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2023年4月

2023年4月30日 (日)

東京・銀座「資生堂パーラー」のレストラン -ポタージュ・サラダ・ミートクロケット・ビーフシチュー・カスタードプリン-

東京・銀座の資生堂パーラー

 東京・銀座の資生堂パーラーは,1902(明治35)年に銀座の街に開店した,120年以上の歴史を持つカフェ・洋食レストランです。

 資生堂薬局の一角で製造されたソーダ水やアイスクリームが販売され,もの珍しさやモダンなイメージもあって,たちまち人気を博したようです。

 やがて,谷崎潤一郎や夏目漱石といった文化人が集うサロンにもなりました。

 資生堂パーラーは,日本の洋食レストラン・カフェの先駆者であり,その伝統を今に受け継いでおられる日本の代表的なお店の1つです。

(東京銀座資生堂ビル)
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 銀座八丁目にある東京銀座資生堂ビルです。

(資生堂パーラー店舗(花椿通り))
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 こちらは銀座「花椿(はなつばき)通り」と資生堂パーラーです。

 「花椿通り」の名称は,出雲から寄贈された出雲椿が街路樹として植えられ,通りのシンボルとなったことに由来します。

 そして「資生堂」のシンボルマーク「花椿」とのかかわりも深いようです。

 そんな資生堂パーラーでいただいた料理・デザートをいくつか御紹介します。


カブのポタージュとサラダ

 資生堂パーラーでランチをいただきました。

 1階の受付で名前を告げると,1組ずつエレベーターでレストランへ御案内いただけます。

 私は4階のレストランに御案内いただきました。

 テーブル席に着き,注文を済ませると,お水が用意されました。

(資生堂パーラーオリジナルグラスに注がれた水)
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 よく見ると,グラスやテーブルクロスに資生堂の文字や花椿のマークが施されており,楽しむことができます。

 今回はアラカルトで注文しました。

 また,本日のスープ,サラダ,コーヒーが付くセットメニューも注文しました。

(カブのポタージュとサラダ)
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 セットメニューのスープとサラダです

 スープはカブのポタージュでした。

 レタスやトマトが盛り付けられたサラダは,和風ドレッシングかフレンチドレッシングかを選ぶことができ,選んだドレッシングをお店の方が目の前でたっぷりとかけてくださいます。


ミートクロケット

 ポタージュとサラダを味わったところで,一皿目のメイン料理が運ばれていました。

 「ミートクロケット」(ミートコロッケ)です。

(ミートクロケット)
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 俵型のコロッケが2つ,その上に素揚げのパセリがのせられています。

 そして赤いトマトソースが添えられています。

 総菜として売られている一般的なコロッケと比べると,かなり高価なのですが,その価値を探るべく,ミートクロケットにナイフを入れました。

(ミートクロケット(中身))
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 こちらがミートクロケットの中身です。

 ジャガイモは使われておらず,ベシャメルソースの中に,やわらかい仔牛肉とハムの角切りがゴロゴロと入っていました。

 酸味の効いたトマトソースが,ベシャメルソースのコロッケとよく合いました。

 確かに,これは納得の一品です。

 そして忘れてはならないのが,サクサクに揚げられたパセリです。

 厨房では「フライ・パセリ」と呼ばれているようです。

 パセリは180~190℃の油でシュワシュワと約20秒ほど揚げ,引き上げてすぐ塩が振られます。

 パセリを油で揚げると緑の色素が出るので,パセリ専用の小鍋と揚げ油が使われているそうです。

 このエレガントに仕上げられたパセリは,作家・エッセイストの平松洋子さんいわく「銀座八丁目の魔法」。

 一皿に込められたシェフの熱い思いが感じられました。


ビーフシチュー

 続いて「ビーフシチュー」をいただきました。

(ビーフシチュー)
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 ビーフシチューは陶器の壺に入れられ,卓上コンロの火にかけたアツアツの状態で運ばれます。

 具は和牛三枚肉を中心に,玉ねぎ,人参,ブロッコリーなどで構成されています。

 デミグラスソースで煮込まれた牛肉のかたまりがゴロゴロと入っており,それぞれの野菜の火加減も絶妙で,とても贅沢な気分を味わえました。

(ビーフシチューとライス)
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 続いて,セットのライスと一緒にいただきました。

 ソースポットで供されるカレーと同様に,ライス(皿)にシチューをかけるのが一般的な食べ方だと思います。

(ビーフシチューライス(シチューがけ))
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 (山崎ヒロキ・近藤タカシ「銀座レッスン 1」集英社 p13の一部を引用)

 こんな感じで。

 私は漫画の主人公のように豪快に皿をひっくり返してドボドボ注がず,スプーンでライスの上にかけましたが(笑)

 こうした食べ方のほかに,漫画「銀座レッスン」では,逆にビーフシチューの壺の中にライスを入れて混ぜるという大胆な方法も紹介されています。

(ビーフシチューライス(ライス混ぜ))
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 (山崎ヒロキ・近藤タカシ「銀座レッスン 1」集英社 p15の一部を引用)

 こうすると,最後のライスの1粒までソースが浸み込んで美味しいようです。

 そこで,少々お行儀が悪いのですが,私もこの方法でビーフシチューライスをいただいてみました。

(ビーフシチューライス(ライスを混ぜた様子))
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 ビーフシチューのソースがご飯にしっかり浸み込んで,最後の一口まで美味しくいただけました。


