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2022年6月12日 (日)

長崎県西海市・大島造船所の大島トマト「ルビーのしずく」

大島造船所のトマト

 私の職場は船を所有しており,専属の船長さんもおられます。

 その船長さんから,大島造船所のトマトの話を伺いました。

 大島造船所は,長崎県西海市大島町にある「ばら積み貨物船(バルクキャリア)」の製造をメインとする会社です。

 その造船所の事業でトマトを栽培されているとのお話でした。

 しかも,そのトマトは最小限の水と肥料だけ与えられ,潮風に当たって育てられるので,糖度が高く,とても美味しいとのことでした。

 船長さんは大島トマトの美味しさをよく御存知で,それだけに広島ではなかなか入手できないことを残念がっておられました。

 私は「長崎・造船所・トマト」とキーワードを記憶し,いつか現地へ行くか,通信販売でそのトマトを味わってみたいと思うようになりました。


大島造船所のトマト栽培

 大島造船所のトマト栽培について,少しまとめておきたいと思います。

 トマトの原産地は,南米・アンデス山脈の高原です。

 その原産地の環境(乾燥した荒れ地)と同じように,水分や肥料をぎりぎりまで抑えてトマトを栽培すると,トマトは体中に産毛を生やして空気中からも水分を吸収し,自ら糖分を蓄えるようになります。

 この栽培方法は「スパルタ農法」とか「いじめ農法」などと呼ばれ,甘みやうま味が凝縮されたトマトが出来上がります。

 大島造船所では「ファースト」という大玉品種のトマトを扱っておられます。

 この「ファースト」を「スパルタ農法」で育てることで,果肉が引き締まった,糖度の高いトマトを提供しておられるのです。

 つまり大島造船所のトマトは,度重なる「いじめ」を経験することで徹底的に鍛え上げられ,甘みとうま味が最強になったトマトだと言えるでしょう。

 大島造船所のトマトにかけておられる情熱・思いは大きく,同社の旗・シンボルマークにも錨と並んでトマトが描かれています。

 当初は雇用創出の一環として着手されたトマト栽培ですが,今では知る人ぞ知る高級ブランドトマトとして,全国から高い評価を得ています。


大島トマト「特選 ルビーのしずく」のお取り寄せ

 大島造船所のトマトは,販売時期が限られ,なおかつ人気商品なので,注意しておかないと通信販売でもなかなか入手することができません。

 船長さんの話も忘れかけていた2022年4月下旬,ふと気になって大島造船所のオンラインショップを訪問したところ,偶然にも大島トマト「特選 ルビーのしずく(糖度9度以上)」が販売中となっていました。

 高級ブランドトマトだけに少し高価(1箱3900円(税込)+送料)なのですが,「このチャンスを逃せば今度はいつになるかわからない」と思い,勇気を出して注文しました。

 注文して約1週間後,大島造船所から大島トマトが届けられました。

(大島トマト「ルビーのしずく」(箱))
Photo_20220610192701

 届いた時の感動はひとしおで,「やっぱり購入して良かった」と思いました。

 想像していたよりコンパクトな箱でした。

 それでは箱を開けてみましょう。

(大島トマト「ルビーのしずく」(開梱))
Photo_20220610192901

 箱の中には,3×4で計12個のトマトがきれいに並べられていました。

 想像していたよりたくさん入っていました。


大島トマト「ルビーのしずく」のサイズ・形・色

 大島トマト「ルビーのしずく」を観察し,その特徴をまとめてみたいと思います。

(大島トマト「ルビーのしずく」(ヘタ側))
Photo_20220610193101

 大島トマトは一般的なトマトと比べて,小さめでくびれがはっきりしている(でこぼこしている)のが特徴です。

 普通に育てるとソフトボールぐらいの大きさになるそうなので,これはまさに「スパルタ農法」の結果です。
(「スパルタ農法」を想像すると,トマトのボディーが少し痛々しく見えてしまいました…(笑))

(大島トマト「ルビーのしずく」(おしり側))
Photo_20220610193701

 トマトの表面に赤色と橙色の縞が入っており,特別感があります。

(大島トマト「ルビーのしずく」(先端部))
Photo_20220610193901

 大島トマトの先端部に注目してみると,細かな産毛がまんべんなく映えている様子が伺えました。

 この産毛から空気中の水分を摂取して必死に育ってきたのでしょう。

 大島トマトを包丁で切って,中を確かめてみました。

(大島トマト「ルビーのしずく」(カット))
Photo_20220610194001

 かわいいハート形の断面になりました。


大島トマトの味・食感

 大島トマトの箱に説明書きが同梱されていました。

 その説明書きには,
 「大島トマトは冷蔵庫にいれないで2~3日常温に置いてください」
 「食べる1時間位前に冷蔵庫で冷やしてお召し上がりになると,より一層美味しくいただけます」
と記載されていました。

