北海道の食文化探訪2 -小樽「美園」のアイスクリーム・札幌「日曜日のクッキー。」・札幌「ノースマン」-
小樽駅・小樽運河・堺町通り
札幌駅から函館本線・快速エアポートに乗って小樽駅へ向かいました。
途中、銭函(ぜにばこ)駅を過ぎたあたりから目の前に海が広がり、列車は海岸線に沿って走りました。
小樽駅に着き、ホームに降りると、昭和の大スター・石原裕次郎さんの歌が聞こえてきました。
石原裕次郎さんは幼少期を小樽で過ごされたことがあり、小樽にゆかりのある人物です。
(733系と小樽駅ホーム)
快速エアポートにも使用されているJR北海道の733系と小樽駅の様子です。
3月中旬でしたが、雪が積もっていました。
(小樽駅)
こちらは小樽駅前の様子です。
戦前の広島駅とよく似た駅舎です。
小樽は、福岡県北九州市の門司と同様、昔から栄えた港町に見られるレトロでノスタルジックな雰囲気が漂う街です。
当日は小雨が降り、風も強い状況でしたが、歩いて小樽運河に向かいました。
(小樽運河)
大正末期に完成し、北海道の海の玄関口として多くの物資が運ばれた小樽運河です。
小樽一の観光スポットで、大勢の観光客が記念撮影されていました。
倉庫群を歩いていると、「びっくりドンキー」の店舗がありました。
(びっくりドンキー小樽運河店)
「びっくりドンキー」は、北海道(札幌市)に拠点(本店)を置くハンバーグレストランです。
この「びっくりドンキー小樽運河店」の隣には、同じ系列の小樽ビールのお店「小樽倉庫No.1」もありました。
続いて、歴史的建造物が並ぶ観光メインストリート「堺町通り」へ行きました。
(堺町通り)
お土産店や飲食店と並んで、ガラス工芸雑貨のお店が多いのが印象的でした。
あと、飲食店のメニュー・ショーケースが「いくら」・「鮭(サーモン)」・「カニ」・「ウニ」・「エビ」・「マグロ」など、赤一色になっているのも印象的でした。
小樽「アイスクリームパーラー美園」のアイスクリーム
堺町通りを散策した後、小樽の商店街へ向かいました。
「サンモール一番街」で、石原裕次郎さん出演映画のポスター展示を見つけました。
(サンモール一番街・石原裕次郎出演映画作品展)
かつてはこの小樽に石原裕次郎記念館があり、このような作品が展示されていたようです。
続いて「小樽都通り」を散策しました。
そして、この商店街にある喫茶店「アイスクリームパーラー美園」に伺いました。
(「アイスクリームパーラー美園」店舗)
創業が大正8年(1919年)、2019年で100年を迎えられた老舗の純喫茶です。
北海道で初めてアイスクリームを販売されたお店です。
(紙芝居(美園の鍋焼きうどん紹介))
アイスクリームだけでなく、鍋焼きうどんも昔から好評だったようで、お店の入口に紙芝居がありました。
「昭和のはじめころ、勉学に勤しむ学生さん達が、冬の夜、屋台の鍋焼きうどんを二階の窓から注文し、ロープで受け取ると、身も心も芯から温まったものでした」
鍋焼きうどんを二階の窓からロープで受け取っていた…現代のフードデリバリーよりも先進的なサービスです(笑)
店内には昔の看板やポスターが飾られていました。
(「美園」の看板とアイスクリームのポスター)
店名が書かれた木製の看板とアイスクリームのポスターです。
ポスターは高松塚古墳の壁画をイメージするような、年季の入った味わい深いポスターです。
アイスクリームとコーヒーを注文しました。
(小樽「美園」のアイスクリーム)
こちらがアイスクリームパーラー美園のアイスクリームです。
チェリーとウェハースが添えられています。
北海道産の牛乳や玉子、蜂蜜などを使い、伝統的な製法で作られたアイスクリームです。
口溶けがよく、サッパリとした食感で、玉子の風味が生かされたアイスクリームでした。
