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2023年1月

2023年1月29日 (日)

大阪の老舗の味を求めて -大阪のおでん・関東煮(鯨すじどて・たこ甘露煮・鯨すじ・さえずり・ころ)と菊壽堂義信の「高麗餅」-

大阪の関東煮(かんとうだき)

 大阪・道頓堀を訪問しました。

(道頓堀・ネオンサイン)
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 いつ訪れても,道頓堀・戎橋(えびすばし)は人でいっぱいです。

 この戎橋から道頓堀筋を東へしばらく歩いたところに,弘化元年(1844年)創業のお店「たこ梅」があります。

 「たこ梅」は「関東煮(かんとうだき)」,いわゆる「おでん」で有名なお店です。

(たこ梅本店(店舗))
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 「日本一古いおでん屋」と言われています。

 こちらのお店で,鯨やたこなど,大阪ならではのおでん(関東煮)をいただきました。

 鯨は流通量が少なくなり,今や高級食材となっていますが,大阪の伝統的なおでんには欠かせない具の1つです。

 まずは鯨の一品料理をいただきました。

(鯨のすじどて)
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 「鯨のすじどて」(鯨すじ肉のどて煮)です。

 甘辛い味付けで,やわらかくなるまでしっかり煮込まれていました。

 お酒のおつまみだけでなく,ごはんのおかずとしてもぴったりです。

 続いておでん(関東煮)をいただきました。

(大根と厚揚げ)
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 大根と厚揚げです。

 大根も厚揚げもだし汁がよく浸み込んでおり,その美味しさが私の体にも浸みわたりました。

 こちらのお店では,おでんの注文を受けると,お店の方がちょうどよく煮えたおでんを選んで提供してくださいます。

 そのため,注文したおでんがまだあまり煮えていない場合は,しばらく待つようにお願いされます。

 どんな具もベストな煮え具合でいただくことができるのです。

 続いて「ひろうす」をいただきました。

(ひろうす)
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 「ひろうす」は,つぶした豆腐に野菜を中心とした様々な具を詰めて油で揚げたもので,「飛竜頭(ひりょうず・ひりゅうず)」,さらにさかのぼればポルトガルの揚げ菓子「フィリョース」がその名の由来とされています。

 がんも,がんもどきのことです。

 お店独自の「ひろうす」で,中にはゴボウ,レンコン,椎茸,人参,ぎんなん,黒ゴマなどの具がたっぷり入っていました。

(たこ甘露煮)
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 こちらは「たこ甘露煮」です。

 創業から受け継がれている秘伝のだし汁でしっかり煮込まれ,とてもやわらかく仕上がっていました。

 そしていよいよ,鯨のおでんを注文しました。

(鯨すじ・大根・里芋)
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 写真右半分が鯨すじ,左下が大根,左上が里芋です。

 鯨すじは,すじ肉の大きなかたまりでしたが,だし汁を吸ってとてもやわらかくなっていました。

 飴色に煮込まれ,ねっとりとした食感で,牛すじ肉に似た味でした。

 里芋もホクホクで食べ応えがありました。

(さえずり・ころ)
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 皿の左側の串が「さえずり」,右側の串が「ころ」です。

 「さえずり」は鯨の舌です。

 その名称は,お客さんがチューインガムのようにクッチャクッチャ噛む音が小鳥のさえずりに似ていたことに由来するようですが,今の「さえずり」は,ほどよい弾力を残しつつも,やわらかく食べやすい一品に仕上げられています。

 鯨の旨味が凝縮されており,思わず「美味しい~」とさえずりたくなるような串でした。

 一方の「ころ(コロ)」は,鯨の皮です。

 私はグルメ漫画「美味しんぼ」で知りました。

 鯨の皮には厚い脂肪の層がありますが,それをいったん油で揚げた上で,おでんだしで煮込まれているため,適度に油抜きされて食べやすくなっています。

 表皮の部分はプルンと,脂肪の部分はジュワッとした食感でした。

 噛みしめるほどに,中から鯨の甘い脂とおでんのだしがにじみ出て,その旨味がじわじわと舌に伝わってくる感じでした。

 秋田の郷土料理「くじらかやき」と同様,鯨の皮と皮下脂肪のうまみを楽しむ料理です。

 鯨は今や高級食材となっていますが,おでんに入れた鯨は他に代えがたい美味しさ・魅力があり,それが現在,そして未来へと引き継がれている理由なのだろうなと思いました。


菊壽堂義信の「高麗餅」

 翌日,大阪メトロ堺筋線に乗り,北浜駅で下車しました。

 北浜駅周辺は大阪のビジネス街で,近くの道修町(どしょうまち)通には,田辺三菱製薬,塩野義製薬,小林製薬,扶桑薬品工業,武田薬品工業など,製薬会社の本支店が集まっています。

