« 東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」3-小松菜グルメスタンプラリー・小松菜サラダ・小松菜鍋・小松菜と牛肉の五香粉炒め・小松菜の肉巻き- | トップページ | 東京・銀座「資生堂パーラー」のレストラン -ポタージュ・サラダ・ミートクロケット・ビーフシチュー・カスタードプリン- »

2023年4月23日 (日)

東京都渋谷区恵比寿・世界のパン「パダリア」-コンチャ,カルヤラン・ピーラッカ,ムナボイ,ハチャプリ-

ヱビスビールと恵比寿

 東京都渋谷区・恵比寿(えびす)を訪問しました。

(JR恵比寿駅)
Photo_20230423100101

 恵比寿と言えば,サッポロビールの「ヱビスビール」が思い浮かびます。

 JR恵比寿駅の発車メロディーで,エビスビールのCMソングでもある「第三の男」が流されているからでもありますが(笑)

 「第三の男」の曲が流れると、「恵比寿,恵比寿,御乗車ありがとうございます。次は渋谷にとまります」と駅のアナウンスまで聞こえてきそうです。

 「恵比寿駅」や地名の「恵比寿」は,「ヱビスビール(恵比寿ビール)」にちなんだ名称です。

 1901(明治34)年,この地域に「恵比寿ビール」を輸送するための停車場が作られますが,この停車場の名称が「恵比寿ビール」の「恵比寿」の名を冠した「恵比寿停車場」となり,現在の恵比寿駅に引き継がれているのです。

 その後,1928(昭和3)年には「恵比寿(恵比寿通り一丁目・二丁目)」という地名も誕生しました。

 こうした歴史もあってか,恵比寿の街を歩くと,居酒屋やバーなどの飲酒店を多く見かけました。

 恵比寿駅から北西方向に少し歩くと,恵比寿神社があります。

(恵比寿神社(東京都渋谷区))
Photo_20230423102601

 そしてもう少し北に向かって歩いたところに,今回御紹介するお店「パダリア」があります。


世界のパンが味わえる店「パダリア」

 「パダリア」は世界各地のパンを販売されているお店です。

 世界の朝食が味わえる「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールドブレックファーストオールデイ)」の姉妹店として,2022年11月28日にオープンしました。

(「パダリア」店舗)
Photo_20230423103001

 ショートケーキを買う時のようにケースの中のパンを選び,お店の方に欲しいパンを伝えて購入するスタイルです。

 世界各地のパンが用意されているので,知らないパンもありますが,お店の方に尋ねると親切に教えていただけます。

 パンのほかにスープやコーヒーなども用意されていて,カウンター席のイートインスペースでいただくこともできます。

 私はパンをいくつか購入し,自宅でいただきました。

 今回私が購入したパンを御紹介したいと思います。


コンチャ

 メキシコのパン「コンチャ(CONCHA)」を御紹介します。

 コンチャはスペイン語で「貝殻」の意味で,貝殻を模した縞模様が施されたパンです。

(コンチャ)
Photo_20230423103801

 バニラとチョコレート,2種類のコンチャが用意されていました。

 この写真はバニラのコンチャです。

 お店でコンチャの特徴を記した紹介カードをいただきました。

(「コンチャ」紹介カード)
Photo_20230423104001

 この紹介カードは,それぞれのパンに用意されており,パダリアならではのサービスとなっています。

 コンチャは,表面が甘くてサクサクのビスケット生地で包まれており,見た目も味も日本のメロンパンとそっくりなパンです。

 このコンチャをほかのお店で「メロンパン」として販売されていても,おそらく誰も違和感はないでしょう。

 日本のメロンパンは,スペインからメキシコ(かつてのスペインの植民地)へコンチャの製法が伝わり,それが米国移民を通じて日本へ伝わったという説があります(※)。

 ※第一次世界大戦で日本に捕虜として連れてこられたドイツ人が,ドイツパンの1つ「シュトロイゼルクーヘン」を日本各地に広め,それが後の日本のメロンパンにつながったとする説もあります。

 今回いただいたコンチャは,ほのかに甘いバニラ風味を楽しめました。

 メキシコで定番の菓子パンで,本国ではコーヒーなどのドリンクと一緒に食べられることが多いようです。


カルヤラン・ピーラッカ

 続いては,フィンランドのパン「カルヤラン・ピーラッカ(KARJALANPIIRAKKA)」を御紹介します。

 カルヤラン・ピーラッカは,ミルク粥をライ麦粉の生地で包んで焼いたカレリア地方の伝統料理です。

 お店の方から「このパンは別売りの「ムナボイ」と一緒に召し上がっていただくのをおすすめしております」とお話があり,カルヤラン・ピーラッカとムナボイについて教えていただきました。

