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2023年3月

2023年3月26日 (日)

ビッグ錠先生の世界10 -湘南台「ビッグ錠の66.50展」とプリンカレー勝負-

「ビッグ錠の66.50展」(湘南台駅地下アートスクエア)

 2023年3月18日・19日の2日間,神奈川県藤沢市湘南台を訪問しました。

 湘南台駅アートスクエアで開催された「ビッグ錠の66.50展」(2023年3月18日~22日)に参加するためです。

 このイベントの開催を知ったのが開催3日前の夜で,急遽,広島から東海道・山陽新幹線を利用して新横浜駅経由で訪問しました。

 2023年3月18日は,ちょうど相鉄・東急新横浜線が開業した日にあたり,相鉄・湘南台駅でも開業記念展示がありました。

(相鉄・東急新横浜線開業記念展示(湘南台駅))
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 湘南台が「しょうにゃんだい」に,ナンバリングも「SO28(そうにゃん)」と表記されています。

 多くの人がこの記念展示を撮影されていました。

 改札口を出て湘南台駅の地下をしばらく歩くと,「ビッグ錠の66.50展」の会場がありました。

(「ビッグ錠の66.50展」ポスター)
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 ビッグ錠先生の手作り感満載のポスターです。

 「ぼくがこの町で生まれてから50年だよー」
 「この町もずいぶん変わったなあ」
 「俺たちマンガの中では年をとらなくていいなあ」

 今年は,ビッグ錠先生がマンガを執筆されて66年,湘南台を拠点とされて50年という年にあたります。

(「ビッグ錠の66.50展」プログラム)
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 3月18日から22日の期間中,ビッグ錠作品展のほかに,トークショウ,カレー勝負,コンサート・ライブペインティングが行われました。

(「ビッグ錠の66.50展」会場(湘南台駅地下アートスクエア))
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 会場の様子です。

 「一本包丁満太郎」の主人公・満太郎がおにぎりを握る様子を描いた大きな垂れ幕もありました。

(「ビッグ錠の66.50展」寄稿文)
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 一人のマンガ家が ある町に住みついて その町がとても好きになり
 その町の人たちを好きになり その町の人たちと何かをやりたくなり
 気がついたら50年経っていた
 高校二年の時,大阪の貸本マンガでデビュー
 マンガを描き続けて,気がついたら66年経っていた…
 66と50でロック!ロックでGo on!
 66・50展をお楽しみください。
 ビッグ錠

 会場にはビッグ錠先生が描かれた様々な原稿やポスターなどが展示されていました。

(「包丁人味平」少年ジャンプ原稿)
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 「包丁人味平」のカレー勝負で,主人公の味平がいろんなカレー店を食べ歩く様子です。

(湘南台イベント案内)
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 湘南台の地域のイベント案内も展示されていました。

 地域の防災訓練やラジオ体操の案内をビッグ錠先生が作られているとは,湘南台の皆さんがうらやましいです。

 私が湘南台の住民だったら,行事が終わっても資料は捨てずに保存します(笑)

(鯖神社絵馬(平成26年・午年))
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 こちらは,ビッグ錠先生が地元・湘南台の鯖神社に奉納された絵馬です。

 ビッグ錠先生らしさが伺える作品です。

 漫画家の皆さんからのお祝いメッセージ・サインも展示されていました。

(お祝いメッセージとサイン(さとう輝・本庄敬・川崎のぼる・寺沢大介))
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 写真右上がさとう輝先生,左上が本庄敬先生,右下が川崎のぼる先生,左下が寺沢大介先生からのお祝いメッセージとサインです。

(お祝いメッセージとサイン(倉田よしみ))
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 こちらは倉田よしみ先生からのお祝いメッセージとサインです。

 作品展をひととおり鑑賞した後,湘南台のバー「Ars Nova(アルスノーバ)」へ向かいました。


「Ars Nova(アルスノーバ)」

 アルスノーバには約3か月ぶりの訪問となりましたが,マスターをはじめ,いろんな常連さんとお会いでき,会話を楽しみました。

 ドリンクは,良いアプリコット酒があるとのお話だったので,ソーダ割りでいただきました。

(アプリコット酒ソーダ割り)
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 甘めで,アプリコットの良い香りが楽しめるカクテルでした。