 こうしたビジネス街の一角,高麗橋にある和菓子店「菊壽堂義信(きくじゅどうよしのぶ)」を訪問しました。

(菊壽堂義信(店舗))
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 江戸時代から続く老舗の和菓子店です。

 大きな看板があるわけでもなく,初訪問の際は,よほど注意して探さないと通り過ごしてしまうようなお店です。

 まさに知る人ぞ知るお店なのですが,知っておられる方は普通に引き戸を開けて中に入り,お菓子を注文しておられました。

 外観と同様,店内も静かな佇まいでした。

 「高麗餅(こうらいもち)」を1セット,持ち帰りで注文しました。

 お店の方は「かしこまりました。しばらくお待ちください。」とおっしゃって奥の厨房へ向かわれました。

 お客さんの注文を受けてから,1つずつ丁寧に作られます。

 しばらくして,箱詰めされた高麗餅が手渡されました。

 「今日中にお召し上がりください」とのことでした。

 大事に抱えながら,広島の自宅まで持って帰りました。

(高麗餅(箱))
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 シンプルながら伝統を感じるデザインの包みです。

 中はどんな感じだろうかとワクワクしながら箱を開けました。

(高麗餅)
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 色彩豊かな5種類の高麗餅が並んでいました。

 写真左(手前)から,粒あん,白あん,抹茶あん,こしあん,ゴマあんの高麗餅です。

(高麗餅(中身))
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 白あん,抹茶あん,こしあんの中身です。

 高麗餅は,甘くやわらかい餅(求肥)を様々なあんこで包み,手で握って仕上げられたお菓子です。

 大人の親指くらいのサイズで,しかもあんこはすべて甘さ控えめなので,一度にすべて味わうことができます。

 粒あんは,小豆の粒の歯応えが心地よく,小豆本来の風味が楽しめました。

 白あんは,白小豆が使われており,上品で繊細なあんこでした。

 抹茶あんは,いただいた瞬間,さわやかな抹茶の香りが口いっぱいに広がりました。

 こしあんは,小豆の雑味がなく,口の中でさらりと溶ける,甘さ控えめのあんこでした。

 ゴマあんは,すりゴマの香りが素晴らしく,ゴマのコクが餅とよく合いました。

 このお店の高麗餅で一番大切にしたいのがその鮮度です。

 お店では,あんこが手で握ってやっとまとまる程度の,ギリギリの水分で作られています。

 そのため,何よりも握りたて,作りたてが一番で,時間が経つにつれ,あんこの水分が飛んで,表面がひび割れてきます。

 消費期限は1日どころか,数時間と思っておいた方が良いでしょう。

 改めて高麗餅の写真を御覧ください。

 あんこの表面が,ところどころひび割れているのがお分かりいただけると思います。

 平日の日中のみの営業で,日持ちしないこともあり,高麗餅本来の味を楽しめる方は限られてしまいますが,機会があれば御賞味ください。


<関連サイト>
 「たこ梅」(本店・大阪市中央区道頓堀1-1-8 ほか)
 「菊壽堂義信」(大阪市中央区高麗橋2-3-1)

<関連記事>
 「秋田の食文化探訪 -がっこ・なた漬け・きりたんぽ鍋・くじらかやき-

2023年1月22日 (日)

帝国ホテルのパンケーキ -帝国ホテル大阪・アップルクランブルのパンケーキ トフィーソース-

 帝国ホテルの人気メニューの1つに,パンケーキ(インペリアルパンケーキ)があります。

 このパンケーキを味わってみたいと思い,大阪・天満橋にある「帝国ホテル大阪」を訪問しました。

(帝国ホテル大阪(全景))
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 写真左の四角い建物が帝国ホテル大阪,写真右の丸い建物がOAP(大阪アメニティパーク)です。

(帝国ホテル大阪・玄関)
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 パンケーキは2階にあるカジュアルレストラン「カフェ クベール」でいただくことができます。

(カフェ クベール(入口))
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 お店の方に席を御案内いただいた後,メニューを見ました。

