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2023年6月

2023年6月25日 (日)

北海道の食文化探訪2 -小樽「美園」のアイスクリーム・札幌「日曜日のクッキー。」・札幌「ノースマン」-

小樽駅・小樽運河・堺町通り

 札幌駅から函館本線・快速エアポートに乗って小樽駅へ向かいました。

 途中、銭函(ぜにばこ)駅を過ぎたあたりから目の前に海が広がり、列車は海岸線に沿って走りました。

 小樽駅に着き、ホームに降りると、昭和の大スター・石原裕次郎さんの歌が聞こえてきました。

 石原裕次郎さんは幼少期を小樽で過ごされたことがあり、小樽にゆかりのある人物です。

(733系と小樽駅ホーム)
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 快速エアポートにも使用されているJR北海道の733系と小樽駅の様子です。

 3月中旬でしたが、雪が積もっていました。

(小樽駅)
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 こちらは小樽駅前の様子です。

 戦前の広島駅とよく似た駅舎です。

 小樽は、福岡県北九州市の門司と同様、昔から栄えた港町に見られるレトロでノスタルジックな雰囲気が漂う街です。

 当日は小雨が降り、風も強い状況でしたが、歩いて小樽運河に向かいました。

(小樽運河)
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 大正末期に完成し、北海道の海の玄関口として多くの物資が運ばれた小樽運河です。

 小樽一の観光スポットで、大勢の観光客が記念撮影されていました。

 倉庫群を歩いていると、「びっくりドンキー」の店舗がありました。

(びっくりドンキー小樽運河店)
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 「びっくりドンキー」は、北海道(札幌市)に拠点(本店)を置くハンバーグレストランです。

 この「びっくりドンキー小樽運河店」の隣には、同じ系列の小樽ビールのお店「小樽倉庫No.1」もありました。

 続いて、歴史的建造物が並ぶ観光メインストリート「堺町通り」へ行きました。

(堺町通り)
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 お土産店や飲食店と並んで、ガラス工芸雑貨のお店が多いのが印象的でした。

 あと、飲食店のメニュー・ショーケースが「いくら」・「鮭(サーモン)」・「カニ」・「ウニ」・「エビ」・「マグロ」など、赤一色になっているのも印象的でした。


小樽「アイスクリームパーラー美園」のアイスクリーム

 堺町通りを散策した後、小樽の商店街へ向かいました。

 「サンモール一番街」で、石原裕次郎さん出演映画のポスター展示を見つけました。

(サンモール一番街・石原裕次郎出演映画作品展)
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 かつてはこの小樽に石原裕次郎記念館があり、このような作品が展示されていたようです。

 続いて「小樽都通り」を散策しました。

 そして、この商店街にある喫茶店「アイスクリームパーラー美園」に伺いました。

(「アイスクリームパーラー美園」店舗)
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 創業が大正8年(1919年)、2019年で100年を迎えられた老舗の純喫茶です。

 北海道で初めてアイスクリームを販売されたお店です。

(紙芝居(美園の鍋焼きうどん紹介))
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 アイスクリームだけでなく、鍋焼きうどんも昔から好評だったようで、お店の入口に紙芝居がありました。

 「昭和のはじめころ、勉学に勤しむ学生さん達が、冬の夜、屋台の鍋焼きうどんを二階の窓から注文し、ロープで受け取ると、身も心も芯から温まったものでした」

 鍋焼きうどんを二階の窓からロープで受け取っていた…現代のフードデリバリーよりも先進的なサービスです(笑)

 店内には昔の看板やポスターが飾られていました。

(「美園」の看板とアイスクリームのポスター)
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 店名が書かれた木製の看板とアイスクリームのポスターです。

 ポスターは高松塚古墳の壁画をイメージするような、年季の入った味わい深いポスターです。

 アイスクリームとコーヒーを注文しました。

(小樽「美園」のアイスクリーム)
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 こちらがアイスクリームパーラー美園のアイスクリームです。

 チェリーとウェハースが添えられています。

 北海道産の牛乳や玉子、蜂蜜などを使い、伝統的な製法で作られたアイスクリームです。

 口溶けがよく、サッパリとした食感で、玉子の風味が生かされたアイスクリームでした。

 お店の方から伺った話では、デパートの催事で横浜や広島にも出店されたことがあるとのことでした。


札幌「日曜日のクッキー。」

 小樽での観光を楽しんだ後、小樽駅から快速エアポートに乗って再び札幌へ向かいました。

 そしてJR札幌駅の手前、JR琴似(ことに)駅で下車しました。

 琴似の街を少し歩いて札幌市営地下鉄・琴似駅へ行き、地下鉄東西線に乗って西18丁目駅へ向かいました。

 西18丁目駅到着後、駅から西へ少し歩いたところにある「日曜日のクッキー。」というクッキーのお店を訪問しました。

(「日曜日のクッキー。」店舗)
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 雪が舞い、路面も凍結していたので、雪に慣れていない私は歩くだけでも大変でした。

 19時までの営業時間に何とか間に合い、ホッとしながら店内に入りました。

 店内には色とりどりのクッキーが用意されていました。

 ちょうどホワイトデーの時期だったので、ホワイトデー用の詰合せも販売されていました。

 様々な種類のクッキーが入ったクッキー詰合せを購入しました。

(「日曜日のクッキー。」(箱詰め))
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 4種類のクッキーの詰合せボックスです。

(「日曜日のクッキー。」(包装))
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 「月夜のチョコレート」、「夕暮れキャラメル」、「早起きフレッシュ」、「そよ風ホワイト」の4種類、そして単品の「どや顔ガトーショコラ」です。

(「日曜日のクッキー。」(月夜のチョコレート・どや顔ガトーショコラ))
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 写真左の茶色のクッキーが「どや顔ガトーショコラ」、右のチョコチップとマカダミアナッツが入ったクッキーが「月夜のチョコレート」です。

