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2023年6月18日 (日)

マリー・アントワネット 王妃のお茶会 -ヒルトン広島のデザートビュッフェ-

ヒルトン広島の「マリー・アントワネット 王妃のお茶会」

 広島市中区富士見町にあるホテル「ヒルトン広島」を訪問しました。

(ヒルトン広島)
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 G7広島サミットでアメリカのバイデン大統領が宿泊されたホテルです。

(ヒルトン年表(日本初のデザートビュッフェ))
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 エントランスに展示されている年表には、1984年にヒルトン(ヒルトン東京)が日本で初めてデザートビュッフェを提供されたことなどが紹介されています。

 このホテルで、マリーアントワネットにまつわるお菓子・ドリンクがビュッフェ方式で楽しめる「マリー・アントワネット 王妃のお茶会」が開催されています。(2023年5月27日~8月27日の週末)

 マリーアントワネットにまつわる豪華なお菓子・ドリンクが食べ放題という、夢のようなイベントに心惹かれ、参加しました。

 会場のオールデイダイニング「モザイク」の様子です。

(「マリー・アントワネット王妃のお茶会」会場入口)
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 会場入口にマリーアントワネットにまつわるドレスと直筆の手紙が展示されていました。

(マリーアントワネット展示品(ドレスと直筆の手紙))
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 ピンク色の豪華なドレスに、マリーアントワネットらしさを感じました。

(マリー・アントワネット直筆の手紙)
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 マリーアントワネットの手紙は、相手だけがわかる秘密の暗号で真意が書かれたり、見えないインクで文字の行間などに書かれることもあったようです。

 マリーアントワネットにまつわる手紙は秘密と安全のため開封後に焼却処分される習慣がある中、このように現存する手紙は大変貴重なもののようです。

 御案内いただいたテーブル席に着くと、オリジナルのペーパーランチョンマットとカトラリーが用意されていました。

(ペーパーランチョンマット(マリーアントワネットビュッフェ))
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 周囲を見渡すと、マリーアントワネットのイベントということで、豪華に着飾った女性の方も見かけました。

 マリーアントワネットの宴に呼ばれたような感じですが、もし本当の宴なら私は門前払いでしょう(笑)


スイーツビュッフェ会場の様子

 ビュッフェ開始前に、スイーツビュッフェの見学・撮影タイムが設けられました。

 ビュッフェ会場で堂々と写真撮影ができるのは珍しいですが、これもマリーアントワネットのイベントならではのサービスです。

(スイーツ・装飾品コーナー(その1))
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 きらびやかな装飾品とスイーツの数々、もう夢の世界です。

 大勢の人々が一斉に撮影される中、人の顔が写り込まないように撮影するのはとても大変でした。

(スイーツ・装飾品コーナー(その2))
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 お菓子も装飾品もピンク色で揃えられ、どれがお菓子でどれが装飾品か迷ってしまいます。

(マカロンとミニシュークリーム)
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 マカロンやミニシュークリームもピンク色です。

(チョコレートファウンテン)
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 こちらはホワイトチョコレートとストロベリーチョコレートのチョコレートファウンテンのコーナーです。

 マシュマロ、パイナップル、メロン、バウムクーヘンが用意されていました。

(ブレッド&バタープディングとストロベリークロワッサン)
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 ブレッド&バタープディングと言えばイギリスですが、私はフランスの「パンペルデュ」(フレンチトースト)をイメージしました。

(ストロベリークロワッサンとカモミールマドレーヌ)
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 クロワッサンもストロベリーチョコレートがかけられてピンク色に仕上げられていました。


スイーツビュッフェ1皿目

 ビュッフェタイムが告げられると、私を含む参加者が、お菓子やドリンクを求めて、フランス革命のごとく一斉に突撃しました(笑)

 私は普段、そんなにお菓子は食べませんが、今日だけは特別です。

 欲張っていろんなお菓子をお皿に盛りました。

(スイーツブッフェ(1皿目))
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 1品ずつ簡単に御紹介します。