カスタードプリン・焼菓子(プチフール)・コーヒー

 メインを2皿と欲張ったので,お腹がいっぱいになりました。

 これでコーヒーで締めくくり…と思っていると,お店の方から「デザートはいかがでしょうか」とデザートのメニュー表を持ってきていただけました。

 カフェメニューは別フロアの「サロン・ド・カフェ」でのみ味わえるものと思っていたのですが,この時初めてレストランフロアでもいただけることを知りました。

 周りを見渡すと,確かにストロベリーパフェなどのデザートを召し上がっている方が何人かおられました。

 そこで私はカスタードプリンを注文しました。

(カスタードプリン)
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 ガラスの高台の皿に,スタイルの良いカスタードプリンがのせられ,カラメルと生クリームが添えられています。

(カスタードプリンと焼菓子(プチフール))
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 焼菓子(プチフール)とともにいただきました。

 卵黄の味が濃く,しっかりとしたボディのプリンで,上品な甘さのカラメルとよく合っていました。

(コーヒー)
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 最後にコーヒーをいただきながら,ゆったりと食後のひとときを楽しみました。


まとめ

 今回,私は食べたいものをアラカルトで注文したのですが,その結果,ランチコースよりも値段が高くなってしまいました(笑)

 でも,その支払った額に見合う満足感を得ることができました。

 東京・銀座には,高い額を払うだけの価値があるお店がたくさんあります。

(銀座で価値のあるお店)
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 (山崎ヒロキ・近藤タカシ「銀座レッスン 1」集英社 p7の一部を引用)

 その価値の本質を見極めるには,知識と経験が求められますが,たとえ不慣れな場合でも,直感的に「一線を越えた何かがある」ことは理解できますし,こうした経験を積み重ねることによって本当の価値がわかるようになります。

 また,高いお金を払えば本気度やそこから得る吸収力が高まることも確かです。

 支払いの際,値段の高低にかかわらず「気持ち良くお金を使えた」と思ったなら,そのお店の商品・サービスは自分に合っていた(合っている)と言えるでしょう。

 そんなお店に出会えるといいですね。


<関連サイト>
 「資生堂パーラー」(東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル)
 「資生堂(社名の由来・花椿マーク)」(株式会社資生堂)
 「銀座花椿通りとは」(銀座花椿通り会)

<関連記事>
 「山陰本線の観光列車「あめつち」の旅(倉吉駅-出雲市駅編)-あめつち御膳・大山みどり・鳥取二十世紀梨ゼリー感動です-」(「出雲の椿と銀座・資生堂」)

<参考文献>
 原作:山崎ヒロキ 漫画:近藤タカシ「銀座レッスン 1」集英社
 「花椿(2022年9月号)」(資生堂)
 平松洋子「銀座のパセリ」(「dancyu」2022年12月号)

2023年4月23日 (日)

東京都渋谷区恵比寿・世界のパン「パダリア」-コンチャ,カルヤラン・ピーラッカ,ムナボイ,ハチャプリ-

ヱビスビールと恵比寿

 東京都渋谷区・恵比寿(えびす)を訪問しました。

(JR恵比寿駅)
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 恵比寿と言えば,サッポロビールの「ヱビスビール」が思い浮かびます。

 JR恵比寿駅の発車メロディーで,エビスビールのCMソングでもある「第三の男」が流されているからでもありますが(笑)

 「第三の男」の曲が流れると、「恵比寿,恵比寿,御乗車ありがとうございます。次は渋谷にとまります」と駅のアナウンスまで聞こえてきそうです。

 「恵比寿駅」や地名の「恵比寿」は,「ヱビスビール(恵比寿ビール)」にちなんだ名称です。

 1901(明治34)年,この地域に「恵比寿ビール」を輸送するための停車場が作られますが,この停車場の名称が「恵比寿ビール」の「恵比寿」の名を冠した「恵比寿停車場」となり,現在の恵比寿駅に引き継がれているのです。

 その後,1928(昭和3)年には「恵比寿(恵比寿通り一丁目・二丁目)」という地名も誕生しました。

 こうした歴史もあってか,恵比寿の街を歩くと,居酒屋やバーなどの飲酒店を多く見かけました。

 恵比寿駅から北西方向に少し歩くと,恵比寿神社があります。

(恵比寿神社(東京都渋谷区))
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 そしてもう少し北に向かって歩いたところに,今回御紹介するお店「パダリア」があります。


世界のパンが味わえる店「パダリア」

 「パダリア」は世界各地のパンを販売されているお店です。

 世界の朝食が味わえる「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールドブレックファーストオールデイ)」の姉妹店として,2022年11月28日にオープンしました。

(「パダリア」店舗)
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 ショートケーキを買う時のようにケースの中のパンを選び,お店の方に欲しいパンを伝えて購入するスタイルです。

 世界各地のパンが用意されているので,知らないパンもありますが,お店の方に尋ねると親切に教えていただけます。

 パンのほかにスープやコーヒーなども用意されていて,カウンター席のイートインスペースでいただくこともできます。

 私はパンをいくつか購入し,自宅でいただきました。

 今回私が購入したパンを御紹介したいと思います。


コンチャ

 メキシコのパン「コンチャ(CONCHA)」を御紹介します。

 コンチャはスペイン語で「貝殻」の意味で,貝殻を模した縞模様が施されたパンです。

(コンチャ)
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 バニラとチョコレート,2種類のコンチャが用意されていました。