(「日曜日のクッキー。」(月夜のチョコレート))
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 「月夜のチョコレート」の中の様子です。

 どのクッキーも、しっとりとして、とてもやわらかいのが特徴です。

 原材料のバター、生クリーム、砂糖、玉子、小麦などは厳選された北海道素材が使われており、ひとつひとつ丁寧に手作りされています。

 こんなにしっとりとして、穏やかで、やさしい味のクッキーは初めていただきました。

 北海道土産も兼ねたホワイトデーのお菓子として配りましたが、こんなに美味しいなら自分用にもっと買えば良かったと後悔しました(笑)


札幌「ノースマン」

 JR札幌駅構内の売店で「ノースマン」というお菓子を購入しました。

(ノースマン(包装))
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 商品名(ノースマン:北の人)や包装だけではどんなお菓子なのかさっぱりわかりません(笑)

 クリームかホワイトチョコが使われた洋菓子ではないかと思いつつ、開封しました。

(ノースマン)
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 平たい円形のパイ菓子でした。

 包丁で切って中身を確かめてみると…

(ノースマン(中味))
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 何と小豆のあんこでした。

 北海道産小豆で作られた「こしあん」を薄いパイ生地で包んだお菓子です。

 横浜の中華街で売られていた「パイまんじゅう」をヒントに1974年に考案されたお菓子で、北の人(北海道)の銘菓です。

 北海道と言えば、あんぱんや月餅をヒントに考案された「月寒あんぱん」も有名ですが、小豆栽培の本場だけあって、小豆あんが使われたお菓子も多いのでしょう。

 今回御紹介した「こしあん」のほか、「ハスカップ」や「かぼちゃ」、最近では生クリーム入りの「生ノースマン」なども販売されています。

 「北の大地に生きる人々のたくましい力を表現する」ブランド「ノースマン」。

 この名称には「北のまんじゅう(ノース:北、マン:まんじゅう)」という意味も込められているように思います。


<関連サイト>
 「アイスクリームパーラー美園」(北海道小樽市稲穂二丁目12-15)
 「日曜日のクッキー。」(札幌市中央区南1条西21丁目1-23)
 「ノースマン」(札幌「千秋庵製菓」)

<関連記事>
 「北海道の食文化探訪1 -北広島市と広島のつながり・「くるるの杜」の農村レストラン・農畜産物直売所-

2023年6月18日 (日)

マリー・アントワネット 王妃のお茶会 -ヒルトン広島のデザートビュッフェ-

ヒルトン広島の「マリー・アントワネット 王妃のお茶会」

 広島市中区富士見町にあるホテル「ヒルトン広島」を訪問しました。

(ヒルトン広島)
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 G7広島サミットでアメリカのバイデン大統領が宿泊されたホテルです。

(ヒルトン年表(日本初のデザートビュッフェ))
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 エントランスに展示されている年表には、1984年にヒルトン(ヒルトン東京)が日本で初めてデザートビュッフェを提供されたことなどが紹介されています。

 このホテルで、マリーアントワネットにまつわるお菓子・ドリンクがビュッフェ方式で楽しめる「マリー・アントワネット 王妃のお茶会」が開催されています。(2023年5月27日~8月27日の週末)

 マリーアントワネットにまつわる豪華なお菓子・ドリンクが食べ放題という、夢のようなイベントに心惹かれ、参加しました。

 会場のオールデイダイニング「モザイク」の様子です。

(「マリー・アントワネット王妃のお茶会」会場入口)
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 会場入口にマリーアントワネットにまつわるドレスと直筆の手紙が展示されていました。

(マリーアントワネット展示品(ドレスと直筆の手紙))
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 ピンク色の豪華なドレスに、マリーアントワネットらしさを感じました。

(マリー・アントワネット直筆の手紙)
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 マリーアントワネットの手紙は、相手だけがわかる秘密の暗号で真意が書かれたり、見えないインクで文字の行間などに書かれることもあったようです。

 マリーアントワネットにまつわる手紙は秘密と安全のため開封後に焼却処分される習慣がある中、このように現存する手紙は大変貴重なもののようです。

 御案内いただいたテーブル席に着くと、オリジナルのペーパーランチョンマットとカトラリーが用意されていました。

(ペーパーランチョンマット(マリーアントワネットビュッフェ))
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 周囲を見渡すと、マリーアントワネットのイベントということで、豪華に着飾った女性の方も見かけました。

 マリーアントワネットの宴に呼ばれたような感じですが、もし本当の宴なら私は門前払いでしょう(笑)


スイーツビュッフェ会場の様子

 ビュッフェ開始前に、スイーツビュッフェの見学・撮影タイムが設けられました。

 ビュッフェ会場で堂々と写真撮影ができるのは珍しいですが、これもマリーアントワネットのイベントならではのサービスです。

(スイーツ・装飾品コーナー(その1))
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 きらびやかな装飾品とスイーツの数々、もう夢の世界です。

 大勢の人々が一斉に撮影される中、人の顔が写り込まないように撮影するのはとても大変でした。

(スイーツ・装飾品コーナー(その2))
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 お菓子も装飾品もピンク色で揃えられ、どれがお菓子でどれが装飾品か迷ってしまいます。

(マカロンとミニシュークリーム)
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 マカロンやミニシュークリームもピンク色です。

(チョコレートファウンテン)
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 こちらはホワイトチョコレートとストロベリーチョコレートのチョコレートファウンテンのコーナーです。

 マシュマロ、パイナップル、メロン、バウムクーヘンが用意されていました。

(ブレッド&バタープディングとストロベリークロワッサン)
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 ブレッド&バタープディングと言えばイギリスですが、私はフランスの「パンペルデュ」(フレンチトースト)をイメージしました。

