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2022年8月14日 (日)

新潟の食文化探訪4 -新潟県長岡市・山本五十六の水まんじゅうと洋風カツ丼-

新潟から信越本線で長岡へ

 新潟駅から信越本線の電車に乗り,長岡を目指しました。

(新潟駅ホーム・E129系・信越本線・長岡行)
Photo_20220814150601

 新潟市周辺は,上越新幹線,信越本線,越後線,白新線,羽越本線,磐越西線と様々な路線が乗り入れています。

 新潟駅から長岡駅へは上越新幹線を利用するのが早くて便利ですが,新潟の様々な路線の電車に乗り,地元の雰囲気を味わいながら旅をしたいと思い,信越本線での移動を選択しました。

 約1時間10分電車に揺られ,長岡駅に到着しました。

(長岡駅ホーム・駅名標とE129系(信越本線))
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 長岡駅前には「アオーレ長岡」という隅研吾氏が設計した複合型公共施設がありました。

 とても大きく立派な建物だったので気になって中に入ってみると,長岡市役所庁舎を兼ねた複合型公共施設でした。


山本記念公園と山本五十六記念館

 長岡は,海軍で活躍した山本五十六(やまもといそろく)の生誕地・ゆかりの地でもあります。

 市街地を歩いていると,山本五十六にちなんだ山本記念公園がありました。

(山本五十六の胸像)
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 山本五十六連合艦隊司令長官であります。

 同じ公園内に山本五十六の生家(復元)もありました。

(山本五十六の生家)
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 かつて山本五十六は,この家で好物の「水まんじゅう」を食べていたのかもしれません。

 ただ,山本五十六が好んで食べた「水まんじゅう」は,一般的な葛で作られたものとは異なり,水を入れたどんぶりに塩小豆の酒まんじゅうを入れ,それに氷(雪)や砂糖を加えて,甘く冷たくしたお菓子だったようです。

 ちなみに,山本五十六の好んだ独自の「水まんじゅう」は「川西屋本店」(長岡市殿町1-7-2)の酒饅頭(塩小豆)を使って味わうことが出来ます。

 山本記念公園を少し歩いた先に「山本五十六記念館」がありました。

(山本五十六記念館)
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 館内には,山本五十六一行が海軍一式陸上攻撃機でソロモン諸島バラレ島へ向かう途中,ブーゲンビル島(パプアニューギニア)で米軍戦闘機の襲撃を受け,墜落した時の攻撃機の左翼をはじめ,遺品や書簡,絵画など山本五十六にまつわる様々なものが展示されています。


「レストランナカタ」の洋風カツ丼

 長岡駅から徒歩約10分,市街地にある洋食店「レストランナカタ」を訪問しました。

(レストランナカタ入口)
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 看板メニューのカレーは,辛さを選ぶことができます。

 カレーの辛さは,普通の辛さ「1倍」から極極辛い「20倍」,さらには「50倍」まで選ぶことができます。

 辛さが増すにつれ,女の子(ポッポちゃん)が大変なことになってます(笑)

 お店は階段を上がった2階にありますが,その途中の壁に50倍カレーをクリアしたお客さんの写真がぎっしりと掲示されていました。

 そんな「レストランナカタ」のもう1つの看板メニューが「洋風カツ丼」です。

 「洋風カツ丼」は,長岡の代表的なご当地グルメの1つです。

 そして「レストランナカタ」は,長岡の洋食店の草分け「小松パーラー」のソースの味を引き継ぐお店の1つとなっています。

 平日の昼間はお得なランチメニューがあり,その中の「洋風カツ丼」を注文しました。

(洋風カツ丼(レストランナカタ))
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 こちらが長岡名物「洋風カツ丼」です。

 皿に敷いたライスの上に大きなトンカツがのせられ,その上から特製ソースがかけられたボリューム満点の料理です。

 ランチでは,この洋風カツ丼にみそ汁が付くのですが,これもまた日本の洋食店ならではの組み合わせです。

 長岡は「コシヒカリ」誕生の地であり,ライスが美味しいことは御説明するまでもありません。

 トンカツは大きくてサクサクで,トッピング用のカツではなく,それだけで立派なメイン料理になるようなトンカツでした。

 そして一番気になるのがソースです。

 デミグラスソースとは似て非なる「ファミリーソース」という秘伝のソースが使われています。

 ケチャップ,醤油,砂糖などが使われ,小麦粉でとろみがつけられたソースのようです。

 広島市内にある精肉店・老舗洋食店「ますゐ」では,トンカツやハンバーグのソースとして,切れ端の肉や骨・野菜などを煮込んだスープを使ったソースが使われますが,このソースの味によく似ていると思いました。