 この写真はバニラのコンチャです。

 お店でコンチャの特徴を記した紹介カードをいただきました。

(「コンチャ」紹介カード)
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 この紹介カードは,それぞれのパンに用意されており,パダリアならではのサービスとなっています。

 コンチャは,表面が甘くてサクサクのビスケット生地で包まれており,見た目も味も日本のメロンパンとそっくりなパンです。

 このコンチャをほかのお店で「メロンパン」として販売されていても,おそらく誰も違和感はないでしょう。

 日本のメロンパンは,スペインからメキシコ(かつてのスペインの植民地)へコンチャの製法が伝わり,それが米国移民を通じて日本へ伝わったという説があります(※)。

 ※第一次世界大戦で日本に捕虜として連れてこられたドイツ人が,ドイツパンの1つ「シュトロイゼルクーヘン」を日本各地に広め,それが後の日本のメロンパンにつながったとする説もあります。

 今回いただいたコンチャは,ほのかに甘いバニラ風味を楽しめました。

 メキシコで定番の菓子パンで,本国ではコーヒーなどのドリンクと一緒に食べられることが多いようです。


カルヤラン・ピーラッカ

 続いては,フィンランドのパン「カルヤラン・ピーラッカ(KARJALANPIIRAKKA)」を御紹介します。

 カルヤラン・ピーラッカは,ミルク粥をライ麦粉の生地で包んで焼いたカレリア地方の伝統料理です。

 お店の方から「このパンは別売りの「ムナボイ」と一緒に召し上がっていただくのをおすすめしております」とお話があり,カルヤラン・ピーラッカとムナボイについて教えていただきました。

 そして紹介カードもいただきました。

(「カルヤラン・ピーラッカ」紹介カード)
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 「ムナボイ」はゆで卵とバターを混ぜた具材のようです。

 そこでカルヤラン・ピーラッカとムナボイをセットで購入しました。

(カルヤラン・ピーラッカとムナボイ)
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 写真左がカルヤラン・ピーラッカ,写真右がムナボイです。

 カルヤラン・ピーラッカにムナボイをのせ,少し温めてみました。

(ムナボイをのせたカルヤラン・ピーラッカ)
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 こちらがムナボイをのせたカルヤラン・ピーラッカです。

 カルヤラン・ピーラッカの生地は,ライ麦粉に水分を加えてクレープのように薄く伸ばし,香ばしく焼き上げたものです。

 中のミルク粥は,ゆるいポテトサラダのような仕上がりでした。

 これにゆで卵とバターを混ぜたムナボイをのせると,適度な塩気とコクが加わり,より一層美味しくいただけました。


ハチャプリ

 最後にジョージアの代表的なパン「ハチャプリ(HACHAPURI)」を御紹介します。

 「ハチョ」がチーズ,「プリ」がパンという意味で,舟形のパンの中心にチーズと半熟の卵黄がのせられているのが特徴です。

 こちらも紹介カードをいただきました。

(「ハチャプリ」紹介カード)
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 パダリアで販売されているハチャプリは,黒海沿岸・アジャラ地方のものだそうです。

(ハチャプリ)
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 舟形の大きめのパンの中心に,卵黄とたっぷりのチーズがのせられています。

 フライパンでパンを温めました。

 卵黄が焼き固まらないよう注意しながら…。

(ハチャプリ(リベイク))
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 温めると,中のチーズがトロトロに溶けました。

(ハチャプリ(溶けたチーズと玉子))
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 卵黄を崩し,パンに卵黄と溶けたチーズをまぶしながらいただきました。

 モチモチとしてやわらかいピザ生地のようなパンに,チーズの濃厚なコクと程良い塩気,そして卵黄のうま味が加わりました。

 大きめのパンでしたがあっという間に食べてしまいました。


まとめ

 パダリアには,世界各国のパンが用意されています。

 また一部の商品は,オンラインストアでも販売されています。

 このお店にしかないような珍しいパンもありますので,御興味を持たれた方は味わってみてください。


<関連サイト>
 「パダリア」(東京都渋谷区恵比寿西1-17-2-103)
 「ヱビスビール ブランドヒストリー」(サッポロビール株式会社)
 「WORLD BREAKFAST ALLDAY」(外苑前店・東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F ほか)

<関連記事>
 「ドイツ・ウィーン菓子の特徴と主な菓子1 -シュトロイゼルクーヘン・レープクーヘン・バウムクーヘン-
 「ジョージア(グルジア)料理の特徴と主な料理 -クヴェヴリワイン・ハルチョー・サラダ・チュルチヘラ・アジカ・ハチャプリ-

<参考文献>
 東嶋和子「メロンパンの真実」講談社文庫
 島村菜津・合田泰子・北嶋裕「ジョージアのクヴェヴリワインと食文化」誠文堂新光社

2023年4月16日 (日)

東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」3-小松菜グルメスタンプラリー・小松菜サラダ・小松菜鍋・小松菜と牛肉の五香粉炒め・小松菜の肉巻き-