 最近になって気付いたのですが,マスターは私がお酒に弱いことを気遣って,お酒の量をかなり減らしてくださっています。

 地元のバーやスナックで「お酒はかなり少なめで」とお願いしても,私にとっては強いことが多いのですが,アルスノーバでは時間をかければ飲み切れる(おかわりもできる)からです。

 こうした見えない心遣いができるところに,マスターの優しさと誇りを感じました。

 イベント「カレー勝負」の前夜ということで,ユーチューブで漫画飯再現料理を紹介されているズボラさんも来店されました。

 お店で明日のカレー勝負に出されるカレーの仕込みをされたのですが,そのカレーの味見ということで,私も「プリンカレー」を試食させていただきました。

(ズボラさんのプリンカレー)
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 ビッグ錠先生のブラックカレーを意識し,イカ墨で黒を強調されたカレーです。

 スパイスを足して少し辛めに仕上げられています。

 そのカレーの上にプリンがのせられています。

 じっくり煮こまれて深いコクとまろやかさが感じられるカレーで,やわらかく煮こまれた牛肉もゴロゴロと入っていました。

 プリンは甘さ控えめで,カレーと一緒に食べると,クリーミーでマイルドな味になり,不思議とよく合いました。

 美味しかったので,ズボラさんへは「料理お上手なんですね」と感想をお伝えしました。

 その後,初日のトークイベントを終えて打ち上げをされていたビッグ錠先生と寺沢大介先生御一行が来店されました。

 私はカウンター席に居たのですが,ビッグ錠先生から「こっちへどうぞ」と誘っていただき,寺沢大介先生の横で皆さんと楽しくお話することができました。

(寺沢大介先生とサイン色紙)
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 寺沢大介先生から「ミスター味っ子」のサインもいただくことができました。

 私は寺沢大介先生に「一生の宝物にします」と深くお礼申し上げました。

 大御所の先生御一行をお見送りし,カウンターに戻ってアルスノーバ特製のコーヒーをいただきました。

(アルスノーバ特製コーヒー)
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 マスターの粋なお取り計らいもあり,素敵な時間を過ごすことができました。


イベント「カレー勝負」の準備

 翌日(3月19日)の午前,13時からのイベント「カレー勝負 ビッグ錠 VS ずぼら(Youtuber)」の準備のため,関係者がアルスノーバに集まりました。

(「Ars Nova(アルスノーバ)」)
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(「ズボラの漫画飯再現料理」案内看板とミッドナイトジョー)
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 お店の前に「ズボラの漫画飯再現料理」案内看板とスコッチウイスキー「ミッドナイトジョー」を置き,宣伝もしました。

 事前にズボラさんと一緒にイベント会場へ行き,セッティングなども行いました。

(カレー勝負イベント会場)
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 オレンジ色の「ミッドナイトジョー」オリジナルパーカーも着て,気付けば私もすっかり運営スタッフの一員となっていました。

 ズボラさんは出演者ということで,一足早く会場へ向かわれました。

 その後,ビッグ錠先生もお店に来られ,カレーなどをお店に置いてイベント会場に向かわれました。

 会場では調理が禁止されており,ご飯やカレーなどを皿に盛り付けることも調理(行為)となるため,あらかじめ店内で温め,お皿に盛り付けたプリンカレーを会場へ持ち運びました。

 審査員の方々にできるだけ温かい状態のカレーライスを召し上がっていただくため,イベント開始直前にお二人のプリンカレーを一気にお皿に盛り付けました。

 カレーにプリンをのせたり,福神漬けを添えたりと,見栄えも考慮しながら3人で用意しました。

(ビッグ錠先生のプリンカレーとズボラさんのプリンカレー)
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 これがビッグ錠先生とズボラさん,お二人のプリンカレーです。

 手前の丸ごとプリン1個と福神漬けが添えられたカレーがビッグ錠先生,奥のブラックカレーがズボラさんの作品です。

 ひととおり揃ったところで,上にラップをかけて,パレットボックスに詰め,会場へと運びました。

(パレットボックスにプリンカレーを詰めた様子)
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 緊迫感が伝わってくるでしょうか(笑)

 このパレットボックスを湘南台駅地下アートスクエアまで歩いて運びました。

 「途中つまずいて転んだりでもしたら,お二人のプリンカレーがぐちゃぐちゃになってイベントが台無しになる」と思うと,持ち運びにとても緊張しました。

 ビッグ錠先生やズボラさんも知らない現場の状況をお伝えしました(笑)