【ア・ラ・マリー・アントワネット】

(ア・ラ・マリー・アントワネット)
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 マリーアントワネットのヘアスタイルをイメージした「マリーアントワネット風」デコレーションケーキです。

 エルダーフラワーシロップを浸み込ませたスポンジ生地にイチゴクリームがたっぷり使われたケーキです。


【カフェリエジョワ風チョコレートムース】

(カフェリエジョワ風チョコレートムース)
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 「カフェ・リエジョワ」、コーヒーに生クリームをのせたリエージュ風(ウィンナーコーヒー風)のチョコレートムースです。


【ポム・ダムール】

(ポム・ダムール)
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 「ピュイダムール(愛の井戸・愛の泉)」というパイの器の中にクリームを入れ、表面をキャラメリゼしたお菓子がありますが、「ポム・ダムール(愛のリンゴ)」というお菓子は初めて知りました。

 パウンドケーキの中にリンゴのコンポートが入ったお菓子です。


【ラズベリー・ビジュー】

(ラズベリー・ビジュー)
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 ラズベリーとディプロマットクリーム(カスタードクリームに生クリームを加えたもの)が入ったミニシュークリームです。


【バニラムースとグリオットのコンフィチュールタルト】

(バニラムースとグリオットのコンフィチュールタルト)
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 タルト生地の上に、バニラムースとグリオット(スリーズ(さくらんぼ)の1種)のコンフィチュール(シロップ煮)をのせたお菓子です。


【フロマージュブランとパイナップルライムのムース】

(フロマージュブランとパイナップルライムのムース)
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 クッキー生地の上にフロマージュブラン(白いクリーム状のチーズ)、パイナップル、ライムのムースがのせられたお菓子です。


【マカロン・イスパハン】

(マカロン・イスパハン)
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 ローズの香りを効かせたラズベリーバタークリームをサンドした赤いマカロンです。

 マカロンはマリーアントワネットが暮らしたヴェルサイユ宮殿と関わりが深いお菓子でもあります。


スイーツビュッフェ2皿目

 続いてスイーツビュッフェ2皿目を御紹介します。

(スイーツブッフェ(2皿目))
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【ブレッド&バタープディング】

(ブレッド&バタープディング)
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 パンにカスタード液をたっぷりと含ませて焼いたお菓子です。

 フランスのパンペルデュ(フレンチトースト)に似ています。


【カモミールマドレーヌ】

(カモミールマドレーヌ)
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 ジャーマンカモミール入りのマドレーヌです。

 マドレーヌはフランスを代表するホタテ貝の形をしたお菓子で、カモミールもフランスでは馴染み深いハーブの1つです。


【カップケーキ】

(カップケーキ)
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 レモン入りのカップケーキで、パッション風味のクリームがのせられています。

 このカップケーキや先のマドレーヌにのせられた紫色のスミレの花は、ハプスブルク家王妃・エリザベートが好んだ花でもあります。


【ライチグアバゼリー】

(ライチグアバゼリー)
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 ライチがトッピングされたグアバのゼリーです。


【レモンバーベナ・エメルード】

(レモンバーベナ・エメルード)
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 明るいライムグリーン色をしたレモンバーベナのソースがかけられたパンナコッタです。


【ストロベリークロワッサン】

(ストロベリークロワッサン)
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 ミニクロワッサンにストロベリーチョコレートがコーティングされた菓子パンです。


【ピンクチョコレートファウンテン(バウムクーヘン)】

(ピンクチョコレートファウンテン(バウムクーヘン))
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 一口大のバウムクーヘンを竹串に刺し、ピンクチョコレートの滝にくぐらせてコーティングしたお菓子です。


マリーアントワネット アンティークケーキとブレンドティー

 数々のお菓子を楽しんでいると、テーブル席に特別なケーキが運ばれてきました。

(マリーアントワネット アンティークケーキ)
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 マリーアントワネット アンティークケーキです。