東京都江戸川区の「小松菜グルメスタンプラリー」

 東京都江戸川区で「第9回小松菜グルメスタンプラリー」(2022年11月1日~2023年1月31日)が実施されました。

 私は2022年12月末に江戸川区を訪問した際に,このスタンプラリーが実施されていることを知りました。

 興味を持った私は,レンタサイクルで江戸川区内の小松菜商品販売店舗を巡り,スタンプシールを3枚集めることができました。

 後日,スタンプシールを貼り,必要事項とアンケートを記入した応募はがきをポストに投函しました。

 欲しかったのは,スタンプシール3枚達成でもれなくもらえる「こまつなくん缶バッジマグネット」です。

 応募したことも忘れかけていた2023年3月4日,自宅に大きな段ボール箱のゆうパックが届きました。

 ずっしりと重い段ボール箱を受け取り,「何だろう?」と宛名ラベルを見てみると,「小松菜グルメスタンプラリー景品(小松菜)」と記載されていました。

 段ボール箱の側面には「えどちゃんシール」が貼ってありました。

(えどちゃんシール)
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 「えどちゃん」は,江戸川(edogawa)の「e」と,江戸川区の名産「花」と「小松菜」をイメージした「江戸川区農業応援キャラクター」です。

(えどちゃんの紹介)
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 「江戸川区農産物直売マップ -江戸川は花と野菜のゆめ産地-」(江戸川区産業経済課都市農業係)から一部引用

 「えどちゃん」は「江戸川区農業のPRのため,元気に走り回っている」とのことですが,まさか遠く離れた広島市南区まで走ってくるとは元気全開です(笑)

 ワクワク,ドキドキしながら段ボール箱を開けてみました。

(段ボールの中身)
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 中には,小松菜グルメスタンプラリー当選通知,こまつなくん缶バッジマグネット,日本農業新聞のフリーマガジン「フレマルシェ」,そして江戸川区産の小松菜が入っていました。

(小松菜グルメスタンプラリー当選通知)
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 こちらが当選通知です。

 参加賞の缶バッジマグネットに加え,「Wチャンス」として江戸川区産小松菜1000円分が当選しました。

 これは嬉しいプレゼントです。

 江戸川区を訪問した際,本当は江戸川区の小松菜を買って帰りたかったのですが,旅の途中だったことや,実際に東京から広島まで持って帰るのは大変なことから,断念した苦い思い出があったからです。

(こまつなくん缶バッジマグネット)
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 こちらは参加賞のこまつなくん缶バッジマグネットです。

 江戸川区内をレンタサイクルで巡った思い出を呼び起こす記念品となりました。

(小松菜の束(江戸川区産))
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 こちらがWチャンスで当選した江戸川区産小松菜です。

 当選者10名のうちの1人に選ばれたようです。

 袋詰めで販売される小松菜が多いなか,江戸川区では茎をテープで留めて結束する方法を採用しておられます。

 茎も根もシャキッと美しく束ねられた小松菜は,鮮度と品質の良さの証です。

 確かに,まだ水滴が残るほどみずみずしい小松菜がそのまま段ボールに詰められていました。

(小松菜(江戸川区産))
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 小松菜を1本取り出してみました。

 確かに白く太い根までついている小松菜は珍しいです。

 その根まできれいに洗ってくださっており,その手間を想像すると,根も含めて無駄にはできないと思いました。

 都内に鮮度の高い小松菜を出荷できるのも江戸川区産小松菜のメリットの1つです。


江戸川区産小松菜を使った料理

 いただいた江戸川区産小松菜を使って,いくつか料理を作ってみました。


【小松菜サラダ】

 江戸川区の小松菜は生でも美味しく食べられることから,純粋に小松菜の味を味わえるサラダにしました。

(小松菜サラダ)
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 醤油ベースのドレッシングをかけていただくと,シャキシャキした食感で,旨味とほのかな甘味を感じました。

 江戸川区の小松菜は,東京湾の潮風にあたって育つことで,旨味と甘味が凝縮されるようです。

 サラダであれば,いつでも手軽に小松菜をいただくことができます。


【小松菜と牛肉の五香粉炒め】

 小松菜と牛肉で炒め物を作りました。

(小松菜と牛肉炒め)
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 小松菜と牛肉を炒め,塩こしょうで味付けした「小松菜と牛肉炒め」です。

 シャキッとした食感を残した小松菜を美味しくいただくことができ,いくら牛肉と言えども,主役は小松菜だと思わせる一品でした。

 別の日に,中国などで使われる「五香粉(ウーシャンフェン)」と呼ばれるスパイスを使った炒め物も作ってみました。

 五香粉は,スターアニス(八角),シナモン,花椒,クローブ,陳皮といった約5種類のスパイスが調合されたミックススパイスです。

 このスパイスを使うと,中国料理の「豚の角煮」や台湾料理の「魯肉飯(滷肉飯,ルーローハン)」と同じような風味を得ることが出来ます。

 今回の炒め物に使う調味液は,酒,みりん,醤油を同じ割合で加え,それに五香粉をパッパッと足したものです。

(五香粉の調味液)
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 フライパンにゴマ油をひいて牛肉を炒め,小松菜も加えて強火でサッと炒めます。