(ストロベリークロワッサンとカモミールマドレーヌ)
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 クロワッサンもストロベリーチョコレートがかけられてピンク色に仕上げられていました。


スイーツビュッフェ1皿目

 ビュッフェタイムが告げられると、私を含む参加者が、お菓子やドリンクを求めて、フランス革命のごとく一斉に突撃しました(笑)

 私は普段、そんなにお菓子は食べませんが、今日だけは特別です。

 欲張っていろんなお菓子をお皿に盛りました。

(スイーツブッフェ(1皿目))
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 1品ずつ簡単に御紹介します。

【ア・ラ・マリー・アントワネット】

(ア・ラ・マリー・アントワネット)
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 マリーアントワネットのヘアスタイルをイメージした「マリーアントワネット風」デコレーションケーキです。

 エルダーフラワーシロップを浸み込ませたスポンジ生地にイチゴクリームがたっぷり使われたケーキです。


【カフェリエジョワ風チョコレートムース】

(カフェリエジョワ風チョコレートムース)
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 「カフェ・リエジョワ」、コーヒーに生クリームをのせたリエージュ風(ウィンナーコーヒー風)のチョコレートムースです。


【ポム・ダムール】

(ポム・ダムール)
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 「ピュイダムール(愛の井戸・愛の泉)」というパイの器の中にクリームを入れ、表面をキャラメリゼしたお菓子がありますが、「ポム・ダムール(愛のリンゴ)」というお菓子は初めて知りました。

 パウンドケーキの中にリンゴのコンポートが入ったお菓子です。


【ラズベリー・ビジュー】

(ラズベリー・ビジュー)
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 ラズベリーとディプロマットクリーム(カスタードクリームに生クリームを加えたもの)が入ったミニシュークリームです。


【バニラムースとグリオットのコンフィチュールタルト】

(バニラムースとグリオットのコンフィチュールタルト)
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 タルト生地の上に、バニラムースとグリオット(スリーズ(さくらんぼ)の1種)のコンフィチュール(シロップ煮)をのせたお菓子です。


【フロマージュブランとパイナップルライムのムース】

(フロマージュブランとパイナップルライムのムース)
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 クッキー生地の上にフロマージュブラン(白いクリーム状のチーズ)、パイナップル、ライムのムースがのせられたお菓子です。


【マカロン・イスパハン】

(マカロン・イスパハン)
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 ローズの香りを効かせたラズベリーバタークリームをサンドした赤いマカロンです。

 マカロンはマリーアントワネットが暮らしたヴェルサイユ宮殿と関わりが深いお菓子でもあります。


スイーツビュッフェ2皿目

 続いてスイーツビュッフェ2皿目を御紹介します。

(スイーツブッフェ(2皿目))
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【ブレッド&バタープディング】

(ブレッド&バタープディング)
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 パンにカスタード液をたっぷりと含ませて焼いたお菓子です。

 フランスのパンペルデュ(フレンチトースト)に似ています。


【カモミールマドレーヌ】

(カモミールマドレーヌ)
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 ジャーマンカモミール入りのマドレーヌです。

 マドレーヌはフランスを代表するホタテ貝の形をしたお菓子で、カモミールもフランスでは馴染み深いハーブの1つです。


【カップケーキ】

(カップケーキ)
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 レモン入りのカップケーキで、パッション風味のクリームがのせられています。

 このカップケーキや先のマドレーヌにのせられた紫色のスミレの花は、ハプスブルク家王妃・エリザベートが好んだ花でもあります。


【ライチグアバゼリー】

(ライチグアバゼリー)
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 ライチがトッピングされたグアバのゼリーです。


【レモンバーベナ・エメルード】

(レモンバーベナ・エメルード)
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 明るいライムグリーン色をしたレモンバーベナのソースがかけられたパンナコッタです。


【ストロベリークロワッサン】

(ストロベリークロワッサン)
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 ミニクロワッサンにストロベリーチョコレートがコーティングされた菓子パンです。


【ピンクチョコレートファウンテン(バウムクーヘン)】

(ピンクチョコレートファウンテン(バウムクーヘン))
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 一口大のバウムクーヘンを竹串に刺し、ピンクチョコレートの滝にくぐらせてコーティングしたお菓子です。


マリーアントワネット アンティークケーキとブレンドティー

 数々のお菓子を楽しんでいると、テーブル席に特別なケーキが運ばれてきました。

(マリーアントワネット アンティークケーキ)
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 マリーアントワネット アンティークケーキです。

 マリー・アントワネットに献上されたケーキを再現したお菓子で、ヴェルサイユのリンゴとバラのエッセンスが使用されています。

 「ニナス(NINA’S)」の紅茶「マリーアントワネットブレンド」と一緒にいただきました。

(マリーアントワネットブレンドティーのティーバッグ)
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 ニナスの紅茶(ティーバッグ)が何種類か用意されていましたが、一番人気はやはり「マリーアントワネットブレンド」でした。

(マリーアントワネットブレンドティー)
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 ティーカップもこのピンク色が一番人気でした(笑)


ビスキュイ・ド・サヴォワとマリーアントワネットが好んだクグロフ

 厨房に面白い案内板が掲げられていました。

(「ビスキュイをお食べなさい」)
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 「ビスキュイをお食べなさい」

 御命令ですから、是が非でも食べなければなりません(笑)

 「ビスキュイ(biscuit)」は「別立て(卵黄と卵白を別々に泡立てる製菓法)」で作られたスポンジ生地(ケーキ)のことで、ビスケットの語源にもなっています。

 サヴォワ地方の伝統的な焼き菓子です。

 厨房の奥にはビスキュイ・ド・サヴォワとクレームシャンティイ(生クリーム)が用意されていました。

(ビスキュイ・ド・サヴォワとクレームシャンティイ)
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 注文を受けてからクグロフ型のケーキをカットし、生クリームを添えて提供される方式でした。

