北海道の食文化探訪1 -北広島市と広島のつながり・「くるるの杜」の農村レストラン・農畜産物直売所-
広島から北海道へ
2023年3月中旬に北海道を訪問しました。
広島空港から飛行機(直行便)で新千歳空港へ向かったのですが、新千歳空港に着陸寸前に眼下に雪景色が広がっている光景を見て、とても驚きました。
新千歳空港駅のみどりの窓口できっぷを購入し、北海道内を鉄道で移動することとしました。
新千歳空港駅構内には記念撮影スポットがありました。
(新千歳空港駅構内・記念撮影スポット)
北海道の面積は、関東から関西までが入るぐらいの大きさで、とても広いことがわかります。
その分、北海道内の移動距離は長いので、それを念頭に移動プランを計画する必要があります。
北広島市と北広島駅の紹介
新千歳空港駅から快速エアポートに乗って、北広島駅へ向かいました。
北広島市は、その名のとおり広島とのつながりが深い街で、そのつながりは明治17年(1884年)に広島県人25戸・103人が集団移住し、開拓されたことに始まります。
北広島市内には「開拓記念公園」や「平和の灯公園」など、広島との交流の歴史を物語る数々の施設やモニュメントがあります。
そんな広島とのつながりが深い北広島市は、いつか訪れてみたい街の1つでした。
3月の雪景色が物珍しく、電車の車窓からキョロキョロ外を眺めているうちに、快速エアポートは北広島駅に到着しました。
(北広島駅ホームと列車)
改札を出て、しばらく北広島駅周辺を歩いてみました。
(北広島駅出入口)
防寒対策だと思いますが、駅出入口の扉が開放されてない様子も新鮮でした。
(北広島駅)
北広島駅は北海道日本ハムファイターズの新球場(北海道ボールパークFビレッジ・エスコンフィールド北海道)の最寄り駅です。
訪問時は新球場のオープン直前だったこともあり、駅構内は新球場の話題で盛り上がっていました。
北広島駅構内にある福祉ショップ「ふゆーる」でお土産としてクリアファイルを購入しました。
(北広島市クリアファイル(北海道米・まいピー))
北広島市は、寒冷な北海道で初めて稲作に成功した「北海道米発祥の地」です。
寒さに強い「赤毛種」と呼ばれる稲が使われました。
イメージキャラクター「まいピー」の「まい」には「米」、「ピー」には「ピース(平和)」の意味が込められています。
ホクレン「くるるの杜」の農村レストラン
北広島駅から路線バスに乗り、北広島市大曲にある「くるるの杜(もり)」を訪問しました。
(くるるの杜)
3月中旬でしたが、まだ雪で真っ白でした。
広い構内を歩き、農村レストランへ向かいました。
(もりのかふぇと農村レストラン)
写真手前(中央)の建物が「もりのかふぇ(多目的ハウス)」、写真左奥の建物が「農村レストラン」です。
こんなに雪が積もっていると、もうそれだけでワクワクして、雪に向かって飛び込みたい衝動を抑えるのに必死でした(笑)
(農村レストラン)
農村レストランに到着しました。
こちらのレストランでは、北海道の新鮮な農畜産物をブッフェ方式でいただくことができます。
受付を済ませ、広々としたレストランで北海道の食を味わいました。
北海道産食材を使った様々な料理が用意されていました。
「さすが北海道!」
どれにしようか悩みながら、プレートに料理を盛り付けました。
(ランチブッフェ)
いろんな料理をちょっとずつ、欲張った盛り付けです(笑)
(ランチブッフェ(プレート))
それぞれの料理を簡単に御紹介したいと思います。
【里芋とゆで玉子のマヨネーズ和え】
「里芋とゆで玉子のマヨネーズ和え」です。
(里芋とゆで玉子のマヨネーズ和え)
一口大に切った里芋と、細かく刻んだゆで玉子をマヨネーズで和えた料理です。
ジャガイモならポテトサラダですが、里芋のねばりやホクホクとした食感が生かされた一品でした。
【ピクルス】
野菜の「ピクルス」です。
(ピクルス)
キュウリ、大根、人参、パプリカ、玉ねぎを甘酢で漬けたもので、甘酸っぱさとシャキシャキ感が楽しめました。
【青菜とブナシメジのおかか和え】
「青菜とブナシメジのおかか和え」です。
(青菜とブナシメジのおかか和え)
キャベツや白菜などの青菜とブナシメジをさっと加熱し、鰹節を和えた料理です。
鰹節の旨味が野菜の美味しさをより一層引き立てていました。
【十勝産ジャガイモのコロッケ】
「十勝産ジャガイモのコロッケ」です。
(十勝産ジャガイモのコロッケ)
ザックリと粗めに潰したジャガイモにパン粉を付けて揚げたコロッケです。
挽き肉などは入っておらず、シンプルに十勝産ジャガイモだけで作られたコロッケでした。
ジャガイモのホクホク感と甘味が味わえる一品でした。
【大根と人参の煮物】
「大根と人参の煮物」です。
(大根と人参の煮物)