 アラカルトメニューに「インペリアルパンケーキ いちご添え」があったのですが,訪問当日は「英国フェア」(2022年11月1日~2023年1月6日)が開催されており,英国にちなんだパンケーキ「アップルクランブルのパンケーキ トフィーソース」も用意されていました。

 このパンケーキに付いてくるソースポットに入ったトフィーソースが魅力的で,期間限定だったこともあり,「アップルクランブルのパンケーキ トフィーソース」を注文することにしました。

 コーヒーもセットで注文しました。

 しばらくして,テーブルの上にカトラリーが用意されました。

 そしてコーヒーが運ばれてきました。

(コーヒー)
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 1杯1,200円,セットだと1,000円ですが,おかわりにも応じていただけるので,サービスやレストランの雰囲気も含めると相応の値段ではないかと思います。

 その後しばらくして,待望のパンケーキがワゴンで運ばれてきました。

(アップルクランブルのパンケーキ)
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 インペリアルパンケーキに,アップルクランブル(リンゴが入った英国発祥の焼菓子),リンゴのコンポート(シロップ煮),薄くスライスしたリンゴ,生クリームが添えられています。

 そしてトフィーソースがこちらです。

(トフィーソース)
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 レーズンとリンゴがたっぷり入った熱々のトフィーソース(バターと砂糖を加熱して作るキャラメル味のソース)です。

 さらにバニラアイスも付いていました。

(バニラアイス)
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 バニラビーンズたっぷりで,卵黄の風味をしっかり感じるバニラアイスでした。

 目で楽しんだ後,メインのパンケーキをいただきました。

 1枚1枚丁寧に焼かれ,表面はきれいな焼き色をしています。

 この丸くて上品なパンケーキが3枚重ねられていました。

 表面はサックリ,中はしっとりとした仕上がりで,3層のパンケーキをナイフとフォークで一気にカットしていただくと,とても贅沢な気分になりました。

(パンケーキ・トフィーソース添え)
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 パンケーキだけでも美味しいのに,パンケーキに熱々のキャラメル味のトフィーソースをかけると,脳に快感物質が分泌され,多幸感を感じるレベルの美味しさでした。

 大阪は,帝国ホテル大阪のほかにも,「純喫茶 アメリカン」(難波)や「サンシャイン」(梅田)など,パンケーキ・ホットケーキが用意されている喫茶店・カフェがたくさんあります。

(純喫茶アメリカン)
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 モーニングでパンケーキ・ホットケーキを用意されているお店も多くみかけました。

 これも大阪の「粉モン文化」の1つだと思います。


<関連サイト>
 「帝国ホテル大阪」(大阪市北区天満橋1-8-50)

2023年1月15日 (日)

福島県郡山市・柏屋の和菓子と萬寿神社(まんじゅうじんじゃ) -薄皮職人手づくり薄皮饅頭・柏屋薄皮饅頭・柏屋くしだんご-

 福島県郡山市を訪問しました。

 喜多方駅・会津若松駅から磐越西線を利用し,郡山駅に到着しました。

(磐越西線・郡山駅ホーム)
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 喜多方駅や会津若松駅と比べると,郡山駅は東北新幹線の駅でもある分,大規模で都会的な駅となっています。

(郡山駅)
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 郡山市には「薄皮饅頭」で有名な「柏屋」や,「ままどおる」で有名な「三万石」など,魅力的な菓子店がたくさんあります。

 今回は,郡山市内にある全国的にも珍しい饅頭にちなんだ神社「萬寿神社(まんじゅうじんじゃ)」と「柏屋」の薄皮饅頭を御紹介したいと思います。


菓祖神 萬寿神社

 郡山駅前のメイン道路をひたすら歩き,柏屋の店舗の1つ「開成柏屋」を目指しました。

 まだかまだかと歩き,やっとの思いで開成柏屋・萬寿神社に到着しました。

(萬寿神社案内看板)
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 案内看板を見つけた瞬間,「あっ,本当に饅頭の神社があるんだ!」と興奮しました。

 郡山駅からだと結構距離がある(約2.3km)ので,メイン道路を頻繁に運行している路線バス(福島交通)など公共交通機関を利用されるのが良いと思います。
 (私も往路は徒歩でしたが,復路(郡山駅方面)はバスを利用しました。)

(開成柏屋店舗)
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 萬寿神社は開成柏屋店舗に隣接しています。

