山口の食文化探訪4 -ディアボロ・クレームカラメル・くりまさる・長門ゆずきち-
山口県山口市を訪問しました。
今回は,山口市内のカフェレストランと山口県の農産物を御紹介します。
ディアボロ・クレームカラメル
山口市中心部を流れる一の坂川沿いを散策しました。
(一の坂川)
この川にはゲンジボタルが生息しており,5月下旬から6月上旬になると,間近でホタルを鑑賞することができます。
この一の坂川を少し入った,山口県立山口図書館近くにあるフレンチカフェレストラン「オー・カルチェ・ラタン」を訪問しました。
フランスのカフェのメニューがないかと探してみると,「ディアボロ」というドリンクがありました。
店主さんに「ディアボロ」について尋ねると,様々なシロップを炭酸水で割ったドリンクとのことでした。
そしてオレンジ・レモン・カシスなど様々なフレーバーが用意されていました。
そこで私は,青りんごのディアボロとクレームカラメルを注文しました。
(ディアボロ(青りんご)とクレームカラメル)
写真左上がディアボロ(青りんご),写真右下がクレームカラメルです。
ディアボロは,あらかじめグラスに青りんごのシロップが入っており,それに炭酸水の「Perrier(ペリエ)」を注いでいただきました。
改めて店内を見渡すと,フランスの「MONIN(モナン)」のシロップがずらりと並べられており,「モナンのシロップをペリエで割ったドリンクのことなんだ」とわかりました。
さわやかな青りんごのフレーバーが楽しめるドリンクでした。
一方,クレームカラメルはいわゆるカスタードプリンのことですが,卵黄のなめらかなコクが楽しめるプリンにほろ苦いカラメルソースがたっぷりとかけられた,絶品のお菓子でした。
くりまさる
「くりまさる」という名称のカボチャを御存知でしょうか。
山口市では,阿知須(あじす)地区の「阿知須くりまさる」を中心に,くりまさるの栽培に力を入れておられます。
くりまさるは「栗(くり)より甘さが勝る(まさる)」ことから名付けられたカボチャです。
出荷時期(6~8月)になると,山口市の「道の駅きららあじす」やスーパーマーケットなどで販売されます。
私もいつか山口で味わってみたいと思っていたのですが,「山口市中心商店街」を散策していると,「藤井食料品店」の店頭でくりまさるが販売されていました。
(藤井食料品店)
(くりまさる(山口市秋穂産))
山口市秋穂(あいお)産のくりまさるです。
9月に訪問しましたが,出荷時期が遅めのくりまさるが販売されていました。
自宅に持ち帰り,くりまさるを調理しました。
(くりまさる(中身))
カボチャは皮がかたくて包丁で切りにくいのが難点ですが,このくりまさるは意外と楽に切ることができました。
一口サイズに切り,酒・みりん・醤油で煮物を作りました。
(くりまさるの煮物)
いただきました。
甘栗やお菓子ほどに甘いというレベルではありませんが,ゆで栗や蒸し栗に比べると甘く,ホクホクした食感は栗そっくりでした。
「くりまさる」というネーミングは,埼玉県川越市のさつまいも「栗(九里)より(四里)うまい十三里(半)」とよく似た表現ですが,川越市と同様,地元のブランド農産物として出荷され,様々な料理やお菓子も開発・販売されています。
長門ゆずきち
山口県の日本海・響灘(ひびきなだ)に沿って走る観光列車「○○のはなし(まるまるのはなし)」に乗車した際,「長門ゆずきち」が使われたお菓子をいただきました。
長門ゆずきちは柚子やスダチに似た柑橘で,いただいたお菓子も香りがとても良かったので,その時以来すっかり長門ゆずきちのファンになりました。
その長門ゆずきちが,くりまさると同様,藤井食料品店で販売されていたので購入しました。
(長門ゆずきち(パック))
ゴルフボールぐらいの大きさの濃い緑色の柑橘です。
(長門ゆずきち)
カボスやスダチに比べて種が少なく皮も薄いため,食べやすく,香り高い果汁がたっぷり採れることが特長です。
長門ゆずきちを様々な料理や飲み物と合わせてみました。
まずは炭酸水に長門ゆずきちを絞った果汁を入れ,「長門ゆずきちスカッシュ」を作ってみました。
(長門ゆずきちスカッシュ)
長門ゆずきちの香りを楽しめましたが,シロップか砂糖も少し加えた方が良さそうです。
続いて,鯖の塩焼きに長門ゆずきちを添えてみました。
(鯖の塩焼きと長門ゆずきち)
酸味や香りがマイルドなので,果汁をたっぷりかけても焼き鯖の味を損ねることなく,美味しくいただけました。
続いて,豚ロースステーキに長門ゆずきちを合わせてみました。
(豚ロースステーキと長門ゆずきち)
ステーキソースは,焼いた豚肉の肉汁と長門ゆずきちの果汁を合わせ,塩こしょうで味を調えて作りました。
レモンの場合もそうなのですが,果汁は思い切ってたっぷり使う方が美味しくなります。
長門ゆずきちのほのかな酸味とさわやかな香りが楽しめるステーキに仕上がりました。