お店の方から伺った話では、デパートの催事で横浜や広島にも出店されたことがあるとのことでした。
札幌「日曜日のクッキー。」
小樽での観光を楽しんだ後、小樽駅から快速エアポートに乗って再び札幌へ向かいました。
そしてJR札幌駅の手前、JR琴似(ことに)駅で下車しました。
琴似の街を少し歩いて札幌市営地下鉄・琴似駅へ行き、地下鉄東西線に乗って西18丁目駅へ向かいました。
西18丁目駅到着後、駅から西へ少し歩いたところにある「日曜日のクッキー。」というクッキーのお店を訪問しました。
(「日曜日のクッキー。」店舗)
雪が舞い、路面も凍結していたので、雪に慣れていない私は歩くだけでも大変でした。
19時までの営業時間に何とか間に合い、ホッとしながら店内に入りました。
店内には色とりどりのクッキーが用意されていました。
ちょうどホワイトデーの時期だったので、ホワイトデー用の詰合せも販売されていました。
様々な種類のクッキーが入ったクッキー詰合せを購入しました。
(「日曜日のクッキー。」(箱詰め))
4種類のクッキーの詰合せボックスです。
(「日曜日のクッキー。」(包装))
「月夜のチョコレート」、「夕暮れキャラメル」、「早起きフレッシュ」、「そよ風ホワイト」の4種類、そして単品の「どや顔ガトーショコラ」です。
(「日曜日のクッキー。」(月夜のチョコレート・どや顔ガトーショコラ))
写真左の茶色のクッキーが「どや顔ガトーショコラ」、右のチョコチップとマカダミアナッツが入ったクッキーが「月夜のチョコレート」です。
(「日曜日のクッキー。」(月夜のチョコレート))
「月夜のチョコレート」の中の様子です。
どのクッキーも、しっとりとして、とてもやわらかいのが特徴です。
原材料のバター、生クリーム、砂糖、玉子、小麦などは厳選された北海道素材が使われており、ひとつひとつ丁寧に手作りされています。
こんなにしっとりとして、穏やかで、やさしい味のクッキーは初めていただきました。
北海道土産も兼ねたホワイトデーのお菓子として配りましたが、こんなに美味しいなら自分用にもっと買えば良かったと後悔しました(笑)
札幌「ノースマン」
JR札幌駅構内の売店で「ノースマン」というお菓子を購入しました。
(ノースマン(包装))
商品名(ノースマン:北の人)や包装だけではどんなお菓子なのかさっぱりわかりません(笑)
クリームかホワイトチョコが使われた洋菓子ではないかと思いつつ、開封しました。
(ノースマン)
平たい円形のパイ菓子でした。
包丁で切って中身を確かめてみると…
(ノースマン(中味))
何と小豆のあんこでした。
北海道産小豆で作られた「こしあん」を薄いパイ生地で包んだお菓子です。
横浜の中華街で売られていた「パイまんじゅう」をヒントに1974年に考案されたお菓子で、北の人(北海道)の銘菓です。
北海道と言えば、あんぱんや月餅をヒントに考案された「月寒あんぱん」も有名ですが、小豆栽培の本場だけあって、小豆あんが使われたお菓子も多いのでしょう。
今回御紹介した「こしあん」のほか、「ハスカップ」や「かぼちゃ」、最近では生クリーム入りの「生ノースマン」なども販売されています。
「北の大地に生きる人々のたくましい力を表現する」ブランド「ノースマン」。
この名称には「北のまんじゅう(ノース:北、マン:まんじゅう)」という意味も込められているように思います。
<関連サイト>
「アイスクリームパーラー美園」(北海道小樽市稲穂二丁目12-15)
「日曜日のクッキー。」(札幌市中央区南1条西21丁目1-23)
「ノースマン」(札幌「千秋庵製菓」)
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