« ホッキョクグマの耳かき -北海道旭川市- | トップページ | 東海道新幹線の車内販売で名店のお菓子を味わう -オーボンヴュータンのプティフールセック- »

2023年5月21日 (日)

G7広島サミットと食 -お好み焼(参加各国)・カナダドライ(カナダ)・ドクターペッパー(アメリカ)-

G7広島サミット開催地の状況

 2023年5月19日から21日までの3日間、広島で「G7広島サミット」が開催されています。

 メイン会場は広島市南区のホテル(グランドプリンスホテル広島)で、各国要人が来られるということで、厳重な警備体制がとられています。

 このサミットの期間中、広島市内や周辺地域の人々の生活も変化を余儀なくされています。

 例えば、
・一般道路や高速道路の交通規制
・公共交通機関の減便・運休
・全国から集まった警察官・警察車両による厳重な警備
・昼夜を問わないヘリコプターの上空飛行
・会社の休業・テレワーク対応、学校の休校
・物流の停滞に伴う品不足、消費者の買いだめ、荷物の遅延発生
・行動自粛要請に伴う広島市中心部の空洞化・脱広島化
・広島県内宿泊施設の不足
などが挙げられます。

 今後、G7サミット開催地・広島として有名になることを考えれば大きな経済効果が期待できるのでしょうが、サミット期間中の経済効果は限定的なイメージを持ちます。

 私は広島市南区の自宅でテレワークをしながら、ふと「緊急事態宣言」が発令された時の状況に似ているように思いました。

 ただ、こうした状況は一過性のものですし、「G7広島サミット」の開催自体は地元民にとって名誉なことです。

 むしろこうした状況を楽しむぐらいの余裕を持ちたいものです。

 ということで、今回はG7参加国にちなんだ食を御紹介したいと思います。


G7広島サミット参加国にちなんだお好み焼


 近所のスーパーマーケットでG7広島サミット参加国にちなんだお好み焼が紹介されていました。

 広島のソースメーカー「オタフクソース」が考案されたお好み焼レシピです。

 G7各国別のお好み焼を御紹介します。

(アメリカ・ハンバーガー×お好み焼とカナダ・メープルシロップ×お好み焼)
Photo_20230521100501
 (オタフクソース「ENJOY!OKONOMIYAKI」資料から引用・一部抜粋)

 画像上側は、アメリカにちなんだ「ハンバーガーのお好み焼」です。

 お好み焼の生地をバンズの形に焼き、挽き肉で作ったハンバーグ・トマト・スライスチーズをはさんだ料理です。

 これはボリューム満点です。

 画像下側は、カナダにちなんだ「メープルシロップがけのお好み焼」です。

 焼き上げた生地にお好みソースを塗り、その上からさらにメープルシロップをかけた料理です。

 お好みソースは甘いことが売りなので、メープルシロップも合うと思いますが、メープルシロップの割合が多いとホットケーキに近くなるような気もします(笑)

(イギリス・フィッシュ&チップス×お好み焼とフランス・ケークサレ×お好み焼)
Photo_20230521101001
 (オタフクソース「ENJOY!OKONOMIYAKI」資料から引用・一部抜粋)

 続いて、画像上側はイギリスにちなんだ「フィッシュ&チップスのお好み焼」です。

 お好み焼の上にポテトフライと白身魚の天ぷら(フィッシュ&チップス)をトッピングした料理です。

 フィッシュ&チップスとお好みソースは合いそうです。

 画像下側はフランスにちなんだ「ケークサレのお好み焼」です。

 お好み焼ミックス粉で作った生地を型に流し込み、オーブンで焼いて「ケークサレ(塩味の総菜ケーキ)」に仕上げた料理です。

 お好み焼ミックス粉でこうした応用料理もできるのかと感心しました。

(イタリア・ピザ×お好み焼とドイツ・ソーセージ&ポテト×お好み焼)
Photo_20230521101401
 (オタフクソース「ENJOY!OKONOMIYAKI」資料から引用・一部抜粋)