最後に醤油と長門ゆずきちの果汁を合わせ,ポン酢を作ってみました。
豚バラ肉や鶏のささみを茹で,長門ゆずきちのポン酢でいただきました。
(長門ゆずきちのポン酢)
「こっ,これは…」
これが本来のポン酢かと,ハッと目が覚めるような美味しさでした。
このポン酢なら,高価な和牛の霜降り肉のしゃぶしゃぶにも間違いなく合うことでしょう。
お試しになられた方からの御感想をお待ちしております(笑)
まとめ
山口市で様々な美味しいものと出会い,味わうことができました。
(山口駅・キハ47形・山口線・新山口行と益田行)
今回はJR山陽本線とJR山口線の普通列車でのんびりと旅行しましたが,途中下車した新山口駅には「KDDI維新ホール」をはじめとする新施設が,徳山駅には蔦屋書店やスターバックスが併設された「周南市立徳山駅前図書館」を中心とする新施設ができており,それぞれの駅とその周辺が現代風に一新されていることに驚きました。
伝統を守りつつ新たなことに挑戦し続ける山口は,訪れる度に新たな発見と感動があります。
<関連サイト>
「オー・カルチェ・ラタン」(山口県山口市後河原160-1)
「藤井食料品店」(山口県山口市本町一丁目1-10)
「山口市・きららあじす」(山口県情報サイト「きらりんく」)
「長門ゆずきち」(「ぶちうま!やまぐち.net」やまぐちの農林水産物需要拡大協議会)
「KDDI維新ホール」(山口県山口市小郡令和一丁目1-1)
「周南市立徳山駅前図書館」(山口県周南市御幸通二丁目28-2)
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コメント
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私もかつてパリに滞在した事がありますが・・・
エスプレッソとベルギーやオランダのビールを飲んだ記憶があるだけです^o^
オシャレな飲み物ですね^^
なんか似てるなと思っていたら、カボチャとメロンはウリ科の仲間なんですね!
どっち食べたい?と聞かれたら、メロンですが^o^
でもくりまさる、綺麗に調理されていて美味しそうですね^^
「くりまさる」に「ゆずきち」そして「ひびきなだ」久しぶりに美しい日本語を聞いた気がします(^_^)
投稿: なーまん | 2022年10月 2日 (日) 17時03分
ディアボロミントをフランスで初めて飲んだとき、こんなに美味しい飲み物があるなんて!と感動しました(笑)
日本でミントのシロップを見かけることはほとんどなく(リキュールはありますが)飲めなくて残念。
長門ゆずきち、食べてみたいです。
日本橋のおいでませ山口館に置いてあるなら、外郎も食べたいし、行ってみてもいいんですが…
投稿: chibiaya | 2022年10月 2日 (日) 18時31分
なーまんさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
パリにお詳しいなーまんさん。滞在中のドリンクはアルコール系中心でしたか(笑)
確かに,今回御紹介したディアボロは,写真にもありますが約3分の1が甘いシロップで,甘いソフトドリンクでしたので,お酒がお好きな方は,ディアボロではなく同じシロップを使ったカクテルを注文されるでしょうね。
カボチャとメロンは同じ仲間ですか。
メロンも野菜に分類されるとは聞いたことがありますが,甘みが増した野菜は果物に思えてしまいます(笑)
くりまさるは様々なお菓子にも応用されていますが,くりまさるで作ったカボチャプリンなら,なーまんさんも大丈夫かも知れませんね(^-^)
くりまさるの煮物,お褒めいただき,ありがとうございます。
とても嬉しいとともに,少しお恥ずかしいです(^^ゞ
「くりまさる」や「長門ゆずきち」と聞いて,私は美しい日本語ではなく,人の名前に似ていると感じました(笑)
美しい日本語だと感じ取れるなーまんさんの心が美しいと思います!
投稿: コウジ菌 | 2022年10月 2日 (日) 18時32分
chibiaya 様
chibiayaさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
本場フランスでディアボロ(ミント)を召し上がったことがおありなんですね!
フランスのカフェでは「マンタロー」と呼ばれるミント水が有名だと聞いたことがあるので,「マンタロー」があるかなと探しましたが,こちらはありませんでした。
ミントのシロップって,日本ではあまり流通してないんですね。
デンマークのエルダーフラワードリンクは美味しいなと思います。
長門ゆずきち,山口のアンテナショップや物産展で見つけたら,お試しください。
プルプルの山口の外郎もおすすめですが,長門ゆずきちのお菓子もそれに負けずおすすめです!
レモンケーキの長門ゆずきち版があればいいですよね~(笑)
投稿: コウジ菌 | 2022年10月 2日 (日) 18時43分