カレー勝負 ビッグ錠 VS ズボラ

 一仕事終え,私も会場の端でカレー勝負の様子を見学しました。

(カレー勝負をするビッグ錠先生とズボラさん)
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 ビッグ錠先生はコックさんの服装で,ズボラさんはオレンジ色の「ミッドナイトジョー」オリジナルパーカーで出演されました。

 お二人とも言いたいことを言い合って会場を盛り上げておられました(笑)

(【漫画飯再現料理】湘南台!ビッグ錠66.50展 因縁のプリンカレー対決 アニメ飯再現レシピ)

(YouTube「ズボラの漫画飯再現料理」)

 地元の6名の審査員の方々に,お二人のプリンカレーを審査していただいた結果,3対3で見事引き分けとなりました。

 ビッグ錠先生のプリンカレーは試食できませんでしたが,見た目で何となく味は想像できます(笑)

 イベントの中で,ビッグ錠先生はおっしゃってました。

 「僕の漫画はほとんどそうなんですけども」
 「読んだ後に冷静に考えたらおかしな所ばっかりなんですよ」
 「でも漫画っていうのはいかにして最後まで読ませるかが勝負なので」
 「その間もう考えさせないようにコマをつないでいくっていうのが一番肝心なことなんで」
 「まあ後から突っ込まれて何言われようが,それは何とかなるだろうというつもりでいつも描いてるんです」
 「そういう風に思って描いているのを本気になって作る人がいるなんて思わなかったんでねー,ハッハッハ」

 ビッグ錠先生は,読者の好奇心をかき立て,最後まで一気に読んでもらうことを念頭に,既成概念にとらわれず,自由な発想や創造力で料理の漫画を描き続けておられることがよくわかりました。

 そして,そういう料理に本気で挑戦しておられるズボラさんも素晴らしいと思いました。

 イベント終了後,「アルスノーバ」で打ち上げ会が催され,私も帰りの新幹線の出発時刻ギリギリまでお店にとどまって,皆さんと会話を楽しみました。


まとめ

 運営スタッフとしてイベントをお手伝いさせていただきましたが,直前に決まることも多く,「果たしてうまくイベントが進むのだろうか」と少し心配もありました。

 結果的にはすべてうまくいったのですが,そうした対応の中で,ビッグ錠先生がおっしゃった「何とかなるだろう」という考えも人生を生きていく上では大事なことだと実感しました。

 イベント開始直前,ビッグ錠先生が,事前に用意されていたプリンを御自宅に忘れてきたことに気付かれ,一時騒然となったのですが,それだって(運営スタッフみんなで対応し)何とかなったのですから。

 私もビッグ錠先生のように「何とかなるだろう」という気持ちで,その後の展開を楽しむぐらいの余裕を持てる人間になりたいと思いました。

(「ミッドナイトジョー」オリジナルパーカーとビッグ錠先生のサイン)
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 帰りの東海道・山陽新幹線の車中では,イベント時に着用したビッグ錠先生直筆サイン入り「ミッドナイトジョー」オリジナルパーカーで過ごしました。

 行き当たりばったりの旅でしたが,「何とかなる」どころか,楽しい思い出がたくさんでき,実り多き2日間となりました。


<関連サイト>
 「ズボラの漫画飯再現料理」(ずぼら料理研究家)
 映画「散歩屋ケンちゃん」(「散歩屋ケンちゃん」製作委員会)

<関連記事>
 「ビッグ錠先生の世界6 -湘南台応援イベント「ミッドナイト・ジョー」・スコッチウイスキー「ビッグ錠ラベル」-
 「ビッグ錠先生の世界7 -ビッグ錠誕生日祭(ズボラさんの漫画飯再現料理 一本包丁満太郎の「空洞おにぎり」)-
 「ビッグ錠先生の世界8 -ビッグ錠誕生日祭(チャップマンさんの漫画めし料理 包丁人味平の「味平カレー」と「ブラックカレー」)-
 「ビッグ錠先生の世界9 -スイートベルモット・ブランデーバック・快盗くいしん坊・散歩屋ケンちゃん-

2023年3月19日 (日)

ガスビル食堂で昼食を -特製ガスビルカレー(ビーフカレー)・ムーサカ-

大阪ガスビルディング

 2022年11月に大阪・御堂筋を訪問しました。

 夜の御堂筋は,カラフルなイルミネーションで彩られていました。

(御堂筋イルミネーション・道修町交差点付近)
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 大阪メトロ・御堂筋線の淀屋橋駅を降りてしばらく南へ歩くと,大阪ガスの本社「大阪ガスビルディング」が見えてきます。