(ビスキュイ・ド・サヴォワ)
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 ビスキュイに生クリームとバラのクリームが添えられています。

 シフォンケーキのような軽い食感のケーキで、クリームを添えるとより美味しくいただけました。

 ちなみに、ビスキュイの生地に牛乳、バター、洋酒、ドライフルーツ、アーモンドなどを加え、よりリッチなケーキに仕上げたものが「クグロフ」です。

 マリーアントワネットの故郷・オーストリアの郷土菓子でもあるクグロフは、マリーアントワネットとともにフランスに伝えられたとされます。

 マリーアントワネットが好んだとされるお菓子・パン(クグロフ、キッフェルン、ブリオッシュ)の1つです。


ローストポークハムサンドとニース風サラダ

 立て続けに甘いものを食べたので、次第に食べるペースが遅くなってきました。

 私:「マリーアントワネット王妃、こういう場合はどうすればよろしいでしょうか?」

 マリーアントワネット:「お菓子が食べられなければ、パンを食べればいいじゃない」

 というわけでパンとサラダをいただきました。

(ジャンボンブール風ハニーマスタードローストポークハムサンド・鮪のニース風サラダ)
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 ジャンボンブール風ハニーマスタードローストポークハムサンドは、ジャンボンブール(ハムとバターのサンド)にチーズ、ハニーマスタード、レタスなどを加えたバゲットサンドです。

 鮪のニース風サラダは、レタス、ゆで玉子、鮪(ツナ)、オリーブなどをドレッシングで軽く混ぜ合わせた料理です。


スイーツビュッフェ(3皿目)

 スイーツビュッフェ3皿目です。

(スイーツブッフェ(3皿目))
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 さすがに取ってくるお菓子の数が減っています(笑)


【シャポーブラン】

(シャポーブラン)
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 ココナッツムースの中に、マンゴーとパッションフルーツのジュレがサンドされた軽い口当たりのケーキです。

 マリーアントワネットの白い帽子(シャポーブラン)をイメージしたケーキです。

(白い帽子とネックレス)
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【プティブーケ】

(プティブーケ)
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 プティブーケ(小さな花束)のようにバラやチョコレートの花びらが飾られたケーキです。

 ブラッドオレンジのジュレが挟まれています。


【桃とローズのムース】

(桃とローズのムース)
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 クッキー生地の上に、桃とローズのムースが盛られたお菓子です。


ストロベリーアイスクリームとムラング

 厨房のアイスクリームコーナーでストロベリーアイスクリームを注文しました。

(ストロベリーアイスクリームとムラング)
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 アイスクリームはバニラ・チョコレート・ストロベリーの3種類、ソースはマンゴーとベリーの2種類が用意されていました。

 「ここまで来たら、とことんピンクと赤にこだわろう」と、ストロベリーアイスとベリーソースの組み合わせにしました。

 ムラング(メレンゲの焼き菓子)まで鮮やかな赤色でした。


まとめ

 改めて、今回いただいたお菓子・軽食・ドリンクを数えてみると、お菓子が20種類、軽食がサンドイッチとサラダで各1種類、ドリンクが紅茶1種類とコーヒー1種類(2杯)でした。

 数か月分のお菓子を一気にいただいた感じです(笑)

 かつてマリーアントワネットが愛したベルサイユ宮殿の離宮「プチ・トリアノン」に招かれたような、夢のようなひとときでした。


<関連サイト>
 「ヒルトン広島」(広島市中区富士見町11-12)
 「ニナス マリーアントワネット」(フランスの紅茶ブランド)

<関連記事>
 「イエズス会士書簡集とマリーアントワネット -東洋文庫 オリエント・カフェの文庫ランチ-
 「ハプスブルク家皇妃 エリザベートとスミレ -美容とダイエットの先駆者-

<参考文献>
 池上俊一「お菓子でたどるフランス史」岩波ジュニア新書
 安達正勝「マリー・アントワネット」中公新書
 21世紀研究会「食の世界地図」文春新書

2023年6月11日 (日)

北海道の食文化探訪1 -北広島市と広島のつながり・「くるるの杜」の農村レストラン・農畜産物直売所-

広島から北海道へ

 2023年3月中旬に北海道を訪問しました。

 広島空港から飛行機(直行便)で新千歳空港へ向かったのですが、新千歳空港に着陸寸前に眼下に雪景色が広がっている光景を見て、とても驚きました。

 新千歳空港駅のみどりの窓口できっぷを購入し、北海道内を鉄道で移動することとしました。

 新千歳空港駅構内には記念撮影スポットがありました。

(新千歳空港駅構内・記念撮影スポット)
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 北海道の面積は、関東から関西までが入るぐらいの大きさで、とても広いことがわかります。

 その分、北海道内の移動距離は長いので、それを念頭に移動プランを計画する必要があります。


北広島市と北広島駅の紹介

 新千歳空港駅から快速エアポートに乗って、北広島駅へ向かいました。

 北広島市は、その名のとおり広島とのつながりが深い街で、そのつながりは明治17年(1884年)に広島県人25戸・103人が集団移住し、開拓されたことに始まります。

 北広島市内には「開拓記念公園」や「平和の灯公園」など、広島との交流の歴史を物語る数々の施設やモニュメントがあります。

 そんな広島とのつながりが深い北広島市は、いつか訪れてみたい街の1つでした。

 3月の雪景色が物珍しく、電車の車窓からキョロキョロ外を眺めているうちに、快速エアポートは北広島駅に到着しました。

(北広島駅ホームと列車)
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 改札を出て、しばらく北広島駅周辺を歩いてみました。