 仕上げに五香粉入りの調味液を入れ,汁気を少し飛ばせば完成です。

(小松菜と牛肉の五香粉炒め)
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 どろっとした甘辛い醤油と八角・シナモンの甘くさわやかな香りが,小松菜と牛肉の味をより一層引き立てます。

 手軽に本格的な中国・台湾料理を作ることができるので,オススメです。


【小松菜鍋】

 寄せ鍋の材料(白ねぎ,大根,しめじ,豚肉,海老,タラなど)に小松菜を加え,小松菜鍋を作りました。

(小松菜鍋)
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 栄養価の高い小松菜をたっぷりと食べることができることが魅力です。


【小松菜とパンチェッタのパスタ】

 小松菜とパンチェッタ(塩漬け豚肉)でパスタを作りました。

 フライパンにたっぷりのオリーブ油を入れて熱し,薄切りのニンニクで香り付けした後,小松菜と厚切りのパンチェッタを加えて炒めます。

 ほどよく炒めたところで,別に茹でておいたパスタを加え,茹で汁も少し加えてサッと炒めます。

 塩こしょうで味を調えれば完成です。

(小松菜とパンチェッタのパスタ)
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 小松菜の甘味とシャキシャキ感,パンチェッタの脂と塩気がパスタと見事にマッチしました。


【小松菜の肉巻き】

 江戸東京野菜「のらぼう菜」を肉巻きでいただいたことを思い出し,小松菜の肉巻きにチャレンジしました。

(小松菜の肉巻き(加熱前))
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 5cm程度に切り揃えた小松菜を厚切りの豚バラ肉で巻き,つまようじで留めます。

 小松菜は葉と茎をバランスよく詰め,きれいに洗った根も入れました。

 フライパンを火にかけ,油をひいて小松菜の肉巻きをのせました。

 途中,まんべんなく火がとおるよう,フタをしてしばらく蒸し焼きにしました。

 フタをとり,塩こしょうで調味して,表面にこんがりと焼き色がつけば完成です。

 こしょうは小松菜や厚切りの豚肉をしっかり受け止める「粗挽き」がオススメです。

(小松菜の肉巻き)
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 肉巻きをガブリとかじると,旨味と甘味が凝縮された小松菜のエキスがジュワッとほとばしりました。

 同じ材料で炒め物にするよりも,肉巻きにする方が小松菜をよりジューシーにいただくことができます。

 興味を持たれた料理があれば,ぜひお試しください。


まとめ

 東京都江戸川区の小松菜について,今回を含めて3つの記事で御紹介しました。

 小松菜グルメスタンプラリーの当選通知に「今後とも江戸川区特産小松菜をはじめ,小松菜商品を応援くださいますようお願い申し上げます。」と記載されていたこともあり,何らかの形で江戸川区の小松菜を応援し,江戸川区の皆さんにお礼ができないかという気持ちを込めて執筆しました。

 また機会があれば江戸川区を再訪し,レンタサイクルで小松菜めぐりをしたいです。

 江戸川区の小松菜。

 新鮮で,クセがなく,甘味もあって,とても美味しい野菜です。

 皆様も機会があれば江戸川区の小松菜や小松菜料理・商品を御賞味ください。


<関連サイト>
 「小松菜プラスワン(KOMATSUNA+1)」(ウェルフィールド)
 「江戸川の小松菜はエライ!」(江戸川区役所産業経済課)

<関連記事>
 「東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」1-小松菜発祥の地・小松菜の名前の由来・新小岩香取神社・小松菜屋敷・江戸川区の小松菜商品-
 「東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」2-小松菜ドリア・小松菜サラダ・小松菜ジュース-
 「関西の地場野菜「しろ菜」と関東の地場野菜「のらぼう菜」・広島県の「やさいバス」-しろ菜のおひたしと豚肉炒め・のらぼう菜の肉巻き-

<参考文献>
 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)
 「江戸川区農産物直売マップ -江戸川は花と野菜のゆめ産地-」(江戸川区産業経済課都市農業係)

2023年4月 9日 (日)

東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」2-小松菜ドリア・小松菜サラダ・小松菜ジュース-

 当ブログ記事で,小松菜は東京都江戸川区(小松川)が発祥の「江戸東京野菜」であることを御紹介しました。

 今回は,その東京都江戸川区でいただいた小松菜料理と小松菜ドリンクを御紹介したいと思います。


しのざき文化プラザの伝統工芸カフェ「アルティザン」

 都営新宿線・篠崎駅に直結する施設「しのざき文化プラザ」を訪問しました。

(しのざき文化プラザ)
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 「しのざき文化プラザ」は,江戸川区の歴史・文化・産業などを様々な形で紹介するギャラリー,図書館,飲食施設などが揃った複合文化施設です。

 江戸川区の小松菜についても,図書館やギャラリーで情報を得たり,特産品ショップで関連商品(お土産)を購入したり,飲食ショップで料理・ドリンクを味わったりと,様々なニーズに活用できます。

 その「しのざき文化プラザ」内にある飲食ショップ・伝統工芸カフェ「アルティザン」で小松菜料理・小松菜ドリンクをいただきました。

(伝統工芸カフェ「アルティザン」)
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 写真中央が受付・レジ・調理スペース,写真左(手前)が飲食スペース,写真右(奥)が特産品ショップです。

 レジで料理・ドリンクを注文し,テーブル席に座りました。


小松菜料理・小松菜ドリンク

 今回私が注文した小松菜料理・ドリンクは,「小松菜ドリア」とセットの「小松菜サラダ」,そして「小松菜ドリンク」です。

 しばらくして,料理・ドリンクが出来上がりました。

(小松菜料理・小松菜ドリンク)
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 小松菜メニューのオンパレードです!