 続いて、画面上側はイタリアにちなんだ「ピザ風お好み焼」です。

 出来上がったお好み焼にピザ用チーズをまぶし、加熱して表面のチーズが溶けたら、その上にスライストマトとスイートバジルをのせて仕上げた料理です。

 日本のピザ(お好み焼)と本場イタリアのピザを融合させた創作料理です。

 最後に日本のお好み焼です。

(日本・お好み焼)
Photo_20230521101601
 (オタフクソース「ENJOY!OKONOMIYAKI」資料から引用・一部抜粋)

 家庭用のお好み焼ミックス粉を使った関西風お好み焼が紹介されています。

 広島風お好み焼は、調理に一定の技術と設備が必要となるので、調理はプロに任せ、お店で食べるかテイクアウトで食べるのが一般的です。

 今回御紹介した料理は、オタフクソースのウェブサイトに紹介されていますので、御興味を持たれた方は御覧ください。


カナダの「カナダドライ」とアメリカの「ドクターペッパー」

 G7参加国にまつわる料理として、カナダの場合は、今回のお好み焼のようなメープルシロップを使った料理が数多く紹介されていました。

 そこで私からはちょっと変化球として、カナダの「カナダドライ」を御紹介したいと思います。

 あわせて、カナダドライと同じブランドであるアメリカの「ドクターペッパー」も御紹介したいと思います。


【カナダドライ(CANADA DRY)】

 「カナダドライ(CANADA DRY)」は、1904年にカナダで誕生した炭酸飲料です。

(カナダドライ)
Photo_20230521103001

 シャンパンのドライな味わいと洗練された色に魅了されたカナダの薬剤師「ジョン・J・マクローリン」が、1904年に甘さ控えめのジンジャーエール「CANADA DRY PALE GINGER ALE」を開発しました。

(カナダドライ・ラベル)
Photo_20230521103201

 ラベルにも「シャンパンに惹かれて開発され、110年以上も変わらず そのゴールド色とドライな大人の味わいが愛され続けています。」と記載されています。

 カナダで誕生したカナダドライは、やがてアメリカへ渡り、全世界へと広がっていきます。

 日本においても長年愛され続け、馴染み深いソフトドリンクとなっています。


【ドクターペッパー(Dr Pepper)】

 「ドクターペッパー(Dr Pepper)」は、1885年にアメリカで誕生した炭酸飲料です。

 アメリカ・テキサス州の薬剤師「チャールズ・オルダートン」がドラッグストア内でフレーバー付きの炭酸飲料「ドクターペッパー」を製造し、その場で客に売ったのが始まりとされています。

(ドクターペッパー)
Photo_20230521103301

 この商品名は、知り合いのペッパー医師から命名したとされています。

 当時の宣伝文句は「おなかの調子を整える飲み物」というもので、当時から薬のような味がするドリンクだったようです。

 飲んでみると…確かに薬のような風味を感じました。

 お香と胃薬を混ぜたような香り、そして濃厚なベリーのような味がしました。

 コーラと同様、ハマると美味しいドリンクだと思います。


【薬・健康飲料から清涼飲料へ】

 カナダドライとドクターペッパーは、いずれも薬剤師が作ったドリンクで、産業化が進み、健康志向が高まる中での薬・健康飲料として、また、禁酒運動の高まりを受けての脱アルコール飲料(ハードドリンク(お酒)に対するソフトドリンク)として人気を博し、世界各地に展開します。

 また、コカ・コーラも1886年にアメリカ・ジョージア州の薬剤師「ジョン・S・ペンバートン」が開発した飲料で、当初はコカインを使用し(その後使用中止)、神経衰弱・頭痛・二日酔いに効く薬として販売されました。

 さらにペプシコーラも1898年にアメリカ・ノースカロライナ州の薬剤師「キャレブ・ブラッドハム」が開発した飲料で、商品名は胃の酵素(ペプシン)に由来し、当初は胃の消化不良を助ける薬として販売されました。

 つまり、カナダドライもドクターペッパーもコカ・コーラもペプシコーラも、ほぼ同時期に薬剤師によって薬や健康飲料として開発され、産業化と健康志向の流れに乗って普及し、やがて人々の意識が「利便性の高い清涼飲料」へと変化して世界に展開した飲料なのです。

 アメリカやカナダは多民族国家であり、これらの国で作られたもの・受け入れられたものがやがて世界標準化するという特徴がありますが、今回御紹介した炭酸飲料は、こうした特徴を示す1つの事例だと言えるでしょう。