(北広島駅出入口)
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 防寒対策だと思いますが、駅出入口の扉が開放されてない様子も新鮮でした。

(北広島駅)
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 北広島駅は北海道日本ハムファイターズの新球場(北海道ボールパークFビレッジ・エスコンフィールド北海道)の最寄り駅です。

 訪問時は新球場のオープン直前だったこともあり、駅構内は新球場の話題で盛り上がっていました。

 北広島駅構内にある福祉ショップ「ふゆーる」でお土産としてクリアファイルを購入しました。

(北広島市クリアファイル(北海道米・まいピー))
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 北広島市は、寒冷な北海道で初めて稲作に成功した「北海道米発祥の地」です。

 寒さに強い「赤毛種」と呼ばれる稲が使われました。

 イメージキャラクター「まいピー」の「まい」には「米」、「ピー」には「ピース(平和)」の意味が込められています。


ホクレン「くるるの杜」の農村レストラン

 北広島駅から路線バスに乗り、北広島市大曲にある「くるるの杜(もり)」を訪問しました。

(くるるの杜)
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 3月中旬でしたが、まだ雪で真っ白でした。

 広い構内を歩き、農村レストランへ向かいました。

(もりのかふぇと農村レストラン)
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 写真手前(中央)の建物が「もりのかふぇ(多目的ハウス)」、写真左奥の建物が「農村レストラン」です。

 こんなに雪が積もっていると、もうそれだけでワクワクして、雪に向かって飛び込みたい衝動を抑えるのに必死でした(笑)

(農村レストラン)
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 農村レストランに到着しました。

 こちらのレストランでは、北海道の新鮮な農畜産物をブッフェ方式でいただくことができます。

 受付を済ませ、広々としたレストランで北海道の食を味わいました。

 北海道産食材を使った様々な料理が用意されていました。

 「さすが北海道!」

 どれにしようか悩みながら、プレートに料理を盛り付けました。

(ランチブッフェ)
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 いろんな料理をちょっとずつ、欲張った盛り付けです(笑)

(ランチブッフェ(プレート))
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 それぞれの料理を簡単に御紹介したいと思います。


【里芋とゆで玉子のマヨネーズ和え】

 「里芋とゆで玉子のマヨネーズ和え」です。

(里芋とゆで玉子のマヨネーズ和え)
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 一口大に切った里芋と、細かく刻んだゆで玉子をマヨネーズで和えた料理です。

 ジャガイモならポテトサラダですが、里芋のねばりやホクホクとした食感が生かされた一品でした。


【ピクルス】

 野菜の「ピクルス」です。

(ピクルス)
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 キュウリ、大根、人参、パプリカ、玉ねぎを甘酢で漬けたもので、甘酸っぱさとシャキシャキ感が楽しめました。


【青菜とブナシメジのおかか和え】

 「青菜とブナシメジのおかか和え」です。

(青菜とブナシメジのおかか和え)
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 キャベツや白菜などの青菜とブナシメジをさっと加熱し、鰹節を和えた料理です。

 鰹節の旨味が野菜の美味しさをより一層引き立てていました。


【十勝産ジャガイモのコロッケ】

 「十勝産ジャガイモのコロッケ」です。

(十勝産ジャガイモのコロッケ)
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 ザックリと粗めに潰したジャガイモにパン粉を付けて揚げたコロッケです。

 挽き肉などは入っておらず、シンプルに十勝産ジャガイモだけで作られたコロッケでした。

 ジャガイモのホクホク感と甘味が味わえる一品でした。


【大根と人参の煮物】

 「大根と人参の煮物」です。

(大根と人参の煮物)
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 大根、人参、牛肉、玉ねぎを醤油で上品に味付けた煮物でした。


【チャプチェ】

 韓国料理の「チャプチェ」です。

(チャプチェ)
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 牛肉、春雨、パプリカ(ピーマン)、人参、椎茸などをすき焼き風に醬油で甘辛く炒めた料理でした。


【十勝産ジャガイモのじゃがバター】

 「十勝産ジャガイモのじゃがバター」です。

(十勝産ジャガイモのじゃがバター)
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 ジャガイモが熱いうちにバターを溶かした北海道の代表的な料理の1つです。


【小松菜とエノキダケの玉子とじ】

 「小松菜とエノキダケの玉子とじ」です。

(小松菜とエノキダケの玉子とじ)
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 フワフワの玉子の中に、エノキダケと小松菜がたっぷりとじられていました。


【コーンのかき揚げ】

 「コーンのかき揚げ」です。

(コーンのかき揚げ)
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 北海道産トウモロコシの粒をかき揚げにしたものです。

 かき揚げにすることでトウモロコシの甘味が凝縮されていました。


【ポトフ】

 北海道産の野菜を使った「ポトフ」です。

(ポトフ)
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 人参、玉ねぎ、キャベツ、ジャガイモ、赤い大根(紅くるり)、ブナシメジなどがじっくりコトコト煮込まれていました。


【サラダ】

 北海道産野菜と豆の「サラダ」です。

(サラダ)
Photo_20230611104902

 レタス、小松菜、キュウリ、サツマイモ、大根(紅くるり)、煮豆を盛り付けてみました。

 「紅くるり」はビーツのような赤い大根です。

 北海道で小松菜(東京)やサツマイモ(鹿児島)も作られていることに少し驚きました。


【ラーメン】

 醤油味の「ラーメン」です。

(ラーメン(ゆめちから))
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 麺は北海道産小麦「ゆめちから」で作られています。

 地元の小麦粉を使った麺料理として、うどんではなくラーメンが提供されるところが北海道ならではです。

 弾力があり、シコシコした食感の麺でした。


【デザート】

 デザートとして、北海道産リンゴ、カスタードプリン、サツマイモバターケーキ、アイスクリーム2種、白玉しるこをいただきました。

(デザート)
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 アイスクリームは「ぶどう」(赤色)と「えびすかぼちゃ」(黄色)です。