 このほかにも小松菜を使ったメニューとして,ピザ,オムライス,パスタ,カレー,ハンバーガー,スムージー,豆乳ジュースなどが用意されていました。

 それでは,今回私が味わった料理・ドリンクを個別に御紹介します。


小松菜ドリア

 「小松菜ドリア(えび)」です。

(小松菜ドリア(えび))
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 ドリアはえびとミートの2種類があり,私はえびをチョイスしました。

 こんがり焼けた熱々・トロトロのチーズとホワイトソースがたっぷりとかかっています。

 小松菜は…チーズの中に隠れているのでしょうか。

 中を確かめてみましょう。

(小松菜ドリア(中身))
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 主役の小松菜を見つけました!

 ホワイトソースの中には,小松菜,きのこ,ライス(もち麦ご飯)が入っていました。

 小松菜は江戸川区の石井農園から直送されたものです。

 いただいてみると,中の小松菜が温かくてシャキシャキの状態で,食感と持ち味(新鮮さや甘みなど)がよく生かされていました。

 トロトロのチーズやコクのあるホワイトソースとの相性も抜群でした。

 小松菜を表面に盛り付けず,チーズ・ホワイトソースとライスの間に入れてオーブンで焼くことで,小松菜の食感や持ち味が生かされています。

 小松菜は炒め物やおひたしに使うイメージが強かったのですが,ドリアやグラタンなどホワイトソースを用いる洋食にも応用できることがわかりました。


小松菜サラダ

 小松菜ドリアのセットとして,「ミニ小松菜サラダ」を注文しました。

(小松菜サラダ)
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 新鮮な小松菜にクスクスとレンズ豆が添えられたサラダです。

 そして人参を使ったキャロットドレッシングがかけられています。

 生の小松菜をサラダとしていただくというのは初めてでしたが,青菜のえぐみがなく,むしろ,ほんのりとした甘みを感じました。

 シャキシャキとした食感で,ドレッシングをかけるといくらでも食べられそうな一品でした。

 江戸川区の小松菜ガイドブック「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」にも小松菜が生で食べられることが紹介されています。

(江戸川区のサラダ小松菜の紹介)
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 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)から一部引用

 江戸川区の小松菜は,茎も葉もやわらかく,生でも美味しく食べられます。
 ※区内農家・弘前大学・江戸川区で構成する「えどがわ農業産学公プロジェクト」のまとめ

 サラダ向けの「サラダ小松菜」も,伝統工芸カフェ「アルティザン」などで販売されています。

 サラダであれば,毎日お手軽に小松菜をいただくことができますね。


小松菜ジュース

 最後に「小松菜ジュース」を御紹介します。

(小松菜ジュース)
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 この青汁にも似た小松菜ジュースが一番気がかりでした(笑)

 江戸川区石井農園直送の新鮮な小松菜をミキサーにかけ,100%アップルジュースと合わせて飲みやすくしたジュースです。

 小松菜の甘みや爽快さ,そして若干青臭さも感じましたが,それらを含めて小松菜の特徴をストレートに味わえるドリンクだと思いました。

 小松菜ジュースは常温に近い状態でしたが,これも新鮮な小松菜が使われているからこそで,リアリティがあって好感が持てました。

 小松菜の味・フレーバーをストレートに楽しめる,小松菜発祥の地・江戸川区ならではのドリンクです。


まとめ

 小松菜は,今や全国各地で見かけるメジャーな野菜となりましたが,その発祥の地で小松菜の特徴や歴史をじかに学び,小松菜(商品)を扱うお店(直売所)を巡り,飲食店で地元の小松菜を使った料理やドリンクを味わえば,より一層小松菜への親しみがわき,江戸川区の皆さんがいかに小松菜に愛着を持っておられるかを知ることができるでしょう。

 徳川吉宗になった気分で,江戸川区の小松菜の魅力を探る「小松菜ツアー」はいかがでしょうか。


<関連サイト>
 「伝統工芸カフェ アルティザン」(東京都江戸川区篠崎町7-20-19)
 「小松菜プラスワン(KOMATSUNA+1)」(ウェルフィールド)
 「江戸川の小松菜はエライ!」(江戸川区役所産業経済課)

<関連記事>
 「東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」1-小松菜発祥の地・小松菜の名前の由来・新小岩香取神社・小松菜屋敷・江戸川区の小松菜商品-

<参考文献>
 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)
 「江戸川区農産物直売マップ -江戸川は花と野菜のゆめ産地-」(江戸川区産業経済課都市農業係)

2023年4月 2日 (日)

東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」1-小松菜発祥の地・小松菜の名前の由来・新小岩香取神社・小松菜屋敷・江戸川区の小松菜商品-