(大阪ガスビルディング(大阪ガス本社)・夜景)
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 大阪ガスビルディングは日本有数の美しい建築物として有名で,テレビ「名建築で昼食を -大阪編-」でも紹介されました。

 梅田に戻り,街中を歩いていると,新梅田食堂街で面白い標語を見つけました。

(知らんけど 言うたらあかん 火の始末)
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 「知らんけど」言うたらあかん 火の始末

 その後,大阪市中央区の広報誌「広報ちゅうおう」を読んでみると,この標語は令和4年度の大阪市防火標語であることがわかりました。

 この日は大阪・梅田のホテルに泊まり,翌日お昼に再び大阪ガスビルディングを訪問しました。

(大阪ガスビルディング(大阪ガス本社)・御堂筋側)
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 昼間の眺めも美しく,御堂筋の代表的な建物の1つとなっています。

 御堂筋の歩道でこのビルを眺めていると,どこからともなく年配の男性が私に寄って来られ,大阪弁で「地下鉄の駅はどっち?」と尋ねられました。

 広島から来た私はちょっと自信がなかったのですが,北を指して「あっちです」とお答えしました。

 「知らんけど…」

 この時初めて「知らんけど」という言葉は,こういう使い方をすればよいのだと理解しました(笑)

 お教えした年配の男性も全然違う方向へ歩いて行きましたが…(笑)

 気持ちを取り直し,大阪ガスビルディング周辺を散策しました。

(大阪ガスビルディング(大阪ガス本社)・西側)
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 ビルのてっぺんに親しみのある大阪ガスのマークがありました。

(大阪ガス株式会社と登録有形文化財の表札)
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 「登録有形文化財 この建造物は貴重な国民的財産です 文化庁」

 大阪ガスの重厚な表札とともに,登録有形文化財の表札がありました。


ガスビル食堂

 予約の時間となったので,ガスビル食堂へ向かいました。

 ガスビル食堂は大阪ガスビルディングの8階にありますが,御堂筋沿いの正面入口からではなく,別にある会社の玄関から入ります。

(大阪ガスビルディング1階・ガスビル食堂入口)
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 入口にガスビル食堂の案内看板がありました。

 特別な感じがして,少し緊張しました。

 そしてエレベーターもガスビル食堂専用エレベーターを利用します。

(ガスビル食堂専用エレベーター)
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(エレベーターボタン)
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 8階のガスビル食堂まで直通の専用エレベーターです。

 8階に着くと,テレビ番組「名建築で昼食を」の紹介ポスターが展示されていました。

(テレビ番組「名建築で昼食を」の紹介ポスター)
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 「名建築で昼食を 大阪編」の第4話で大阪ガスビルディングとガスビル食堂が紹介されています。

 レストラン入口で名前をお伝えすると,テーブル席へ御案内いただけました。

 店内は見晴らしの良い大きな窓に沿って,かなりゆったりめにテーブル席が配置されていました。

 私は1人だったにもかかわらず,4人用のテーブル席に御案内いただきました。

(店内からの眺め)
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 テーブル席から眺めた大阪の街(御堂筋)の様子です。

 こんな素晴らしい景色を見ながら食事できるとは,もうそれだけで幸せです。


特製ガスビルカレー・ビーフカレー

 ガスビル食堂の看板メニューの1つに「特製ガスビルカレー」があります。

 そこで私はビーフカレーを注文しました。

 ウェイター・ウェイトレスの方がお客さんの目の前でライスを皿に盛り付けてくださるのですが,その際,お客さんがストップと意思表示するまでライスを盛り続けていただけます。

 これはガスビル食堂ならではのサービスです。

 やがてビーフカレーとライスがテーブルに運ばれてきたので,私はどこでストップと言おうかとソワソワしていました。

 すると…私の姿を御覧になったウェイトレスさんが「ライス,全部盛っておきましょうね」と一気にライスを山盛りにしてくださいました。

 嬉しいけど,食べられるかなぁ(笑)

(特製ガスビルカレー・ビーフカレー)
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 こちらが特製ガスビルカレー(ビーフカレー)です。