 この方法で,大島トマトをいただきました。

 皮はかたくてしっかりとしており,中の果肉はとても甘くジューシーでした。

 皮がかたいのは,甘みとうま味が凝縮されている証拠でもあります。

 野菜というより,フルーツと呼んだ方が良いくらい,甘くて美味しいトマトでした。

 数量があったので,1週間程度置いた(4日後ぐらいからはやむなく冷蔵庫に入れて保存しましたが…)大島トマトもいただきました。

 すると皮が少しやわらかくなり,実が熟して真っ赤になっていました。

(大島トマト「ルビーのしずく」(スライス))
Photo_20220610195701

 スライスしたトマトをいただいてみると…届いてまもなくいただいたトマトと比べ,甘さがさらに増していました。

 こうなると,もはやスイーツのレベルでした。

 大島トマト「ルビーのしずく」。
 
 甘味とうま味が凝縮された,とても美味しいトマトでした。


まとめ

 大島トマト「ルビーのしずく」を職場へ持って行き,情報を提供していただいた船長さんにおすそ分けしました。

 私がまだ袋詰めした大島トマトを手に持っている時から,「あっ,大島造船所のトマト?」と気付いてくださいました。

 私:「そうです。大島トマトがやっと入手できました!」
 船長:「(興奮気味に)日本で一番手に入らないトマトだよー」
 私:「わずかですが,どうぞ」
 船長:「高いのに…長崎へ行けば少しは安く買えるだろうけど…」
 私:「貴重な情報をいただいたお礼です。お受け取りください」
 船長:「ありがとう」

 おすそ分けできた私も嬉しく思いながら,桟橋を後にしました。

 今回御紹介した造船所とトマトのお話もそうですが,人と人とのつながりの中で,思いがけない情報を入手できることがあります。

 「お金を出せば何でも情報が入手できる」わけではないと思います。

 私はそうした意味でも人付き合いを大切にしたいと思っています。

 そして,当ブログ記事を読んでいただいた皆様の中に,「これはいい情報だ」と思ってくださる方がおられたら,筆者としてこんなに嬉しいことはありません。


<関連サイト>
 「大島とまと農園」(長崎県西海市大島町1131-1)
 「大島造船所」(長崎県西海市大島町1605-1)
 「ぎゅぎゅっと!西海・大島トマト」(長崎県西海市)

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コメント

日本人的発想だと、過保護なくらいお世話する事が「丹精込める」事だと思うのですが、トマトの場合は心を鬼にして放置する事が、丹精込める事なのですね^^;
トマトじゃなくて良かったです(^.^)
愛のムチはSM用語だと思っていますから!
ペルーという国は知る人ぞ知る美食の国だそうですが、アンデス原産の食材がなければ、世界の食卓はかなり寂しくなるでしょうね^^
今回のトマトもインパクトがありましたが、私の場合交通費が格安で済む、藤沢のフルーツトマトで我慢しておきます(^_^)

高価なトマト!こんなのあるんですねー!
トマトは水をあげない方が甘くなると聞いたことがありましたが、本当なんですね。
今、うちの庭にトマトが植えてありますが、連日の雨で(梅雨だから仕方ないですが)水たっぷり、
普通のトマトができるんでしょうねえ(笑)
一度食べてみたい気はしますが、さすがに1コ300円超えのは手が出ないかな…

なーまん様

なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

野菜の記事が続いているので、なーまんさんに申し訳ないなと思っていたのですが、湘南のフルーツトマトの事を教えていただき、こんな感じで世界が広がっていくのだなと嬉しく思いました。

愛のムチはともかく(笑)、丹精込めるという言葉はいい言葉ですね!
私はトマトでも人間でも、心を鬼にすることは出来なさそうです…。(見切りをつけた人間には冷たいですが…)
ペルー、言われてみればきれいな盛り付けや豪快な肉料理など、美食の国のような気がします。
おっしゃるとおり、トマトやジャガイモがないと、世界の様々な料理が成り立たなくなりますね。
トマトは甘みや酸味だけでなく、うま味も持っているので、料理に大活躍です。

湘南のフルーツトマトのピザ、食べてみたいです(^_^)

chibiaya様

chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき、ありがとうございます。

注文する際、高価なトマトだなと思いましたが、何個入ってるか分からなかった事もあり、せっかくだから買ってみようと思いました。
でも冷静に1個あたりの値段を計算したら、送料抜きでも300円超えですね(笑)
玉ねぎが高くなったとかのレベルの話ではないですね…
私は農林関係の仕事もした事があり、先輩から、「トマトは放っておいてもできる」と教えてもらったのですが、それは多分、「トマトは水や養分(肥料)をあまり与えなくても育つ」という意味だったのでしょう。

今回のトマトは、普通に育てれば、ソフトボールの大きさになるものを、逆に普通のトマトよりも小さめに育てられているので、それだけ味が凝縮されているのも理解出来ました。

chibiayaさんが育てられている水の恵みを受けたトマト。どんな味になっているか楽しみですね。
御自身で作られたものは、きっと美味しく出来るはずですよ!

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