江戸東京野菜・小松菜

 「江戸東京野菜」と呼ばれる野菜を御存知でしょうか。

 「江戸東京野菜」とは,江戸時代以降,東京都内の農地で数世代以上にわたって栽培されてきた在来種や,在来の栽培法によって育てられた野菜を言います。

 江戸時代に東京都に含まれていなかった地域の野菜や,明治以降(東京になってから)生み出された野菜(品種)も含めた総称として「江戸東京野菜」と呼ばれています。

 「江戸東京野菜」には,練馬ダイコン,小松菜,東京べか菜,のらぼう菜,馬込半白キュウリ,早稲田ミョウガなどがあります。


小松菜発祥の地・東京都江戸川区

 「江戸東京野菜」の1つに小松菜があります。

 小松菜は東京都江戸川区が発祥の地とされ,江戸時代から栽培されています。

 また,小松菜という名称は,地名の「小松川」に由来しています。

 現在は全国各地で栽培され,お店で見かけることも多い小松菜が,実は東京都江戸川区にルーツがあることに興味を持ち,同区を訪問しました。


江戸川区の小松菜の概要

 都営新宿線に乗り,篠崎駅で下車しました。

 そして篠崎駅に直結する施設「しのざき文化プラザ」を訪問しました。

(しのざき文化プラザ)
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 この施設内にある図書館で,小松菜の情報を入手しました。

(「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」表紙)
Photo_20230402134902

 とても参考になったのが,この「小松菜力」(こまつなりょく)というガイドブックです。

 冊子には,江戸川区の小松菜に関する様々な情報が掲載されています。

 その中のいくつかを御紹介します。

 まずは小松菜の名前の由来についてです。

(小松菜の名前の由来)
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 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)から一部引用

 小松菜の名付け親は徳川八代将軍・徳川吉宗と言われています。

 小松川村に鷹狩りに来た徳川吉宗は,地元民から地元で採れた無名の葉っぱを入れたすまし汁を献上されました。

 この汁をとてもおいしいと感じた徳川吉宗は,この無名の葉っぱを,地名(小松川)にちなんで「小松菜」と命名したのです。
 ※三代将軍・徳川家光や五代将軍・徳川綱吉とする説もあります。

 小松菜の栄養についても,興味深いお話が紹介されています。

(天然サプリメント・小松菜パワー)
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 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)から一部引用

 小松菜は栄養バツグンの野菜で,カルシウムや鉄分(ミネラル)が豊富に含まれています。

 また,アクやえぐみのもととなるシュウ酸の含有量が少なく,クセが少ないという特長もあります。

 私はなぜか腎臓に結石を作りやすい体質(尿路結石を起こしやすい体質)なので,シュウ酸を多く含む食品はたくさん食べられないのですが,小松菜はシュウ酸が少なく,カルシウムが多いようなので,安心して食べられます。

 続けてガイドブックを読むと,江戸川区内の小松菜商品取扱店舗・直売所が紹介されていました。

(小松菜商品 取扱い店舗・直売所MAP)
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 江戸川区の小松菜の直売所や,江戸川区の小松菜を使った料理・お菓子などを販売しているお店が数多く紹介されています。

 江戸川区の皆さんが一丸となって,地元の名産品・小松菜を盛り上げておられる様子が伺えました。


小松菜発祥の地 江戸川区の歴史・史跡巡り

 篠崎駅でレンタサイクルをお借りし,小松菜とゆかりのある歴史・史跡巡りをしました。

 江戸川区は東西に京成本線・JR総武線・都営新宿線・東京メトロ東西線・JR京葉線が走っていますが,南北には鉄道がないため,区内を巡る際はバスやレンタサイクルが活躍します。

 自転車で移動する途中,野菜畑を見かけました。

(東京都江戸川区・畑の風景)
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 東京を自転車で移動したり,野菜畑を見たりするのは初めてで,新鮮な体験でした。

 その後,江戸川区中央にある新小岩香取神社を訪問しました。

(新小岩香取神社)
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 この神社の境内に,小松菜産土神の石碑があります。

(小松菜産土神の石碑と小松菜の紹介看板)
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(「江戸・東京の農業 小松菜」の紹介看板)
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 徳川吉宗が鷹狩りをされた際,この神社が食事場所として選ばれたようです。

 つまり,「小松菜の名前の由来」で御紹介した「小松菜」命名のお話は,この神社にまつわるお話なのです。

 続いて,神社の隣にある「小松菜屋敷」を訪問しました。

(小松菜屋敷)
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 黒塗りの立派な門です。

(小松菜屋敷の由来)
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 小松菜屋敷の由来には,「徳川吉宗が鷹狩りに来られた際,小松菜入りのすまし汁を献上した人物が香取社の神主・亀井和泉守(通称「いづみ様」)で,その方の屋敷であったことから「小松菜屋敷」と呼ばれるようになった」と記載されています。

 さらに,「邸内には亀井家の屋敷神「小松菜さま」が祀られており,困ったことがあれば「こまつたな」といって小松菜を供えれば願い事が叶えられ,さらに「菜(名)を上げ菜(名)を残す」といって,昔から信仰されています」とも記載されています。

 門をくぐり,中に入ってみると「吉宗腰掛石」がありました。

(吉宗腰掛石)
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 かの徳川吉宗が鷹狩りの合間に腰かけ,休憩された石なのでしょう。

