東海道新幹線の車内販売で名店のお菓子を味わう -オーボンヴュータンのプティフールセック-
AU BON VIEUX TEMPS(オーボンヴュータン)
東京・尾山台に伝統フランス菓子の店「AU BON VIEUX TEMPS(オーボンヴュータン)」があります。
このお店のシェフ・河田勝彦さんは日本のフランス伝統菓子の第一人者で,辻口博啓さんもこのお店でフランス菓子を学ばれました。
私もお店に伺ったことがあるのですが,実に多くの種類のフランス菓子があり,またシャルキュトリー(食肉加工品)のコーナーもあって,フランスの気分を味わうことができました。
東京・日本橋高島屋にも店舗があるので,新幹線や飛行機を利用される際には,こちらの店舗を利用されると便利です。
東海道新幹線・車内販売の新幹線スイーツ
東京・日本橋高島屋のオーボンヴュータンへは、夕方から夜にかけて何度か伺ったことがありますが,この時間帯だと目当ての商品がすでに売り切れていることが多く,しばらくオーボンヴュータンの味に飢えていました。
そんな中,東海道新幹線の車内販売「新幹線スイーツ」でオーボンヴュータンのお菓子「プティフールセック」が販売されていることを知りました。
「プティフールセック(petits fours secs)」は,プティ(petit)が「小さい」,フール(four)が「オーブン・窯・かまど」,セック(sec)が「乾燥した・ドライな」という意味で,合わせると「(オーブンで焼いた)小さな焼菓子」・「小干菓子」という意味になります。
このお菓子に興味を持った私は,車内販売での購入を試みました。
しかしながら,この「プティフールセック」は数量限定で車内販売されていないケースが多く,なおかつ私が新幹線に乗る時間帯は早朝か深夜なので,まだ用意されていないか,もう売り切れてしまったケースも多いため,なかなか購入できませんでした。
このお菓子の購入をあきらめかけていた頃,チャンスが訪れました。
夕方,品川駅から東海道・山陽新幹線に乗って広島へ帰る途中,車内販売のパーサーから「オーボンヴュータンのお菓子はいかがでしょうか」と紹介があったのです。
その瞬間は買いそびれてしまいました。
「折り返しの車内販売が来るまでの間,売り切れるなよ…」と心の中で祈りました。
そして折り返し車内販売が来た際,私はパーサーさんに尋ねました。
「あの,オーボンヴュータンのお菓子はありますか?」
「はい!ございます。」
パーサーさんは嬉しそうに応じてくださいました。
「よし,やったぞ!」と気持ちは高揚し,ホットコーヒーも注文しました。
お菓子とセットで買うと,コーヒーが安くなることを確認して(笑)
(プティフールセックとホットコーヒー)
こちらがオーボンヴュータンの「プティフールセック」とコーヒーです。
「プティフールセック」は720円です。
「AU BON VIEUX TEMPS」と書かれた外箱には,サイクリストとフランスの地図が描かれています。
フランスのパリとブレストを結ぶ自転車レースに由来するお菓子「パリブレスト」が思い浮かびました。
オーボンヴュータンのプティフールセック
「プティフールセック」の箱を開けてみました。
(プティフールセックとホットコーヒー(開封))
小さな焼菓子が箱にきれいに詰められていました。
(プティフールセック)
小箱に焼菓子がぎっしりと詰められており,全部で7種類もありました。
写真左が「エピス」(エピスのきいたサブレと木苺ジャム),中央が「コルネ」(シガレット生地のコルネにプラリネ),右が「ディスク」(サブレと赤スグリのジュレ)です。
その奥には,「プレオール」(カラメリゼされたサクサクな焼菓子),「ドワ」(バターとアーモンドベースの生地にジャンドゥーヤ),「ガレット・ナンテーズ」(ナントの焼菓子),「サン・ノン」(アーモンドをつけたディアマン)が詰められていました。
※エピス…スパイス・香辛料
※プラリネ…ローストしたナッツと砂糖をキャラメリゼしたもの
※ジャンドゥーヤ…ヘーゼルナッツを加えペースト状にしたチョコレート