大根、人参、牛肉、玉ねぎを醤油で上品に味付けた煮物でした。
【チャプチェ】
韓国料理の「チャプチェ」です。
(チャプチェ)
牛肉、春雨、パプリカ(ピーマン)、人参、椎茸などをすき焼き風に醬油で甘辛く炒めた料理でした。
【十勝産ジャガイモのじゃがバター】
「十勝産ジャガイモのじゃがバター」です。
(十勝産ジャガイモのじゃがバター)
ジャガイモが熱いうちにバターを溶かした北海道の代表的な料理の1つです。
【小松菜とエノキダケの玉子とじ】
「小松菜とエノキダケの玉子とじ」です。
(小松菜とエノキダケの玉子とじ)
フワフワの玉子の中に、エノキダケと小松菜がたっぷりとじられていました。
【コーンのかき揚げ】
「コーンのかき揚げ」です。
(コーンのかき揚げ)
北海道産トウモロコシの粒をかき揚げにしたものです。
かき揚げにすることでトウモロコシの甘味が凝縮されていました。
【ポトフ】
北海道産の野菜を使った「ポトフ」です。
(ポトフ)
人参、玉ねぎ、キャベツ、ジャガイモ、赤い大根(紅くるり)、ブナシメジなどがじっくりコトコト煮込まれていました。
【サラダ】
北海道産野菜と豆の「サラダ」です。
(サラダ)
レタス、小松菜、キュウリ、サツマイモ、大根(紅くるり)、煮豆を盛り付けてみました。
「紅くるり」はビーツのような赤い大根です。
北海道で小松菜(東京)やサツマイモ(鹿児島)も作られていることに少し驚きました。
【ラーメン】
醤油味の「ラーメン」です。
(ラーメン(ゆめちから))
麺は北海道産小麦「ゆめちから」で作られています。
地元の小麦粉を使った麺料理として、うどんではなくラーメンが提供されるところが北海道ならではです。
弾力があり、シコシコした食感の麺でした。
【デザート】
デザートとして、北海道産リンゴ、カスタードプリン、サツマイモバターケーキ、アイスクリーム2種、白玉しるこをいただきました。
(デザート)
アイスクリームは「ぶどう」(赤色)と「えびすかぼちゃ」(黄色)です。
サツマイモと同様、北海道でカボチャが栽培されているというのは意外でしたが、恵庭市などで栽培されているようです。
小豆が好きな私は、十勝産小豆のおしるこが味わえたことが何よりの幸せでした。
【北海道牛乳】
期間限定で「北海道牛乳飲み比べ(酪農家応援フェア)」が実施されていました。
(北海道牛乳飲み比べ(酪農家応援フェア)案内)
「北海道の酪農家さんを応援しよう!」をテーマに、北海道各地の牛乳の飲み比べができるイベントでした。
私が訪問した日は、中標津(なかしべつ)産、十勝産、別海(べつかい)産の3種類の牛乳が牛乳パックで用意されていました。
ただ…私は牛乳が全く飲めないので、フェアの御紹介だけとさせていただきます。
ごめんなさい。
訪問した日は金曜日(平日)でしたが、レストランの150席がほぼすべて埋まるぐらいの人気でした。
グループでランチを食べに来られている方々も多く見かけました。
地元にお住まいで、自動車で来られている方が多く利用されている様子でした。
くるるの杜・農畜産物直売所
レストランでの食事を済ませ、近くの農畜産物直売所へ行きました。
このお店には、北海道内から集められた様々な農畜産物や加工品、そしてお土産品が販売されています。
特にジャガイモは幻の品種やレアな品種も販売されていました。
私は加工品や総菜、お土産品を購入しました。
(くるるの杜・農畜産物直売所での購入品)
写真右上から時計回りに、どら焼き「きたろまん」、あんパン「ゆめちから」、かぼちゃもち、そして「丘のおかし とうきび」です。
どら焼きは、小豆「きたろまん」をはじめ、小麦、砂糖(甜菜)、卵、米がすべて北海道産です。
千歳市のお菓子店「もりもと」と「ホクレン(農業協同組合連合会)」のコラボレーション商品で、「麦チェン!北海道」(外国産小麦を道産小麦にチェンジする運動)にも取り組まれています。
あんパン「ゆめちから」は、北海道産小麦「ゆめちから」が使われたあんパンです。
「北ひろしま福祉会」で製造されています。
クリアファイルで御紹介した北広島駅構内にある福祉ショップ「ふゆーる」でも、この「北ひろしま福祉会」のパンがたくさん販売されていました。
かぼちゃもちは、北海道の郷土料理「いももち」・「じゃがいももち」をベースに、かぼちゃを練り込んだお餅です。
じゃがいものデンプンにより、粘りとモチモチ感が出て、お餅になっています。
じゃがいももちとセットで販売されていました。
(かぼちゃもち)
カボチャとジャガイモを茹でて潰し、デンプンを加え、お餅の形に整えて、油脂で両面をこんがりと焼いたものです。
(かぼちゃもち(中身))
割と弾力があり、その食感は「さつま揚げ」に似ていると思いました。
ほんのり甘いお餅でした。