 ただ初訪問だったので,どこにあるのかわからず,しばらく店舗を探し回りました。

(萬寿神社案内看板(照明灯))
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 照明灯の看板で店舗の奥に参道があることがわかり,心を落ち着けて神社へ向かいました。

(萬寿神社東参道入口)
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 写真左側が手水を行う「手水舎」,写真右側が「願掛け萬寿石(がんかけまんじゅういし)」です。

(願掛け萬寿石)
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 丸くてかわいらしい,まるでお饅頭のような「願掛け萬寿石」です。

 願い事を聞き届けてくれる願掛けの石です。

 さらに境内を進んでいくと,萬寿神社がありました。

(萬寿神社)
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 日本に饅頭を伝えた饅頭の祖「林浄因(りんじょういん)命」,日本に橘(たちばな・みかんの原種)を持ち帰った菓祖神「田道間守(たじまもり)命」,そして薄皮饅頭を作った柏屋初代の「本名善兵衛(ほんなぜんべい)命」の三柱の神様が祀られています。

(萬寿神社賽銭箱)
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 賽銭箱にも「萬寿(まんじゅう)」の字が記載されています。

 「美味しい饅頭がたくさん食べられますように」

 ちなみに,中国から日本へ饅頭を伝えたのは林浄因のほか,聖一国師(しょういちこくし,円爾(えんに))という説もあります。

 林浄因は奈良で中に小豆餡を入れた饅頭を作り,それが「塩瀬総本家」(拠点は奈良から京都,そして東京へ変遷)の「志ほせ饅頭」に受け継がれ,さらに福島・柏屋の「薄皮饅頭」へとつながっています。

 一方,聖一国師は博多(福岡)で酒饅頭の製法を伝え,それが「とらや」(拠点は京都から東京へ変遷)の「虎屋饅頭」に受け継がれています。

 「畿内説」か「九州説」か,邪馬台国論争のようなお話になりますが,いずれにせよ,小豆餡入りの饅頭が和菓子を代表するお菓子となり,現在に続いていることは確かです。


薄皮職人手づくり薄皮饅頭

 萬寿神社を訪問した後,隣接する開成柏屋でお菓子を買いました。

 店内で商品を見て回っていると,薄皮職人さん手づくりの薄皮饅頭が販売されていました。

 地元のお店でしか買えない貴重な薄皮饅頭です。

 この薄皮饅頭と「くしだんご」を購入しました。

(薄皮職人手づくり薄皮饅頭(化粧箱))
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 特別な薄皮饅頭だけに,化粧箱ののしに作られた薄皮職人さんのお名前まで記載されています。

(薄皮職人手づくり薄皮饅頭(包装紙))
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 包装紙も薄皮のような透けてみえる高級紙が使われています。

(薄皮職人手づくり薄皮饅頭(箱の中))
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 箱は柏屋薄皮饅頭と同じものが使われていますが,薄皮職人手づくり薄皮饅頭は柏屋薄皮饅頭と比べて一回り小さく,その分,箱の仕切りスペースの余裕が大きくなっています。

(薄皮職人手づくり薄皮饅頭)
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 包みには「郡山中町 御菓子 柏屋善兵衛 こし」と記載されています。

(薄皮職人手づくり薄皮饅頭(中身))
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 饅頭を切って中を確かめると,あんこがぎっしりで,見事な薄皮になっているのがわかりました。

 ほのかに黒糖の風味がする薄い饅頭(生地)と,口の中でさらりと溶ける絶妙な甘さのあんこ(こしあん)が特長の手づくり饅頭です。

 萬寿石のようなかわいい丸い形で,手に取って食べやすく,温かみを感じるのは手づくりならではです。

 一般に販売されている柏屋薄皮饅頭との違いを知るため,後日,柏屋薄皮饅頭も購入しました。

(柏屋薄皮饅頭(包装))
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 柏屋薄皮饅頭(季節限定・新あずき)の包装紙です。

(柏屋薄皮饅頭(化粧箱))
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 薄皮職人手づくり薄皮饅頭と同じ外箱ですが,薄皮のような半透明の包装紙はありません。

(柏屋薄皮饅頭(箱の中))
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 先に御紹介した写真「薄皮職人手づくり薄皮饅頭(箱の中)」と見比べていただくとわかるのですが,柏屋薄皮饅頭は箱の仕切りに合わせたジャストサイズとなっています。