 サツマイモと同様、北海道でカボチャが栽培されているというのは意外でしたが、恵庭市などで栽培されているようです。

 小豆が好きな私は、十勝産小豆のおしるこが味わえたことが何よりの幸せでした。


【北海道牛乳】

 期間限定で「北海道牛乳飲み比べ(酪農家応援フェア)」が実施されていました。

(北海道牛乳飲み比べ(酪農家応援フェア)案内)
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 「北海道の酪農家さんを応援しよう!」をテーマに、北海道各地の牛乳の飲み比べができるイベントでした。

 私が訪問した日は、中標津(なかしべつ)産、十勝産、別海(べつかい)産の3種類の牛乳が牛乳パックで用意されていました。

 ただ…私は牛乳が全く飲めないので、フェアの御紹介だけとさせていただきます。

 ごめんなさい。


 訪問した日は金曜日(平日)でしたが、レストランの150席がほぼすべて埋まるぐらいの人気でした。

 グループでランチを食べに来られている方々も多く見かけました。

 地元にお住まいで、自動車で来られている方が多く利用されている様子でした。


くるるの杜・農畜産物直売所

 レストランでの食事を済ませ、近くの農畜産物直売所へ行きました。

 このお店には、北海道内から集められた様々な農畜産物や加工品、そしてお土産品が販売されています。

 特にジャガイモは幻の品種やレアな品種も販売されていました。

 私は加工品や総菜、お土産品を購入しました。

(くるるの杜・農畜産物直売所での購入品)
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 写真右上から時計回りに、どら焼き「きたろまん」、あんパン「ゆめちから」、かぼちゃもち、そして「丘のおかし とうきび」です。

 どら焼きは、小豆「きたろまん」をはじめ、小麦、砂糖(甜菜)、卵、米がすべて北海道産です。
 千歳市のお菓子店「もりもと」と「ホクレン(農業協同組合連合会)」のコラボレーション商品で、「麦チェン!北海道」(外国産小麦を道産小麦にチェンジする運動)にも取り組まれています。

 あんパン「ゆめちから」は、北海道産小麦「ゆめちから」が使われたあんパンです。
 「北ひろしま福祉会」で製造されています。
 クリアファイルで御紹介した北広島駅構内にある福祉ショップ「ふゆーる」でも、この「北ひろしま福祉会」のパンがたくさん販売されていました。

 かぼちゃもちは、北海道の郷土料理「いももち」・「じゃがいももち」をベースに、かぼちゃを練り込んだお餅です。
 じゃがいものデンプンにより、粘りとモチモチ感が出て、お餅になっています。
 じゃがいももちとセットで販売されていました。

(かぼちゃもち)
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 カボチャとジャガイモを茹でて潰し、デンプンを加え、お餅の形に整えて、油脂で両面をこんがりと焼いたものです。

(かぼちゃもち(中身))
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 割と弾力があり、その食感は「さつま揚げ」に似ていると思いました。
 ほんのり甘いお餅でした。

 「丘のおかし とうきび」は、美瑛(びえい)産とうきび(スイートコーン)をフリーズドライにしたお菓子です。
 美瑛町農業協同組合が販売される商品で、地元(美瑛町)か新千歳空港のショップ「美瑛選果」でしか入手できないと思っていたのですが、ここ「くるるの杜」でも販売されていたので購入しました。
 原材料はとうきびだけで、とうきび本来の甘味を味わうことができました。


まとめ

 北広島市を訪問したことにより、広島からの移住者の歴史を学び、ここが北海道の稲作の発祥地であることを知り、北海道の様々な食を味わい、新しくできた北海道ボールパークFビレッジ・エスコンフィールド北海道を見ることが出来ました。

 北広島市の花は「つつじ」、木は「かえで」ですが、実は北広島市の姉妹都市・東広島市(広島県)の花も「つつじ」、広島県の木・花も「もみじ(かえで)」であり、このことからも広島との強い結びつきが感じられました。

 こうした歴史的・文化的背景を踏まえると、北広島市のエスコンフィールドで開催されるセ・パ交流戦「北海道日本ハムファイターズ対広島東洋カープ」も、他の交流試合とは違う特別な価値があるように思います。


<関連サイト>
 「北海道米のルーツ・赤毛」(「きたひろ農学校」北海道北広島市)
 「くるるの杜」(北海道北広島市大曲377-1)
 「麦チェン!北海道」(北海道農政部生産振興局農産振興課)
 「北ひろしま福祉会 販売部門」(北海道北広島市朝日町2-6-9)
 「美瑛選果」(美瑛本店・新千歳空港店)
 「北海道ボールパークFビレッジ」(北海道北広島市Fビレッジ)

2023年6月 4日 (日)

魚柄仁之助先生の世界4 -魚柄仁之助先生の手作り醤油を味わう -醤油・乾燥醬油の実・ゆかり・とんコマキャベツ・おにぎり・こむすび・手抜きうどん-

魚柄仁之助先生からの贈り物

 食文化研究家の魚柄仁之助先生から手作りの醤油などをいただきました。

(魚柄仁之助先生からの贈り物)
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 手作り醤油、乾燥醬油の実、ゆかり(梅漬の赤しそ)のセットです。

(魚柄仁之助先生手作り醤油)
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 「醬油をペットボトルに詰めた」というお話は伺っていましたが、緑茶のラベルが貼られたまんまで送られてくるとは…。

 黒烏龍茶や紅茶のラベルのペットボトルだと、そのまま飲んでしまいそうです(笑)