 徳川吉宗は,砂糖の栽培を奨励して砂糖の国産化を進めたり,隅田川に桜を植えるよう命じ,その桜から桜餅が作られるようになったりと,小松菜の命名だけでなく,日本の様々な食文化に影響を与えた人物でもあります。

 ほかにも小松菜ゆかりのものがないかと庭を歩いていると,この家にお住まいの方から「今,掃除中ですので…」と注意を受けました。

 庭の奥は個人宅のようなので,見学をする際には注意が必要です。

 このようなこともありましたが,江戸川区で小松菜ゆかりの場所を訪問することができ,江戸川区と小松菜のつながりを実感することが出来ました。


江戸川区の小松菜商品

 再び自転車で篠崎に戻り,「しのざき文化プラザ」内の伝統工芸カフェ「アルティザン」で江戸川区の小松菜商品をいくつか購入しました。

(伝統工芸カフェ「アルティザン」)
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 伝統工芸カフェ「アルティザン」には,食事コーナーと江戸川区の特産品や工芸品を扱っておられる物販コーナーがあります。

 こちらの物販コーナーで江戸川区の小松菜商品をいくつか購入しました。

(江戸川区の小松菜商品)
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 写真左上が「小松菜玄米せんべい」,中央手前が「小松菜ふりかけ」,右上が「小松菜サンド」です。


【小松菜玄米せんべい】

(小松菜玄米せんべい)
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 「小松菜玄米せんべい」は,小松菜の粉末と焙煎した玄米が練り込まれた甘い一口せんべいです。

 カルシウム豊富な小魚の粉末も使われており,栄養豊富で子供からお年寄りまで楽しめるせんべいです。

 小松菜(青菜)の香りや,焙煎した玄米の香ばしさを楽しむことが出来ます。


【小松菜ふりかけ】

 「小松菜ふりかけ」は,小松菜,魚粉,ごま,塩,根昆布で作られたふりかけです。

 無添加で自然な味を重視された一品です。

 このふりかけを炊きたてのご飯に混ぜ,小松菜おにぎりを作ってみました。

(小松菜おにぎり)
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 ご飯にたっぷり混ぜ込んだので,抹茶を使った時のように緑色が際立つおにぎりに仕上がると思ったのですが,意外と控えめな色に仕上がりました。

 そのため,おにぎりの頂上にも小松菜ふりかけをかけてみました。

 一般的なふりかけと比べて塩分が控えめで,その分,小松菜の粉末がたくさん入っているので,ご飯にたくさんふりかけて(混ぜ込んで)も大丈夫です。

 ほんのりと小松菜の風味を感じるおにぎりでした。


【小松菜サンド】

(小松菜サンド)
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 小松菜サンドは,小松菜パウダー入りクリームを甘い薄焼きせんべいでサンドしたお菓子です。

 ゴーフルに似た焼菓子です。

 ほのかに小松菜の香りが感じられるクリームが魅力のお菓子です。


【小松菜饅頭「こまつなっぴー」】

 新小岩香取神社と小松菜屋敷を訪問した際,その近くのお店「玄舟庵 新小岩店」にも寄って江戸川区産小松菜が使われたお菓子を購入しました。

 小松菜饅頭「こまつなっぴー」です。

(小松菜饅頭「こまつなっぴー」)
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 小松菜のかわいいキャラクターが描いています。

(小松菜饅頭「こまつなっぴー」(中身))
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 饅頭の皮には小松菜がデザインされています。

 中の薄緑色のあんは,白いんげん豆や練乳をベースにした白あんに,小松菜パウダーを練り込んだものです。

 しっとりとした皮に,ほんのりと小松菜の香りを感じるあんが入った饅頭です。

 ちなみに,私はこの「こまつなっぴー」をまとめて購入し,東京のお土産として職場で配りました。

 東京のお土産,何にしようか「こまつたなー」という時は,江戸東京野菜である江戸川区の小松菜を使ったお菓子や工芸品のお土産をチョイスされてはいかがでしょうか。

 江戸川区発祥の小松菜のお土産を贈れば,きっと「菜(名)を上げ,菜(名)を残される」ことでしょう(笑)


 東京都江戸川区は,小松菜の歴史・由来を学べ,様々な小松菜料理・菓子を味わうことができる日本唯一の小松菜魅力発信地域です。


<関連サイト>
 「江戸東京野菜について」(東京都農業協同組合中央会)
 「江戸東京野菜(地域資源紹介)」(東京都産業労働局)
 「しのざき文化プラザ」(東京都江戸川区篠崎町7-20-19)
 「小松菜プラスワン(KOMATSUNA+1)」(ウェルフィールド)
 「江戸川の小松菜はエライ!」(江戸川区役所産業経済課)
 「小松菜の産土神」(新小岩香取神社:東京都江戸川区中央4-5-23)

<関連記事>
 「関東の和菓子と関西の和菓子 -和菓子の比較検証-
 「あずきの研究5 -和菓子と砂糖の歴史-
 「関西の地場野菜「しろ菜」と関東の地場野菜「のらぼう菜」・広島県の「やさいバス」-しろ菜のおひたしと豚肉炒め・のらぼう菜の肉巻き-

<参考文献>
 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)
 「江戸川区の食をひもとく」(江戸川区郷土資料室)
 「新・蒼太の包丁」(漫画:本庄敬・原作:末田雄一郎)

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