(薄皮職人手づくり薄皮饅頭と柏屋薄皮饅頭(包装))
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 写真左側が薄皮職人手づくり薄皮饅頭,写真右側が柏屋薄皮饅頭です。

 包みのデザインも異なっています。

(薄皮職人手づくり薄皮饅頭と柏屋薄皮饅頭(中身))
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 それぞれの薄皮饅頭を切ってみました。

 写真左側が薄皮職人手づくり薄皮饅頭,写真右側が柏屋薄皮饅頭です。

 全体的に,手づくりの方がより薄皮になっていることがわかりました。

 特に饅頭の底の部分は,あんこが透けて見えるぐらい薄く仕上げられていました。

 食材は一緒なので,味については基本的に同じです。

 目の前に計16個の薄皮饅頭。

 萬寿神社での私の願い事は叶いました(笑)


柏屋くしだんご

 郡山駅から東北新幹線で東京駅へ向かいましたが,その新幹線の車中で,開成柏屋で購入した「柏屋くしだんご」をいただきました。

(柏屋くしだんご(こしあん))
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 店頭でこしあんとつぶあんが販売されていたので,私はこしあんを選びました。

 もっちりとやわらかい串団子に,ほどよい甘さのこしあんがきれいにまんべんなく塗られていました。


 福島県郡山市。饅頭好きなら一度は訪れたい饅頭の聖地です。


<関連サイト>
 「柏屋」(「開成柏屋」福島県郡山市朝日1-13-5 ほか)
 「菓祖神 萬寿神社」(福島県郡山市朝日1-13-5(開成柏屋敷地内))
 「日本三大まんじゅうとは」(柏屋)

<関連記事>
 「うどん・そば・饅頭・羊羹発祥の地 博多 -聖一国師と承天寺,禅料理と博多の食文化-

2023年1月12日 (木)

江の島シーキャンドルの耳かき -神奈川県藤沢市-

 江の島シーキャンドル(展望灯台)の耳かきです。

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 「江の島ガラス Hook(フック)」で購入しました。

 江の島シーキャンドルは,湘南・江の島のシンボルです。

 毎年11月から翌年2月にかけての夕刻は,この江の島シーキャンドルを中心に「湘南の宝石」とよばれるライトアップがなされ,あたり一面が美しいイルミネーションに彩られます。

 この江の島シーキャンドル,ひっくり返すと京都タワーのようにも見え,どっちが上なのか少し迷ってしまいます(笑)

2023年1月 8日 (日)

福島県会津地方の食文化2 -馬肉料理・こづゆ・いかにんじん・ニシンの山椒漬け・ソースカツ・ごまこんにゃく・会津地鶏・たまりせんべい-

 今回は会津地方の郷土料理を御紹介します。

 夕方,会津若松駅から磐越西線で喜多方駅へ向かいました。

(磐越西線・普通・喜多方行・会津若松駅)
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 写真左が磐越西線・郡山行き,写真右が私が乗車した磐越西線・喜多方行きの列車です。

 喜多方駅に着くと,赤べこやラーメンの横断幕が出迎えてくれました。

(横断幕「ようこそ喜多方へ!」喜多方駅)
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 この度の夕食のお目当ては,赤べこ(牛)でもラーメンでもなく,馬ですが(笑)

(レンガ造りの喜多方駅入口)
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 レトロな味わいのあるレンガ造りの喜多方駅入口です。

 喜多方駅から徒歩で宿泊先の喜多方グリーンホテルへ向かい,少し休憩しました。

 その際,フロントの方から,飲食店情報をはじめ,地元の様々なお話を教えていただきました。
 この場をお借りしてお礼申し上げます。

 その後,喜多方の街を散策しながら郷土料理店「会津田舎家」へ向かいました。

(郷土料理店「会津田舎家」)
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 店名どおり,田舎の屋敷のような店舗でした。

 会津は山に囲まれているため,山の幸や保存性に優れた乾物の魚介類を中心に,独自の食文化が形成されました。

 その1つが馬肉料理です。

 そこで,今回はこの馬肉料理を中心とした会津の郷土料理コースをいただきました。


【メンマチャーシュー大根・馬モツ煮込み】

 お通しは「メンマチャーシュー大根」と「馬モツ煮込み」でした。

(メンマチャーシュー大根と馬モツ煮込み)
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 メンマとチャーシューが使われた料理とは,ラーメンの街・喜多方ならではです。

