -ペシュク・ネ・フーレ,トゥルリ・ペリメシュ,ミシュ・メ・ラク,ラバーニ-
 (JICA関西「JICA関西食堂」)
 「ケニア料理の特徴と主な料理3 -アフリカフレンドシップウィークのビリヤニ(後編)-
 (ケニア紅茶)

2022年6月12日 (日)

長崎県西海市・大島造船所の大島トマト「ルビーのしずく」

大島造船所のトマト

 私の職場は船を所有しており,専属の船長さんもおられます。

 その船長さんから,大島造船所のトマトの話を伺いました。

 大島造船所は,長崎県西海市大島町にある「ばら積み貨物船(バルクキャリア)」の製造をメインとする会社です。

 その造船所の事業でトマトを栽培されているとのお話でした。

 しかも,そのトマトは最小限の水と肥料だけ与えられ,潮風に当たって育てられるので,糖度が高く,とても美味しいとのことでした。

 船長さんは大島トマトの美味しさをよく御存知で,それだけに広島ではなかなか入手できないことを残念がっておられました。

 私は「長崎・造船所・トマト」とキーワードを記憶し,いつか現地へ行くか,通信販売でそのトマトを味わってみたいと思うようになりました。


大島造船所のトマト栽培

 大島造船所のトマト栽培について,少しまとめておきたいと思います。

 トマトの原産地は,南米・アンデス山脈の高原です。

 その原産地の環境(乾燥した荒れ地)と同じように,水分や肥料をぎりぎりまで抑えてトマトを栽培すると,トマトは体中に産毛を生やして空気中からも水分を吸収し,自ら糖分を蓄えるようになります。

 この栽培方法は「スパルタ農法」とか「いじめ農法」などと呼ばれ,甘みやうま味が凝縮されたトマトが出来上がります。

 大島造船所では「ファースト」という大玉品種のトマトを扱っておられます。

 この「ファースト」を「スパルタ農法」で育てることで,果肉が引き締まった,糖度の高いトマトを提供しておられるのです。

 つまり大島造船所のトマトは,度重なる「いじめ」を経験することで徹底的に鍛え上げられ,甘みとうま味が最強になったトマトだと言えるでしょう。

 大島造船所のトマトにかけておられる情熱・思いは大きく,同社の旗・シンボルマークにも錨と並んでトマトが描かれています。

 当初は雇用創出の一環として着手されたトマト栽培ですが,今では知る人ぞ知る高級ブランドトマトとして,全国から高い評価を得ています。


大島トマト「特選 ルビーのしずく」のお取り寄せ

 大島造船所のトマトは,販売時期が限られ,なおかつ人気商品なので,注意しておかないと通信販売でもなかなか入手することができません。

 船長さんの話も忘れかけていた2022年4月下旬,ふと気になって大島造船所のオンラインショップを訪問したところ,偶然にも大島トマト「特選 ルビーのしずく(糖度9度以上)」が販売中となっていました。

 高級ブランドトマトだけに少し高価(1箱3900円(税込)+送料)なのですが,「このチャンスを逃せば今度はいつになるかわからない」と思い,勇気を出して注文しました。

 注文して約1週間後,大島造船所から大島トマトが届けられました。

(大島トマト「ルビーのしずく」(箱))
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 届いた時の感動はひとしおで,「やっぱり購入して良かった」と思いました。

 想像していたよりコンパクトな箱でした。

 それでは箱を開けてみましょう。

(大島トマト「ルビーのしずく」(開梱))
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 箱の中には,3×4で計12個のトマトがきれいに並べられていました。

 想像していたよりたくさん入っていました。


大島トマト「ルビーのしずく」のサイズ・形・色

 大島トマト「ルビーのしずく」を観察し,その特徴をまとめてみたいと思います。

(大島トマト「ルビーのしずく」(ヘタ側))
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 大島トマトは一般的なトマトと比べて,小さめでくびれがはっきりしている(でこぼこしている)のが特徴です。