 甘酸っぱくてもったりとしたとろみがある,昔ながらの洋食の味でした。


まとめ

 新潟県内には,今回御紹介した長岡市の「洋風カツ丼」以外にも,トンカツを醤油ダレにくぐらせて丼飯にのせた「タレカツ丼」(新潟市)など,ちょっと珍しいご当地カツ丼が味わえるお店がたくさんあります。

 過去に当ブログ記事で,「燕・三条地域にある醬油ベースの背脂ラーメンは,会津地方との人・モノの交流に伴う食文化の影響も考えられる」というお話をしましたが,その考えは新潟のカツ丼にも当てはまりそうです。

 会津地方も新潟と同様にソースカツ丼(「会津ソースカツ丼」)が好まれているからです。
 (千切りキャベツをのせるかどうかなど,両者で違いも見られますが)

 新潟と会津を訪問し,それぞれの地のカツ丼やラーメンを食べ比べてみるのも面白そうです。


<関連サイト>
 「アオーレ長岡」(新潟県長岡市大手通一丁目4-10)
 「山本五十六記念館」(新潟県長岡市呉服町1-4-1)
 「山本五十六と酒まんじゅう」(「川西屋本店」新潟県長岡市殿町1-7-2)
 「レストランナカタ」(新潟県長岡市坂之上町2-3-6)
 「伝統会津ソースカツ丼の会」(福島県会津若松市上町2-38)

<関連記事>
 「新潟の食文化探訪1 -なぜ燕・三条地域で金属産業が発達し,背脂ラーメンが誕生したのか-
 「新潟の食文化探訪2 -佐渡岩もずく・南蛮海老・のどぐろ・のっぺ・笹川流れ藻塩・新潟すし三昧「極み」-
 「新潟の食文化探訪3 -おにぎり・神楽南蛮・みどりのラー油・笹団子・醬油おこわ・柿の種・新潟のお菓子-

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コメント

1泊2日とは思えない充実の新潟旅行ですね!(笑)
山本五十六の好んだ「水まんじゅう」が気になって仕方ありません。
思わず川西屋本店をググってしまいました(^^;)
”【五十六が食べた】酒まんじゅう(塩小豆)”、お取り寄せしてみたくなりました。
切りパンっていうのも気になる…

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは。
ポケットwi-fiからの御投稿いただいたのでしょうか。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

旅行に行くと,朝から晩までスケジュールびっしりで,あちこち動き回るので,こんなことになります(笑)
山本五十六の好物が「水まんじゅう」。私は映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実」で知りました。
酒まんじゅうを水でふやかして,砂糖をかけて食べるとは,かなりの甘党ですよね(笑)
「川西屋本店」で実際に酒まんじゅうを買って,ブログで御紹介すれば良かったと,記事を作る際に思いました。
ごめんなさい。
この塩小豆の酒まんじゅう,甘くないみたいで(笑),だから山本五十六は砂糖をかけて食べたのでしょうね。

切りパン?醤油やマヨネーズをつけて食べるパン?完全にノーマークでした(^^ゞ
言われてみれば,確かに私も気になってきました(笑)

所変われば品変わる^^
電車も変われば、食べ物も変わる!
旅の醍醐味でございますね(^_^)
カレーの一倍がどの程度の辛さなのか?
ポッポちゃんの顔を見ると、3〜5倍位がちょうど良さそうですね^ ^

なーまん 様

なーまんさん,おはようございます。
耳かきに続いてコメントいただき,ありがとうございます。

おっしゃるとおりで,旅は「非日常」の世界を体験できることに意義があると思います。
旅先では常に自分にとっては「変わったもの」なので,その分視野が広がり,経験値も増えるのでしょうね。

洋風カツ丼だけでなく,カレーも食べてみればよかったです。
カレーは辛さを追求されていますが,洋風カツ丼は逆に甘さを追求されていました。
カレーの辛味で体がポッポすることから,ポッポちゃんと呼ばれるらしいのですが,20倍は明らかにボーボーのレベルになっています(笑)
なーまんさんは,辛さであまり無茶はされない感じですね。
私もカレーそのものの味を味わいたいため,ポッポちゃんが一番笑顔な3倍ぐらいで注文すると思います(^-^)

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