 ライスと漬物(らっきょう・福神漬け・セロリのピクルス)がセットになっています。

 ちなみに,ガスビル食堂には「ハートセロリ」というシンプルな生のセロリを味わえるメニューもあります。

 ソースポットには牛肉の大きなかたまりがゴロゴロ入っていました。

 ソースポットからカレーと牛肉をすくい,ライスに盛り付けてみました。

(特製ガスビルカレー・ビーフカレー(盛り付け))
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 ライスの標高が高く,カレールーが断崖絶壁を滝のように流れ落ちました(笑)

 いただきました。

 じっくり煮込まれた上品なホテルカレーでした。

 そして特筆すべきは牛肉です。

 肉がとてもやわらかく,口の中で嚙みしめるたびに,霜降り肉の旨味と甘味がジュワッとにじみ出てきました。

(ビーフカレーの牛肉)
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 上質な肉が使われており,ガスビル食堂(大阪ガス)のプライドを感じる一品でした。


ムーサカ

 続いて「ムーサカ」をいただきました。

 「ムーサカ」はギリシャ料理を日本人の味覚に合うようアレンジした料理で,こちらもガスビル食堂の看板メニューの1つです。

(ムーサカ)
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 色とりどりの野菜が盛り付けられ,それを囲うようにマッシュポテトが添えられています。

 まるでデコレーションケーキのような美しさです。

(ムーサカ(拡大))
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 牛ヒレ肉と玉ねぎのデミグラスソースの上に,人参,ナス,ピーマン,トマト,カリフラワー,マッシュルームといった野菜が彩り豊かに盛り付けられています。

 その周囲には,デコレーションケーキの生クリームのように,マッシュポテトが美しく飾り付けられています。

 絶妙な火加減の野菜を,じっくり煮込まれた濃厚なデミグラスソースでいただきました。

 デミグラスソースはマッシュポテトを添えていただくことにより,コクとまろやかさが増し,また違った美味しさを楽しめました。

 また,このデミグラスソースをビーフカレーのライスとも合わせてみたのですが,「うんうん」とうなずく美味しさでした。


まとめ

 ライス大盛りのビーフカレーとボリューム満点のムーサカをいただき,お腹も幸せも十分満たされました。

 大阪ガスと言えば,私が京都に住んでいた頃によく放送されていた大阪ガスのテレビCMを思い出します。

(大阪ガス「DAY BY DAY きっといい明日」)

(YouTube ohsimar3「DAY BY DAY きっといい明日」)

 関西(出身)の方は御存知の方も多いのではないでしょうか。

 ガスビル食堂で,クオリティの高い料理をいただくことが出来ました。

 ガスビル食堂で食事をすれば,幸せで満たされ,きっといい明日になること間違いなしです。

 知らんけど(笑)


<関連サイト>
 「ガスビル食堂物語」(大阪ガス株式会社・大阪市中央区平野町四丁目1番2号)
 「名建築で昼食を -大阪編-」(テレビ大阪)

<関連記事>
 「ギリシャ料理の特徴と主な料理1 -サガナキ・ホリアティキ・スブラキ・ムサカ・マスティクア-

<参考文献>
 治島カロ「おおきに!喫茶メモリーズ」少年画報社

2023年3月12日 (日)

CBD(カンナビジオール)の世界 -CBDチョコレート・CBDオイル入りコーヒー-

CBDとは

 CBDとは,大麻草の茎や種子から抽出される成分で,「カンナビジオール(Cannabidiol)」の略称です。

 CBDは大麻由来の抽出物(化合物)ですが,高揚感を得る精神活性作用を引き起こす大麻の主成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」は含まれておらず,依存性・中毒性はありません。

 日本では厚生労働省麻薬取締部や税関のチェックを受けた合法的なCBDのみが流通しています。

 CBDを摂取することにより,リラックス効果,ストレスや痛みの緩和,不眠や鬱の予防効果があるとされています。

 このような効果が注目され,CBDは欧米を中心に大きな話題となっています。

 日本でも,CBD成分を配合したお菓子,ドリンク,サプリメント,コスメ,リキッドなどを取り扱うお店が徐々に増えています。


CBDチョコレートとCBDオイル入りコーヒー

 CBD製品を幅広く取り扱い,フードの製造を行うファクトリー(厨房)も備えておられるお店「HealthyTOKYO(ヘルシートーキョー)」江戸川店を訪問しました。

(「HealthyTOKYO」案内看板とメニュー)
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 CBDやヴィーガンに対応したスイーツ,ドリンク,軽食などが用意されています。

