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2022年6月 5日 (日)

ルバーブの特徴を知る(2) -ルバーブジャム・ルバーブパイ・ルバーブとゆずのデニッシュ-

広島県廿日市市吉和のルバーブ

 広島県廿日市市吉和は,広島県北西部,隣は山口県と島根県に位置する地域です。

 標高が高い豪雪地帯にあって,その気候を生かして栽培されているのがルバーブです。

 私はその吉和のルバーブでルバーブパイを作り,美味しくいただいたことがあります。

 ゴールデンウイークに吉和を訪問した際,ちょうどルバーブの収穫時期だったようで,お店の産直コーナーにルバーブが販売されていました。

(「魅惑の里」特産館)
Photo_20220605142401

 吉和にある総合レジャー施設「魅惑の里」の物販施設「特産館」です。

 お店に近づいてみると…

(ルバーブの販売案内)
Photo_20220605142501

 段ボールに手書きで「ルバーブ入荷中」と書かれた看板がありました。

 「あった!またルバーブパイが味わえる」と喜びながらお店に入りました。

 店内ではルバーブの茎だけにカットされたものが販売されていました。

(ルバーブ(茎))
Photo_20220605143101

 どっさりルバーブが入手できたところで,ルバーブジャム・ルバーブパイ作りに挑戦です。


ルバーブジャムを作る

 最初にルバーブジャムを作りました。

(ルバーブの皮)
Photo_20220605143201

 前回購入したルバーブは皮が緑色だったのですが,今回は赤色でした。

 これなら赤色のルバーブジャムができるだろうと,皮をむかずにそのまま,包丁で茎を2~3cmの大きさに切りました。

(ルバーブの茎を2~3cmに切った様子)
Photo_20220605143301

 細かく切ったルバーブをボウルに入れて砂糖を加えました。

(ルバーブに砂糖を加えた様子)
Photo_20220605143401

 この状態で1~2時間置いておくと,ルバーブから水分が出てきて,甘さが浸透します。

 片手鍋に移し変え,砂糖をさらに加えた上で,ルバーブを煮ました。

(ルバーブを鍋で煮る様子)
Photo_20220605143601

 ルバーブの茎は,生だと繊維の筋があるのですが,煮ると面白いほどクタクタに溶けます。

(ルバーブジャムの完成)
Photo_20220605143602

 水分がなくなるまで煮詰めて,ルバーブジャムの完成です。

(ルバーブジャム)
Photo_20220605143701

 予想どおり赤色のジャムになりました。


ルバーブパイを作る

 続いてルバーブパイを作ります。

 市販の冷凍パイシートの生地を麺棒で少し伸ばし,ルバーブジャムをのせました。

 もう1枚のパイシートで,フォトフレームのように四角く切ったものと,細い短冊形に切ったものを用意しておきました。

 ルバーブジャムをのせたパイシートの上に四角い枠の生地で縁どりをし,細い短冊形の生地を交互に置きました。

 縁どりの部分はジャムがはみ出ないようフォークでしっかりと押さえ,生地の表面には焼き色をつけるための卵黄液(卵黄を少量の水で溶いたもの)を塗っておきます。

(パイ生地とルバーブジャム(焼く前))
Photo_20220605144401

 この状態で180℃に熱したオーブンに入れ,15分から20分焼きます。

 ほどよく焼き色がつけば,ルバーブパイの焼き上がりです。

(ルバーブパイの焼き上がり)
Photo_20220605144402

 大きなルバーブパイが2枚できました。

(ルバーブパイ)
Photo_20220605144501

 赤いルバーブパイです。

 ルバーブパイが美味しい理由は,ルバーブジャムの酸味とパイのバター風味がとても良く合うからです。

 酸味のあるリンゴを使うと美味しくなるアップルパイと同じ理由です。

 今回のルバーブパイもその味を期待して食べました。

 が,ルバーブジャムの砂糖の量が足りなかったので,ルバーブの酸味が目立つルバーブパイとなってしまいました…。

 たくさんできたので,一口サイズに切り分けて職場へ持って行き,みんなにおすそ分けしようと考えていたのですが,納得のいく味にならなかったので,私がすべて食べました。
 (控えめな甘さを好む私には許容範囲だったのですが…。)