「丘のおかし とうきび」は、美瑛(びえい)産とうきび(スイートコーン)をフリーズドライにしたお菓子です。
美瑛町農業協同組合が販売される商品で、地元(美瑛町)か新千歳空港のショップ「美瑛選果」でしか入手できないと思っていたのですが、ここ「くるるの杜」でも販売されていたので購入しました。
原材料はとうきびだけで、とうきび本来の甘味を味わうことができました。
まとめ
北広島市を訪問したことにより、広島からの移住者の歴史を学び、ここが北海道の稲作の発祥地であることを知り、北海道の様々な食を味わい、新しくできた北海道ボールパークFビレッジ・エスコンフィールド北海道を見ることが出来ました。
北広島市の花は「つつじ」、木は「かえで」ですが、実は北広島市の姉妹都市・東広島市(広島県)の花も「つつじ」、広島県の木・花も「もみじ(かえで)」であり、このことからも広島との強い結びつきが感じられました。
こうした歴史的・文化的背景を踏まえると、北広島市のエスコンフィールドで開催されるセ・パ交流戦「北海道日本ハムファイターズ対広島東洋カープ」も、他の交流試合とは違う特別な価値があるように思います。
<関連サイト>
「北海道米のルーツ・赤毛」(「きたひろ農学校」北海道北広島市)
「くるるの杜」(北海道北広島市大曲377-1)
「麦チェン!北海道」(北海道農政部生産振興局農産振興課)
「北ひろしま福祉会 販売部門」(北海道北広島市朝日町2-6-9)
「美瑛選果」(美瑛本店・新千歳空港店)
「北海道ボールパークFビレッジ」(北海道北広島市Fビレッジ)
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私だったら「広島から北広島へキター」と言って、現地の皆様に寒い思いをさせると思いますが、
きっと北広島の皆様はあたたかく迎えてくださるでしょうね ^o^
里芋とゆで玉子のマヨネーズ和えは想定外でしたが、里バターも試してみたいですね ^ ^
十勝産ジャガイモのコロッケは王道という気がしますが、コーンのかき揚げも美味しそう(^_^)
投稿: なーまん | 2023年6月11日 (日) 15時24分
北海道が大きいのは知っていましたが、こんなに大きいとは思いもしませんでした。
新幹線もないし、鉄道も乏しいし、縦断もしくは横断しようと思ったら大変だ~…
ブッフェのその細かい区分けのお皿、いろいろ食べたい人にうってつけですね。
ジャガイモ好きの私としてはコロッケとジャガバターばっかり食べるかも(笑)
投稿: chibiaya | 2023年6月11日 (日) 17時58分
なーまん 様
なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
北広島市の方が広島市へ来られて「来た広島市」と言われるのと同じ感覚ですね(笑)
当日、まだ雪が積もってましたが、店内は店員が半袖で過ごされるほど暖かく、そして温かいおもてなしを受けました。
ちなみに、広島市の北には「北広島町」もあります。
ジャガイモとバターで「じゃがバター」、里芋とバターで「里バター」ですか(笑)
いつもながら、お見事な発想です。
「里芋もち」とかあったら、それだけでお腹いっぱいになりそうです。
コーンのかき揚げは、粒々コーンがぎっしり入っていて、今回いただいた料理の中でトップクラスの美味しさでした。
十勝産ジャガイモのコロッケも、挽き肉とか入れたらもったいないレベルでした。
やはり、こうした料理が北海道らしくて魅力的ですよね!
投稿: コウジ菌 | 2023年6月11日 (日) 19時06分
chibiaya 様
chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
私の旅は、タイトなスケジュールを組んで、あちこち移動して…というパターンが多いのですが、北海道はとても広く、交通手段や便数も限られるので、それが難しいことがわかりました。
道内を飛行機で移動というのも普通ですし、列車なら特急列車が中心となります。高速バスで夜行便を使う手段もあります。
ブッフェの小分けプレート、今回御紹介した料理以外にもたくさん料理が御用意されていたので、少しずついただくには良いお皿でした。
もし、ブログ記事を書くことを想定せず、好きなものだけ食べることとした場合、私も十勝産ジャガイモのコロッケとじゃがバター、そしてコーンのかき揚げを山盛りにして食べると思います(笑)
肉料理はチャプチェやカレーぐらいで、野菜料理を中心に用意されていましたが、野菜料理だけで十分と思うぐらい、野菜が新鮮で美味しかったです。
いつもながら、食べ過ぎました…(笑)
投稿: コウジ菌 | 2023年6月11日 (日) 19時27分