 ちなみに,写真に写っている黄緑色の自転車は,今回私がお借りしたレンタサイクルです。

 江戸川区役所の近く,閑静な住宅地の路地を入ったところにお店があり,スマートフォンでマップの位置情報を頼りに何とかたどり着けました。

(「HealthyTOKYO」江戸川店)
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 都会的でおしゃれな雰囲気のカフェです。

 イートインスペースも充実しており,ゆっくりくつろぐことができます。

 初めてのCBDで少し緊張しましたが,CBDチョコレートとコーヒーがセットになった「CBDチョコレートセット」を注文しました。

 この際,コーヒーにはCBDオイルを追加していただきました。

(CBDチョコレートセット)
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 こちらが「CBDチョコレートセット」です。

 一口サイズのチョコレートには,10mgのCBDが配合されています。

 チョコレートはダークチョコレートで,少しひんやりとして,ほのかにハーブの香りも感じました。

 続いてCBDオイル入りのコーヒーをいただきました。

(CBDオイル入りコーヒー)
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 フェアトレードコーヒーです。

 コーヒーの表面にCBDオイルが浮かび,店内の照明で光っています。

 一般的なコーヒーの感覚でいただいたのですが,コーヒーとは全く異なる風味(フレーバー)でした。

 CBDではなくオイルの香りかも知れませんが,ジンか松ヤニかローズマリーかフェンネルのような,清涼感のあるハーブの風味を感じました。

 チョコレートもコーヒーも,ゆっくりと味わいながらいただきました。

 しばらく経つと,体の芯からポカポカ温まり,ゆったりとした気持ちになったように感じました。

 翌日,羽田空港第2ターミナルで「HealthyTOKYO」羽田空港店を見つけました。

(「HealthyTOKYO」羽田空港店)
Photo_20230305143701

 テーブル席では,多くの方がカフェや軽食を楽しんでおられました。

 広島に戻り,自然派のカフェで常連の方とお話ししていると,CBDをよく御存知の方がおられ,びっくりしました。

 CBDは今や,東京だけでなく全国各地で注目を集めていることを実感しました。


<関連サイト>
 「HealthyTOKYO(ヘルシートーキョー)」(江戸川店・東京都江戸川区中央1-18-8 ほか)

<参考文献>
 「ELLE gourmet(エル・グルメ)2021年11月号」(ハースト婦人画報社)

2023年3月 5日 (日)

ルーマニア料理の特徴と主な料理 -チョルバ,ファソーレ・バトゥータ,ママリガ,スムントゥーナ,ムラトゥーリ,パパナッシ-

ルーマニアとルーマニアの食文化

 東ヨーロッパに位置するルーマニア。

 その国名は「ローマ人の国」という意味で,かつてローマ帝国の属州だったことに由来すると言われています。

 ルーマニアはヨーロッパ有数の農業国で,穀物自給率が高く,その中でもトウモロコシの生産はウクライナに次いでヨーロッパ第2位を誇っています。

 また牧畜業も盛んで,精肉や乳製品(チーズ・サワークリームなど)も充実しています。

 食文化においては,トルコから影響を受けた「サルマーレ」(ロールキャベツ,トルコ料理名「ラハナサルマス」)や「ミティティ」(ハンバーグ,トルコ料理名「キョフテ」),オーストリアから影響を受けた「シュニッツェル」(薄く伸ばした肉のカツレツ),ハンガリー料理から影響を受けた「グヤーシュ」(牛肉とパプリカなどで作る煮込み料理)など,ルーマニア近隣の国々から影響を受けた料理が多々みられます。

 日本では,2019年にコカ・コーラのブランド「ファンタ」の「世界のおいしいフレーバー」シリーズで,「ソカタ(SOCATA)」というエルダーフラワーの炭酸ドリンクが発売されましたが,これもルーマニアの国民的飲料です。

 あとルーマニアと言えば,(吸血鬼)ドラキュラが有名ですが,これはルーマニアに実在した人物(ヴラド3世)がモデルとなっており,彼の生家ではドラキュラ料理が味わえるようです。

 「ドラキュラ料理」,聞くだけで血が騒ぎます(笑)


ルーマニアの朝ごはんプレート

 東京・外苑前の「World Breakfast Allday」(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)を訪問しました。

 2022年12月から2023年1月の期間のスペシャルメニューは,「ルーマニアの朝ごはん」でした。

 今回は,この「ルーマニアの朝ごはん」を御紹介します。

 注文してしばらくすると,作りたての「ルーマニアの朝ごはん」プレートが運ばれてきました。

(ルーマニアの朝ごはんプレート)
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 様々なルーマニアの料理がワンプレートに盛られています。

