« 広島のレモン菓子・レモンケーキ21 -「ひろしまんきつフェア」宮島レモンクリーム大福・4種の生レモンケーキ- | トップページ | アイヌの食文化研究2 -トノト・チタタプ・オハウ・チポロシト・鮭(ルイベ)・ヒグマ・合鴨・エゾシカ・プクサ・シケレペ・エント- »

2023年8月 6日 (日)

北海道の食文化探訪4 -宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼・稚内駅弁「四大かに弁当」-

 今回は日本最北の地・北海道稚内の魅力を御紹介します。

特急宗谷で稚内へ

 朝、札幌駅から特急「宗谷」に乗り、稚内駅を目指しました。

(札幌駅・9番線)
Photo_20230806113901

 札幌駅と稚内駅を結ぶ特急宗谷は、1日1往復運行されています。

(特急宗谷・運転室)
Photo_20230806113902

 特急宗谷の運転室です。

 ヘッドマークには、北海道北部の地図がデザインされています。

(特急宗谷・261系ロゴマーク(4号車ドア付近))
Photo_20230806114001

 こちらは特急宗谷・261系のロゴマークです。

 私は4号車(自由席車両)に乗車しました。

 やがて発車時刻の7時30分を迎えた特急宗谷は、ゆっくりと札幌駅を出発しました。

 片道(営業キロ)396.2km、所要時間5時間12分の列車旅の始まりです。

 今回私が利用したきっぷは「ANAきた北海道フリーパス」です。

(ANAきた北海道フリーパス)
Photo_20230806114401

 ANAとJR北海道の共同企画きっぷで、新千歳空港駅のみどりの窓口でANA搭乗券を提示することで購入できます。

 広島空港-新千歳空港間はANA直行便で、新千歳空港から先の北北海道エリアは「ANAきた北海道フリーパス」を利用して鉄道で北海道旅行を楽しみました。

 自由席には大勢の人が乗車されていましたが、旭川駅で下車される人が多く、旭川駅から先は余裕をもって座ることができました。

 旭川から先は、北海道の大自然(山林と河川)の中を北上しました。

 途中の音威子府(おといねっぷ)駅には、木で作られた蒸気機関車が展示されていました。

(音威子府駅ホーム)
Photo_20230806114402

 山林を走るため、特急宗谷は途中何度も野生の鹿に遭遇して、急ブレーキをかけていました。

 そしてその都度、遅れが発生してしまいます(笑)