ルバーブとゆずのデニッシュ

 広島に本社がある「アンデルセン」の創業者・高木俊介氏は,デンマークでデニッシュの製法を学び,日本で最初にデニッシュを紹介された方です。

 デニッシュは「アンデルセン」の看板商品の1つですが,その「アンデルセン」でルバーブのデニッシュが販売されていました。

 ルバーブのデニッシュは,「アンデルセン」の「デンマークフェア」(2022年6月1日~30日)にちなんだ期間限定商品です。

 「アンデルセン」デンマーク店のペストリーシェフ・ニクラスさんが,デンマークの食材を使ったデニッシュとして開発されました。

 「アンデルセン」の店頭でデンマークフェアの映像を拝見したのですが,ニクラスさんが,ルバーブはデンマークでおなじみの「野菜」だと紹介されていました。

 ルバーブは一般的に甘くして食べますが,分類は「野菜」なのだと改めて認識しました。

 ルバーブとゆずの組合せは,デンマークの食材(ルバーブ)に和のテイスト(ゆず)を加えた一品となっています。

(ニクラスさんのルバーブとゆずのデニッシュ)
Photo_20220605145801

 デニッシュの中心部にカスタードクリームと赤いルバーブが盛られています。

 いただきました。

 ざく切りのルバーブは,甘いシロップが浸透して,形が崩れそうなほど柔らかく仕上げられていました。

 ゆずとカルダモンの風味も効いていました。

 バター風味豊かなデニッシュ生地と甘酸っぱいルバーブの組合せは抜群です。


ルバーブとシュウ酸

 ルバーブを食べる際,注意しておくことがあります。

 ルバーブにはシュウ酸が含まれていることです。

 葉に多く,茎には少ないようですが,茎を食べるときも煮てアクをとるなど,なるべくシュウ酸を除いた状態で食べた方がよいでしょう。

 私は今回作ったルバーブパイやルバーブジャムを食べて,そのことを身をもって経験しました。

 みんなにおすそ分けしないならと,毎日のようにルバーブパイやルバーブジャムを食べました。

 すると約1週間後の朝,急に下腹に激痛が走り,気分が悪くなって,立ち上がることさえできなくなりました。

 救急車を呼ぼうかと思ったほどの痛みです。

 しばらくして落ち着きましたが,その後数日にわたって何度かその重く激しい痛みを経験しました。

 病院へ行こうにも,どの診療科へ行けばいいのかわからず,困りました。

 過去に尿路結石ができたことがあり,その時も同じような症状でとても苦しんだので,もしかしたら今回もそうかなと思いつつ,過ごしていました。

 そんな時,たまたまルバーブのことをインターネットで調べていたら,ルバーブにはシュウ酸が多く含まれていることを知りました。

 それを知った瞬間,私は「あっ,これが原因か。自業自得なのか」と思わず笑ってしまいました。

 ルバーブを煮る際にきちんとアクをとらなかったことと,ルバーブを食べ続けたことがよくなかったのでしょう。

 これで尿路結石であることが確定したので,あとはこの結石が尿と一緒に出るのを待つだけです。

 気持ちが楽になったからか,その後しばらくして痛みは消え,結石も尿で流れ出たようです。

 ルバーブを食べると尿路結石になるというお話ではなく,結石を作りやすい人は,アクを取るとか,摂取量・摂取回数を少なくするなどの対応が必要になるというお話です。

 私は結石を作りやすい体質なのでしょう。

 前回は,ほうれん草を毎日食べ過ぎたことが原因でした。

 ルバーブにせよ,ほうれん草にせよ,個人差はありますし,極端な量・回数でなければ問題はありません。

 塩だって一度に多く摂取すれば体に有害なのと同じで,食材にどういう特徴があるのかよく理解した上で,いろんな食材・料理を美味しく,楽しく,バランスよく食べたいものです。