 普通に育てるとソフトボールぐらいの大きさになるそうなので,これはまさに「スパルタ農法」の結果です。
(「スパルタ農法」を想像すると,トマトのボディーが少し痛々しく見えてしまいました…(笑))

(大島トマト「ルビーのしずく」(おしり側))
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 トマトの表面に赤色と橙色の縞が入っており,特別感があります。

(大島トマト「ルビーのしずく」(先端部))
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 大島トマトの先端部に注目してみると,細かな産毛がまんべんなく映えている様子が伺えました。

 この産毛から空気中の水分を摂取して必死に育ってきたのでしょう。

 大島トマトを包丁で切って,中を確かめてみました。

(大島トマト「ルビーのしずく」(カット))
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 かわいいハート形の断面になりました。


大島トマトの味・食感

 大島トマトの箱に説明書きが同梱されていました。

 その説明書きには,
 「大島トマトは冷蔵庫にいれないで2~3日常温に置いてください」
 「食べる1時間位前に冷蔵庫で冷やしてお召し上がりになると,より一層美味しくいただけます」
と記載されていました。

 この方法で,大島トマトをいただきました。

 皮はかたくてしっかりとしており,中の果肉はとても甘くジューシーでした。

 皮がかたいのは,甘みとうま味が凝縮されている証拠でもあります。

 野菜というより,フルーツと呼んだ方が良いくらい,甘くて美味しいトマトでした。

 数量があったので,1週間程度置いた(4日後ぐらいからはやむなく冷蔵庫に入れて保存しましたが…)大島トマトもいただきました。

 すると皮が少しやわらかくなり,実が熟して真っ赤になっていました。

(大島トマト「ルビーのしずく」(スライス))
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 スライスしたトマトをいただいてみると…届いてまもなくいただいたトマトと比べ,甘さがさらに増していました。

 こうなると,もはやスイーツのレベルでした。

 大島トマト「ルビーのしずく」。
 
 甘味とうま味が凝縮された,とても美味しいトマトでした。


まとめ

 大島トマト「ルビーのしずく」を職場へ持って行き,情報を提供していただいた船長さんにおすそ分けしました。

 私がまだ袋詰めした大島トマトを手に持っている時から,「あっ,大島造船所のトマト?」と気付いてくださいました。

 私:「そうです。大島トマトがやっと入手できました!」
 船長:「(興奮気味に)日本で一番手に入らないトマトだよー」
 私:「わずかですが,どうぞ」
 船長:「高いのに…長崎へ行けば少しは安く買えるだろうけど…」
 私:「貴重な情報をいただいたお礼です。お受け取りください」
 船長:「ありがとう」

 おすそ分けできた私も嬉しく思いながら,桟橋を後にしました。

 今回御紹介した造船所とトマトのお話もそうですが,人と人とのつながりの中で,思いがけない情報を入手できることがあります。

 「お金を出せば何でも情報が入手できる」わけではないと思います。

 私はそうした意味でも人付き合いを大切にしたいと思っています。

 そして,当ブログ記事を読んでいただいた皆様の中に,「これはいい情報だ」と思ってくださる方がおられたら,筆者としてこんなに嬉しいことはありません。


<関連サイト>
 「大島とまと農園」(長崎県西海市大島町1131-1)
 「大島造船所」(長崎県西海市大島町1605-1)
 「ぎゅぎゅっと!西海・大島トマト」(長崎県西海市)

2022年6月 5日 (日)

ルバーブの特徴を知る(2) -ルバーブジャム・ルバーブパイ・ルバーブとゆずのデニッシュ-

広島県廿日市市吉和のルバーブ

 広島県廿日市市吉和は,広島県北西部,隣は山口県と島根県に位置する地域です。

 標高が高い豪雪地帯にあって,その気候を生かして栽培されているのがルバーブです。

 私はその吉和のルバーブでルバーブパイを作り,美味しくいただいたことがあります。

 ゴールデンウイークに吉和を訪問した際,ちょうどルバーブの収穫時期だったようで,お店の産直コーナーにルバーブが販売されていました。

(「魅惑の里」特産館)
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 吉和にある総合レジャー施設「魅惑の里」の物販施設「特産館」です。