 その後も特急宗谷は美しい天塩川沿いに北上を続けました。

 車窓から景色を眺める、本を読む、スマホを見る、うたた寝をするを繰り返すうち、特急宗谷は稚内駅に到着しました。

(稚内駅に到着した特急宗谷)
Photo_20230806114601

 何度も野生の鹿が出没した影響で約20分の遅れが生じ、約5時間30分かかりましたが、これも旅の良い思い出です。


日本最北端の地・宗谷岬

 稚内駅からは宗谷バス・天北宗谷岬線に乗り、日本最北端の地・宗谷岬を目指しました。

(宗谷バス・天北宗谷岬線)
Photo_20230806114701

 稚内駅から宗谷岬までは約30km、バスで約50分と意外に距離があります。

 乗客の多くは宗谷岬を目指す観光客でした。

 そして日本最北端の地・宗谷岬に到着しました。

(日本最北端の地の碑)
Photo_20230806114702

 日本最北端の地の碑です。

(間宮林蔵の立像)
Photo_20230806114801

 近くに江戸時代に樺太に渡った探検家・間宮林蔵の立像もありました。

 なぜ正面を向いてないのでしょうか…。

(間宮林蔵の立像と日本最北端の地の碑)
Photo_20230806114901

 なるほど、北を向いているのですね。

(宗谷岬沖)
Photo_20230806114902

 宗谷岬というと、その先は絶壁で荒波の海を想像していたのですが、実際は遠浅の穏やかな海が広がっていました。

(「宗谷岬」音楽碑)
Photo_20230806115001

 「宗谷岬」の歌もあります。
 この歌も、春を迎えた穏やかな宗谷岬の様子が歌われています。

(日本最北端の土産店「柏屋」)
Photo_20230806115101

 近くに日本最北端のおみやげ店がありました。

 背後の小高い丘に登ってみました。

(大岬旧海軍望楼)
Photo_20230806115201

 写真の「大岬旧海軍望楼」は、1902(明治35)年に建設されたロシアとの国境の監視所の遺構です。

(宗谷岬灯台)
Photo_20230806115301

 こちらは宗谷岬灯台です。
 雪の中でも見えやすいように、赤と白のツートンカラーになっています。


宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼

 再び宗谷バスに乗り、稚内の市街地へ戻りました。

 バス停・港1丁目で下車し、稚内副港市場へ行きました。

(稚内副港市場)
Photo_20230806115501

 この施設に併設されている「稚内市樺太記念館」で樺太の歴史を学びました。

 その後、稚内駅へ向かって海沿いを歩きました。

(稚内港)
Photo_20230806115601

 岸壁に係留する船を見ながら歩いていると、飲食店を見つけました。

(うろこ亭)
Photo_20230806115701

 「海鮮炉端 うろこ亭」(うろこ市)です。

 稚内の食材を使った料理を提供されているお店だったので、このお店で食事することとしました。

 稚内は、漁獲量日本一を誇るホッケやミズダコをはじめ、海藻の「銀杏草」、もずく、カニ、ホタテ、ウニ、宗谷黒牛、勇知いも、稚内牛乳などがそろう食の宝庫です。

 料理も、タコしゃぶ、宗谷黒牛のステーキやハンバーグ、炒麺(チャーメン)、ラーメンなど魅力ある料理がいっぱいです。

 「うろこ亭」にも、稚内の食材が使われたたくさんの料理が用意されていましたが、私はその中から「宗谷黒牛」のステーキ丼をチョイスしました。

 「うろこ亭」は海鮮料理店ですが、地元の宗谷黒牛も味わうことができます。

(宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼(セット))
Photo_20230806115901

 こちらが「宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼」です。

 海の幸がたっぷり入ったみそ汁と小鉢、漬物がセットになっています。

(宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼)
Photo_20230806132201

 宗谷黒牛のステーキ1枚がどーんとのせられています。

 やわらかい肉で、適度な霜降りもあり、とてもジューシーでした。

 お店の方に宗谷黒牛のお話を伺いました。

 宗谷黒牛は宗谷の海に近い、海底が隆起してできた「宗谷丘陵(北海道遺産)」にある牧場で育てられているそうです。

 牧場の草を食べ、潮風にあたりながら、すくすくと育った牛なのだとか。

 「そうや、だから旨いんや!」と納得しました。

 北海道には様々な北海道和牛が飼育されており、「にくのくに北海道」として全国に発信されています。

(北海道和牛マップ)
Photo_20230806143401
 (ホクレン農業協同組合連合会「GREEN」No.315から一部引用)

(にくのくに北海道)
Photo_20230806133401
 (ホクレン農業協同組合連合会「GREEN」No.315から一部引用)

 上から読んでも下から読んでも「にくのくに」。

 お肉は必ず両面を焼くからという意味も込められているそうです(笑)

 お店を後にし、少し歩いた場所から稚内港北防波堤ドームを眺めました。

(稚内港北防波堤ドーム)
Photo_20230806133601

 映画のロケ地やCM撮影地に選ばれるほど美しい建築物で、北海道遺産にも指定されています。


稚内駅・四大かに弁当

 夕方、稚内駅に戻ってきました。

(稚内駅)
Photo_20230806134201

 再び特急宗谷に乗り、日帰りで札幌に戻ります。

(稚内駅発車時刻案内板(特急宗谷))
Photo_20230806134202

 特急宗谷が稚内駅ホームに入線してきました。

(稚内駅・最北端の線路)
Photo_20230806134301

 ここから日本の鉄道の線路は南へ延びています。

 自由席に乗車し、再び5時間超えの旅が始まりました。

 札幌駅22時56分着なので、車内で夕食をいただきました。

 夕食は、稚内駅に隣接する地域交流・観光施設「キタカラ」のショップ&グルメコーナーで販売されていた駅弁「四大かに弁当」です。

(四大かに弁当(包装))
Photo_20230806134501

 北海道の4種のカニを食べ比べることができる豪華な駅弁です。

(四大かに弁当)
Photo_20230806134601

 それぞれのカニをいただきました。

(たらばがに)
Photo_20230806134801

 「たらばがに」は、白くてしっかり太めの身が特徴です。

 シャキシャキした食感で、食べ応えがありました。

 ずわいがにとよく似た味だと思いました。

(花咲がに)
Photo_20230806134901

 「花咲がに」は、濃い褐色の身で、カニの風味がとても濃厚でした。

 4種のカニの中でもっとも深いコクを感じました。

(毛がに)
Photo_20230806135001

 「毛がに」は、黄色味を帯びた糸のように細い身が特徴です。

 細かい身ですが、コクがあり、しっかりと存在感のある味でした。

(ずわいがに)
Photo_20230806135101

 「ずわいがに」は、上品な白い色とまとまった身が特徴です。

 カニの風味がとても良いのが印象的でした。

 北海道ならではの、カニづくしの駅弁をいただくことができました。


 やがて特急宗谷は旭川駅に到着し、この駅で大勢のお客さんが乗車されました。

 残り約137km。特急宗谷は終点・札幌駅へ向け走りました。

 そして23時近くに無事、札幌駅に到着しました。

(札幌駅に到着した特急宗谷)
Photo_20230806140101

 往復で約800km、11時間近く特急宗谷に乗車しました。

 稚内の滞在時間は約5時間30分でしたが、その倍の時間をかけて列車で移動したこととなります。

 それでも、それだけの時間を費やす価値が十分にありました。

 また機会があれば訪問したいです。


<関連サイト>
 「The Wonders of WAKKANAI(WOW!) 稚内の楽しみ方50」(わっかない観光活性化促進協議会)
 「稚内副港市場」(北海道稚内市港一丁目6-28)
 「稚内市樺太記念館」(北海道稚内市港一丁目6-28)
 「うろこ亭」(北海道稚内市中央五丁目6-8)
 「にくのくに北海道」(ホクレン農業協同組合連合会)
 「キタカラ」(北海道稚内市中央三丁目6-1)