まとめ

 今回,あえて私の体験談も御紹介しましたが,それはルバーブを控えた方がよいという話ではなく,ルバーブの特徴をよく御理解いただいた上で,ルバーブをより多くの皆様に楽しんでいただきたいからです。

 ルバーブを自分で調理して食べる場合は,アクをよく取り除き,適量を美味しくいただきたいものです。

 
 食の世界のアクなき探求は,これからも続きます。


<関連サイト>
 「ルバーブ」(廿日市市観光公式サイト)
 「魅惑の里」(広島県廿日市市吉和132)
 「アンデルセン」(「広島アンデルセン」広島市中区本通7-1ほか)

<関連記事>
 「ルバーブの特徴を知る(1) -ルバーブジャム・ルバーブパイ-

<参考文献>
 「Denmark Fair」アンデルセン広報誌
 「ブレッド図書館 デニッシュ」(2022年5月28日放送・NHK Eテレ)

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コメント

ジャムは果物で作るもの!
という先入観がありましたが、目からウロコでしたm(_ _)m
野菜嫌いのなーまんでも美味しくいただけそうです(^.^)
色もザクロジャムのようですね^ ^
ただ、何事においても、食べ過ぎは良くない様ですね!
お近くなら、おすそ分けしていただきたいものです^^
食べる前に野菜から作ったとは、言わないで下さいね(^_-)

ルバーブジャムは甘酸っぱくて美味しいですよね。
明治屋とかアヲハタからジャムが出ていないのが不思議です。
あまり栽培されていないのでしょうか。
アンデルセンのパイ、美味しそうですね。
気になってHPを見たら「瀬戸内レモンクリームパン」なる商品が(^^;)

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

なーまんさんは心優しいお方ですね。
ルバーブジャム・ルバーブパイのこと,噓偽りなく書いたのですが,おすそ分けしてもらいたいなんてお言葉…そのお気持ちに感動致しました<(_ _)>

私もルバーブは果物だと思い込んでジャムを作っていました(^^ゞ
野菜コーナーで,「フキも見た目がルバーブとよく似ているけど,フキは野菜だし…」と思ったほどです(笑)

ザクロのお話をいただきましたが,まさにザクロそっくりの酸っぱさでした。
甘みが少なく,酸味ばかりで梅肉のようでもありました(笑)

ルバーブに限らず,どんな食べ物も食べ過ぎると毒になりますね。
「バランスよく食べる」と言っても,どうすればバランスがいいのかはっきりわかりませんが,いろんなものを食べることで,必要な栄養が摂れ,リスク回避につながるのでしょうね。

なーまんさんに自信を持っておすそ分けできるよう,体を張って食の本質を理解しようと思います(^-^)

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

ルバーブジャム,召し上がったことおありなんですね!!
今回御紹介した廿日市市吉和など広島県北部では,産直市や道の駅でルバーブジャムを見かけますが,大手メーカーではあまり見かけませんね。
おっしゃるように,栽培農家が少なく,まとまった量のルバーブが確保できないからかも知れません。
特に広島のアヲハタは,広島県福山市のアンズジャムがあるなら,廿日市市のルバーブジャムをラインアップされてもよさそうですが(笑)

アンデルセンのルバーブパイ,昨日お店でたまたま見つけました。
ルバーブがとろけるほど柔らかく,酸味がパイやカスタードクリームとマッチして,美味しかったです。
「瀬戸内レモンクリームパン」,よく見つけられましたね!気づきませんでした…。
これは冷蔵庫で冷やしてたべても美味しい系のパンかも知れません(笑)
今度お店に行ったら,探してみます。さすが~

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