まとめ

 G7サミットの開催地となった広島では、食の分野でもG7参加国にちなんだ料理や飲み物がたくさん紹介され、お店で提供されました。

 さらには、海外の食だけでなく、地元広島の食を海外に発信する機会にもつながりました。

 今後はサミットの開催に合わせて、各国のグルメ(Gourmet)やガストロノミー(Gastronomie)の交流を目的とした食のイベント「G7」・「G20」なども開催されると面白そうです。

 飛び入り参加も大歓迎です(笑)


<関連サイト>
 「お料理レシピ」(オタフクソース)
 「カナダドライ ブランドヒストリー」(日本コカ・コーラ)
 「ドクターペッパー」(日本コカ・コーラ)
 「世界のペプシの歴史」(サントリー)

<参考文献>
 鈴木 透「食の実験場アメリカ ファーストフード帝国のゆくえ」中公新書

« ホッキョクグマの耳かき -北海道旭川市- | トップページ | 東海道新幹線の車内販売で名店のお菓子を味わう -オーボンヴュータンのプティフールセック- »

食文化体験・イベント」カテゴリの記事

コメント

「オタフクソース」はなぜか我が家に常備されています (^^)v 
ハンバーガーのお好み焼はポピュラーでしょうが「メープルシロップがけのお好み焼」はお好みが分かれるでしょうね^^;
ドイツもハンバーグでアメリカと対決!
というのも面白かったかも?
いずれにせよ世の中が「コロナ以前」に戻ってきている様ですね(^_^)

なーまん 様

なーまんさん、こんにちは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

へぇー、オタフクソースが常備されているのですか!
神奈川県でもポピュラーな調味料になっているようで、嬉しいです。

メープルシロップがけのお好み焼、これホットケーキかパンケーキですよね(笑)
おっしゃるとおり、これこそお好み次第(笑)
ドイツ発祥のハンバーグを使ってハンバーガーを作ったり、フランクフルトを使ってホットドッグを作ったり、アメリカは世界標準の食べ物を作ることに長けた国ですね。

ドイツとアメリカのお好み焼対決が済んだら、最後は国内です。
関西のお好み焼と広島のお好み焼対決!!
これはお互い一歩も譲らず、共同声明は出せないでしょう(笑)

コロナ禍の真っただ中だったら、ここまでの会議は実現してなかったでしょうね。
警備などの影響で、広島の街がまた「緊急事態宣言」のような緊迫した雰囲気になるとは思いもよりませんでしたが…(笑)

ドムドムにお好み焼きバーガーを連想し、お好み焼きが挟まったハンバーガーかと思いきや、バンズがお好み焼きですか。
カナダ以外は、まあ普通に美味しいだろうなという印象です。
メープルシロップはどうかな~?
ドクターペッパーは飲んだことがないのですが、ルートビアと同じでしょうか?
それだったら沖縄のA&Wで飲みましたが「一度飲めばいいかな」でした(笑)

chibiaya 様

chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

ドムドム、かなり前に広島県から撤退されたので、どんなメニューがあるのか知らなかったのですが、お好み焼バーガーってあるんですね。しかも伝統メニューなのだとか。
ほかにもアジフライバーガーとか餃子バーガーとか、今回のお好み焼に匹敵するような珍しいメニューがたくさんありますね。

やっぱりカナダのメープルシロップがけが一番気になりますよね。
より甘いお好みソースがお好きな人や、本場カナダの人には合う味かも知れません。

ドクターペッパー、ルートビアと同じ系列の味です。
近所のアメリカンダイナーで飲んだことがあり、カルディでも販売されていましたが、ドクターペッパーとよく似ています。
慣れないと違和感を感じる味ですが、日本でもこれだけ販売されているところを見ると、お好きな方も相当数いらっしゃるのだと思います。
ただ、「A&W」がルートビアのお店というのは初めて知りました。
ウェブサイトでA&Wの歴史をじっくり読ませていただきました。
貴重な情報をありがとうございました(^-^)

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« ホッキョクグマの耳かき -北海道旭川市- | トップページ | 東海道新幹線の車内販売で名店のお菓子を味わう -オーボンヴュータンのプティフールセック- »

最近のトラックバック

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