※ディアマン…クッキーの周りをグラニュー糖で装飾すること。ダイヤモンドという意味
甘さ控えめでサクサクの生地,ほろ苦いカラメル,コクのあるアーモンド,芳醇な香りのバター,甘酸っぱいベリージャム…7種類もあるので,少し持って帰ろうと思っていたのですが,美味しさの勢いで一気にいただきました。
オーボンヴュータンのお菓子は高価なイメージがありますが,7種類で720円,1個約100円で幸せな気分になれるなら,これはお得だと思いました。
オーボンヴュータンの店頭や通信販売でも「プティフールセック」が販売されていますが,そのデギュスタシオン(degustation・お試し版)とも言えるでしょう。
ホットコーヒーともよく合いました。
フランスの古き良き時代(オーボンヴュータン)をイメージさせるような,伝統的なフランスの焼菓子でした。
<関連サイト>
「AU BON VIEUX TEMPS」(尾山台店・日本橋高島屋店)
「東海道新幹線車内販売」(ジェイアール東海パッセンジャーズ)
<参考文献>
日仏料理協会編「仏和・和仏料理フランス語辞典」(白水社)
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https://raillab.jp/news/article/25920
こちらのサイトで「東海道新幹線の幻のスイーツ」と紹介されていましたがTwitterの発信力はやはりスゴイ👍
購入できたら本当にラッキーな商品と言われたら、本当にラッキーな気分になりますね!
新幹線に乗る機会が中々ないなーまんは本店に行って「オーボンヴュータンありますか?」
と言ってしまい「はぁ〜?」と言われそうです (^_^;)
冗談はさておき、とても美味しそうなので一度食べてみたくなりました (^.^)v
投稿: なーまん | 2023年5月28日 (日) 16時53分
新幹線でオーボンヴュータンのお菓子が車内販売されてるんですか。
さすがオーボンヴュータンですねえ(笑)
辻口シェフがこちらで修業されていたのは知りませんでした。
それほど大きなお菓子ではなさそうですが、7種類もあってこの値段は絶対お買い得です!
美味しい焼き菓子を食べると幸せな気分になれますよね、本当に。
投稿: chibiaya | 2023年5月28日 (日) 17時14分
なーまん 様
なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
新幹線スイーツのオーボンヴュータンの記事、御紹介いただき、ありがとうございます。
早朝や深夜じゃなくても品薄の商品のようですね。
人気があるなら、もっと用意されても売れるでしょうに…(笑)
車内販売は割高というイメージがあり、実際、このプチフールセックも高いのですが、実際に買ってみたら、高いだけの商品じゃないことに気付いていただけると思います。
私が買った日は、たまたま売れ残ってたんでしょうが(笑)、ラッキーな気分になりました!
「オーボンヴュータンありますか?」と尋ねられても十分通用しますよ!
機会があればお試しください。
投稿: コウジ菌 | 2023年5月28日 (日) 18時35分
chibiaya 様
chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
chibiayaさんの記事で辻口博啓シェフの「LE CHOCOLAT DE H」の御紹介があり、「オーボンヴュータン」と共通点があった!と思いました(笑)
オーボンヴュータンの焼菓子の車内販売、実は新幹線スイーツでレモンケーキがないかと調べていて見つけました。
全て一口サイズの焼菓子なので、7種類あっても一気に食べられますし、美味しいので途中でやめることができませんでした(笑)
どれも甘さ控えめでほろ苦い、大人の味の焼菓子でした。
そしてホットコーヒーとの相性も抜群でした。
旅先での疲れをそっと癒してくれ、旅の締めくくりにぴったりのお菓子でした。
オーボンヴュータンの焼菓子、おすすめです。
投稿: コウジ菌 | 2023年5月28日 (日) 18時59分