 お店に近づいてみると…

(ルバーブの販売案内)
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 段ボールに手書きで「ルバーブ入荷中」と書かれた看板がありました。

 「あった!またルバーブパイが味わえる」と喜びながらお店に入りました。

 店内ではルバーブの茎だけにカットされたものが販売されていました。

(ルバーブ(茎))
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 どっさりルバーブが入手できたところで,ルバーブジャム・ルバーブパイ作りに挑戦です。


ルバーブジャムを作る

 最初にルバーブジャムを作りました。

(ルバーブの皮)
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 前回購入したルバーブは皮が緑色だったのですが,今回は赤色でした。

 これなら赤色のルバーブジャムができるだろうと,皮をむかずにそのまま,包丁で茎を2~3cmの大きさに切りました。

(ルバーブの茎を2~3cmに切った様子)
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 細かく切ったルバーブをボウルに入れて砂糖を加えました。

(ルバーブに砂糖を加えた様子)
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 この状態で1~2時間置いておくと,ルバーブから水分が出てきて,甘さが浸透します。

 片手鍋に移し変え,砂糖をさらに加えた上で,ルバーブを煮ました。

(ルバーブを鍋で煮る様子)
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 ルバーブの茎は,生だと繊維の筋があるのですが,煮ると面白いほどクタクタに溶けます。

(ルバーブジャムの完成)
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 水分がなくなるまで煮詰めて,ルバーブジャムの完成です。

(ルバーブジャム)
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 予想どおり赤色のジャムになりました。


ルバーブパイを作る

 続いてルバーブパイを作ります。

 市販の冷凍パイシートの生地を麺棒で少し伸ばし,ルバーブジャムをのせました。

 もう1枚のパイシートで,フォトフレームのように四角く切ったものと,細い短冊形に切ったものを用意しておきました。

 ルバーブジャムをのせたパイシートの上に四角い枠の生地で縁どりをし,細い短冊形の生地を交互に置きました。

 縁どりの部分はジャムがはみ出ないようフォークでしっかりと押さえ,生地の表面には焼き色をつけるための卵黄液(卵黄を少量の水で溶いたもの)を塗っておきます。

(パイ生地とルバーブジャム(焼く前))
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 この状態で180℃に熱したオーブンに入れ,15分から20分焼きます。

 ほどよく焼き色がつけば,ルバーブパイの焼き上がりです。

(ルバーブパイの焼き上がり)
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 大きなルバーブパイが2枚できました。

(ルバーブパイ)
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 赤いルバーブパイです。

 ルバーブパイが美味しい理由は,ルバーブジャムの酸味とパイのバター風味がとても良く合うからです。

 酸味のあるリンゴを使うと美味しくなるアップルパイと同じ理由です。

 今回のルバーブパイもその味を期待して食べました。

 が,ルバーブジャムの砂糖の量が足りなかったので,ルバーブの酸味が目立つルバーブパイとなってしまいました…。

 たくさんできたので,一口サイズに切り分けて職場へ持って行き,みんなにおすそ分けしようと考えていたのですが,納得のいく味にならなかったので,私がすべて食べました。
 (控えめな甘さを好む私には許容範囲だったのですが…。)


ルバーブとゆずのデニッシュ

 広島に本社がある「アンデルセン」の創業者・高木俊介氏は,デンマークでデニッシュの製法を学び,日本で最初にデニッシュを紹介された方です。

 デニッシュは「アンデルセン」の看板商品の1つですが,その「アンデルセン」でルバーブのデニッシュが販売されていました。

 ルバーブのデニッシュは,「アンデルセン」の「デンマークフェア」(2022年6月1日~30日)にちなんだ期間限定商品です。

 「アンデルセン」デンマーク店のペストリーシェフ・ニクラスさんが,デンマークの食材を使ったデニッシュとして開発されました。

 「アンデルセン」の店頭でデンマークフェアの映像を拝見したのですが,ニクラスさんが,ルバーブはデンマークでおなじみの「野菜」だと紹介されていました。

 ルバーブは一般的に甘くして食べますが,分類は「野菜」なのだと改めて認識しました。

 ルバーブとゆずの組合せは,デンマークの食材(ルバーブ)に和のテイスト(ゆず)を加えた一品となっています。

(ニクラスさんのルバーブとゆずのデニッシュ)
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 デニッシュの中心部にカスタードクリームと赤いルバーブが盛られています。