 それでは,それぞれの料理を御紹介します。


【チョルバ】

 「チョルバ」は,レモンやサワークリームで酸味を効かせた具だくさんのスープです。

(チョルバ)
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 今回のチョルバは,鶏の挽き肉,にんじん,玉ねぎなどで作られた鶏団子が入っており,ディルなどのハーブも使われていました。

 鶏団子のうま味が溶け込んだ酸味のあるスープで,すっきりとした味わいは,日本の味噌汁と同様,どんな料理にもよく合いました。


【ファソーレ・バトゥータ】

 「ファソーレ・バトゥータ」は,白いんげん豆のペーストです。

(ファソーレ・バトゥータ)
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 パンの上にのせられ,玉ねぎ入りのトマトソースがかけられています。

 茹でたヒヨコ豆を潰してペーストにした「フムス」とよく似た味・食感で,薄くスライスしたパンやトマトソースとよく合いました。


【ママリガ】

 「ママリガ」は粗めに挽いたトウモロコシに塩や水分を加えてフツフツと煮た食べ物で,ルーマニアではパンと並んだ主食となっています。

 イタリアの「ポレンタ」と同じ食べ物です。

(ママリガとソーセージ)
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 もったりとした粘りとコクがある穀物食です。

 ご飯(ライス)のように,ソーセージやほかの料理と一緒にいただくと,より一層美味しくいただけました。


【スムントゥーナ】

 「スムントゥーナ」はヨーグルトに似たサワークリームで,ルーマニア料理に欠かせない付け合わせです。

(スムントゥーナ)
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 塩気のあるフェタチーズ(山羊乳や羊乳を使った塩分の強いフレッシュチーズ)も加えられており,ママリガやソーセージに添えていただきました。

 さわやかな酸味とほのかな塩気があり,料理に添えるとフワッと軽くなって,食が進みました。


【ムラトゥーリ】

 「ムラトゥーリ」は,野菜をビネガー,ハーブ,ニンニクなどで漬けたピクルス(酢漬け)です。

(ムラトゥーリ)
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 漬物大国,トルコ料理の影響も受けているように思います。

 パプリカ,プチトマト,カリフラワー,キュウリのムラトゥーリをいただきました。

 酢漬けにすることにより,それぞれの野菜の色がより鮮やかに出て,彩りも良くなり,食欲を増進させる効果があります。


【パパナッシ】

 デザートとして「パパナッシ(パパナシ)」を注文しました。

 パパナッシは,揚げドーナツに似たルーマニアの伝統菓子です。

(パパナッシ)
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 お正月の鏡餅のような形をした揚げドーナツに,スムントゥーナ(サワークリーム)と甘いベリーソースがたっぷりとかけられています。

 生地は,小麦粉は少なめで,その分カッテージチーズ(脱脂乳で作られるフレッシュチーズ)がたっぷりと使われます。

 このパパナッシには,生地の約3分の2の量のカッテージチーズが使われているそうです。

 そのため,油で揚げると,外はカリカリ,中はモチモチした食感になります。

 温かいドーナツに冷たいサワークリームとベリーソース,外はカリカリで中はモチモチ。

 こうした対比も楽しむことができました。

 油で揚げられていますが,サワークリームを添えることでさっぱりとした味わいとなり,あっという間に食べてしまいました。

 ルーマニアでは通常2個以上で提供されるようですが,確かにたくさん食べたくなるお菓子です。

 もっちり感は,ブラジルのチーズパン「ポンデケージョ」に似ているようにも思いました。

 チーズやサワークリームが好まれるルーマニアならではのお菓子です。


<関連リンク>
 「World Breakfast Allday」(外苑前店・東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F ほか)

<関連記事>
 「ブラジル料理の特徴と主な料理1 -ポンデケージョ・フェイジョアーダ・シュラスコ・アサイードリンク・ガラナ・シェレッタ-
 「ブラジル料理の特徴と主な料理4 -群馬県大泉町・ブラジルのパン-

<参考文献>
 「ルーマニア」(「World Breakfast Allday」リーフレット)
 地球の歩き方編集室「世界のグルメ図鑑」(学研プラス)
 「大使館の食卓 おうちで簡単レシピ集」(産経新聞出版)

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