 マリー・アントワネットに献上されたケーキを再現したお菓子で、ヴェルサイユのリンゴとバラのエッセンスが使用されています。

 「ニナス(NINA’S)」の紅茶「マリーアントワネットブレンド」と一緒にいただきました。

(マリーアントワネットブレンドティーのティーバッグ)
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 ニナスの紅茶(ティーバッグ)が何種類か用意されていましたが、一番人気はやはり「マリーアントワネットブレンド」でした。

(マリーアントワネットブレンドティー)
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 ティーカップもこのピンク色が一番人気でした(笑)


ビスキュイ・ド・サヴォワとマリーアントワネットが好んだクグロフ

 厨房に面白い案内板が掲げられていました。

(「ビスキュイをお食べなさい」)
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 「ビスキュイをお食べなさい」

 御命令ですから、是が非でも食べなければなりません(笑)

 「ビスキュイ(biscuit)」は「別立て(卵黄と卵白を別々に泡立てる製菓法)」で作られたスポンジ生地(ケーキ)のことで、ビスケットの語源にもなっています。

 サヴォワ地方の伝統的な焼き菓子です。

 厨房の奥にはビスキュイ・ド・サヴォワとクレームシャンティイ(生クリーム)が用意されていました。

(ビスキュイ・ド・サヴォワとクレームシャンティイ)
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 注文を受けてからクグロフ型のケーキをカットし、生クリームを添えて提供される方式でした。

(ビスキュイ・ド・サヴォワ)
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 ビスキュイに生クリームとバラのクリームが添えられています。

 シフォンケーキのような軽い食感のケーキで、クリームを添えるとより美味しくいただけました。

 ちなみに、ビスキュイの生地に牛乳、バター、洋酒、ドライフルーツ、アーモンドなどを加え、よりリッチなケーキに仕上げたものが「クグロフ」です。

 マリーアントワネットの故郷・オーストリアの郷土菓子でもあるクグロフは、マリーアントワネットとともにフランスに伝えられたとされます。

 マリーアントワネットが好んだとされるお菓子・パン(クグロフ、キッフェルン、ブリオッシュ)の1つです。


ローストポークハムサンドとニース風サラダ

 立て続けに甘いものを食べたので、次第に食べるペースが遅くなってきました。

 私:「マリーアントワネット王妃、こういう場合はどうすればよろしいでしょうか?」

 マリーアントワネット:「お菓子が食べられなければ、パンを食べればいいじゃない」

 というわけでパンとサラダをいただきました。

(ジャンボンブール風ハニーマスタードローストポークハムサンド・鮪のニース風サラダ)
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 ジャンボンブール風ハニーマスタードローストポークハムサンドは、ジャンボンブール(ハムとバターのサンド)にチーズ、ハニーマスタード、レタスなどを加えたバゲットサンドです。

 鮪のニース風サラダは、レタス、ゆで玉子、鮪(ツナ)、オリーブなどをドレッシングで軽く混ぜ合わせた料理です。


スイーツビュッフェ(3皿目)

 スイーツビュッフェ3皿目です。

(スイーツブッフェ(3皿目))
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 さすがに取ってくるお菓子の数が減っています(笑)


【シャポーブラン】

(シャポーブラン)
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 ココナッツムースの中に、マンゴーとパッションフルーツのジュレがサンドされた軽い口当たりのケーキです。

 マリーアントワネットの白い帽子(シャポーブラン)をイメージしたケーキです。

(白い帽子とネックレス)
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【プティブーケ】

(プティブーケ)
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 プティブーケ(小さな花束)のようにバラやチョコレートの花びらが飾られたケーキです。

 ブラッドオレンジのジュレが挟まれています。


【桃とローズのムース】

(桃とローズのムース)
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 クッキー生地の上に、桃とローズのムースが盛られたお菓子です。


ストロベリーアイスクリームとムラング

 厨房のアイスクリームコーナーでストロベリーアイスクリームを注文しました。

(ストロベリーアイスクリームとムラング)
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 アイスクリームはバニラ・チョコレート・ストロベリーの3種類、ソースはマンゴーとベリーの2種類が用意されていました。