 いただきました。

 ざく切りのルバーブは,甘いシロップが浸透して,形が崩れそうなほど柔らかく仕上げられていました。

 ゆずとカルダモンの風味も効いていました。

 バター風味豊かなデニッシュ生地と甘酸っぱいルバーブの組合せは抜群です。


ルバーブとシュウ酸

 ルバーブを食べる際,注意しておくことがあります。

 ルバーブにはシュウ酸が含まれていることです。

 葉に多く,茎には少ないようですが,茎を食べるときも煮てアクをとるなど,なるべくシュウ酸を除いた状態で食べた方がよいでしょう。

 私は今回作ったルバーブパイやルバーブジャムを食べて,そのことを身をもって経験しました。

 みんなにおすそ分けしないならと,毎日のようにルバーブパイやルバーブジャムを食べました。

 すると約1週間後の朝,急に下腹に激痛が走り,気分が悪くなって,立ち上がることさえできなくなりました。

 救急車を呼ぼうかと思ったほどの痛みです。

 しばらくして落ち着きましたが,その後数日にわたって何度かその重く激しい痛みを経験しました。

 病院へ行こうにも,どの診療科へ行けばいいのかわからず,困りました。

 過去に尿路結石ができたことがあり,その時も同じような症状でとても苦しんだので,もしかしたら今回もそうかなと思いつつ,過ごしていました。

 そんな時,たまたまルバーブのことをインターネットで調べていたら,ルバーブにはシュウ酸が多く含まれていることを知りました。

 それを知った瞬間,私は「あっ,これが原因か。自業自得なのか」と思わず笑ってしまいました。

 ルバーブを煮る際にきちんとアクをとらなかったことと,ルバーブを食べ続けたことがよくなかったのでしょう。

 これで尿路結石であることが確定したので,あとはこの結石が尿と一緒に出るのを待つだけです。

 気持ちが楽になったからか,その後しばらくして痛みは消え,結石も尿で流れ出たようです。

 ルバーブを食べると尿路結石になるというお話ではなく,結石を作りやすい人は,アクを取るとか,摂取量・摂取回数を少なくするなどの対応が必要になるというお話です。

 私は結石を作りやすい体質なのでしょう。

 前回は,ほうれん草を毎日食べ過ぎたことが原因でした。

 ルバーブにせよ,ほうれん草にせよ,個人差はありますし,極端な量・回数でなければ問題はありません。

 塩だって一度に多く摂取すれば体に有害なのと同じで,食材にどういう特徴があるのかよく理解した上で,いろんな食材・料理を美味しく,楽しく,バランスよく食べたいものです。


まとめ

 今回,あえて私の体験談も御紹介しましたが,それはルバーブを控えた方がよいという話ではなく,ルバーブの特徴をよく御理解いただいた上で,ルバーブをより多くの皆様に楽しんでいただきたいからです。

 ルバーブを自分で調理して食べる場合は,アクをよく取り除き,適量を美味しくいただきたいものです。

 
 食の世界のアクなき探求は,これからも続きます。


<関連サイト>
 「ルバーブ」(廿日市市観光公式サイト)
 「魅惑の里」(広島県廿日市市吉和132)
 「アンデルセン」(「広島アンデルセン」広島市中区本通7-1ほか)

<関連記事>
 「ルバーブの特徴を知る(1) -ルバーブジャム・ルバーブパイ-

<参考文献>
 「Denmark Fair」アンデルセン広報誌
 「ブレッド図書館 デニッシュ」(2022年5月28日放送・NHK Eテレ)

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