(馬モツ煮込み)
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 こちらは馬のモツ(内臓)の煮込みです。

 広島には「やおぎも」と呼ばれる牛の肺(フワ)を甘辛く煮た料理がありますが,それとよく似た味・食感でした。


【馬刺し】

(馬刺し(ヒレ肉))
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 馬肉と言えば「馬刺し」です。

 刺身に厚みがありますが,ヒレ肉なのでとてもやわらく,クセが全くありませんでした。

 皿の右下に添えられているのは「ニンニク唐辛子味噌」で,馬刺しにこの調味料を添えて食べるのが会津流です。


【こづゆ】

 かつて海から離れた会津地方は,海産物と言えば乾物が中心でした。

 身欠きニシン,棒タラ,スルメ,貝柱などが挙げられます。

 そのため,会津地方ではこうした乾物を一旦戻して調理した料理も多く存在します。

 その1つが,会津の代表的な郷土料理「こづゆ」です。

(こづゆ)
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 こづゆは,会津地方で江戸時代後期から明治時代初期にかけて武家料理や庶民の御馳走として広まり,冠婚葬祭の料理として振る舞われる郷土料理です。

 シイタケ・人参・里芋・タケノコ・ホタテの貝柱などが入った具だくさんのおつゆです。

 干しシイタケやホタテの貝柱など乾物が使われることが特徴です。


【いかにんじん】

 「こづゆ」と同様に,海産物(乾物)が使われた会津の郷土料理が「いかにんじん」です。

(いかにんじん)
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 スルメイカと人参を和えた保存食(常備菜)です。

 スルメイカ(乾物)の塩味が主な調味料となっています。

 保存性を高めるためか,少々しょっぱめの味付けとなっていました。


【ニシンの山椒漬け】

 こちらも海産物(乾物)が使われた会津の郷土料理「ニシンの山椒漬け」です。

(ニシンの山椒漬け)
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 身欠きニシン(ニシンの乾物)を戻し,醤油,酢,酒,みりんなどの調味料で漬け込んだ料理です。

 酢でさっぱりとしていて,山椒のさわやかな香りがニシンの味を引き立てていました。


【ソースカツ】

 会津はソースカツ丼が有名で,ソースカツ丼のお店がたくさんあります。

 「(今回の訪問では無理だけど)会津のソースカツ丼も食べてみたかったな」と思っていると,不意打ちで「ソースカツ」が提供されました。

 これは嬉しいサプライズでした。

(ソースカツ)
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 豚ヒレ肉のソースカツです。

 会津のソースカツ丼は丼飯に千切りキャベツを敷き,その上にソースカツがのせられますが,その丼飯がないバージョンです。

 トンカツが甘辛いソースにからまり,ご飯も欲しくなる一品でした。


【自家製ごまこんにゃく】

 お店の看板料理の1つ「自家製ごまこんにゃく」です。

(自家製ごまこんにゃく)
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 白ゴマと黒ゴマの2種類で,酢味噌でいただきました。

 こんにゃくというよりは,豆乳で作った湯葉のような食感で,ゴマの風味豊かな一品でした。


【会津地鶏のせせり】

 会津地鶏もいただきました。

(会津地鶏のせせり)
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 「会津地鶏のせせり」の焼き鳥です。

 「せせり」は鶏の首回りの肉で,「ネック」とも呼ばれます。

 地鶏のせせりの肉なので,身が引き締まって弾力があり,かむほどにじわじわと旨味を感じました。


【おむすびセット】

 コースの締めのご飯は「おむすびセット」でした。

(おむすびセット)
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 俵形のおむすびと,冬至カボチャの煮物,生キクラゲの刺身(青菜とわさび),きゅうりの漬物,しその実の醤油漬け,イカのキムチマヨネーズ和えが盛られていました。

 締めの料理に至るまで,会津の食材・料理を堪能できるコースでした。

 コース料理は以上ですが,せっかくなのでもう少し郷土料理を味わいたいと思い,アラカルトでも注文しました。


【馬タン焼き】

 改めてメニューを眺めていて,ふと目に留まった料理がありました。

 馬肉料理の1つ「馬タン焼き」です。

 馬のタンとは珍しいと思い,この馬タンに賭けることとしました。

 これが第11番目の料理となります。

(馬タン焼き)
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 馬タン焼きが6枚で6連タン!
 