 「魚柄先生らしいな」と思わず笑みがこぼれました。

 身の回りのものを有効活用し、無理や無駄がなく、質素だけど食の本質を突いている、これこそが魚柄先生の魅力なのです。

(魚柄仁之助先生手作り醤油(ペットボトルと醤油))
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 醤油にも鮮度があり、絞りたての醬油は透明感があって、スッキリとした味わいで、とても良い香りがするのですが、この醤油はまさにそうでした。

 醤油の搾りかす(醬油の実、しょうゆ粕)を平たく伸ばして乾燥させた「乾燥醤油の実」もいただきました。

(乾燥醬油の実(包装))
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 「醬油の実」は醤油の副産物ですが、それも工夫して食べ尽くすお考えにはとても共感できます。

(乾燥醬油の実)
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 私が作ったものを食べた時は塩辛かったので、この「乾燥醬油の実」も同じだろうとイメージしつつ、せんべいのようにそのままいただきました。

 するとイメージに反して、丸みを帯びたマイルドな塩味で、サイコロ形のマグロのおつまみ(ツナピコ)に似た味わいでした。

(ゆかり(梅漬の赤しそ))
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 「ゆかり(梅漬の赤しそ)」もいただきました。

 北九州出身で東京にお住まいの魚柄先生が、赤しそのふりかけを「ゆかり」と呼ばれていることに驚きました。

 「ゆかり」は広島の三島食品が販売されている赤しそのふりかけの商品名ですが、今や全国で通用する名前となっているのですね。

 乾燥させた赤しそが、粉のようにとても細かく刻まれていました。


「食の文化を考える会ミズホ」メンバーの方からの贈り物

 今回の魚柄先生からの贈り物は、横浜の「食の文化を考える会ミズホ」のメンバーの方を通じて送っていただきました。

 そしてその方からも、手作りのマーマレードをいただきました。

(手作りマーマレード)
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 「ヨーグルトにかけてどうぞ」とお話いただいたので、手作りマーマレードをプレーンヨーグルトにかけていただきました。

(ヨーグルトのマーマレードソースがけ)
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 柑橘の皮だけでなく、実も一緒にザク切りにして作られているので、甘味のほかに、柑橘そのもの香りや酸味、そしてほろ苦さを感じました。

 すっきりした甘さで、ヨーグルトにぴったりでした。

(マーマレードトースト)
Photo_20230603160001

 マーマレードをトーストに塗っていただきました。

 控えめな甘さとほろ苦さが絶妙で、あっという間にいただいたマーマレードを食べ尽くしてしまいました。


とんコマキャベツ

 魚柄先生が考案された料理を、魚柄先生が作られた醤油で作るという、魚柄ファンにとって夢のような料理を作ってみました。

 魚柄先生が考案された料理のうち、醤油を使った料理で真っ先に思い浮かんだのが「とんコマキャベツ」です。

 「とんコマキャベツ」は、たっぷりのキャベツと、ほんのちょっぴりの豚コマ肉で作る野菜炒めです。

(とんコマキャベツの材料)
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 キャベツはザク切りにしておきます。

 豚コマ肉は一口大に切ってボウルに入れ、片栗粉と下味用の酒・醤油を加えて、よく揉みこんでおきます。

 フライパンにザク切りキャベツを敷き、その上に片栗粉と下味をなじませた豚コマ肉をのせ、少し酒を回しがけした後、フタをして中火で加熱します。

(蒸し焼きの様子(加熱前))
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 キャベツや酒の水分で蒸し焼きになるので、フライパンに油をひかなくても焦げ付きません。

(蒸し焼きの様子)
Photo_20230603160502

 キャベツがしんなりし、豚コマ肉の色が変化してきたら、フタを開けてキャベツと豚コマ肉をよく混ぜ合わせます。

 こうすることで肉がほぐれ、下味を付けた肉の旨味をキャベツへ移すことも出来ます。

(とんコマキャベツ)
Photo_20230603161001

 「とんコマキャベツ」の出来上がりです。

 豚コマ肉が片栗粉で覆われて旨味が凝縮されています。

 味付けは醤油だけですが、ほかに調味料は要らないと思いました。

 豚コマ肉は、豚のウデ肉(前足の肉)やモモ肉などが用いられますが、実はウデ肉は運動量が多く、豚肉の中でも旨味が強い部位でもあります。


焼きおにぎり・ゆかりおにぎり

 醤油を生かす料理として次に思いついたのが「焼きおにぎり」です。

 あわせて、いただいた「ゆかり」を使った「ゆかりおにぎり」も作ることにしました。

 焼きおにぎりを作るにあたっては、おにぎりに醤油だれを塗る「刷毛(はけ)」がないし、魚焼き用のグリルもない、さらにはオーブントースターもないと、ないないづくしでしたが、刷毛の代わりに「醬油スプレー」を使うことにしました。

(醬油スプレー)
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 100円ショップで購入しました。

 この醬油スプレーの容器に、醤油とみりんを注ぎ込みました。

 フライパンに少量の油をひき、醬油スプレーで醤油だれを浸み込ませたおにぎりを焼きました。

 おにぎりの表面に醬油だれを吹きかけ、ひっくり返して焼く作業を何度も繰り返しました。

 一方で、ボウルにご飯と「ゆかり」を入れて混ぜ合わせ、それを三角に握って「ゆかりおにぎり」も作りました。

 こうして「ゆかりおにぎり」と「焼きおにぎり」の完成です。

(ゆかりおにぎりと焼きおにぎり)
Photo_20230603171201

 魚柄先生と私の共同作業で出来上がったおにぎりです。

 「ゆかりおにぎり」は、梅漬の赤しその粉末で作っているので、しょっぱいおにぎりを想像していたのですが、ほんのり塩味がついた、梅漬の風味豊かなおにぎりに仕上がりました。