<参考文献>
 わっかない観光活性化促進協議会「稚内公式ガイドブック The Wonders of WAKKANAI(WOW!) 稚内の楽しみ方50」
 わっかない観光活性化促進協議会「稚内市 すみっこ観光MAP」
 「GREEN No.315(2023冬号)」ホクレン農業協同組合連合会

« 広島のレモン菓子・レモンケーキ21 -「ひろしまんきつフェア」宮島レモンクリーム大福・4種の生レモンケーキ- | トップページ | アイヌの食文化研究2 -トノト・チタタプ・オハウ・チポロシト・鮭(ルイベ)・ヒグマ・合鴨・エゾシカ・プクサ・シケレペ・エント- »

日本各地の食文化」カテゴリの記事

コメント

さすがデッカイどー北海道!
片道400Kmというと、ウチから大津に行く位!もう少しで京都(・_・)
一日一往復というのも納得です!
吉田拓郎が作曲して演歌歌手の森進一が歌ったのが襟裳岬で、船村徹が作曲してフォーク歌手のダ・カーポが歌ったのが宗谷岬!
間違いありませんか?自信ありません!平成生まれなもので(^.^)
「海鮮炉端 うろこ亭」で宗谷黒牛のステーキとは意外ですが、晩御飯が四大かに弁当なら納得のチョイスですね!

なーまん 様

なーまんさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

北海道は本当に広いですね。なーまんさんの御自宅からだと、大津あたりなんですね。
あっ、もしかしてこれは…と私も広島から大津へ行く距離を計算すると、390.6km!
ウチからも大津へ行くぐらいです(笑)

「襟裳岬」って吉田拓郎さん作曲なんですね。
「唇をかみしめて」のような味のある広島弁を歌うイメージがあるだけに、意外でした。
宗谷岬の歌は、今回初めて知りました。
森進一さんの「襟裳岬」のような歌をイメージしていたのですが、ダ・カーポさんが軽快に歌われているので、こちらも意外でした(^^ゞ

海鮮炉端の店で宗谷黒牛はどうよ?と思われたでしょうが、稚内でランチタイムを外した時間帯に目当ての料理を食べるのはかなり難しい状況でした。
本当は「炒麺(チャーメン)」というあんかけそばなども食べたかったのですが、早めに終了されたり、夜だけのお店も多かったです。
なので、開いているお店を見つけた瞬間、せっかくだからと豪勢に宗谷黒牛の丼をいただきました(笑)

涼しげな写真をありがとうございます(笑)
片道5時間の日帰りとは、なかなか強行スケジュールですね。
春日部からだと名古屋辺りが400キロ。
でも新幹線のおかげで3時間もあれば着いちゃう。
北海道を鉄道で旅しようと思ったら、時間に余裕がないといろいろ大変そう(^^;)
北海道の牛は乳牛のイメージが強いですが、肉牛もいろいろいるんですね(笑)

chibiaya 様

chibiayaさん、こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

涼しんでいただけたなら良かったです…って、ただ単に掲載の季節がズレているだけなんですけどね(笑)
メディアの影響からか、埼玉は広島より暑そうなイメージがあります。
片道5時間超かけてまで稚内へ行こうと思った理由は、フリーパスで最遠の地まで行ってみたいという気持ちと、こういうきっかけでもなければ、稚内へは一生行かないかも知れないという気持ちがあったからです。
春日部からだと名古屋辺りまでで400kmですか。
新幹線ならともかく、特急列車で名古屋まで行き、日帰りで帰ることを想像すると、かなり大変そうです(笑)

旅になると分刻みでいろんなところへ行きたくなるのですが、北海道は広く、交通機関も限られるので、プランを立てるのがとても難しかったです。
その結論が、札幌を拠点に移動するのが効率が良いということでした。

北海道は近年、肉牛の振興にも力を注いでおられるようです。
そのうち、ジンギスカンや焼き鳥(豚肉)と同様に、北海道和牛が全国区で有名になるかも知れませんね。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 広島のレモン菓子・レモンケーキ21 -「ひろしまんきつフェア」宮島レモンクリーム大福・4種の生レモンケーキ- | トップページ | アイヌの食文化研究2 -トノト・チタタプ・オハウ・チポロシト・鮭(ルイベ)・ヒグマ・合鴨・エゾシカ・プクサ・シケレペ・エント- »

最近のトラックバック

2025年1月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  
無料ブログはココログ