 味はタン塩(単勝)一本勝負!

 ここからは実況中継でお伝えします。

 「喜多方第11レース。本日のメインレースを迎えました。」

 「皿の上に6枚の馬タン,今ゲートイン完了です。」

 「各馬タン一斉にスタートしました。タンにしては意外とやわらかく好スタートです。かむほどに脂がジュワッと後に続きます。のど元の第1カーブを過ぎると,次々と食べたい欲求が増してきます。」

 「さぁ最終コーナー。口の中は肉と脂で混戦模様。やわらかさが勝つか,ウマ味が勝つか,歯応えだって負けてない,脂と肉汁も次々と追いかけてくる,ハナ差で風味も続く。これは予想外の一戦だ。箸の動きはハイペース。もはや誰にも止められない。ほぼ同時に胃の中にゴールイン!」

 「ただいまのレース,馬タン,1皿1,100円…」

 馬タンは初めてでしたが,ビギナーズラックな美味しさで,福島の記念になりました。

 ※少々ふざけた表現になったことをお許しください。


【たまりせんべいアイス】

 デザートに,喜多方の「たまりせんべい」を使ったアイスクリームをいただきました。

 喜多方は沿道に蔵が連なる「蔵の街」で,醸造業でも栄えてきました。

 その蔵で作られた(たまり)醤油と地元のお米を使って作られたのが「たまりせんべい」で,喜多方の代表的なお菓子となっています。

(たまりせんべいアイス)
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 たまりせんべいの上に抹茶とチョコレートのアイスクリームがのせられています。

 香ばしいせんべいが,アイスクリームに添えられるウェハースのような役割をしていました。

 一緒にいただくと,アイスクリームにたまり醤油の風味が加わり,その甘じょっぱさが見事にマッチしたデザートでした。


【まとめ】

 会津の郷土料理を満喫しました。

 こちらのお店は,馬肉専門の卸業者から馬肉を仕入れておられるようで,新鮮で美味しい馬肉を味わうことができます。

 また,馬肉料理に限らず様々な会津の郷土料理を御用意されています。

 会津の食から,会津の風土や文化を知るのも面白いと思います。


<関連サイト>
 「会津田舎家」(福島県喜多方市梅竹7276-2)
 「喜多方グリーンホテル」(福島県喜多方市字二丁目4664)

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2023年1月 4日 (水)

しらすの耳かき -神奈川県藤沢市-

江の島名物,しらすの耳かきです。

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ガラス工芸のしらすで,その透明感が本物の生しらすのようです。

地元の方から江の島にしらすの耳かきがあると教えていただき,その後江の島へ何度か行ってやっとゲットできました。

「江の島ガラス Hook(フック)」というお店で購入したのですが,お店の入口にあるガチャガチャ(ガラスの指輪ガチャ)が大人気で,行列ができていました。

店内のご当地耳かきなら,並ばなくても買えますよ!

2023年1月 1日 (日)

新年明けましておめでとうございます -開設9周年を迎えて-

 新年明けましておめでとうございます。

 読者の皆様も,新たなお気持ちで新年を迎えられたことと思います。

 おかげさまで,本日,ブログ開設9周年(ブログ開設日2014年1月1日)を迎えることが出来ました。

 時間的制約等で更新の頻度もままならない状況にある中でも,こうして快くお付き合いいただいている読者の皆様に,心からお礼申し上げます。

 食に限らずどんなジャンルにおいてもそうですが,興味を持ち,ちょっとの勇気と行動力でその世界に踏み込めば,その先には思わぬ喜びや感動,新たな出会いや発見が待っているような気がします。

 こうした喜びや感動,新たな出会いや発見も含めて皆様にお伝えすることができたなら,それが私にとって何よりの喜びです。

 また御当地耳かきにつきましても,まだ御紹介できていない在庫がありますので,引き続き当ブログで皆様に御紹介させていただきたいと思います。

 食文化やご当地耳かきの探訪を通じて,今年はどんな出会い・発見があるでしょうか。

 全ては偶然が積み重なった結果ですので,私自身も今からワクワクしています。

 今後も,当ブログにお越しいただいた皆様に,できるだけ事実をお伝えし,記事をお読みいただくことで,何か1つでも御参考になることがあればとの思いで,ブログの作成に取り組みたいと思います。

 引き続き御愛顧の程,よろしくお願い申し上げます。


 2023年 元旦

 コウジ菌

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