 「焼きおにぎり」は、甘じょっぱくて、醤油のおこげが香ばしい、焼きもちのようなおにぎりに仕上がりました。

 その後、ふと魚柄先生の本を読んでいると「おにぎりの作り方」についての説明があり、おにぎりのコツは、二~三口で食べられる程度に小さく握る「こむすび」にすることとありました。

 この方が食べやすく、個々人で食べる量も調整しやすいので、人気があるのだとか。

 そこで「こむすび」にした焼きおにぎりも作ってみました。

(こむすび(焼きおにぎり))
Photo_20230603171401

 焼きおにぎり用に、手に塩をつけずにご飯を握ったのですが、小さく仕上げようとすると、ご飯がまとまらず、とても握りにくかったです。

 おにぎりは、手のひらに適度な水と塩の粒子を付けることで、米粒が手のひらにくっつかず、ご飯をうまく握れることがよくわかりました。

 うまく握られていないおにぎりは、何度もひっくり返して焼くと、次の写真のようになります。

(焼きおにぎり(崩れた様子))
Photo_20230603171501

 これでは焼きおにぎりというより、チャーハンですね(笑)


手抜きうどん

 魚柄先生のレシピに「手抜きうどん」という料理があります。

 材料は小麦粉と塩水(海水と同程度の濃度)のみです。

 小麦粉に塩水を加えてこねた生地を麵棒で伸ばし、その生地を折りたたみ、包丁でうどんの太さに切って、そのまま煮え立つお湯の中に入れ、6~7分茹でて完成というものです。

 世間一般の手打ちうどんのように、生地を何度もこねたり、寝かせる必要がなく、すぐに作れるので「手抜きうどん」なのです。

 魚柄先生は、この「手抜きうどん」が作り始めからいただきますまで10~15分で済むとおっしゃってます。

 この「手抜きうどん」に魚柄先生の醤油をかけ、「ぶっかけうどん」にしていただくと、純粋に醤油の味が楽しめると思い、「手抜きうどん」を作ることにしました。

 小麦粉約300gに塩水を加え、ボウルの中でこねて生地を作りました。

 テーブルにラップを敷き、打ち粉をした(小麦粉をふりかけた)上で、その生地をのせ、麺棒で薄く伸ばしました。

(手抜きうどん(生地))
Photo_20230603172101

 この伸ばした生地に打ち粉をした上で、3枚重ねに折りたたみました。

(手抜きうどん(生地折りたたみ))
Photo_20230603172201

 そして包丁で細く切り、麺にしました。

(手抜きうどん(切麺))
Photo_20230603172301

 生地がやわらかいのと、打ち粉の量が少なかったのとで、包丁で切り分けるのが大変でした。

 出来上がったうどんを鍋に入れ、7~8分茹でました。

 うどんが中までやわらかくなったら火を止め、ザルに入れて流水でうどんを締めました。

 うどんをお皿に盛り、大根おろし、鰹節、青ねぎをのせ、魚柄先生からいただいた醤油を回しがけして完成です。

(手抜きうどん(おろしぶっかけうどん))
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 初めてうどんを作ったこと、適量がわからず試行錯誤したこと、写真を撮りながら作ったことなどが原因で、トータルの調理時間は10分ちょっとどころか、約1時間もかかってしまいました。

 しかも麺が「ほうとう」並みにそうとう太い(笑)

 しかしながら、麺が透き通って、シコシコとした弾力があり、手作り・出来立てならではの美味しさがありました。

 調味は醤油のみとしましたが、大根おろしを添えたことでちょうど良い濃さとなり、醬油の旨味を純粋に味わうことができました。


まとめ

 今回、手作り醤油をはじめ、様々な食品をプレゼントしてくださった魚柄仁之助先生と「食の文化を考える会ミズホ」メンバーの方には、それぞれお礼のお手紙をお送りしました。

 立派な手作りの食品をいただいた私にできるお返しは、心を込めて自筆のお手紙を書くことしかないと思いました。

 魚柄先生へのお手紙には、次の一文を書きました。

 「献血と同じように、お醤油の一滴も無駄にせずいただこうと思います。」

 今思い起こすと恥ずかしいのですが(笑)、この考えのもと「魚柄先生と共同作業がしたい」との思いで作ったのが今回の料理です。

 魚柄先生から学んだことの1つに、「加工度の低い食材を,自分で加工して食べることの大切さ」があります。

 このことを実践すると「安全で、健康的で、美味しくて、食費もかからない」というメリットがあるのですが、一方で大なり小なり手間がかかることも事実です。

 そのため、魚柄先生のレシピは、その手間をできるだけ減らすことをテーマに考案されたものが多く紹介されています。

 私の場合、手間暇かけてでも自分で料理しようと思う原動力は、ズバリ「美味しさ」です。

 普段料理を作っていて「つらい」とか「しんどい」と思う時、思い出す魚柄先生の名言があります。

 「料理は愛情?根性じゃい!」

 根性なしの私へ愛情たっぷりの贈り物、ありがとうございました(笑)


<関連記事>
 「魚柄仁之助先生の世界1 -講演会「食生活が急速に変化した昭和の時代~昭和初期の非常食が生んだ今日のグルメ料理~」に参加して-
 「魚柄仁之助先生の世界2 -巣ごもり焼きそば 魚柄仁之助先生の巣ごもりごはんをヒントに-
 「魚柄仁之助先生の世界3 -長野の自家製かんぴょう(かんぴょう煮・かんぴょうの油炒め・かみなり汁)-
 手作り醬油については、当ブログ「食文化事例研究」の「しょうゆの研究」を御覧ください。

<参考文献>
 魚柄仁之助「うおつか家の台所実用ノート」ゴマ文庫
 魚柄仁之助「元気食実践マニュアル155」文春文庫
 魚柄仁之助「一千万人納得!!うおつか流食生活かくめい」講談社

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