 「ここまで来たら、とことんピンクと赤にこだわろう」と、ストロベリーアイスとベリーソースの組み合わせにしました。

 ムラング(メレンゲの焼き菓子)まで鮮やかな赤色でした。


まとめ

 改めて、今回いただいたお菓子・軽食・ドリンクを数えてみると、お菓子が20種類、軽食がサンドイッチとサラダで各1種類、ドリンクが紅茶1種類とコーヒー1種類(2杯)でした。

 数か月分のお菓子を一気にいただいた感じです(笑)

 かつてマリーアントワネットが愛したベルサイユ宮殿の離宮「プチ・トリアノン」に招かれたような、夢のようなひとときでした。


<関連サイト>
 「ヒルトン広島」(広島市中区富士見町11-12)
 「ニナス マリーアントワネット」(フランスの紅茶ブランド)

<関連記事>
 「イエズス会士書簡集とマリーアントワネット -東洋文庫 オリエント・カフェの文庫ランチ-
 「ハプスブルク家皇妃 エリザベートとスミレ -美容とダイエットの先駆者-

<参考文献>
 池上俊一「お菓子でたどるフランス史」岩波ジュニア新書
 安達正勝「マリー・アントワネット」中公新書
 21世紀研究会「食の世界地図」文春新書

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コメント

マリーアントワネットが「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」と言ったのはウソ!
と言うのはホントでしょうか?
フランスの大統領といえばマクロン、フランスのお菓子といえばマカロンでございますね(^.^)
デザートといえばオーストリアも有名ですが、おフランスとの違いはなんでしょうか?
マリーアントワネットがフランスに持ち込んだお菓子とかはあるのでしょうか?
オーストリアではウィンナーコーヒーをウィンナーコーヒーとは呼ばない事は知っていますが(^。^)

なーまん 様

なーまんさんこんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

今回の「お菓子が食べられなければ、パンを食べればいいじゃない」は完全にウソですが、有名な「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」もウソの可能性が高いようですね。
ただ一説では、「ケーキはブリオッシュのことで、小麦が十分獲れない北部では小麦の代わりにバターをたっぷり使ったパン(ケーキ)を食べればいいじゃない」という意味での発言だったという話も聞いたことがあります。

「マクロン」と「マカロン」、言われてみれば確かに(笑)よく思い付かれますね!

おフランスの菓子・料理は、イタリアやオーストリアなどから伝わったものも多いようです。
クロワッサンやブリオッシュはフランスのパンというイメージが強いですが、もとはオーストリアから伝わったようです。
マリーアントワネットがフランスに伝えたという説もあるほどです。
クグロフ、キッフェルン、ブリオッシュ…このあたりはマリーアントワネットが故郷(オーストリア)の味として食べていたようです。

ウィンナーコーヒー、手元の本では「アインシュペナー」と呼ばれるとありますが、ウィンナーコーヒーの方が馴染みがありますね。
大人になって、ウィンナーコーヒーはウィンナー入りのコーヒーじゃないことを知った時は、新鮮な驚きでした(笑)

色使いが女子向きというか…
男性はターゲットになってなさそうなイベントですね。
血糖値が爆上がりしそうで心配になります(笑)
こんなに甘い物ばっかりで飽きないのかなと思っていたら、パンとサラダが出てきてホッとしました(^^;)

chibiaya 様

chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

全体の色合いがピンクと赤、そして白でまとめられていて、味はイチゴ、桃、バラが中心でした。
確かにお客さんの9割以上が女性でした。
お菓子や装飾品を熱心に写真を撮っていた男は私ぐらいでした(笑)
私は日曜日の15時~17時に参加しましたが、20種類以上食べると、さすがに夕食はほんの少ししか食べられませんでした。
これだけ食べれば血糖値も相当上げたと思います(笑)
一度にたくさんのお菓子を食べた経験がなく、終盤はどれも同じような味に思えてきました。

マリーアントワネットにまつわるいろんなお菓子を食べたいという強い思いがあったので、これだけの種類・量を残さず食べられたのだと思います。

食後しばらくはお腹いっぱいで大変でしたが、良き思い出になりました(^^♪

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