 そして紹介カードもいただきました。

(「カルヤラン・ピーラッカ」紹介カード)
Photo_20230423105201

 「ムナボイ」はゆで卵とバターを混ぜた具材のようです。

 そこでカルヤラン・ピーラッカとムナボイをセットで購入しました。

(カルヤラン・ピーラッカとムナボイ)
Photo_20230423105501

 写真左がカルヤラン・ピーラッカ,写真右がムナボイです。

 カルヤラン・ピーラッカにムナボイをのせ,少し温めてみました。

(ムナボイをのせたカルヤラン・ピーラッカ)
Photo_20230423105601

 こちらがムナボイをのせたカルヤラン・ピーラッカです。

 カルヤラン・ピーラッカの生地は,ライ麦粉に水分を加えてクレープのように薄く伸ばし,香ばしく焼き上げたものです。

 中のミルク粥は,ゆるいポテトサラダのような仕上がりでした。

 これにゆで卵とバターを混ぜたムナボイをのせると,適度な塩気とコクが加わり,より一層美味しくいただけました。


ハチャプリ

 最後にジョージアの代表的なパン「ハチャプリ(HACHAPURI)」を御紹介します。

 「ハチョ」がチーズ,「プリ」がパンという意味で,舟形のパンの中心にチーズと半熟の卵黄がのせられているのが特徴です。

 こちらも紹介カードをいただきました。

(「ハチャプリ」紹介カード)
Photo_20230423110002

 パダリアで販売されているハチャプリは,黒海沿岸・アジャラ地方のものだそうです。

(ハチャプリ)
Photo_20230423110001

 舟形の大きめのパンの中心に,卵黄とたっぷりのチーズがのせられています。

 フライパンでパンを温めました。

 卵黄が焼き固まらないよう注意しながら…。

(ハチャプリ(リベイク))
Photo_20230423110201

 温めると,中のチーズがトロトロに溶けました。

(ハチャプリ(溶けたチーズと玉子))
Photo_20230423110401

 卵黄を崩し,パンに卵黄と溶けたチーズをまぶしながらいただきました。

 モチモチとしてやわらかいピザ生地のようなパンに,チーズの濃厚なコクと程良い塩気,そして卵黄のうま味が加わりました。

 大きめのパンでしたがあっという間に食べてしまいました。


まとめ

 パダリアには,世界各国のパンが用意されています。

 また一部の商品は,オンラインストアでも販売されています。

 このお店にしかないような珍しいパンもありますので,御興味を持たれた方は味わってみてください。


<関連サイト>
 「パダリア」(東京都渋谷区恵比寿西1-17-2-103)
 「ヱビスビール ブランドヒストリー」(サッポロビール株式会社)
 「WORLD BREAKFAST ALLDAY」(外苑前店・東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F ほか)

<関連記事>
 「ドイツ・ウィーン菓子の特徴と主な菓子1 -シュトロイゼルクーヘン・レープクーヘン・バウムクーヘン-
 「ジョージア(グルジア)料理の特徴と主な料理 -クヴェヴリワイン・ハルチョー・サラダ・チュルチヘラ・アジカ・ハチャプリ-

<参考文献>
 東嶋和子「メロンパンの真実」講談社文庫
 島村菜津・合田泰子・北嶋裕「ジョージアのクヴェヴリワインと食文化」誠文堂新光社

« 東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」3-小松菜グルメスタンプラリー・小松菜サラダ・小松菜鍋・小松菜と牛肉の五香粉炒め・小松菜の肉巻き- | トップページ | 東京・銀座「資生堂パーラー」のレストラン -ポタージュ・サラダ・ミートクロケット・ビーフシチュー・カスタードプリン- »

各国料理の特徴と主な料理」カテゴリの記事

コメント

先を越されてしまった!(笑)
先週行くはずだったのに、雨で行けず…いつかそのうち行きます。
ますますハチャプリが食べてみたくなりました。
レモンマフィンもあるみたいなので、それも気になっています。

やはりサンマは目黒!ビールはヱビス!
「第三の男」を聴いていたらヱビスビールが飲みたくなりましたが、あいにく切らしているので、一番搾りで我慢します(^.^)
メロンパンのルーツはどちらか?
「メロンパンの真実」推理小説の様で面白そうです!
あんぱんはガチで日本?
コーヒーはメキシココーヒーそれともアメリカン?
カルヤラン・ピーラッカはちょっと見アワビのよう^o^
朝食はハチャプリとスープだけで充分という感じですね(^_^)

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

この度は,興味を深いお店を教えていただき,ありがとうございました。
「WORLD BREAKFAST ALLDAY」の店内でも「パダリア」の宣伝がされていました。
chibiayaさんのブログで恵比寿のお話が登場したので,「もしかしてパダリアのこと?」と思いましたが,本当にそうだったんですね(笑)
ハチャプリに御興味を持たれていたことも覚えていますが,レモンマフィンが売られていることは知りませんでした…。
いつか行けるチャンスがあるといいですね!
その時は雨が降りませんように(^-^)

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

「第三の男」,ヱビスビールのCMソングの印象が強いですよね。
私はお酒が弱いので,ヱビスビールも一番搾りも実はよくわかりませんが…(^^ゞ
なーまんさんなら,世界のパンを買って,いわゆる「パン飲み」も楽しめそうですね。

「メロンパンの真実」,実は話の続きがあって,作者は,メキシコのコンチャを広島出身の米国移民が広島へ技術を持ち帰り,広島でメロンパンを作って全国に広めたのではないかとまとめられています。
そのくらい広島からの移民は多かったですし,広島には様々なメロンパンがあります。
あんパンは饅頭をヒントに日本で考案された,ガチ日本のパンだと思います。

アメリカンコーヒーとメキシココーヒー,どちらがコンチャに合うのか謎ですが,一番合うのは紅茶(コンチャ)かも(笑)

カルヤラン・ピーラッカ,確かにアワビの形に似ていますね!
パン生地が薄いので,中の具をしっかりととめておくための生活の知恵なのでしょうね。
ハチャプリ,結構大きなパンなので,確かにこのパンとスープで朝食には十分な量です。
熱々のハチャプリをいただくと,朝から幸せな気分になれそうです!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」3-小松菜グルメスタンプラリー・小松菜サラダ・小松菜鍋・小松菜と牛肉の五香粉炒め・小松菜の肉巻き- | トップページ | 東京・銀座「資生堂パーラー」のレストラン -ポタージュ・サラダ・ミートクロケット・ビーフシチュー・カスタードプリン- »

最近のトラックバック

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